マンションが売れない10の理由!売れない場合の対策や高く売るコツを紹介

マンションが売れない10の理由!売れない場合の対策や高く売るコツを紹介

マンションを売却したいのに、なかなか買い手が見つからず、困っている人は多いのではないでしょうか。マンションをスムーズに売却するためには、売れない原因をつきとめ、適切な対処法を考えなければなりません。できるだけ利益を上げるためのテクニックも必要です。

そこで今回は、マンションが売れない10の理由を紹介するとともに、売れない場合の対策と高く売るためのコツを解説します。この記事を読めば、マンションの売却に向けた適切な改善方法を知ることができます。ぜひ参考にしてください。

マンションの売却の目安は6か月以内

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マンションを売りに出してから買い手がつくまでの目安は、およそ6か月といわれています。

マンションを売却するときに結ぶ、不動産会社との契約期間は3か月です。つまり、3か月以内に成約しなければ、契約を更新して再度売り出します。

不動産会社は販売戦略の見直しをおこない、できるだけ早期に売却できるように営業をするはずです。それでも買い手がつかない場合は、マンションそのものや、会社の営業方針に問題があると考えられます。

マンションを売却する際は、販売期間の目安を6か月と定め、期間内に売れるような対策が必要です。

マンションが売れない10の理由

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マンションが売れない原因には、どのような理由があるのでしょうか。以下、10の理由についてまとめました。

  • 適切な価格をつけていない
  • 築年数が古い
  • 立地や周辺環境が悪い
  • 売れない時期とかぶっている
  • 部屋が汚い
  • 同じマンションに売却物件がある
  • 「当て物件」にされている
  • 囲い込みされている
  • 内覧時の準備や対応が不適切
  • 不動産会社の宣伝が上手くいってない

それぞれの理由について、詳しく説明します。

適切な価格をつけていない

マンションが売れない最大の原因は、適切な価格設定がされていないことです。

買い手は、周辺マンションの相場をチェックしています。もし、売り出し価格が相場よりも高く設定されている場合、よっぽど魅力的な条件がない限り興味を持ってもらえません。

一般的に、不動産会社は契約を成立させるために価格を高めに設定します。売主が相場を理解しないまま売却額を決定すると、高い価格設定のまま長期間放置されるので注意してください。

築年数が古い

マンションの築年数は、買い手がつくまでのスピードに少なからず影響を与えます。

見た目の印象が悪かったり、設備が古く不便だったりするのが主な原因です。新築物件に比べて売れにくいのはある意味当然と言えます。

しかし、築年数が古いマンションでも適正な価格を設定し、じっくりと時間をかければ成約は可能です。ちなみに築30年のマンションの売却価格は、購入価格の1割程度といわれています。

築年数が古いマンションは売却しにくいと認識した上で、販売戦略を練っていかねばなりません。

立地や周辺環境が悪い

マンションの立地や周辺環境の悪さは、マンションが売れない大きな原因です。

高い金額を出して購入するからには、少しでも条件の良いマンションに住みたいはずです。そのため、交通アクセスや日当たり、水害などの危険性や治安などが物件を選ぶ指標となります。

例としては、「駅まで徒歩20分以上」や「台風による大雨のため浸水する可能性」といったエリアです。マンションの売れ行きを左右する条件なので、しっかりと対策を練る必要があります。

売れない時期とかぶっている

マンションがなかなか売れない場合、成約件数が低い時期と重なっているかもしれません。以下のデータは、2021年11月から2022年10月までの中古マンション成約数です。

11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
成約数(件) 3,416 2,881 2,760 3,146 3,405 3,094 2,877 3,003 3,104 2,346 2,990 3,072

(出典:月例速報 Market Watch サマリーレポート <2022 年 10 月度>を参考に作成)

入学や就職・転勤などによる住み替え需要が高まる2月〜4月や、決算期に重なる10〜11月にマンションの成約数が増加しています。

需要が少ない時期に営業をしても、興味を示す買い手が少ないため、不動産会社の利益を考える上でも効率的ではありません。マンションが売れなくて困っているときは、成約数が伸びる時期なのか確認する必要があります。

