老後の住み替えに潜む恐ろしい罠とは?体験談や回避策をまとめて紹介
ライフステージや生活習慣の変化によって、老後に住み替えを検討している人は少なくありません。
しかし、なんとなくで住み替え先を選んでしまうと、思わぬトラブルにつながる可能性もあります。
高齢者の住み替えの場合、主に金銭的な理由と身体的な理由によって、住み替えを後悔するような問題に発展することがあります。
ここでは、高齢者の住み替えで直面しやすい罠とその回避策について紹介していきます。
なぜ老後の住み替えに罠があると言われるのか?
老後の住み替えは、若年層の単なる引っ越しや住み替えとは異なるポイントが多くあります。
若いころと全く同じ収入を得ることは多くの場合難しくなるうえ、病気や入院といった健康的なリスクも大きくなり、それに伴って出費も増えます。また子供や孫にお金がかかることもあります。
このように、高齢者ならではのリスクや問題を抱えたまま住み替えを行うと、大きなトラブルが発生することがあるのです。
「住み替えによる罠」が発生するのは、主に以下のような原因があります。
- 想定以上の長生きによって資金計画が破綻する
- プロとの知識差で不利な契約を結ばされる
- 環境の変化がストレスになる
- 片付けや手続きの負担が大きい
- 死亡後に借金やトラブルを子供に残してしまう
- 売却や購入の手続きが難航する
ここからは、罠が発生する理由について、具体的に紹介していきます。
想定以上の長生きによって資金計画が破綻する
「人生100年時代」と言われるとおり、現代日本では平均寿命が伸びています。
今の計画では十分足りる計算でも、予想外に長生きをしたり、また今以上に物価が上がったりなどすれば、資金が足りなくなる可能性があります。
さらに、もし「資金が足りない」となっても、高齢になってからでは資金を増やす手だては多くありません。
内閣府の「令和7年版高齢社会白書」によると、60歳以上の男女で家計が「多少心配」「かなり心配」と回答した人は、前回調査よりも約5%ほど増えている傾向にあります。
また、日本弁護士連合会による2023年の調査によると、70代以上の破産債務者は約9%から約12%へ大幅に増加したとあります。

このように、老後の資金について不安があったり、実際に計画通りにいかなかったりする人が増えている傾向にあります。
プロとの知識差で不利な契約を結ばされる
世代に関わらず、不動産の契約では知識不足によって不利な契約を結ばされることがあります。
不動産流通推進センターの不動産業統計集によると、「紛争相談件数」で最も多いのは「重要事項説明等」とあり、契約時の知識差・理解度の差によるトラブルが多く発生していることがわかります。
高齢者の場合は、若いころよりも理解力が衰えていることもあるため、さらに用心が必要です。
環境の変化がストレスになる
どんなに便利で魅力的な場所へ住み替えたとしても、長年暮らした家や土地から離れることは、大きなストレスとなり、心身に負担をかけてしまいます。
特に高齢者の場合、長期間同じ場所に住んでいることが多いため、そこから離れることが喪失感をもたらすこともあります。
さらに、高齢者になると新しい環境への適応能力が低下することもあり、住み替え先の家や環境にうまく馴染めずストレスを抱える可能性もあります。
こうしたストレスをきっかけに、「フレイル(加齢により心身が老い衰えた状態)」や「老後うつ」に陥ってしまうこともあるようです。
片付けや手続きの負担が大きい
長年暮らした家では、整理しなければならない荷物が多くなります。さらに高齢になると足腰が弱ったり筋力が衰えたりするため、大きな荷物を動かすことが難しくなり、住み替えのための片づけが難航する可能性があります。
また、住み替えの際には引っ越しの手続きなどが必要ですが、介護保険や年金など、若い時に比べてやらなければならない手続きが増えがちです。手続きは煩雑なため、何度も役所へ行かなければならなくなったりすると、心身共に負担がかかりやすくなります。
死亡後に借金やトラブルを子供に残してしまう
「想定より長生きしてしまう」という罠を上述しましたが、「想定より早く亡くなる」という罠もあります。想定よりも早く亡くなったり、病気などによって働けなくなったりした場合、住み替えにかかった費用で残っている分は子供や残された家族に払わせることになるのです。
また、もし持ち家を売却などして賃貸物件に住むことになる場合、亡くなった方が住居に対して契約していた内容によっては、清掃費用などが子供に請求されるケースもあります。
売却や購入の手続きが難航する
高齢者の不動産売却でトラブルになりやすいのが、名義人が認知症などで意思能力がないとされる場合です。
