まずは、他の方角とは違った東向きマンションの特徴を2つの視点から紹介します。
特徴を知ることで、東向きマンションが自分に合っているか知ることができるでしょう。
東向きマンションは、午前中は日当たりが良く午後は悪くなる傾向にあります。太陽は東から昇るため、朝日の射し込みは抜群で朝型の生活スタイルの人にぴったりです。
しかし、太陽が昇り切った午後からは日陰となってしまい、窓際でも直射日光が届きません。夏場は部屋が暑くなることを防いでくれますが、冬場は寒さを感じやすいのが東向きマンションの日当たりです。
東向きマンションの値段は、4方位のなかで2番目に高くなっています。日当たりが良いと人気の南向きマンションと比較すると、価格は安くなるでしょう。
当然ですが、日当たりの悪い北向き・西向きマンションと比較すると、その値段は高くなります。また、朝日が射し込むという魅力があるため、北向き・西向きマンションと比較すると人気も高いです。
東向きマンションに住むことを考えているなら、メリットとデメリットをきちんと把握しておきましょう。メリット・デメリットを把握することで、自分が東向きマンションに住むべきなのか判断できます。
また、家賃の関係で東向きマンションを選ぶ場合でも、メリット・デメリットを把握しておくことで納得できるはずです。
まずは、東向きマンションのメリットについて詳しく解説します。東向きマンションのメリットは、主に以下の5つです。
メリットを確認することで、一番人気の南向きではなく、東向きを選ぶ良さを知ることができるでしょう。
太陽は東から昇って西に沈むため、東向きマンションでは朝の日当たりが抜群です。毎朝、窓から射し込む朝日によって目覚めることができます。朝日を浴びることですっきりと目覚めることができ、気持ちの良い朝を迎えることができるでしょう。
また、朝日を浴びることでストレスも解消されるといわれているため、健康な体作りのためにも東向きマンションはぴったりです。
洗濯物が乾きやすいのも東向きマンションのメリットです。東向きのマンションでは午前中の日当たりが良いため、朝に干した洗濯物が午前のうちに乾きやすいです。
晴れた日なら冬でも昼までに洗濯物が乾くこともあるため、早めに家事を終わらせたいという人にもぴったりです。また、布団を干す場合でも昼には取り込めるので、外出中の雨を気にする必要もありません。
東向きのマンションは太陽が昇り切った午後からは日陰になるため、1日のうちで最も気温が高くなる時間帯は日が射し込まず、夏場でも部屋が暑くなりにくいです。
上層階に行くほど太陽と近くなるマンションでは、夏場の室温上昇は悩みのひとつです。しかし、東向きを選ぶことで、夏場でも比較的涼しく、快適に過ごせるでしょう。
南向きのマンションより価格が安いのも東向きマンションのメリットです。南向きマンションは、1日を通して日当たりが良く人気も非常に高いですが、価格も高くなりがちです。
一方で東向きマンションでは、午後の日差しが悪くなることから価格が安く設定されています。太陽の光を生活に取り入れつつ価格を抑えたい人には、東向きがぴったりです。
東向きマンションでは植物が育てやすいといわれています。その理由は、適度に光があたり、水切れしにくい環境が作れるからです。
午前中は日当たりが良く、植物が光合成をして成長します。午後に日当たりが悪くなることから、夏場に気をつけたい水切れも心配ありません。ベランダで家庭菜園を楽しみたいと思っている人は、ぜひ東向きマンションを選んでください。
東向きマンションにはたくさんのメリットがありますが、デメリットもあります。デメリットについても把握しておくことで、住み始めてから後悔することがなくなるでしょう。
ここでは、以下の3つのデメリットを紹介します。
デメリットもチェックして納得した上で、東向きマンションを契約しましょう。
東向きマンションは、日当たりの悪くなる午後には部屋が暗くなりやすいです。特に、夕方は日の光だけでは過ごせず、電気を点けることになるかもしれません。1日を通して家にいる人や、日が出ているうちに帰宅する人だと日当たりの悪さを感じてしまいます。
しかし、仕事や学校で日が暮れるまで家に帰らないというスタイルの人であれば、不便を感じることはないでしょう。
家の中が暗いと気分も暗くなってしまうので、ライフスタイルに合っているかは重要なポイントです。
また、朝寝坊をしたい人が昼頃に洗濯をする場合は、洗濯物が乾きにくくなります。「土日はゆっくり寝ていたい」「平日は慌ただしいので、朝に洗濯物を干すのは苦手」という方が、土日の昼に洗濯物を干すことを考えると、むしろ西向きのほうが良いというケースもあります。
東向きマンションのメリットでもある午前中の日当たりですが、人によっては朝日がまぶしすぎることがあります。東向きマンションへ差し込む朝日は低い高度から射し込むため、まぶしいと感じる人が多いです。
また、朝はゆっくり起きるという人にとって、強い朝日が射し込むことはストレスとなります。夜型の人は、遮光性のあるカーテンを選ぶなどの対策が必要となるでしょう。
冬場に部屋が寒くなりやすいのも、東向きマンションの気をつけたいポイントです。冬場は日照時間が短いため、午前にしか日が射し込まない東向きマンションでは部屋の温度が上りません。晴れた日の午前中は暖かさを感じるものの、午後になると寒くなります。
特に、夕方から夜にかけて気温が下がり寒くなるため、冬場の寒さ対策は必須です。寝る前に寝室を温めておかなければ寒くて眠れないこともあるため、寒さに弱い人は注意しましょう。
ここまでは、東向きマンションの特徴について紹介してきました。東向きマンションにはメリットがたくさんあります。しかし、「他の方角の部屋を選んだ方が良いのでは?」と考える人もいるでしょう。