部屋が汚い

どんなマンションでも、第一印象が大切です。部屋の汚さで成約のチャンスを逃しているケースもあります。なぜなら、掃除がされていなかったり、水回りが汚かったりする部屋には、「この部屋に住んでみたい」といった願望やイメージが湧かないためです。

部屋の内部がきちんと管理されていない印象を与えるので、設備や備品の状態にも不安を抱かせる可能性があります。

内覧の件数は増えているけれど、成約に至らない場合は、部屋の汚さや清潔感の不足が原因かもしれないと覚えておきましょう。

同じマンションに売却物件がある

マンション内に競合物件があると立地や周辺環境で差をつけにくいため、売れない原因となります。

いかに買い手の注目を集められるか、他の部屋との差別化を図るかが重要です。どうしても角部屋や高層階に人気が集中するので、条件に当てはまらない物件の売却はスムーズに進まないかもしれません。

また、マンション内で価格設定が著しく異なる場合も注意してください。他の物件よりも高い価格で売り出しているのは条件的に不利です。

同じマンション内に売却物件がある状況は、買い手がつかない原因の一つであると認識しましょう。

「当て物件」にされている

適正な価格で売り出しているにもかかわらず、なかなか成約が決まらないときは「当て物件」にされている可能性があります。

「当て物件」とは、不動産業者が買い手を内覧に連れていく際、戦略的な意図を持って最初に見せる「条件の悪い物件」です。

つまり「当て物件」に選ばれている物件に対して、不動産業者は成約を期待していません。本命の物件を売るための道具にされているので、積極的な売り込みをしてもらえないのです。

なぜ売れないのか原因がわからないときは、「当て物件」にされている可能性を考える必要があります。

囲い込みされている

「囲い込み」をされている場合も、マンションの売れ行きに大きな影響を与えます。

不動産会社が売主と買主の両方から仲介手数料を回収するために、他社からの買い手を排除して、自社が見つけた買い手としか取引しない違法行為が「囲い込み」です。

囲い込みをされると、多くの買い手に売却情報が届きません。不動産会社が買い手を見つけるまで成約が決まらないので、売れない時期が長く続きます。

売却までの期間が著しく長い時は、悪質な囲い込み行為を疑ってみてください。

内覧時の準備や対応が不適切

マンションが売れない原因は、物件の条件や不動産会社の対応だけではありません。内覧時の売主の準備や対応の不手際も、物件への印象を決める重要なポイントです。

価格や立地が同じ条件のマンションを比べるときに、最後の決め手となるのは売主とのコミュニケーションではないでしょうか。売主の対応が不愛想であったり、質問への返答が不適切であったりすれば、買い手は物件に対して良くない印象を持ちます。

売れない理由は物件や不動産会社だけではなく、売主自身の対応にも問題があると想定しておきましょう。

不動産会社の宣伝が上手くいってない

不動産会社の販売戦略が上手くいっていないと、いつまでもマンションが売れ残る現象が起こります。つまり、不動産会社の営業活動が大きな位置を占めているのです。

不動産会社がどれだけ費用をかけて宣伝をしてくれるかによって、売却情報の伝わり方も変わります。情報が広く伝われば、問い合わせや内覧の申し込みの増加につながるのです。

不動産会社の宣伝の仕方は、売主との契約方法によって変わります。複数の不動産会社と締結できる一般媒介契約では、積極的な営業活動をおこなってくれない場合もあると知っておきましょう。

マンションが売れない場合の対策や高く売るコツ

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マンションが売れないさまざまな原因を説明しました。では、なかなか成約が決まらない場合はどうすればよいのでしょうか。6つのコツについてまとめました。

  • 需要の高い時期に売り出す
  • 相場に合わせて価格を見直す
  • リフォームをおこなう
  • 複数の不動産会社に査定を依頼
  • 部屋をきれいにして内覧に望む
  • ホームインスペクション(住宅診断)をする
  • 最初の3か月を意識する

それぞれのコツについて、詳しく説明します。

需要の高い時期に売り出す

マンションの売り出しは、成約数が増える需要が高い時期に始めましょう。

入学や就職、転勤や引っ越しが多い時期に売却時期を合わせると、多くの買い手に情報を知ってもらえます。住み替えの需要が高まる時期なので、成約につながりやすい点がメリットです。

