マンション売却・査定

マンション売却のタイミング・時期はいつがベスト?売却時の注意点や流れも解説!

マンションを売却するなら、できるだけ早く・高く売りたいものです。とはいえ、マンションの売り時が分からず売却を躊躇している人もいるでしょう。マンション売却のタイミングは、マンション価格や周辺環境・住宅ローンなどさまざまな要因から判断することが大切です。

この記事では、マンション売却のタイミングや売却の理由・注意点について分かりやすく解説します。

マンション売却のタイミング・時期はいつがベスト?

マンション売却のタイミングを判断するポイントとして、次の6つが挙げられます。

  • マンション価格が上昇している時期
  • 大規模修繕が終わった後
  • 他の部屋の売り出しが無いタイミング
  • 2~3月頃
  • 住宅ローン控除の上限期間を超えたタイミング
  • 売却益でローンが完済するタイミング

それぞれ詳しく見ていきましょう。

マンション価格が上昇している時期

マンション価格が上昇している時期なら、高値での売却が期待できます。ただし、不動産の市場は情勢などに大きく左右されるため、タイミングによっては売却損が出てしまう可能性もあるので注意しましょう。とはいえ、マンション市場の動向から売却時期を見極めるのは容易ではありません。

国土交通省の不動産価格指数によると、2010年以降マンション価格は上昇を続けています。特に2013年以降のマンション価格の上昇は著しく、戸建てや土地売却よりも大幅な価格上昇で推移しているのです。新築マンションの価格が上昇することで、価格の高い新築よりも中古の需要が増すことになり、中古マンションの価格も上昇します。

ただし、マンション価格の高騰がいつまで続くかは不透明であり、待てば待つほど上がるとも限りません。またエリアによっても、価格の変動が異なるため、注意が必要です。マンション売却を検討しているなら、市場の動向を注視して、売りやすいうちに売却を決めることをおすすめします。

大規模修繕が終わった後

大規模修繕とは、マンションの維持のためにおこなわれる大規模な修繕工事のことをいいます。

マンションでは、10年から15年を目安に、外壁塗装や屋上防水・大規模な設備の入れ替えなどがおこなわれます。大規模修繕が終わった後のマンションは、見た目も良くなっているため、買主に良い印象を与えやすくなります。

特に、外壁がきれいになるとチラシなどに掲載する写真映えも良くなるので、大規模修繕が終わった直後に売却を検討してみるのもおすすめです。

他の部屋の売り出しが無いタイミング

同じ棟のマンションでほかの部屋も売り出していると、売りにくくなります。

買い手は、マンションの立地や築年数で検索しているため、同じマンションでは基本的な条件が一致します。そのうえ、間取りや階数まで同じになってくると、価格で比較されてしまうものです。

たとえ間取りや階数の条件が異なっていても、同じマンションで価格が大きく違うと不利になりかねません。そのため、同じマンションで別の部屋が売りに出されていると、値下げ合戦になりやすく、高値での売却がしにくくなるのです。

売却を急いでいないなら、ほかの部屋の売り出しがないかを不動産ポータルサイトや不動産会社に確認してから検討するとよいでしょう。

2~3月頃

新生活をスタートする4月に向け、2月~3月はマンションの需要も高くなります。需要が高くなることで、買主との交渉も有利になり、高値での売却も期待できるのです。

2月~3月で売却を決めるには、年末頃から動き出す必要があります。4月に新生活をスタートする人は、3月には入居したいと考えるため、1月には内見をして2月の契約を目指すというスケジュールになるのが一般的でしょう。

そのため、1月~2月の売却活動開始に向け、年末頃には準備を進めておくと、有利な時期を逃しにくくなります。

住宅ローン控除の上限期間を超えたタイミング

住宅ローンを利用してマンションを購入している人は、住宅ローン控除を適用している人も多いでしょう。住宅ローン控除とは、住宅ローン残高に応じて一定額を所得税から控除できる税制優遇措置のことをいいます。購入した年にもよりますが、年末時点のローン残高×0.7%を13年間控除できるのです。

住宅ローン控除は所得税から直接控除できるため節税の効果が高いですが、適用できる期間が終わるとそれ以降、節税のメリットがなくなります。そのため、適用期間が終了したタイミングで売却を検討するのも、一つのタイミングと言えるでしょう。