例えば、認知症で意思能力の有無を確認できない人がマンションの名義人の場合、その配偶者や子供はもちろん、本人ですらマンションを売却することはできません。
名義人が意思能力がないとされる場合「成年後見人」という制度を利用して売却することはできますが、家庭裁判所の手続きが必要になるなど、費用や時間の負担が大きくなりがちです。
また、不動産を購入する際にも手続きが煩雑になる可能性があります。
売却する側が、購入者に判断能力があるかどうか調べるため、通常よりも確認項目や提出書類が増えることがあるためです。
さらに、ローンを組むことも難しくなるため、そもそも購入することに難航するパターンも考えられます。
【ケース別】老後の住み替えに潜む罠と回避策
老後の住み替えでは、どこで暮らすかによって異なる罠が潜んでいます。
今の暮らしや理想の暮らしをするためにはどうしたらいいか、そして回避策が現実的にとれるかどうかで、住み替え先の検討を行いましょう。
| 住み替えの先 | 潜んでいる罠 | 回避策 |
|---|---|---|
| マンション | 管理費・修繕費がかかる 隣や上下階の住民の生活音が気になる |
管理費や修繕費は多めに見積もって用意する シニアが多めのマンションを選ぶ |
| 一戸建て | 自分で管理する範囲が広い 郊外の場合移動手段など利便性が落ちることがある |
庭や家のサイズは小さい物件を選ぶ 移動手段を事前に確認しておく |
| 賃貸物件 | 新規契約がしにくい 家賃を払い続ける必要がある 子供に相続ができない |
各種制度を利用する 資産を確認する 別の形での相続を検討する |
| シニア向け住宅 | 物件数が少ない 通常の住宅より費用が高め |
エリアにこだわらない 資産を確認する |
| シニア向け施設 | 元気な場合費用が高額になる 他の入居者との人間関係が気になる |
入居前の相談や見学をしっかり行う |
| 子供との同居 | 子供が住みたがらない可能性がある 子供の家族と上手くいかない可能性がある |
子供とよく相談する 事前にコミュニケーションをよくとっておく |
| リフォーム・建て替え | 希望通りにいかない可能性がある 家や土地の資産価値が低い場合資産にならない |
打ち合わせはしっかり行う 資産価値とリフォーム・建て替えの費用を把握しておく |
ここからは、それぞれのケース別に、潜んでいる罠と回避策を具体的に紹介していきます。
マンションを購入する場合
マンションは、購入後も修繕費や管理費などで、思わぬ出費がかさむ可能性があります。
築年数が古い物件の場合、そうした費用も高額になりがちです。そのため購入費用だけでなく、修繕費・管理費が高くなっても支払えるよう、計画的に物件を選ぶ必要があります。
また、マンションは戸建てと違い、すぐ隣や上下階に人が住んでいることがあります。
生活スタイルがかけ離れた人が隣や上下に住んでいた場合、ストレスの原因になるかもしれません。
ほかの部屋の空き状況や、どんな人が住んでいるか、事前にわかる範囲で確認しておくのがおすすめです。静かに暮らしたいと考えている人は、同じくらいの年代の住人が多かったり、子育て世帯が少なかったりする物件を検討してみましょう。
一戸建てを購入する場合
一戸建て物件の場合、マンションと異なり管理費が請求されることはありません。
一方で、管理のために自分で動く必要があります。例えば、庭の草むしりや枝の剪定、建具の修理・交換など、ちょっとした管理であれば自分で行わなければいけません。高齢になり身体を動かすことが少なくなった人にとっては、難しかったり煩わしかったりすることもあるでしょう。

そのため、庭や建物のサイズはできるだけコンパクトな物件がおすすめです。
また郊外の場合、運転ができなくなっても暮らしに支障がないよう、移動手段を事前に確認しておくことも大切です。年齢とともに歩ける範囲が狭くなるうえ、新しい道を覚えにくくもなるため、徒歩数分以内に駅やバス乗り場、病院、スーパーなどがある場所がよいでしょう。
賃貸へ引っ越す場合
高齢者の場合、そもそも賃貸物件の新規契約が難しい状況にあります。貸主側に、家賃の滞納や借り手が亡くなるといったリスクがあるためです。
通常の賃貸契約が難しい場合は、子供に連帯保証人を依頼したり、公的制度を利用したりしましょう。
利用できる公的制度
| 対象者 | 概要 | |
|---|---|---|
| 家賃債務保証 | 60歳以上または要介護・要支援認定を受けている人 | 財団と基本約定を締結している賃貸住宅で滞納家賃と原状復帰にかかる費用の一部を保証する |
| 終身建物賃貸制度 | 60歳以上の単身者、配偶者または60歳以上の親族と同居する人 | 認可を受けている物件で、賃借人が亡くなるまで借りられる制度 |
