土地売却時の仲介業者を選ぶ8つのポイント!大手と中小それぞれのメリットも解説

土地売却時の仲介業者を選ぶ8つのポイント!大手と中小それぞれのメリットも解説

「不動産を売りたいのだけど、どの仲介業者にお願いしたらいいのだろう」
「大手と中小、どちらの仲介業者がいいのだろうか」

持っている土地を売却するときに気になるポイントですよね。

そこで、この記事では土地売却時の仲介業者の選び方について解説します。この記事を読むことで、土地売却の際に仲介業者を選ぶポイントや売却力がある仲介業者の見極め方が理解できます。

また、大手、中小それぞれの仲介業者のメリットおよび仲介業者との契約方法もわかりますので、土地売却を検討するものの仲介業者選びにお悩みの売主の皆さんはぜひ最後までお読みください。

土地売却の際に仲介業者を選定するポイント

土地売却の際に仲介業者を選定するポイント

所有する土地を売却するとき、売主はどの仲介業者に頼むか迷うかもしれません。仲介業者を選定するときには以下の5点に注目することをおすすめします。

  • 対象の物件のあるエリアに精通している会社を選ぶ
  • 多くの店舗を持っている会社を選ぶ
  • 顧客対応のスピーディーさで選ぶ
  • 売却の実績が豊富さで選ぶ
  • 利用者の口コミや評価で選ぶ

ここではこれら5点について解説します。

対象の物件のあるエリアに精通している会社を選ぶ

対象物件が存在するエリアについて精通している仲介業者を選ぶことは重要です。地域の特性について熟知している可能性が高いからです。

ネット広告などではわからない地元に根付いた仲介業者だからこそ知り得る情報もたくさんあるでしょう。例えば、治安や子育て・学校・病院・交通量など地域の特性をアピールすることで売買につながるケースも考えられます。

対象物件のあるエリアに根差した仲介業者の情報量は、大手仲介業者をしのいでいる場合もあります。そのため、積極的に検討することをおすすめします。

多くの店舗を持っている会社を選ぶ

多くの店舗を持っている仲介業者を選ぶことも有効です。

店舗がたくさんあることは、多くの蓄積された情報および買主のデータを保有していることを意味します。社内独自のネットワークを共有することで店舗数の少ない会社より買主とマッチングできる確率が高まります。

また、売り出すことのできる店舗数も増えるということなので、早期売却を実現できるのです。

顧客対応のスピーディーさで選ぶ

顧客対応にスピーディーさのある仲介業者は会社選びの重要なポイントです。

売主によってはすばやく土地売却を考えている人もいるかもしれません。対応がテキパキしていて売主のニーズをしっかりキャッチして動いてくれる仲介業者であれば安心して任せられるでしょう。

特に土地を含めた不動産売却においては、買い手の情報をいち早く取得することが大切です。その際に対応の遅い仲介業者であるなら、売買のチャンスを逃すかもしれません。

顧客対応のスピーディーさも一つの基準としましょう。

売却の実績が豊富さで選ぶ

売却の実績が豊富であるかについても仲介業者を選ぶ際には大切です。一見、メリットが多そうな不動産会社でも、これまでの実績がなければ信頼するには根拠が足りないと判断できます。

また、仲介業者の売買実績によっては、マンションが得意な業者・戸建てが得意な業者・土地売却が得意な業者など、得意な分野が異なります。

そのため、土地売却の分野においてしっかりと実績がある業者を見極める必要があるのです。

利用者の口コミや評価で選ぶ

実際に利用した人の口コミや評価を参考にして不動産会社を選ぶことが可能です。不動産会社のHPでは自社のセールスポイントなどは確認できますが、利用者の口コミや評価は確認できません。

利用者の口コミや評価を確認することで、生の情報が得られるので利用の参考となります。仲介業者のサイトでは見ることのできない新たなメリットやデメリットが発見できるかもしれません。

とはいえ、口コミや評価は利用した人の主観ですので、全てを鵜呑みにするのでなく、あくまで参考程度に留めておきましょう。

土地の売却力がある仲介業者の見極め方

土地の売却力がある仲介業者の見極め方

土地の売却は仲介業者に買主を探してもらうことが一般的ですが、その際の売却力は不動産会社によって実力に大きな差があります。せっかく仲介業者に依頼するなら、売却力がある業者に依頼したいですよね。

