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コインパーキング経営を成功させる5つのコツを紹介!メリット・デメリットも解説

コインパーキング経営とは

コインパーキングの経営とは、使用していない土地にコインパーキングを設置し、利益を上げる土地活用法です。初期費用が少ないため、低コストで土地を活用したい方に選ばれる傾向があります。

コインパーキング経営のメリットの一つは、さまざまな経営方法の中から自分に合った方法を選べる点です。そのため、土地活用が初めての方でも参入しやすく、管理の手間も少ないので人気があります。

土地を生かせるコインパーキングの経営方法を選び、収益について十分に検討してから始めていきましょう。

コインパーキングの経営方法3つ

コインパーキングの経営には、主に3つの方法があります。経営方針やライフスタイル、資金状況などを考慮し、自分に最も合っている経営方法を選びましょう。

経営方法は、以下の通りです。

  • 管理会社に委託
  • 土地の貸し出し
  • 自己経営

それぞれの方法について、詳しく説明します。

管理会社に委託

コインパーキングの経営方法のうち、最もポピュラーなのが管理会社に委託する方法です。経営責任は土地の所有者にあります。

維持費や管理費がかからず、低コストで経営を始められる点がメリットです。機械の設置費が必要な場合と、管理会社が負担してくれるケースがあります。

経営に関しては、管理会社への委託範囲を決める話し合いが必要です。基本的には所有者が自由に選び、管理会社のプランも参考にして決定します。

たとえば、清掃や利用者のクレーム処理などの管理業務をすべて任せ、収益に関しては所有者が管理するのも一つの方法です。

ただ、管理会社に委託料を払う必要があり、自己経営に比べて収益は伸びません。コインパーキング経営に取り組みたいけれど、すべての業務を管理するのは難しい方に向いています。

土地の貸し出し

土地の貸し出しは、初期費用0円で始められるコインパーキングの経営方法です。所有する土地を管理会社に貸し出し、経営の一切を任せます。

管理会社への委託と異なり、土地の所有者がすべきことはほとんどありません。経営責任も管理会社にあります。

パーキング内の清掃や管理をする必要もなく、利用者のクレーム対応やトラブルの仲裁は管理会社の業務です。

利益の収支管理も管理会社がおこない、所有者に支払う賃料の決定もします。したがって、所有者の収入は定額設定であり、パーキングの収益に変化があっても金額が変わらない点が特徴です。

賃料を決定する際には、管理会社側が経営上のリスク分を想定した額に設定します。そのため、管理会社への委託や自己経営よりも低い収入です。

経営に興味がなかったり、理由があって経営ができなかったりする方に向いています。

自己経営

自己経営のメリットは、なんといってもコインパーキングの利用料金を自ら設定できる点です。パーキングの稼働状況が多ければ、利用料を自分の判断で上げられます。

また、アイデア次第で収益の増加が可能です。データの分析やマーケティングの知識がある方なら、スキルを生かした集客方法で利用者を増やせるのではないでしょうか。

ただし、設置費や機械のレンタル費用など、初期費用に平均で300万円程かかります。加えて、電気代や警備会社の費用、災害保険なども経営者の負担です。

収益の管理方法や経営方針は自分で決められる一方で、パーキングの管理や掃除、トラブルやクレーム対応は経営者がしなければなりません。

委託する方法や土地の貸し出しと比較すると、管理の手間やさまざまな出費が増えます。経営者としての手腕を生かして収益を上げたい人におすすめです。

コインパーキング経営のメリット

コインパーキング経営は有効な土地活用法であり、メリットも数多くあります。この章では4つのメリットについて解説します。

【コインパーキング経営のメリット】

  • 初期費用が少ない
  • 狭い土地でも始められる
  • すぐに始められる
  • 撤退しやすい

それぞれのメリットについて、順番にみていきましょう。

初期費用が少ない

コインパーキングの経営を始めるにあたって、最大のメリットは初期費用の少なさです。

土地の貸し出しを選択すれば、初期費用0円で始められます。委託による方法でも、設置費などを負担してくれる管理会社を選べば、ほとんどお金をかける必要がありません。

経営方法の中で最も初期費用が必要な自己経営では、始める時点で300万円程の資金が必要です。しかし、貸アパートやマンション経営をする方法と比べると、少ない資金でもチャレンジができる点がメリットといえます。

