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相続税が払えない場合の5つの対処法|放置リスクや税負担を抑える方法を解説

「相続税が思ったより高くて、とても払えそうにない」「納付期限が迫っているのに、どうすればいいか分からない」そのような不安を抱えていませんか?相続税が払えない状況が生じやすい理由は、主に以下の3つです。

  • 相続財産の大半が土地や家で現金が少ない
  • 納付期限が10ヶ月以内と短い
  • 遺産分割や売却の準備が期限までに間に合わない

特に、相続財産の大半が土地や家などの不動産で占められている場合は、現金をすぐに用意しにくいため、納税資金の確保が課題になりやすいです。期限を過ぎると延滞税などの負担が生じるおそれがあるため、早めに状況を整理し、自分に合った対処法を検討しましょう。

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相続税が払えない場合の5つの対処法

相続税が払えない場合は「延納」「物納」「売却」「融資」「放棄」の5つが主な対処法です。それぞれに条件や手続きが異なるため、手元資金の状況や財産の種類、納付期限までの残り時間に応じて、適切な方法を選びましょう。

1. 「延納」分割払いで相続税を納める

延納とは、相続税を一括で納めることが難しい場合に、分割で納付できる制度です。申請するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 相続税額が10万円を超えている
  • 金銭での一括納付が困難である

原則として担保の提供が必要ですが、延納税額が100万円以下で、かつ延納期間が3年以下であれば担保は不要です。

延納できる期間は財産の内容によって異なり、最長で5年・10年・15年・20年の区分があります。なお、延納中は利子税がかかるため、最終的な支払総額は一括納付より増えます

申請先 所轄の税務署
申請期限 相続税の納付期限まで
メリット 一括納付が難しい場合でも分割で納税できる
注意点 ・利子税が発生する
・担保の提供が必要な場合がある
向いているケース ・相続税額が10万円を超えている
・現時点では金銭での一括納付が難しい

2. 「物納」土地や家で相続税を納める

物納とは、現金の代わりに相続した不動産などの財産そのものを税務署に引き渡すことで納税する方法です。現金が不足しており、延納も難しい場合に認められる場合があります。ただし、物納できる財産は種類と優先順位が法令で定められています。

優先順位 財産の例
1 不動産、船舶、国債・地方債、上場株式・社債・証券投資信託など
2 非上場株式・社債など
3 動産

物納を検討する場合は「自分の財産が対象になるか」を早めに確認することが大切です。また、物納額は相続税評価額をもとに算定されるため、市場価格より低くなることがあります

申請先 所轄の税務署
申請期限 相続税の納付期限まで
メリット 現金を用意せずに不動産などで納税できる
注意点 ・評価額が市場価格を下回る場合がある
・条件を満たさない財産は対象外となる
向いているケース 現金も延納も難しく、不動産など物納対象の財産がある場合

3. 「売却」相続した資産を売却して納税資金を確保する

手元の現金だけでは納税資金が足りない場合、以下のような資産を換金して対応する方法があります。

  • 預貯金の解約
  • 上場株式・投資信託の売却
  • 自動車・貴金属などの換金

いずれも市場価格での売却が可能なため、物納と比べて手取り額が多くなるケースもあります

こうした資産をすべて処分しても納税資金が不足する場合は、不動産の売却が現実的な選択肢となります。ただし、一般的に不動産の売却には数ヶ月の期間が必要です。納付期限までに売却を完了させるため、スケジュールを逆算して早めに動き出しましょう。

換金できる主な資産 ・預貯金
・上場株式・投資信託
・貴金属・自動車・不動産など
相談先 ・金融機関
・証券会社
・不動産会社など
期限 納付期限に間に合うよう早期着手が必要
メリット 市場価格での売却により手取り額が物納より多くなる場合がある
注意点 ・売却完了まで数ヶ月かかるケースが多い
・譲渡所得税が別途発生する場合がある
向いているケース 手元現金が少なく、売却可能な不動産がある場合

4. 「融資」金融機関のローンで納税資金を用意する

融資は、相続税の納付資金を金融機関のローン(相続ローンなど)で準備する方法です。不動産をすぐに売却せずに納税できる点が大きなメリットで、いったん融資で資金を確保し、その後に不動産を売却して返済に充てるケースもあります。