出典2:終身建物賃貸借|国土交通省
賃貸物件の場合、持ち家よりもさらに資産管理が重要になります。住んでいる期間中に確実に家賃を支払うことができるかどうかは、しっかり確認しておきましょう。
また希望がある人は、家賃を払ったうえで子供に資産が残るよう、金銭管理をしなければいけません。
シニア向け住宅へ引っ越す場合
シニア向け住宅は、一般の住宅に比べて物件数が少ない状況です。そのため、希望していた地域に住めなかったり、入居待ちになったりする可能性があります。
そんなときは、住むエリアを広げて探してみましょう。入居待ちをしていると、いつまで経っても入居できない可能性もあるため、希望の住宅をいくつかピックアップしておくと安心です。
また、一般的な物件に比べて設備が高齢者向けに整っていることもあり、賃料や購入費用が高くなりがちです。現在の資産で足りるかどうか、しっかり確認しておきましょう。
シニア向け施設(有料老人ホームなど)へ引っ越す場合
シニア向けの施設は、介護や看護が必要な方向けであることが多く、どちらも必要としない人の場合、入所に制限があったり費用が高くなったりすることがあります。
また、入所者やスタッフさんと距離が近いため、人間関係トラブルが起きやすい環境です。そのため、入所の条件やかかる費用、同じ入所者やスタッフさんの雰囲気などを事前によく確認しましょう。

可能であれば、見学や体験入所などにも行っておくのがおすすめです。
入所後の住み替えも可能ではありますが、手続きの煩雑さや費用面からみても、最初から納得できる施設に入所できるのが理想的です。
子供と同居する場合
子供と同居したいと思っている場合、事前によく話し合いが必要です。「きっと住んでくれるだろう」と思っていても、「実は嫌だった」となる可能性もあります。
自分の子供だけでなく、子供の家族とも相談が必要です。

特に子供の配偶者は、義理の親に対して本音を言えないことも多いため、子供の家族どうしで話し合いをする時間を設けてあげるとよいでしょう。
同居に伴って引っ越しが必要であれば、特に孫がいる場合、タイミングに配慮が必要です。
また同居後、お互いにストレスを溜めないためにも、子供や子供の家族ともコミュニケーションをとって関係を築いておくこともおすすめします。
今の家をリフォーム・建て替える場合
リフォームや建て替えを行う場合最も気にしたいのは、工事にかかる費用と不動産の資産価値です。家や土地の資産価値が低い場合、お金をかけてリフォームや建て替えをするよりも、別の物件に移ったほうが、最終的に低コストで済む場合があるからです。
持っている資産のほとんどを使ってリフォーム・建て替えをした場合、子供や親族に遺せるものが、資産価値の低い家しかない状況になってしまいます。
またリフォームを行っても、元々の家の作りなど様々な条件から仕上がりとイメージしていたものが違うことも起こり得ます。「実際にリフォームしてみたら思ったより暮らしにくかった」という結果になってしまうと、結局別の家に住み替えることになり、リフォーム費用が無駄になってしまうかもしれません。

そうならないためには、実際に工事が始まる前の打ち合わせで、絶対に変えてほしいところと変えたくないところを明確にしておきましょう。
老後の住み替えで成功した人・失敗した人の体験談
どんなに情報を集めても、実際に住み替えたほうがいいのか、不安ですよね。
住み替えた場所や住居タイプなど、どんな時に「成功した」「失敗した」と思うのでしょうか?また、同じ場所に住み替えたとしても、人によって意見が違うことなどもありそうです。
そこで、実際に住み替えた人の体験談を集めてみました。
住み替えに成功した人の体験談
東京23区、駅から5分の一戸建てに住んでいます。とても便利です。
60歳過ぎて、マンションは住めません。音が気になると思います。他人を気にしながらの生活はストレスになります。
私の住むマンションは貴方の希望どうりの立地です。大型スーパー、中型スーパー、病院は数知れず地下鉄の駅は徒歩8分、勿論バスの停留所もあります。おまけに図書館まで近くにあります。歳をとれば、マンションが良いですよ。暖かいしね。
シニアを60歳や65歳での退職年齢区分だとしますと、私はすでにUターンで田舎暮らしです。現役時代は四人の子育てに合わせてUR賃貸を数回引っ越しました。
おかげで、田舎では築100年超の小さなボロ家を無垢材で改築して暮らしています。あと50年は持つと思います。身の丈を知っていますので快適です。
住み替え先が便利なことや、自分らしい暮らし方ができている方は、住み替え後に不満がなさそうです。