そこで、以下のようなポイントを確認するようにしましょう。

  • 得意分野を確認する
  • 査定内容の信憑性を確認する
  • 担当者の力量を確認する
  • 行政処分の過去を確認する

それぞれ解説していきます。

得意分野を確認する

仲介業者は不動産の販売を専門としています。しかしながら、仲介業者によっては得意分野、不得意分野が存在します。

以下のような不動産の種類による得意・不得意だけではなく、地域や物件の使用目的などでも得意分野が異なります。

  • 建物の特性(マンションに強い、戸建てに強いなど)
  • 地域(都市部に強い、郊外に強い、田舎に強いなど)
  • 物件の使用目的(居宅に強い、収益物件に強い、投資物件に強いなど)

あなたが売却する不動産の種類や地域に強みを持っている不動産会社は、その分野で売却力を持っているということです。

査定内容の信憑性を確認する

業者からの査定結果をそのまま信じるのは危険です。相場と大きくかけ離れている・実際に売却してみると全く買い手が付かないということもあります。

このような事態に陥らないためにも、査定を受けたら必ず以下のポイントをチェックしましょう。

  • 複数の仲介業者と比較して、高すぎないか
  • 売買成約事例と査定の価格との間にかい離がないか
  • コメントが丁寧に書かれていて、テンプレ化されていないか
  • 査定内容に関して説明が少なくないか
  • 査定価格を流通性比率などで操作していないか
  • 読み手にわかりやすい説明書となっているか

このようなポイントを確認することで、査定内容に信憑性があるかを確かめることができます。査定内容に信憑性があるということは、その業者は市場のことを熟知し、かつその中で販売しやすい価格を決める力があるということです。

売却力のある業者を見つけるためにも、査定内容は慎重に確認しましょう。

担当者の力量を確認する

不動産の売買において、担当者の力量が結果を左右すると言っても過言ではありません。担当者の情報を取得するスピードや買い手を見つける能力は、売主が気にするべきことの一つとなります。

しかし、担当者の力量を判断するのは難しいものです。そこで、以下のようなポイントを必ず事前に確認しておきましょう。

  • 勤続年数
  • 宅地建物取引士の資格の有無
  • 連絡の早さ
  • ヒアリングに時間を割いてくれる
  • リスクも伝えてくれる

土地を売却する際には、短くて3ヶ月・長ければ1年以上をその担当者と過ごすことになります。その中で、できるだけストレスない取引をするためにも担当者選びは慎重に行いましょう。

行政処分の過去を確認する

信頼できる仲介業者を選ぶには、過去の行政処分歴の有無を見ておくことはとても重要です。

そもそも仲介業者は、国土交通大臣または各都道府県知事から免許を交付されています。そのため、行政庁に行けば宅地建物取引業者名簿で確認でき、名簿を閲覧することで過去の行政処分歴がわかるのです。

もし、行政処分を受けている過去があれば、その業者は避けておいた方が良いでしょう。思わぬトラブルに巻き込まれるかもしれません。

また、国土交通省および一部の都道府県では、直近5年間の行政処分などの情報を「国土交通省ネガティブ情報等検索サイト」で公開しています。この際に確認しておきましょう。

大手仲介業者で土地売却をするメリット

大手仲介業者で土地売却をするメリット

ここまで、仲介業者の選び方について解説してきましたが、大手仲介業者と中小の業者のどちらを選べば良いのか迷っている方も多いでしょう。

結論から言うと、大手も中小もそれぞれのメリットがあります。ここからは、それぞれのメリットを理解していくことで、あなたに最適な業者を選ぶヒントを見つけましょう。

【大手仲介業者を使うメリット】

  • サービスの充実性がある
  • 高い宣伝力がある
  • 高いブランド力がある

それぞれについて解説します。

サービスの充実性がある

大手仲介業者のメリットの一つ目は、サービスが充実していることです。

通常、仲介業者は売主と買主との仲介業務を専門としている企業が多くあります。しかし、大手仲介業者の多くは仲介業務のみならず、さまざまなサービスを提供しています。

例えば、ハウスクリーニングや設備修繕サービス・インスペクション(専門家による建物診断)、瑕疵担保保険など不動産を売りやすくするサービスなどを同時に利用できるのです。

サービスが充実していると、売主にとっても早期に売買ができる可能性が高いと考えられます。そのため、初めての土地売却にさまざまな不安を抱えている方にとっては、サービスの充実度は魅力の一つと言えるでしょう。

高い宣伝力がある

大手仲介業者は広告予算も豊富であるので、チラシやネットといった広告に力を入れられるため高い宣伝力があります。

そのため、物件周辺のみならず離れた地域の人からも問い合わせを受けることが見込まれます。これにより、売買に至る可能性が高くなるでしょう。

また、全国展開している大手仲介業者の場合、自社のネットワークを使って買い手リストを共有できるため、売却物件に適した買主を探すことが可能です。

売主にとって購入見込み先がたくさんいると土地を売却の可能性が高くなるのは大きなメリットの一つです。

高いブランド力がある

大手仲介業者はテレビCMやラジオCM、新聞や雑誌広告などで知名度があるため、高いブランド力があります。

買い手の中には、大手のブランドがある業者から購入した方が安心感を感じる方も多くいます。そのため、中小の仲介業者に依頼するよりも多くの買い手が見つかる可能性が高いのです。