ただし、適用期間は、2021年以前の購入では10年(年によって13年)だったものが、2022年以降は13年間に改正されています。自分のマンションの適用期間がいつまでなのかを理解してうえで、売却を検討するようにしましょう。

売却益でローンが完済するタイミング

住宅ローンが残っているマンションを売却するには、ローンの完済が必須です。ローンが残っている状態では、マンションに抵当権が付いているため売却ができません。抵当権が付いたままでは、いつ金融機関によって競売にかけられるのかも分からず、買い手もつかないでしょう。

抵当権を抹消するには、住宅ローンを完済する必要があります。自己資金で完済できない場合は、売却額で完済するのが一般的です。その場合は、ローン残債と売却額の関係が重要になってきます。

ローン残債と売却額の関係は、次の通りです。

  • 売却額でローンを完済できる:アンダーローン
  • 売却額がローン残債を下回る:オーバーローン

アンダーローンであれば、問題なく売却を進められます。一方、オーバーローンの場合、完済に足りない分を自己資金などで賄うか、住み替えローンを利用するなどの工夫が必要です。

どのような方法でもローンを完済できない場合、売却することはできない点に注意しましょう。売却額でローンを完済できるかを慎重に見極めてから、売却を検討することが大切です。

マンションの売却を検討する主なケース

マンション売却は自分でタイミングを見極める必要があるものの、ほかの人がどのようなタイミングで売却を検討しているかも気になるものです。

マンション売却のタイミングを検討する材料として、売却を検討する主なケースを見てきましょう。

主なケースとしては、次の3つが挙げられます。

  • 築年数による資産価値の低下
  • 経済状況によるマンション価値の上昇
  • ライフイベント

築年数による資産価値の低下

建物は築年数が経過すると、経年劣化によって資産価値が低下します。

戸建てであれば、建物の価値は減少しても土地の価値は減少しにくいため、築年数が古くても土地の価値で売却できる可能性があります。

しかし、マンションは土地の価値はわずかしかなく、建物の価値が低下するとマンションの価値も低下するものです。また、修繕なども自分でできないため、マンションの管理者が大規模修繕などに対応してくれないと資産価値はどんどん低下して、売却がしにくくなります。

一般的に、マンションの売却額は築年数が浅いほど高く、時間が経過するごとに売却額が下がってしまうものです。売却相場は築5年未満、築10年未満など、5年ごとに大幅に下がる傾向があるので、築年数を考慮して資産価値の高いうちに売却を検討するとよいでしょう。

経済状況によるマンション価値の上昇

マンションの売り時は、経済状況にも左右されます。

新型コロナウイルスのように経済が混乱するような局面では、マンション価格も下がる可能性があるでしょう。反対に、オリンピックや万博といった好影響のあるタイミングは、価格上昇の可能性があります。

また、マンション価格は住宅ローン金利・地価・人件費や建材費の高騰などにも左右されてきます。経済状況などの情報も収集したうえで、売却を検討するとよいでしょう。

ライフイベント

マンション売却は資金だけでなく、以下のような家族の変化も重要な要因となります。

  • 結婚
  • 子どもの誕生や成長
  • 進学や就職
  • 子どもの独立など

特に、子どもの成長や進学、自身の転勤などを理由にマンションを売却するケースは少なくありません。子どもが成長して手狭になったマンションで、高く売れる時を待って生活し続けるのはストレスになりかねないものです。高く売れる時期だけでなく、ライフイベントも踏まえて家族に適したタイミングを見極めるようにしましょう。

マンション売却を検討する際の注意点

マンション売却を検討する際の注意点として、次の4つが挙げられます。

  • 金利上昇による住宅取得意欲の低下
  • 売れにくい時期がある
  • 土地価格の下落
  • マンション査定は複数社から受ける

金利上昇による住宅取得意欲の低下

住宅ローンの金利が上昇すると、買い手がローンを組みにくくなり売却にも影響が出てきます。

長期に渡る借入である住宅ローンは、金利がわずか数%上がっただけでも金利負担の総額が大きく変わってくるものです。反対に、金利が低ければローンを組みやすく、マンションを購入しやすくなるため売却にもプラスに働きます。