自分はどんな生活がストレスになるのか、よく考えて住み替え先を検討するのがよいでしょう。
住み替えに失敗した人の体験談
私より、年齢が高い、知人ご夫婦は、マンションで年金暮らしですが。今更、後悔なさってるのは、車を運転して もっと行動したい。人ごみはうんざりだ、お金がかかってしょうがない(外食)が多くなる、近くの病院では、みてもらえず電車で30分の郊外の病院へ通院するなら、車(20分)が良かった。買い物は総合スーパへ車で行った方が便利だった。持ち歩くこともなく。通販はあるし。
マンションの場所は、便利は便利ですが、迎えが消防署、、近所が病院、ついでにお寺(葬儀場)、警察署。夜中に救急車、のサイレン、消防のサイレン、パトカーのサイレン。生活の、サイレンスが、消えて、隣の子供は廊下でキャッチボール。今は、マンションから外出することが多いですが、外食の毎日でお金はかかります。音で夜中に寝れないのだそうです。
郊外から、とても便利なところに転居済みです。
徒歩圏内に何もかも揃っています。
スーパーは数か所あり、百貨店も徒歩圏内です。駅、病院、銀行、役所、日本年金機構まで徒歩圏内にあります。
おかげで毎日出歩いて買い物三昧。出費が多くなりました。
便利過ぎるのも好し悪しです。
老後に戸建てって、大変だと思いますよ。
私の実家の両親は、2人とも70歳くらいで亡くなりましたが、体調崩して入退院の数年、まず二階に上がれないですし、よっぽど一等地ではない限り郊外住まいですので、大変ですよ。
お子さんはいますか?負担かけたくないならやめた方が…
私は二階の掃除、一階のメンテなどに通いました。入院の洗濯の世話とかも。
マンションの方が便利かと思いますよ。
じわじわと体調崩すならいいけれど、急に即入院になったりで、しばらく帰れないと、水回りは一気に劣化します。
あっという間に二階のトイレ動かなくなりました。
私は、この経験があるので、今は分譲マンションですが、高齢者向けのマンションが増えているので、そういうところに行こうと考えています。
引用:老後の住居について 皆さんは今現在住環境はどのような感じでしょうか? 私は分譲マンションを2005年に購入2010年にローン完済してます あと10年で定年退職しますがそれまでにマンションを売
住み替えでの失敗は、お金がかかることや不便なこと、近隣が騒がしいことなど、環境由来の悩みが多そうです。
また、戸建てでは高齢者の身体状態とマッチしないと不便なようでした。
戸建てを検討する場合は、子供と同居をしたり平屋を選んだりなど工夫が必要そうです。
老後の住み替えの罠を回避するためのチェックリスト
ここまで紹介してきたとおり、老後の住み替えにはいくつもの罠が潜んでいます。
快適で落ち着いた老後を過ごすためには、そうした罠にはまらないよう、回避したいですよね。
老後の住み替えの罠を回避するためには、住み替えを決める前にしっかりとポイントを押さえてチェックしておくことが大切です。
老後の罠を回避するためのチェックポイント
- 住み替えても暮らしに困らないだけの貯蓄・資産があるか
- 住み替え場所や理想の暮らしが家族と相違ないか
- 住み替え先の物件の暮らしやすさに懸念がないか
- 不動産売買や賃貸の契約内容に問題がないか
- 不動産売買や住み替えに利用できる制度等はあるか
具体的に、どのようにチェックしていけばよいのかを、それぞれ詳しく紹介していきます。
将来の収支を厳しめにシミュレーションする
将来の支出はできるだけ具体的かつ厳しめに計算し、資産や貯金と照らし合わせて、無理のない計画を立てましょう。
| 1ヶ月あたりの支出の項目例 | 一時的・突発的にかかる費用の項目例 |
|---|---|
| ・食費 ・住居にかかる費用 ・光熱費・水道代 ・保険医療費 ・交通費 ・通信費 ・日用品にかかる費用 ・娯楽・交際費 ・税金・社会保険料 ・介護等のサービスを受ける費用 |
・入院・手術等の費用 ・家の管理・修繕費用 ・冠婚葬祭費用 ・子供・孫・そのほか親族への支援 ・葬儀やお墓にかかる費用 |
支出にかかるお金は、毎月使う分だけではなく、急に必要になるかもしれない分もしっかり確保しておいたほうがよいでしょう。
いざその時になって、お金が足りない!となっても大変です。
収入や資産・貯蓄の項目例
- (働いている場合)給与額
- 年金受給額
- 貯蓄額
- 不動産等の資産額
- 不動産以外の資産額
収入や貯蓄についても、できる限り具体的に把握しておくとよいでしょう。
特に不動産の資産価格は、住み替えやリフォーム・建て替えなどを決める際の重要な指標の一つになるので、しっかり確認しておきましょう。
とはいえ、不動産の資産価格を明確に把握している人は少ないのではないでしょうか?