狭い土地でも始められる

コインパーキングのメリットは、どんな形や面積の土地でも、車が停められるスペースがあれば始められる点です。

土地はすべて四角とは限りません。とても狭い土地や変わった形に区分された土地もあります。しかし、車を一台でも駐車できればコインパーキングを経営できるのです。

たとえば、土地の一部を他の方法で活用しているとしましょう。別に空いたスペースがあれば、コインパーキングを設置することが可能です。

どんなに狭い土地でも、コインパーキング経営による活用はできます。土地の形状が悪いからと活用をあきらめるのではなく、コインパーキング経営を検討してみましょう。

すぐに始められる

すぐに始めやすい点も、コインパーキング経営のメリットです。建物は不要で、パーキング設備の設置や地面の整備だけで済むので、準備から開業までに1カ月程しか必要ありません。

経営や不動産のことを学ぶ必要はなく、手軽に始められる点も人気です。自己経営をする場合は多少の知識があると役立ちます。しかし、貸し出し方式や委託であれば、管理会社との話し合いだけでスタートが可能です。

委託による方法では、管理会社から収益を上げるノウハウを教えてもらえる魅力もあります。収益プランなどの提案を通してさまざまな経営サポートを受けられるので、いずれ自己経営を目指す方のステップとしてもおすすめです。

撤退しやすい

すぐに始められる分、撤退しやすい点もコインパーキング経営のメリットです。

利益が見込めず思うように収入が上がらなかったり、他の土地活用をしたくなったりしたときに、すぐに経営を辞められます。パーキング設備を撤去し、土地の整備をすれば更地に戻すのはいつでも可能です。

撤退しやすいメリットを生かし、一時的にコインパーキング経営をする方法もあります。使っていない土地がある方や、他の活用をするための資金を貯めたい方におすすめです。

たとえ失敗しても撤退しやすいので、始めるときのハードルも下がります。土地の活用法に迷っている方は、まずコインパーキング経営にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

コインパーキング経営のデメリット

初期投資の少なさや経営の手軽さなど、メリットが多いコインパーキング経営にもデメリットがあります。

コインパーキング経営を成功させるためには、デメリットもしっかりと知らなければなりません。この章では、以下2つのデメリットについてまとめました。

  • 税金が高い
  • 土地活用の効率が低め

それぞれのデメリットを詳しく解説します。

税金が高い

コインパーキング経営をしていると、建物が立っている場合より、土地の固定資産税が高くなります。

なぜなら、住宅として使用する建物がないため非住宅用地に分類され「住宅用地の特例措置」が適用されないからです。そのため、住宅用地よりも高い固定資産税を払う義務が発生します。

土地を貸し出した場合は、所得税の申告に必要な減価償却費の対象になりません。確定申告の際に減価償却費の控除が受けられず、節税が難しいケースが多いです。

さらに、貸し出し方式では収入が定額制なので、経費としての計上も認められない現状があります。そのため、委託や自己経営に比べて、固定資産税の課税額が上がります。

コインパーキングは更地と同じ扱いになり、住宅用地よりも固定資産税が高くなると覚えておきましょう。

土地活用の効率が低め

土地活用法としての利益効率が低いのは、注目すべきコインパーキング経営のデメリットです。

同じ土地活用でも、マンションやアパートと異なり、コインパーキングの利用料は定額で、全体の収益も少ない傾向があります。

利用料自体が安い値段に設定されている点も、利益効率が低い原因です。立地によっては安定した集客を図れない場合もあります。

月極タイプの駐車場では、集客さえできれば契約数分の収入を得ることが可能です。コインパーキングは一時利用が多いため、集客に失敗すると収入が不安定になる恐れが出てきます。

コインパーキング経営を検討する際は、利益効率を少しでも上げるために、立地や集客の見込みを十分に考慮しましょう。

コインパーキングを成功させるポイント

経営方法やメリット・デメリットの十分な検討に加え、コインパーキング経営を成功するためには、大切なポイントを押さえる必要があります。

コインパーキングを成功させるポイントは、以下の通りです。

  • 複数社で比較検討する
  • あらかじめ契約者を募集する
  • 需要の高い場所を選ぶ
  • 無駄の出にくい土地を選ぶ
  • 価格の表現を変える

それぞれのポイントについて、しっかりと押さえていきましょう。

複数社で比較検討する

コインパーキング経営を成功させるための第一歩は、管理会社の経営方針や収益プランの比較検討です。

検討する際は、必ず複数の会社を比較しましょう。できれば3社以上の管理会社の資料を取り寄せ、社員から話を聞くのをおすすめします。

管理会社によって、経営のノウハウや方針はさまざまです。コインパーキングだけを専門に取り扱う会社もあれば、レンタカーや他の土地活用などを展開している会社もあります。

