【徹底解剖!】マンション投資って実際どうなの?|失敗しないためのコツやメリット・デメリットを解説

「将来のためにマンション投資をやりたいけど、資金はどうすればいいの?」「マンション投資ってリスクが高そうで、不安!失敗したらどうしよう」などといった悩みを持つ方もいるのではないでしょうか。
不動産投資は、数ある投資のなかでも比較的始めやすいといわれており、仕組みがシンプルな資産形成手段です。きちんと基礎知識を身につけることで、マンション投資が自分に向いているか簡単に把握することができます。
そこで今回は、マンション投資の基礎知識をご紹介します。
マンション投資のメリットやデメリットのほか、失敗しないためのコツもあわせて解説しますので、不動産投資初心者の方はぜひチェックしてください。
- マンション投資の概要
- マンション投資は2種類
- 1棟マンション型
- 区分マンション型
- マンション投資で失敗しないために重要なこと3選
- 利回りにとらわれない
- 管理会社に任せきらない
- 物件がある地域を把握する
- マンション投資の5つのメリット
- 物件を分けて購入が可能
- サブリース契約で運用が楽
- 家賃収入で毎月収入が入る
- 生命保険の代用になる
- 節税の対策として使える
- マンション投資の6つのデメリット
- 物件が老朽化する
- 入居者が来ない
- 資金が必要
- 登記により個人情報が公開される
- 天災の危険性
- 瑕疵の危険性
- マンション投資の利回りの相場について
- 東京の賃貸住宅1棟(ワンルームタイプ)の利回りの期待値
- 主な政令指定都市賃貸住宅1棟(ワンルームタイプ)の利回りの期待値
- マンション投資の際にかかる費用
- マンションの購入代金
- さまざまな手数料
- 税金
- 管理にかかる費用
- マンション投資用のローンについて知っておくべきこと
- 不動産投資ローンと住宅ローンの違い
- 不動産投資ローンのメリット
- 不動産投資ローンのデメリット
- まとめ
マンション投資の概要
マンション投資とは、投資用のマンションを購入して住民を募り、家賃によって資産形成をおこなう長期的な投資方法のひとつです。
マンションを「買う・貸す・家賃を払ってもらう」というシンプルな仕組みであり、目に見える「物件」に対して投資をしていくため、投資初心者でもわかりやすい投資方法だといえます。
収益の柱は主に、以下の通りです。
- 家賃を得て利益を得る「インカムゲイン」
- 購入した投資用マンションを10~15年後に売却し、購入金額との差額で利益を得る「キャピタルゲイン」
マンション投資において「インカムゲイン」で利益を得るのか、「キャピタルゲイン」で利益を得るのかによって、細かな戦略が異なります。
したがって、マンション投資を始める際は、上記のどちらを目的とするのかを明確にしておく必要があります。
マンション投資は2種類
マンション投資とひと言で言っても、以下の通り2種類の手法があります。
- 1棟マンション型
- 区分マンション型
それぞれの違いを以下に簡単にまとめていますので、参考にしてみてください。
投資の種類 | 1棟マンション型 | 区分マンション型 |
---|---|---|
概要 | マンション1棟を購入し、オーナーになること | マンション1部屋を購入し、オーナーになること |
メリット |
|
|
デメリット | 初期費用が膨大にかかる | 1棟マンション型と比較して利益が少ない |
それぞれについて詳しくみていきましょう。
1棟マンション型
1棟マンション型とは、文字通りマンション1棟を購入してオーナーになる方法です。マンションの規模や部屋数にもよりますが、マンション1棟を購入するというハードルの高さや購入費用の膨大さから、初心者には敷居が高い投資方法というイメージがあります。
しかし、部屋数の分だけ入居者を募ればその分の家賃が定期的に入ってくるため、成功すれば購入費用を回収しやすい投資です。
一個人がおこなう投資としてはメジャーではないため、企業や専業の不動産投資家が主におこなうタイプとなっています。
区分マンション型
区分マンション型とは、マンションを部屋単位で購入して大家さんになり、入居者を募る方法です。部屋単位で管理することから自己資金の用意や初期費用負担も少なく低リスクなため、初心者におすすめの不動産投資方法のひとつとなります。
また、部屋単位での管理になることからリスク分散もしやすいという特徴があり、区分マンション投資に慣れてきた投資家のなかには複数の部屋を購入・投資している方もいます。
