はじめに、平米について詳しく解説していきましょう。結論から先に申し上げると、平米とは平方メートル(㎡)のことを表しています。
小学校の算数でも習った通り、1平方メートル(㎡)は1辺の長さが1mの正方形のことです。1平米も同義なので、1m×1m程度の広さがある土地と考えてよいでしょう。
平方メートルは国際的に定められている面積の単位ですが、日本では長さを「米」で表していた時代があったため、平米という言葉がうまれました。名称が異なることから別の単位として認識しがちですが、平米と平方メートルは同じ意味であることを覚えておきましょう。
建物の広さを表す単位は、平米の他に「坪」や「畳」があります。マンション等を購入する際には、居室ごとのスペースを平米ではなく畳で表すことが多いでしょう。
一方で土地を購入する際には、平米ではなく「坪」で表記される傾向にあります。これらの3つの単位が表す面積の広さは全て異なるので、それぞれの違いをしっかり理解しておきましょう。
下記に平米・坪・畳の広さの違いをまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
【平米・坪・畳の広さ】
※畳は江戸間サイズで換算
上記の表でそれぞれの広さの感覚を身につけることで、実際に不動産の現地に行かずとも、おおよその広さが分かります。具体例を挙げると、10平米と表記された物件は6.44畳なので、6畳半の畳の部屋をイメージすると現地の広さを想像しやすいでしょう。
このように、平米・坪・畳をご自身の身近にあるいずれかの単位に置き換えて考えてみてください。
補足になりますが、畳は地域によってサイズが異なります。下記にエリアごとの畳のサイズをまとめたのでぜひ参考にしてください。
【エリア毎の畳の違い】
京間は、一般的に関西から九州で使用されている畳のサイズです。岐阜県や福井県では中京間、関東から東北エリアでは江戸間が使用されています。
京間と江戸間では畳の大きさが約15cmも異なるので、関西地方から関東地方に引っ越す場合などはサイズの違いに驚くこともあるかもしれません。後悔することのないよう、地域によって畳に違いがあることをしっかりと把握しておきましょう。
それでは、本題である300平米の広さについて解説していきます。1平米は1m×1mのことを表しているので簡単にイメージができますが、300平米は想像が容易ではないでしょう。
300平米とは1辺の長さが約17.3mの正方形の面積で、坪に置き換えると90.75坪です。17mを身近なものに例えると、神社の鳥居や4階建てのビル等が該当します。
300平米の具体的な広さは、郊外にある大型の薬局やスーパーマーケットをイメージすると分かりやすいです。コンビニエンスストアの多くは150~200平米前後なので、それよりも広大な土地であることが分かります。
また、一般的に一人暮らしの賃貸マンションに適した平米数は25平米、建売住宅の面積は100平米と言われているので、300平米の大きさがどれほど広いものなのか分かるのではないでしょうか。
300平米のマンションの間取りとは、一体どのようなものでしょうか。実は、300平米の広さを持つマンションの間取りは決して多くはありません。なぜなら、300平米という専有面積はマンションの間取りとしては大きすぎるからです。
下記に、間取り別の平均的な平米数をまとめたのでぜひ参考にしてみてください。
【間取り別の平均的な平米数・内訳】
上記の表からもわかるように、300平米を有するマンションは3LDKの間取り4~5つ分もの広大な広さになります。実際に300平米の専有面積を持つマンションの情報を調べてみました。
【300平米のマンションの間取り(4LDK+F+2N)】
続いて、300平米の土地について見ていきましょう。300平米の土地に戸建てを建てると一体どの程度の広さになるでしょうか。
2020年度フラット35利用者調査のデータによると、注文住宅の平均的な広さは全国で124.4平米となっています。大きくも小さくもない一般的な注文住宅が124.4平米なので、約3倍の300平米の土地は非常に広大と言えます。
しかし、土地の場合はマンションと異なり、300平米をそのまま全て建物にはできません。「建ぺい率」や「容積率」というものが存在し、建築基準法によって定められた土地の制限を超えた住宅は、建ててはならない決まりがあります。