そこで、ここからは他の方角と東向きマンションを比較します。どの方角の部屋を選ぶか迷っている人は、比較する際の参考にしてください。
東向きマンションと南向きマンションの大きな違いは、日当たりの良さです。東向きマンションは午後から暗くなってしまいますが、南向きマンションは1日を通して日光が射し込むため、快適に過ごすことができます。
日中家で過ごす人にとっては南向きマンションは魅力的ですが、その分価格は東向きマンションよりも高いです。日中家に誰もいない家庭にとっては、その良さを生かすことができず高い費用を払うだけになります。
北向きマンションは、東向きマンションよりも価格が安くなっています。しかし、日当たりが悪いことから4方角のなかで最も人気は低いです。特に、冬場は寒く、暖房器具がなければ過ごせない地域も多いでしょう。
また、日が当たらないことから湿度が高くなりやすいので、カビなどの対策も必要です。洗濯物も乾きにくく、ベランダでの家庭菜園も難しいでしょう。
しかし、直射日光が当たらないので、家具や本などの日焼けを心配する必要がありません。そのため、図書館は北向きに建てられることが多く、書店も北向きのほうが歓迎されるのです。
東向きマンションと西向きマンションの違いは、日が当たる時間帯です。午前中に日が当たる東向きマンションに対して、西向きマンションでは午後に日が当たります。日が当たっている時間は長いものの、夏場の西日は快適に過ごせるものではありません。
しかし、カーテンを活用することで西日の対策はできます。洗濯物の乾きも良く、冬場でも暖かさを感じられるでしょう。
東向きマンションには向き不向きがあります。東向きマンションに向いている方は、以下のような人です。
それぞれの理由を詳しく解説します。
午前中のうちに外出して、帰宅が夕方もしくは夜になる人には東向きマンションがぴったりです。外出していると午後の日当たりが悪くなる影響を受けることが少なく、東向きマンションのデメリットを感じにくくなります。
東向きマンションの良いとこ取りができる生活スタイルなので、快適に過ごせるでしょう。
「朝は太陽の光で起床したい」という人にも、東向きマンションはぴったりです。窓から射し込む朝日によって毎朝目覚められることは、東向きマンションならではのメリットとなります。携帯などでアラームを設定していなくても、自然と入ってくる朝日によってストレスなく起床できるでしょう。
太陽が昇るときに目が覚めるので自然と夜更かしも防止でき、健康的な生活につながるのもポイントです。
東向きマンションは朝からしっかりと日光が差し込みます。そのため、朝型の生活スタイルの人にも東向きマンションはおすすめです。マンションの立地によっては日の出を見ることもできます。
太陽の動きに合わせて朝から活動をする方は、東向きマンションを選びましょう。
夏場の暑さが気になる人も東向きマンションを選びましょう。東向きマンションは最も暑くなる時間に日陰になるため、室温が上がりにくくなります。他の方角の部屋で暑いと感じる時間でも、涼しく過ごせるのがメリットです。
日中に外出している場合でも、日差しによって室温は大きく変化します。帰宅した時に部屋が蒸し暑くなっていないのも嬉しいポイントです。
最後に、東向きマンションに関するよくある質問を紹介します。住んでみないとわからないこともあるので、引っ越しを検討している人はご確認ください。
それぞれについて詳しく解説します。
東向きのマンションは、日当たりの良い南向きマンションと比較すると、カビが生えやすい傾向にあります。しかし、カビが発生しやすい水場の風通しが良い間取りの場合は、その心配はありません。
東向きだからカビが生えやすいというわけではなく、間取りによる風通しが重要なポイントとなります。カビが気になる人は、水回り周辺の風通しを確認しておきましょう。
東向きマンションという要素だけで風水の良し悪しを決めることはできません。風水では、生年月日によって相性の良い・悪い方角があります。また、一般的に良くないといわれている鬼門・裏鬼門は窓の向きは重要ではありません。
そのため、風水を気にするときは、窓の向きではなく間取りに注目しましょう。
東向きマンションの資産価値は、基本的には一番人気の南向きよりは低くなります。しかし、北向き・西向きよりも価値は高くなる傾向にあるため、総合的に見ると資産価値は高いです。
南向きのマンションと比較すると資産価値が低くなる可能性は高いものの、購入費用もその分安くなります。他の要素にお金がかけられるようになるため、東向きマンションを購入する価値は十分あるでしょう。
今回は、東向きマンションについて紹介しました。東向きマンションにはたくさんのメリットがありますが、デメリットも存在します。大切なのは、方角だけで決めるのではなく東向きが自分に合っているかどうかです。
ライフスタイルによっては、デメリットもメリットに変わります。東向きマンションを検討しているなら、まずは自分の生活スタイルをきちんと把握してみましょう。その上で自分に合った方角を選んでください。
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会会員 「プリンシプル 住まい総研」所長 住宅情報マンションズ初代編集長
1988年株式会社リクルート入社し、リクルートナビを開発。 2002年より住宅情報タウンズのフリーペーパー化を実現し、編集長就任。 現スーモも含めた商品・事業開発責任者に従事。2011 年 12 月同社退職。
プリンシプル・コンサルティング・グループにて2012年1月より現職。 全国の不動産会社のコンサルティング、専門誌での執筆や全国で講演活動を実施。