個人で投資をおこなう方は、一般的に区分マンション型で投資をしている方が多い傾向です。
マンション投資で失敗しないために重要なこと3選
区分マンション型でも1棟マンション型でも、マンション投資をスタートするにはある程度のまとまったお金が必要になります。そのため、失敗した際のリスクが大きいのも事実です。そこで、マンション投資で失敗を回避するための以下の3つのポイントを必ず抑えておきましょう。
- 利回りにとらわれない
- 管理会社に任せきらない
- 物件がある地域を把握する
マンション購入前の下準備段階に必要であるだけでなく、マンション投資開始後の心構えが重要であることがわかります。もちろん、マンション投資に限らずすべての不動産投資にも該当するため、不動産投資そのものに興味を持っている方も参考にしてみてください。
利回りにとらわれない
マンション投資するうえで重要なのは、利回りにとらわれないことです。マンション投資で知っておくべき利回りは、主に2つあります。
- 表面利回り
- 実質利回り
それぞれの違いを以下にまとめました。
利回りの種類 | 表面利回り | 実質利回り |
---|---|---|
概要 |
|
|
表面利回りは、リアルタイムでの数値ではありません。広告を作成する際の入居状況に基づいて算出されている利回りなので、掲載されてから時間が経っている場合は再確認が必要です。
実質利回りは支出も考慮するため、実際に手元に残るのがどのくらいなのかを知ることが可能です。計算方法は、以下の通りです。
【実質利回りの計算方法】
- 家賃収入-年間支出÷購入額で算出
どちらの利回りもあくまでそのときどきの変動的な数字でしかありません。不確実性のある参考程度の数値として捉えておきましょう。
管理会社に任せきらない
投資用マンションの大家・オーナーになって自己管理する方は除きますが、管理会社にマンション管理を委託することを検討している方は、すべて任せきりにしないようにしましょう。
マンション投資は1室からチャレンジできるため、本業と並行して副業でスタートさせる方もいます。その場合、本業に集中しなければならないという点から、入居者の募集や管理・修繕やメンテナンスなど、大家がやるべき業務を管理会社に任せきりにしがちです。
このような状況だと、経営の実情が見えなくなってしまいます。もしかすると、家賃の滞納が発生しているかもしれませんし、入居者からのクレームが頻出しているかもしれません。そのような状況では、長期的にみた投資のリターンが返ってこない可能性もあります。
管理会社を完全に信頼しきってしまうのではなく、二人三脚で資産形成と管理を進める必要があります。
物件がある地域を把握する
不動産投資が成功する鍵と言っても過言ではないのが、購入予定のマンションの地域特性を自分の足で調査したうえで把握し、投資をスタートさせるという点です。せっかく新築のマンションを投資用に選んだとしても、立地があわず入居者がゼロになってしまえば、収入もゼロになってしまいます。
よくある地域性の違いによる投資の失敗の例が、田舎のマンションと都会のマンションの考え方の違いです。
都会のマンション | 田舎のマンション | |
---|---|---|
メリット |
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|
デメリット |
|
|
このように、それぞれ重要視される要素が異なるため、仮に田舎マンションでの投資に成功したノウハウを都心のマンションに適用しても、通用しないことが多々あるのです。
このような情報は不動産投資会社の調査結果情報も大切ですが、実際に自分の足で現地に赴き、人の流れや立地条件などを調査することこそ、成功への鍵です。候補となるマンションが見つかった際には、以下を必ずチェックしましょう。
【物件がある地域を把握するためのヒント】
- マンション周辺の人の流れ
- 駅までの距離、所要時間
- 都会か田舎か
- どんな人が住んでいる地域か(独身、ファミリー、学生、高齢者など)
マンション投資によって得られる結果は思い描いた内容次第だからこそ、自分の足でチェックし、希望するマンションへの投資が上手くいくかどうかの指標にしやすいといえます。
マンション投資の5つのメリット
マンション投資には以下の5つのメリットがあります。
- 物件を分けて購入が可能
- サブリース契約で運用が楽
- 家賃収入で毎月収入が入る
- 生命保険の代用になる
- 節税の対策として使える