中小仲介業者で土地売却をするメリット

中小仲介業者で土地売却をするメリット

一方で中小の仲介業者に土地売却を依頼するメリットもあります。

【中小の仲介業者のメリット】

  • 地域密着型の強みがある
  • 対応が親身で付き合いやすい

それぞれについて解説します。

地域密着型の強みがある

中小の仲介業者のメリットとして、地域に密着している点が挙げられます。地域に根付いた営業を行っているため、地元の地主などから土地の売買の相談など、大手仲介業者には出回らない情報を取り扱うケースがあるのです。

また、地元に密着しているので不動産の情報のみならず、地域の治安や環境など地域の環境にも詳しいため、買主・売主双方にとって頼りになることが多いです。

対応が親身で付き合いやすい

地元の仲介業者には対応が親身で付き合いやすいというメリットがあります。

大手仲介業者と比較し取り扱う物件量は少ないものの、社長自らがじっくり丹念に取扱物件に説明することも珍しくなく、買主にとって安心して納得した売買が可能です。地元の中小仲介業者は親切で丁寧な対応により、顧客を大切に接するため、顧客は満足感ある取引が期待できるでしょう。

中小の仲介業者は柔軟に対応してくれることが多く、担当者のそれぞれに裁量を持たせている経営者が多いため、大手仲介業者にない柔軟性に富んだ仲介業者が多いのが魅力です。

土地売却の際の仲介業者との3つの契約方法

土地売却の際の仲介業者との3つの契約方法

仲介不動産会社が決まれば売却活動に移れるわけではありません。

仲介業者との契約形態は以下のように複数あるため、自分の状況に合わせて適切に選択する必要があるためです。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

ここではそれぞれについて解説します。

①一般媒介契約

一般媒介契約とは、複数の不動産会社と媒介契約が結べる契約です。売主は自身が見つけた買主と個人間取引が可能で、そのときは不動産会社に仲介手数料を支払う必要はありません。

不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステム「REINS(レインズ)」の登録義務がないので、周りに知られず売却活動が可能です。

解約はいつでも可能で、不動産選びで失敗するリスクが少ない点がメリットです。

ただし、複数の不動産会社と契約しているため、不動産会社が積極的に販売活動をしてもらえない恐れがあります。

②専任媒介契約

専任媒介契約とは、1社の不動産会社としか契約が結べない契約です。一般媒介契約同様、売主は自身が見つけた買主と個人間取引ができます。

専任媒介契約を結んだ場合、仲介業者はその日から7日以内にレインズに登録し、2週間に1回以上売主に対して販売状況を報告しなければなりません。1社のみの契約であることから、熱心な販売活動が見込まれるため、売買成約の可能性が高くなります。

一方、1社との契約であるため、仲介業者の販売力によってはいつまでも売却できない点には注意が必要です。

③専属専任媒介契約

専属専任媒介契約とは、専任媒介契約同様売主が1社の不動産会社と媒介契約を結ぶことですが、売主が買主を見つけてくる取引は禁止されています。

専属専任媒介契約を結んだ場合、その日から5日以内にレインズに登録し、週に1回以上売主に対して販売状況を報告しなければなりません。仲介業者にとって売主に任せられ、個人間売買を禁止されているため、売買が成立すれば仲介手数料は確実に入ってくるので販売活動を熱心に行ってくれるという利点があります。

反面、仲介手数料が他社に奪われることがなく、積極的な販売活動をしない場合もあるため注意が必要です。

まとめ

土地を売却するには仲介業者の選定が重要です。地域に精通し迅速な行動を取ってくれるか、売買実績が豊富であるかなど選定する基準は多岐に渡ります。

仲介業者にも得意、不得意な分野があるので売却物件の持っている特性が得意分野である仲介業者を選びましょう。

初めての土地売却では仲介業者の選び方についてさまざまな不安があるでしょう。そんなときはこの記事で解説したポイントを理解して、あなたに最適な業者を選んでみてください。きっと、トラブルのない理想的な土地売却が叶うでしょう。

プロフィール
矢野翔一(有限会社アローフィールド)
矢野翔一(有限会社アローフィールド)
関西学院大学法学部法律学科卒。

宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)、登録販売者など多岐にわたる資格を保有。
数々の保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産業務を行う。