実際に今、どのくらいの価値があるかを具体的に知るためには、不動産査定がおすすめです。
夫婦や家族で住み替えについてしっかり話し合う
住み替え後の暮らし方や過ごし方については、夫婦や家族でよく話し合うことが大切です。
特に一緒に住むことになる人とは、できるだけ具体的に想像できるような話し合いをするのがよいでしょう。
話し合う内容の例
| 住み替え先について | 住み替え先での暮らしについて | 将来的な懸念について |
|---|---|---|
| ・どんな住み替え先を希望するのか ・住み替え先で最も重要視することは何か ・住み替え先の希望エリアはあるか ・どのくらいの広さに住みたいか ・どんな理由で住み替えをするのか |
・(特に子供と)一緒に暮らせるかどうか ・住み替え先で仕事をするかどうか ・月々の生活費はどのくらいを想定しているか ・車には乗るのか、いつまで乗るか ・ペットはどうするか |
・夫婦どちらかが先に亡くなったらどうするのか ・万が一生活が厳しくなった場合どうするか |
また、一緒に暮らさない家族とも、コミュニケーションをとっておくのがおすすめです。
思いもかけないトラブルにあって、お互いの手助けが必要になるかもしれません。
そうしたときに親族同士で助け合えるよう、お互いの状況をよく理解しておくことが大切です。
医療・介護施設、スーパー、公共交通機関にアクセスしやすいかを確認する
高齢者の場合、若年層より「暮らしやすさ」が重要です。身体が弱ってくると病院や介護施設へ行くことも増えますし、車の運転が不安になっても歩いて移動できる距離に限度があるからです。
そのため、住む予定の家の近くに、よく利用する施設やお店があるかどうかはチェックしておきましょう。
近隣にあるとよい施設・お店の例
- 病院
- リハビリ施設
- 介護施設
- 役所
- 交番
- 電車の駅・バス停
- 郵便局
- 銀行
- スーパー
- ドラッグストア
また距離だけでなく、坂が少ないことや道順がわかりやすいことなどもチェックしておくとよいでしょう。
契約書の内容を専門家や家族と確認する
どの世代でも、専門家でなければ不動産などの契約書は難しく感じるものです。特に高齢者は、新しい知識を覚えたり長時間集中したりすることが苦手になる人も多いので、できれば不動産系に強い弁護士や行政書士、司法書士などの専門家に契約書の内容を確認してもらいましょう。
専門家に依頼するのが難しい場合でも、家族に一緒に確認してもらうと安心です。
契約書を自分や家族でチェックするときのポイント
- 金額が近隣の物件や不動産と比べて妥当か
- 物件の表示が正しいか
- 代金等の支払日がいつか
- 土地の境界がはっきりしているか
- 不動産の引き渡し時期はいつか
- 付帯設備(エアコンなど)に問題がないか
- 売却物件を完全な所有権で引き渡せるか
- 税金や管理費の支払いに問題がないか
- 万が一契約解除になった場合の取り決めはどうなっているか
- 引渡し前に地震や天災の被害にあった場合の取り決めはどうなっているか
- 反社会的勢力の排除の項目があるか
- ローン特約がついているか
- 「契約不適合責任」の範囲と請求される期間はどうなっているか
家の売却時に使える特例と期限を把握しておく
マイホームを売却すると、税金が控除される特例があります。
居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例
現在住んでいる・もしくは以前住んでいたなど特定の要件を満たすマイホーム(居住用財産)を売った時に、譲渡所得から最高3,000万円まで所得税から控除される
ただし、利用できる特例は時期や条件によって異なる場合があります。
売却時に最新の情報をしっかり確認しておくことが大切です。