詳しく見てみましょう。
物件を分けて購入が可能
特に区分マンション型に当てはまりますが、マンション投資では部屋を分散して購入・投資ができます。そうすることで、1点集中型よりも以下のようなリスクを回避しやすくなるでしょう。
【考えられるリスク例】
- 空室
- 自然災害による物件喪失
1棟マンション型の不動産投資の敷居が高いと感じやすい理由は、区分マンション型のように分散投資しづらい点が考えられます。マンション投資で失敗が怖いという場合は、区分マンション型を選択し、分散して投資すると安心です。
サブリース契約で運用が楽
マンション投資をする際にサブリース契約を結ぶことで、運用が楽になるという点もメリットだといえます。
サブリース契約とは、購入したマンションをリース会社が一括で借り上げ、管理をほぼすべて委託するという物件管理の契約方法のひとつです。
家賃回収などといった大家が本来やるべき業務を管理しなくて済むだけでなく、家賃保証型の場合は決まった家賃が毎月入ります。そのため、空室リスクを気にすることなく安定した家賃収入が見込めるため、近年注目を集めています。
副業で不動産投資が親しまれているのも、サブリース契約を利用することによる投資物件の運用の簡略化も後押ししているといえるでしょう。
サブリース契約にはマンション投資にとって良い面もある一方で、手数料がかかり、利益率が下がるというデメリットもあるので、契約する際は注意が必要です。
家賃収入で毎月収入が入る
マンション投資では、入居者がいれば家賃収入が安定的に入るという点でもメリットがあります。投資したマンションの部屋が空室にならなければ、家賃が毎月入るということです。
不動産投資ローンを組む場合は家賃収入から返済できるため、定年までにローンを返せれば将来的に家賃収入での生活も夢ではありません。
株投資やFXなどと違い、比較的安定した収入が入ってくることもおすすめできる理由のひとつです。
生命保険の代用になる
マンション投資は生命保険の代用になるといわれています。なぜなら、不動産投資ローンに付与される「団体信用生命保険」というものがあるためです。
団体信用生命保険は、ローンを組んでいる契約者が万が一亡くなったり、高度な障害を持つことになったりした場合、ローン残高がゼロになるという仕組みです。
つまり、万が一のことが生じた場合、「団体信用生命保険」によって資産となった投資用物件を担保にされないだけでなく、家族を守ることにつながります。特に、不動産投資ローンを組んで投資をスタートさせようとしている方にとっては頼もしい存在といえるでしょう。
ただし、金融機関によって保障される金額が異なるため、投資予定の物件の金額と保障金額をよく比較検討したうえでの加入が重要です。
節税の対策として使える
不動産投資を節税対策としてスタートさせたという方もいますが、マンション投資でも一部の税金を節税することが可能です。代表的なのが、「減価償却」による節税です。
「減価償却」は物件など長く使う固定資産に対し、国税庁が定めた時間の経過(耐用年数)に合わせて、確定申告時に費用計上するという税制上の仕組みです。
また、マンション投資にかかる費用を確定申告で経費として計上できるケースがあることも、節税対策につながります。
ただし、経費として申告できるのは該当する支出が不動産投資に直結するものに限るので、すべて経費で申告することはできません。以下に事例を挙げますが、税務署によっては経費として認められない場合があります。そのため、心配な方は不動産投資に知見のある税理士の力を借りることをおすすめします。
【不動産投資にかかる費用を確定申告時に経費として計上できる例】
- マンション投資業務に関する移動にかかる交通費
- 管理費用
- 保険費用
- 不動産投資ローンの金利(元本は除く)
また、投資しようとしている物件によって、マンション投資が効果的な節税対策ではなくなる場合もあるため、入念な調査が必要です。
マンション投資の6つのデメリット
マンション投資であらかじめ把握しておくべきデメリットは、以下の6つです。
- 物件が老朽化する
- 入居者が来ない
- 資金が必要
- 登記により個人情報が公開される
- 天災の危険性
- 瑕疵(かし)の危険性
これらはすべて、マンション投資を成功につなげるために知っておくべき事項ですので、この機会にぜひチェックしてみてください。
物件が老朽化する
マンション投資に限らず、新築物件を投資用に運用する際は、老朽化することによる「新築バリュー」は、一過性のものであるということを覚えておかなければなりません。