具体的には2月〜4月の新学期や、10月〜11月の決算期後が売却には向いています。逆に、夏休みなどの長期休みは、家族イベントや旅行などで内覧の予約が減る時期です。

成約数が多い時期にポイントを合わせた売却方法を検討しましょう。

相場に合わせて価格を見直す

マンションをスムーズに売却するために、最も重要なポイントは価格設定です。

相場を無視した高すぎる価格設定では、マンションが売れ残る可能性が高くなります。そのため、相場をしっかりと考慮した上で、売却額を決めるプロセスが大切です。

まずは、マンションの相場価格を調査する必要があります。周辺のマンションの価格を調べたり、不動産会社の査定を受けたりして、現在の売却額と相場を比べてみましょう。

現在の価格設定が不適切であるならば、不動産会社に適切な価格や情報を提示するなど、十分な話し合いを重ねる必要があります。

リフォームをおこなう

築年数が古いマンションや、部屋が著しく汚れている場合には、リフォームをすると売却しやすくなります。

部屋の状態が悪かったり、設備が古かったりすると、買い手が抱く印象は良くありません。必要な部分のリフォームにより、清潔感がアップする、設備を最新式にするなどのメリットが生まれます。

しかし、リフォームには多額の費用が必要になるため、資金計画によってはためらう人もいるかもしれません。自力でのリフォームが困難なときは、不動産会社にマンションを売却し、リフォームをして売ってもらう方法もあります。

複数の不動産会社に査定を依頼

売り出し価格を決める際には、必ず複数の不動産会社に査定を受けてください。

なぜなら、1社だけの査定では相場が十分に反映されない場合もあり、適切な価格設定ができないからです。価格の設定は売り出しの重要なポイントとなるので、積極的に査定をしてもらう必要があります。

不動産会社との契約も、3か月ごとに見直さなければなりません。複数の会社と契約する「一般媒介契約」か、1社のみとの「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」を選びます。

複数の不動産会社と接触し、適切な価格設定と契約をおこないましょう。

部屋をきれいにして内覧に望む

部屋の内覧の際には、できるだけ部屋をきれいに保ち、清潔感をアピールするのも大切です。

買い手が抱く印象は、部屋の状態によって左右されます。「この家に住んでみたい」「この家に住んだらどのように暮らそうか」といった、具体的な生活のイメージを買い手に与える必要があるのです。

そのためには、部屋の清潔を保ち、買い手がイメージしやすいような空間を演出しなければなりません。内覧の際には部屋の片付けにも気を配り、しっかりと準備をして臨みましょう。

ホームインスペクション(住宅診断)をする

マンションが売れない原因をつきとめられない場合は、ホームインスペクション(住宅診断)を受けるのも解決策の1つです。

ホームインスペクションとは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、住宅の劣化状況や設備の不具合などを調査し、改善方法の見極めをおこなう専門業務です。

ホームインスペクションによって、素人の目ではわからない部分の建物の状態が明らかになります。売れない原因が見つかる可能性も高く、ホームインスペクターによるアドバイスも有益です。

最初の3か月を意識する

マンションの売却活動は、最初の3か月に集中しておこないましょう。

なぜなら、不動産会社との契約期間は3か月が一般的であり、契約更新の度に物件の優先順位が下がるためです。また、売り出した直後は物件情報が買い手に届きやすく、問い合わせや内覧申し込みも増える傾向があります。

最初の3か月が勝負だと意識する姿勢が大切です。不動産会社とのコミュニケーションを増やすなど、積極的に販売活動に参加するのをおすすめします。

まとめ

この記事では、マンションが売れない10の理由と、売れない場合の対策や高く売るためのコツを解説しました。マンションが売れずに悩んでいる方も、売れない理由が明確になれば、改善に向けての一歩を踏み出すことができるのではないでしょうか。

マンションが売れない理由は、必ずあります。不動産会社と改善点を話し合い、一日も早く対応を始めるのが大切です。売れないマンションから脱却し、理想的な成約を目指しましょう。

プロフィール
矢野翔一(有限会社アローフィールド)
矢野翔一(有限会社アローフィールド)
関西学院大学法学部法律学科卒。

宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)、登録販売者など多岐にわたる資格を保有。
数々の保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産業務を行う。