次の項で、建ぺい率や容積率について詳しくみていきましょう。
300平米の土地を購入しても、広さのギリギリまで住宅を建てることはできません。なぜなら、土地には建築基準法で定められた「建ぺい率」や「容積率」という制限があるからです。
下記に、建ぺい率と容積率について詳しくまとめたのでぜひ参考にしてください。
建ぺい率は、敷地面積の中で住宅を建てられる割合を示しています。具体例を挙げると、300平米の土地の建ぺい率が50%の場合、建物の面積は150平米までに制限されるということです。
建ぺい率が高い土地であればあるほど、敷地面積のギリギリまで住宅を建てられます。割合は地域によって異なるので、良い土地を見つけたら建ぺい率を必ず調べておきましょう。
建ぺい率は下記の公式で求められます。
建ぺい率(%)=建築面積/敷地面積×100
容積率とは、敷地面積に対する延べ床の割合です。建ぺい率と同様に建築基準法によって上限が定められており、下記の公式で求められます。
容積率(%)=延べ床面積/敷地面積×100
容積率は建ぺい率と異なり、建物全体の面積ではなく延べ床面積で計算します。具体例を挙げると、容積率50%の300平米の土地に2階建ての家を建てる場合には、1階と2階の延べ床面積の合計が150平米以下である必要があります。
つまり、容積率が高いほど多層階の大きな建物を建てられるということです。
300平米の土地を所有する場合、200平米までの土地が小規模住宅用地、残りの100平米の土地が一般住宅用地として分類されます。具体例を挙げてみましょう。
【300平米で固定資産税評価額が1,800万円の土地の固定資産税の求め方】
課税標準額=小規模住宅用地の課税標準額+一般住宅用地の課税標準額 =1,800万円(200平米÷300平米)×1/6+1,800万円×(100平米÷300平米)×1/3 =200万円+200万円 =400万円 固定資産税=課税標準額×1.4% =400万円×1.4% =5.6万円
上記からも分かるように、300平米で固定資産評価額1,800万円の土地を持った場合の固定資産税は5.6万円になります。
上記の固定資産税はあくまでも土地に建物が建っている状態の計算で、更地の場合には上記と計算方法が異なるので注意しましょう。
300平米の広い土地の固定資産税を下げるために最も効果的なのは、土地活用をするという方法です。有り余る広い土地に集合住宅を建てるなどの土地活用をすると、固定費を大幅に削減できます。
もちろん、集合住宅を建てた分の建物に対する固定費は増えてしまいます。しかし、家賃という大きな収入が得られるため、土地活用前よりは固定費に苦しむことはないでしょう。
マンション等の集合住宅は300平米の広い敷地であっても、戸数の多さから土地の課税標準額が固定資産税評価額の6分の1となります。広い土地の固定費を抑えたいと考えている方は、ぜひ土地活用を検討してみてください。
最後に、300平米に関するよくある質問をまとめました。
【300平米に関するよくある質問】
現在疑問に思うことがなくとも、後から困ることがあるかもしれません。よくある質問に目を通し、300平米に関して万全の状態にしておきましょう。
300平米は坪に換算すると90.75坪になります。畳に換算すると181.5畳です。
一般的な3LDKのファミリー向けマンションの平米数が60~70平米なので、その4~5倍である300平米のマンションは非常に広いと言えます。
300平米の土地も一般的な戸建てと比べるとかなり広いです。
当記事では、300平米の広さや、平米・坪・畳の違いについて詳しく解説してきました。 300平米は1辺が17.3mある正方形の面積ほどの広さです。一般的なファミリー向けマンションや注文戸建ての約3倍以上の大きさなので、非常に広大な面積であることが分かります。
広大な土地にかかる固定費を削減したいとお考えの方は、ぜひ土地活用も視野に入れてみましょう。
家業の眼鏡店経営、訪問販売会社立ち上げ・運営、司法書士助手等の仕事を経て、1部上場グループに所属する管理会社で賃貸仲介、賃貸管理部門で社員から管理職まで約15年程経験。
その後、空室対策・シニアの住まいに関する総合サービス・不動産・リノベーション工事の会社を仲間と起業・経営。
現在はフリーランスで賃貸経営や終活に関してのコンサルティングやアドバイスを行う。