マンションなどの物件は時間の経過とともに古くなり、構造も劣化します。さらに、最初は新築で購入したマンションだったものの一度誰かが入居してしまえば、その人が退去した後は中古マンション扱いになります。
場合によってはメンテナンスをしないといけないなど、老朽化による問題と向き合っていくことになるという点も考慮しなければなりません。
入居者が来ない
購入する物件の立地選びを間違えると、入居者が来ないことによる空室リスクが生じることも覚えておきましょう。
「入居者がいない=家賃収入がない」となると、最悪の場合ローンの返済や税金の支払いが滞ってしまう可能性があるため、家賃収入に頼りすぎてはいけないことがわかります。
家賃保証型のサブリース契約を結んでいれば回避できるため、入居者が来ないことによる家賃収入ゼロのリスクを避けたいという場合は、サブリース契約の加入を検討しても良いでしょう。
ただし、サブリース契約で保証される家賃は満額ではないことを考慮しなければなりません。マンション選びの際には、入居者が魅力を感じられないマンションを購入しないよう、慎重に選ぶようにしましょう。
資金が必要
マンション投資では、ある程度の資金の準備が必要です。区分マンション型の投資だとしても、ある程度まとまった金額が動くのが不動産投資です。
当然、資金はすべてを自己資金で用意する必要はありません。資金不足問題は、後述する不動産投資ローンを組めば解消できます。
ただし、ローンを組む場合は借金をすることになるので、借金を作りたくない方にとっては不動産投資そのものがデメリットだといえます。
登記により個人情報が公開される
特に、1棟マンション型の投資をおこなう際には登記登録をおこなうことが一般的ですが、登記登録によって個人情報が公開されるというデメリットが生じます。個人情報やプライバシーを気にする方にとっては、大きなデメリットです。
登記は自身のマンションなどの不動産の権利を示し守るもので、「不動産登記法」という法律に基づき、法務局に以下の情報が不動産記録として残されます。
【登記で管理される不動産記録】
- 土地および建物の所在
- 面積
- 所有者の住所・氏名
登記の際に登録する個人情報は公になるというだけでなく、申請すれば誰でも入手可能です。
「登録しなければ公にならない」と考える方もいるかもしれませんが、物件の所有権が示せないことで不利になり、賠償も融資も受けられなくなります。そのため、個人情報が公になることに関して、ある程度の覚悟は必要です。
天災の危険性
投資するマンションの立地や地域によっては、天災による物件崩壊や入居者の忌避が発生し、空室リスクを助長させてしまう可能性があります。
天災が生じるような地域のマンションを購入した場合、修繕費用も頻繁に発生してしまうかもしれません。
天災の危険性もサブリース契約で解消できる場合がありますが、そのようなリスクの少ない地域を選ぶことが投資成功の近道であるともいえます。
瑕疵の危険性
瑕疵(かし)とは、不動産にある欠陥あるいは損傷のことで、本来不動産としてあるべき性能がきちんと機能していない状態を指します。具体的には、以下のような状況です。
【瑕疵とされる主な不具合】
- シロアリによる被害
- 土壌汚染
- 雨漏り
- 給・排水管の故障
- 構造の腐食
瑕疵は普段生活する際に見つけ出すことは困難とされており、マンション購入時や売却時でないと発見が難しいものです。物件購入前に管理記録や修繕記録といった状況確認できる資料を読み飛ばすなどして事前確認を怠ると、瑕疵を見逃してしまい、いざ入居者を募集する段階で発覚ということになりかねません。
状況確認書のチェックや瑕疵が生じた場合の責任の所在確認など、丁寧にじっくりとマンションを選ぶことが大切です。
また、投資用マンションを売却する時は、インスペクションと呼ばれる専門家による瑕疵の洗い出し調査を実施することで、トラブルを回避できます。
マンション投資の利回りの相場について
冒頭でも触れた利回りですが、具体的な相場を知りたいという方もいるでしょう。この項目では、以下の表面利回りの相場についてご紹介します。
【マンション投資の利回り相場】
- 東京の賃貸住宅1棟(ワンルームタイプ)の利回りの期待値
- 主な政令指定都市賃貸住宅1棟(ワンルームタイプ)の利回りの期待値
期待値ではありますが、実際にどの地域でマンション投資をおこなうのかの指標になるので、ぜひ参考にしてみてください。
東京の賃貸住宅1棟(ワンルームタイプ)の利回りの期待値