身体機能が低下した時に暮らしやすい物件かを確認する
身体機能が低下すると、2階へ移動するのが難しくなったり、お手洗いや風呂場などの使い勝手が悪くなったりします。
人によって低下する機能や求める設備は様々ですが、高齢者の住宅でよく求められる機能や行われることが多いリフォーム内容などを知っておけば、住み替え先の物件に長く暮らすに十分な設備があるかどうか確認することができます。
身体機能が低下しても暮らしやすい家のポイント
| 家全体 | トイレ・風呂場 | そのほか |
|---|---|---|
| ・床が滑りにくい ・段差が少ない ・階段がない ・スイッチなどが少ない、操作が簡易 ・玄関や廊下・室内ドアの幅が広い |
・使いやすい場所に手すりがある ・脱衣所やトイレの室温が低くなりすぎな ・寝室とトイレが近い ・トイレのドアが引き戸 |
・庭が広すぎない ・高い吊戸棚に昇降機がある ・コンセントの位置が高い ・玄関にベンチや手すりがある |
特に、転倒防止や足腰への負担を和らげるような設備があると安心です。
また高齢になると、新しいことを覚えるのが難しくなる人もいるため、給湯器や空調などは細かい設定ができて便利なものよりも、一度の操作で済むような簡易なタイプがよいでしょう。
あなたにあった老後の住み替えの選択肢は?【セルフ診断】
住み替え先や新しい暮らしは、それぞれにメリットやデメリットがあり、どうやって選べばいいのか迷ってしまいますよね。
そんな人のために、老後はどんな暮らしがおすすめか、診断チェックリストをご用意しました。次の質問に答えて、「はい」の数が多かった項目の結果を見てみましょう!
A
- 多少不便でも落ち着いた場所に住みたい
- できれば子供や子供の家族と住みたい
- 庭や畑を持ちたい
B
- できるだけ便利な場所に住みたい
- 建物の管理や修繕は人に任せたい
- 多少人と距離が近くても気にならない
C
- 自立して生活がしたい
- 高齢者向けサービスを受けられる住宅がいい
- 暮らす地域にこだわりがない
D
- 介護や看護を受けながら暮らしたい
- 一人で暮らすのは寂しい
- 終活として、家などは処分しておきたい
E
- 住み慣れた家や土地から離れたくない
- 今の暮らしに大きな不満はない
- コスパより思い出などの気持ちを取りたい
- Aが多かった人…戸建て住宅に住み替えがおすすめ
- Bが多かった人…マンションに住み替えがおすすめ
- Cが多かった人…高齢者向け住宅に住み替えがおすすめ
- Dが多かった人…高齢者向け施設に住み替えがおすすめ
- Eが多かった人…今の家のリフォーム・建て替えがおすすめ
複数の項目で「はい」の数が同じになった人は、現在の資産・貯蓄や今住んでいる家の資産価値と、複数の項目で暮らした時の支出額などを比べて、より暮らしやすいと感じたほうを選んでみてはいかがでしょうか?
まとめ
老後の住み替えには、身体的な問題と金銭的な問題を発端とする罠がいくつも隠れています。
特に深刻なのは金銭的な問題です。お金がなければ暮らしていくことができなくなってしまうからです。金銭的な不安を払拭するためには、まず自分が今持っている資産や貯蓄をしっかり把握しておきましょう。
特に不動産の資産価格は老後のライフプランを組み立てるうえで重要になるので、なんとなくしか把握していない人は、これを機にお家の査定をしてみるのもおすすめです。
また、住み替え先によって、気を付けなければならない罠や回避方法も変わってきます。
まずはどんな暮らしがしたいか、どんな家に住みたいかを自分の中で明確にしておくことが大切です。
理想の暮らし方を具体的に検討することができれば、先行きが見えない不安を解消するだけでなく、収支計画を細かく立てることができて金銭的な問題の回避にも繋がります。