近年は、日銀による金融緩和政策が続いたことで、低金利が続いています。しかし、2022年に日銀の利上げが発表されたことで、今後金利に影響が出る恐れもあります。

また、住宅ローン控除の改正にも注意が必要です。

2021年に終了する予定だった住宅ローン控除は、2022年の税制改正で2025年までの延長が決まりました。しかし、2023年8月時点では、2025年以降の延長については公表されていません。住宅ローン控除が終了すると、買い手の節税のメリットが無くなってしまうため、購入意欲の低下につながりかねません。

金利や税制改正などの動向にも注意して、タイミングを見極めるようにしましょう。

売れにくい時期がある

2~3月はマンションの需要が高くなるのに対し、7~8月や12~1月は需要が低くなる傾向があります。暑い時期・寒い時期は内覧や引っ越しなどをしたくないという人が多いからです。

需要が高い時期に売り切れるように、売却計画を立てて進めましょう。

土地価格の下落

マンション価格は土地価格にも影響されます。

土地価格が下落すると新築マンションの価格が下がります。価格が下がり購入しやすくなることで、新築マンションの需要は高まります。そうすると、反対に中古マンションの需要が下がり、売却がしにくくなるのです。

土地価格は、国土交通省が毎年発表する公示価格をチェックするとよいでしょう。

マンション査定は複数社から受ける

マンション売却時には、まず不動産会社から査定を受けることになりますが、査定額は不動産会社によって大きく異なります。会社によっては数十万~数百万円違ってくることもあるでしょう。

査定を最初から1社に絞っていると、提示された価格が適正かどうかの判断も付きません。できるだけ複数の不動産会社から査定を受けることで、相場が見えやすくなります。

ただし、査定額だけで不動産会社を選ぶのはおすすめできません。相場よりも極端に査定額が高い場合、契約欲しさに高値を提示しているというケースもあるからです。そのような場合は、売却活動をおこなう中で、なかなか売れないことを理由に値下げされる可能性が高くなるでしょう。

不動産会社を選ぶ際には、査定額や対応・実績など総合的な面で比較することが大切です。

マンション売却の流れ

マンション売却を成功させるには、売却の基本的な流れを押さえておくことが必要です。

大まかな売却の流れは、次のようになります。

  1. 売却準備(資金計画・必要書類・相場の把握・ローン残債の把握)
  2. 査定依頼
  3. 媒介契約
  4. 付帯設備表の記載
  5. 売却活動
  6. 売買契約
  7. 引き渡し
  8. 確定申告(売却益が出た場合)

まずは、相場の把握や売却計画・必要書類の準備などから取り掛かりましょう。査定依頼を通して不動産会社を比較し、マンション売却を任せられる不動産会社と仲介契約を結んだら、売却活動がスタートします。

売却活動は基本的に不動産会社がすべておこなってくれますが、内覧準備や対応など売主がしなければならないこともあるので、不動産会社に相談しながら進めるとよいでしょう。無事に買主が見つかれば、売買契約を結び、代金を受け取って引き渡しとなります。

マンション売却は上記のような流れで進み、3ヵ月~半年ほど時間がかかります。

必要省類の準備や付帯設備表の作成などは、不動産会社が適宜指示してくれます。アドバイスを受けながら進めていくことになるので、初心者でも問題なく売却ができるでしょう。

マンション売却では、不動産会社の力が成功を左右します。査定時にはできるだけ多くの不動産会社を比較し、信頼できる会社を選ぶことが大切です。査定について、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。

関連記事:【少しでも高く!】マンション査定の種類や注意点を徹底解説!よくある失敗も解説

まとめ

今回は、マンション売却のタイミングや注意点・売却の流れについて解説しました。

特にマンションを売りやすくなるのは、以下の時期です。

  • マンション価格の上昇時期
  • 2~3月
  • 大規模修繕後

ただし、上記のタイミングに限らず、マンションの売り時は金利や土地価格・経済状況・ライフイベントによっても異なってくるので、総合的な点から判断することをおすすめします。

この記事を参考に売却計画を立てて、マンションの売り時を逃さず売り切れるようにしましょう。

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