日本不動産研究所が実施する「不動産投資家調査」の第44回と第45回の結果についてみていきましょう。
<東京の賃貸住宅一棟(ワンルームタイプ)の利回りの期待値>
城南地区※ | 城東地区※ | |
---|---|---|
第44回(2021年4月) | 4.2% | 4.4% |
第45回(2021年10月) | 4.0% | 4.3% |
- ※1 城南地区:目黒区、世田谷区(渋谷、恵比寿駅まで15分以内の鉄道沿線)
- ※2 城東地区:墨田区、江東区(東京、大手町駅まで15分以内の鉄道沿線)
東京都内のワンルームマンションは、4%台に収まっていることがわかります。
上記の例では、東京都内を城東地区と城南地区に分けていますが、実際にはそれぞれの地区のなかでも差があるという点には注意が必要です。人気エリアとそれ以外では1%以上の違いとなることもあるので、事前に調べておきましょう。
主な政令指定都市賃貸住宅1棟(ワンルームタイプ)の利回りの期待値
続いて、主な政令都市に焦点を当てて、ワンルームタイプの表面利回りについてみてみましょう。こちらのデータも日本不動産研究所の第44回と45回の不動産投資家調査の結果です。
<主な政令指定都市賃貸住宅一棟(ワンルームタイプ)の利回りの期待値>
札幌 | 仙台 | さいたま | 千葉 | 横浜 | 名古屋 | 大阪 | 京都 | 神戸 | 広島 | 福岡 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第44回 | 5.5 | 5.5 | 5.1 | 5.1 | 4.8 | 5.0 | 4.8 | 5.2 | 5.1 | 5.7 | 5.0 |
第45回 | 5.3 | 5.3 | 5.0 | 5.0 | 4.5 | 4.8 | 4.6 | 5.0 | 5.0 | 5.5 | 5.0 |
4%後半から5%をキープしている地域があることがわかります。また、首都圏と比較すると、表面利回りが多少高くなっているという点にも注目です。
マンション投資の際にかかる費用
マンション投資をスタートしようとすると、主に以下の費用が発生します。
- マンションの購入代金
- さまざまな手数料
- 税金
- 管理にかかる費用
マンションの購入費用以外にも、さまざまなコストがかかることがわかります。この章では、マンション投資にかかる費用について明確にしているので、自身の理想とするマンション投資の参考にしてみてください。
マンションの購入代金
マンション投資をする際はまず、マンションを購入する資金が必要です。マンション1棟を購入するか、区分マンションを購入するかは、自身の資金繰りや目指そうとしている投資スタイルによって変わります。
中古で購入する場合にはかかりませんが、新築の場合にはマンション建築の工事費なども支払わなくてはいけません。国土交通省の「建築着工統計調査 / 住宅着工統計(2019年度)」によると、1平米(㎡)あたりの工事費用の相場は、以下の通りでした。
木造 | 鉄筋コンクリート造 | 鉄筋骨造 | |
---|---|---|---|
1平米あたりの工事費相場 | 17万円 | 24万円 | 24万円 |
新築の場合は、これらの予算もかかることも事前に知っておきましょう。
さまざまな手数料
マンションに限らず、不動産を購入する際は以下のような手数料が発生することを覚えておくと、マンション投資で必要な資金がより明確になります。
【マンション投資にかかる手数料の例】
- 不動産仲介手数料
- 印紙代
- 司法書士手数料
- 登記登録手数料
特に、1棟マンション型のように登記が必要になる投資をする場合は、自分で登記登録もできます。しかし、時間がない、手続きに不安があるという場合は、司法書士あるいは行政書士など専門家に依頼することが一般的です。その場合、手数料がかかることを知っておきましょう。
税金
投資したい物件のタイプや個人の属性によって変化するものの、投資開始後は以下のような税金を支払う義務が生じます。
【マンション投資に必要な税金】
- 所得税
- 不動産取得税
- 登録面忌勢
- 印紙税
- 固定資産税
- 都市計画税
- 住民税
- 相続税
- 個人事業税
- 消費税
このうち、所得税や固定資産税などは確定申告をすることによって税額が決定します。本業が会社員の方は確定申告に慣れていない方も多く、忘れてしまう方もいるようです。
万が一忘れてしまうと、以下のようなペナルティがかかる可能性があるので、注意しましょう。