たとえば、バイクや自転車のパーキングも併設したい場合は、その分野に長けている管理会社を選ぶべきです。

大切な資産である土地を、最大限活用できる管理会社を見つけるために、必ず複数の会社のプランを比較する必要があります。

あらかじめ契約者を募集する

コインパーキングは、月極契約や年間契約で募集をするのも、経営が成功する大切なポイントです。

コインパーキングは一般的に低価格であり、一時利用料の収益だけでは軌道にのりにくいデメリットがあります。その点、月極や年間での契約を募集すれば、まとまった収入につながり、利益効率も高いです。

特に、自己経営のコインパーキングでは、利用者がいないと収益化ができません。そのため、集客方法にはこだわるべきです。

委託の場合は、管理会社と経営方針を話し合い、オープン前から月極や年間の契約者を募集するのをおすすめします。オープン時に、一定のスペースが埋まっているコインパーキングは利用者の印象も良いのではないでしょうか。

コインパーキング経営の順調なスタートを切るためにも、事前に契約者を募集しましょう。

需要の高い場所を選ぶ

コインパーキングの経営において、最も重要なポイントは立地です。駐車場の需要が高く、安定した収益が見込める場所を選ぶ必要があります。

コインパーキングの需要が高い場所のポイントは、以下の通りです。

  • 主要な駅の周辺
  • 観光地の周辺
  • 大型ショッピングセンターや百貨店の周辺
  • 大きな病院の周辺

コインパーキングの需要が高い場所というと、人の動きが多い都市部のイメージです。しかし、田舎や郊外にもコインパーキングの需要が見込まれる土地が存在します。

都市部と郊外のどちらも、住宅地周辺にはコインパーキングの需要はほとんどありません。所有している土地の周辺環境を十分にリサーチし、需要の高いエリアであれば経営は可能です。

コインパーキングを始める前には、立地条件と人の流れ、駐車場の需要の高さについて十分に検討しましょう。

無駄の出にくい土地を選ぶ

土地の形状上、無駄の出にくい土地で経営するのも、コインパーキング経営を成功させる大切なポイントです。

なぜなら、土地の形状によって停められる車の台数が変わるからです。土地の間口や奥行きのバランスによって、駐車台数が左右されます。

たとえば、同じ面積でも奥行きが深く、間口が狭い土地はどうでしょうか。間口が狭いパーキングでは、停められる車の台数が限られます。したがって、駐車できない部分はデッドスペースとなり、使い道がない状態です。

間口が広い土地であれば、余裕をもって駐車ができます。駐車台数も増えデッドスペースも発生しません。土地の隅々まで有効活用でき、収益増加にもつながります。

コインパーキングを経営するなら、無駄が出ない土地で始めるのが大切です。

価格の表現を変える

利用価格の表現を変えたり、見直したりすると、コインパーキングの収益を伸ばせます。競合のコインパーキングとの差別化を図れるからです。

コインパーキングは全国的にも不足しており、経営を始めるハードルの低さから、競合のパーキングが近くに開業するのは決してめずらしくありません。

競合のコインパーキングに利用者をとられないためには、集客のテクニックが必要です。そのため、価格の表現や設定を定期的に見直す必要があります。

たとえば、「1時間500円」の価格表示を「30分250円」の表現に変えると、どのような印象になるでしょうか。安心感とお得感を感じさせ、利用者の増加につながります。

加えて、最大利用料金や夜間の価格設定も定期的に見直す作業が大切です。価格表現の見直しによって競合との差別化を図っていきましょう。

まとめ

この記事では、コインパーキング経営を成功させる5つのコツと、初期費用やメリット・デメリットについて解説しました。

コインパーキング経営を迷っていた人も、成功へのコツやメリット・デメリットを知ることで経営への不安が軽減されたのではないでしょうか。コインパーキング経営には、入念な下準備が必要だと実感されたと思います。

始めやすく撤退しやすいコインパーキング経営には、少ない初期費用で収益を伸ばせるメリットがあります。経営を成功させるためには、周辺環境の十分なリサーチや管理会社との話し合いが重要です。

コインパーキング経営のコツを身につけ、成功への第一歩を踏み出しましょう。

矢野翔一(有限会社アローフィールド)
矢野翔一(有限会社アローフィールド)

関西学院大学法学部法律学科卒。

宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)、登録販売者など多岐にわたる資格を保有。
数々の保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産業務を行う。

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