【不動産投資の確定申告を忘れた場合のペナルティ】
- 無申告加算税
- 重加算税
- 延滞税
管理にかかる費用
購入したマンションを自分で管理する場合を除き、不動産管理を代行する管理会社やサブリース契約を依頼する費用が発生します。
また、万が一の際の修繕費用や退去時のクリーニング費用のほか、場合によってはインスペクションに関する費用が発生する可能性があることも、あらかじめ考慮しておくと安心です。
【管理にかかる費用】
- 管理会社やサブリース契約費用
- 修繕費用
- 退去時のクリーニング費用
- インスペクション依頼費用
管理会社などを必ず通さないといけないわけではないので、場合によっては削減することもできます。ただし、本業がある方などは、すべてを自分で管理するのは難しいでしょう。そのため、マンション管理にかけられる工数と費用のバランスを見て判断することが必須です。
マンション投資用のローンについて知っておくべきこと
不動産投資の際は、自己資金を使う方法と不動産投資ローンを利用する方法があります。自己資金ではまとまったお金が必要になるため、一般的には不動産投資ローンを活用することがほとんどです。
しかし、この不動産投資ローンは一般的な住宅ローンとは異なることが多く、申請をする前に知っておくべきポイントが多々あります。そこで、この項目では以下について詳しく説明していきます。
- 不動産投資ローンと住宅ローンの違い
- 不動産投資のローンのメリット
- 不動産投資のローンのデメリット
不動産投資ローンと住宅ローンの違い
不動産投資ローンと住宅ローンは、審査条件や審査対象が異なります。具体的な違いは、以下の通りです。
不動産投資ローン | 住宅ローン | |
---|---|---|
概要 | 不動産投資に特化したローン | 住むための家を購入するためのローン |
特徴 |
|
|
不動産投資ローンは、不動産投資という事業をするために物件を購入する資金を借り入れることです。そのため、きちんと返済できるかどうかはもちろん、投資する物件に価値があるかどうかなどが厳しく審査されます。
一方の住宅ローンは、住むための家を購入するためのローンです。そのため、不動産投資ローンとは審査で見るべきポイントが異なります。
不動産投資ローンのメリット
不動産投資ローンを活用することでオーナーが得るメリットは、以下の通りです。
- 頭金を払う場合を除き、自分の持ち出し資金を少なく抑えられる
- 預貯金など手元にある財産を残せる
- 投資家としてのイメージが良くなる
不動産投資ローンのメリットは、オーナーが効率よく投資をスタートできるという点にあります。預貯金などの手元にある財産はそのまま残した状態で始めることができるため、精神的にも楽に投資に取り組むことができるでしょう。
また、ローンを利用すれば頭金を一括で支払えることから、投資家としてのイメージが良くなり、複数の物件を所有しやすくなります。
不動産投資ローンのデメリット
不動産投資ローンのデメリットは、以下の通りです。
- 条件を満たしていないと審査が通りにくい
- 利息により最終的な返済額が増えてしまう
- 借主解約が発生すると家賃収入がなくなり、返済を自らの財布からおこなわなくてはならなくなる
- ローンの審査通過までに時間がかかる
不動産投資ローンを利用する際は、住宅ローンを組む際の審査以上に返済能力が問われます。そのため、社会保障のある会社勤めの正社員を最低でも3年続けていることが、審査通過の鍵となるでしょう。
スマホ代金を分割払いにする割賦契約を選択した場合、支払いを滞納すると信用情報に傷がつき、不動産投資ローンの審査に通らない可能性があるので、些細なことでも滞納には注意してください。
また、どうしても利息が発生してしまうという点で、最終的な返済金額は借入金額よりも上回ってしまう点も要注意です。
まとめ
マンション投資はマンションを1棟または部屋単位で購入し、誰かに貸すことで得る家賃収入を資産として形成していく、長期的・堅実的な投資方法のひとつです。不動産投資ローンを活用することで、手元の資金には手をつけずに投資を始めることができるため、近年人気の資産形成方法となっています。
ただし、マンション投資には購入した物件の人気がなくなるなど、さまざまなリスクがつきものです。メリットとデメリットを参考にしながら、不動産投資ローンを借り入れするかどうかはもちろん、自己資金をどこまで自分で準備するかなどを事前にしっかり判断しましょう。
マンション投資をする際は、この記事を参考に準備をしてみてください。