一方で、融資を受けるには審査があり、金利や返済期間などの条件は金融機関によって異なります。そのため、借入可能額だけで判断するのではなく「相続税の納付に必要な資金をどう確保するか」という資金計画と「借入後にどのように返済していくか」という返済計画をあらかじめ立てておくことが重要です。

相談先 金融機関(銀行・信用金庫など)
期限 納付期限に間に合うよう、融資実行までを見据えて早めに相談・申請する
メリット 不動産を売却せずに納税できる
注意点 ・審査が必要
・金利負担が発生する
・返済計画の設計が必要
向いているケース ・不動産を手放したくない場合
・売却完了までのつなぎ資金が必要な場合

5. 「放棄」相続放棄をして負担そのものを回避する

相続放棄とは、相続そのものを辞退し、プラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がない手続きです。そのため、借金などの債務も引き継ぐことがないだけでなく、相続税の納付義務も生じません。

相続放棄をする場合は、相続の開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。一度放棄すると原則として撤回できないため、他の相続人への影響も含めて慎重に判断することが求められます。

申請先 家庭裁判所
申請期限 相続の開始を知った日から原則3ヶ月以内
メリット 相続税・債務を含むすべての負担を回避できる
注意点 ・財産もすべて放棄となる
・撤回は原則不可
・他の相続人への影響がある
向いているケース 債務超過など、相続することで損失が生じると判断される場合

相続税が払えないまま放置するとどうなるか

相続税の納付期限を過ぎても何の対応もしないままでいると、延滞税などの負担が増えるだけでなく、財産の差し押さえにつながるおそれがあります。さらに、時間が経つほど選択できる対処法は限られていきます。

負担を抑えるためには、できるだけ早く状況を整理し、必要な対応を取ることが重要です。本章では、相続税を払えないまま放置した場合に注意すべき主なリスクを見ていきましょう。

1. 納付期限が過ぎると延滞税や加算税がかかる可能性がある

納付期限を過ぎた場合、本来の税額に加えて延滞税が課される可能性があります。延滞税は日数に応じて加算されるため、放置するほど総額が膨らむ仕組みです。

また、申告を怠った場合は無申告加算税、実際より少ない金額で申告していた場合は、過少申告加算税が課される可能性があります。

追加負担の種類 発生条件 概要
延滞税 納付期限を過ぎた場合 未納額に対して日数に応じて加算
・納付期限の翌日から2ヶ月以内が年2.8%
・2ヶ月を超えると年9.1%
無申告加算税 申告期限までに申告しなかった場合 納税額の15〜20%相当(※税額が300万円を超える部分は30%)
過少申告加算税 申告額が本来より少なかった場合 追加納税額の10〜15%相当

※税率や計算方法は国税庁の定めによります。

無申告加算税や過少申告加算税は、申告のタイミングや税務調査の有無などによって税率が異なります。例えば過少申告加算税は、税務署の調査通知前に自主的に修正申告した場合には課されません。

2. 財産の差し押さえに進むおそれがある

相続税を期限までに納めず延滞税が発生した後は、一般的には以下の流れで進みます。

  1. 税務署から督促
  2. 催告や電話、訪問などによる確認
  3. 財産の差し押さえ
  4. 差押財産の換価(売却)

延滞税の税率は、納付期限の翌日から2ヶ月以内が年2.8%、2ヶ月を超えると年9.1%となります(2026年時点)。放置するほど税負担が膨らむため、早期対応が重要です。差し押さえの対象は幅広く、日常生活にも影響が及ぶ可能性があります。

  • 預貯金
  • 不動産
  • 給与など

差し押さえ後は、財産を自分の判断で処分できなくなる点にも注意が必要です。

3. 売却や資金調達の選択肢が狭まりやすくなる

延納・物納は、期限内の申請が条件となっているため、原則として納付期限を過ぎてからでは利用できません。

また、不動産売却には一般的に数ヶ月の時間が必要です。期限が迫った状態では買い手を選ぶ余裕がなくなり、希望する条件での売却が難しくなることがあります。納付が難しいと気づいた時点で早めに動き出すことが、売却や資金調達の選択肢を確保することにつながるでしょう。

4. 他の相続人に納税義務が及ぶ可能性がある(連帯納付義務)

相続税では、同じ相続に関わる他の相続人が税金を納めない場合、未納分を自分が代わりに納付するよう求められることがあります。ただし、負担には上限があり、自分が相続などによって受けた利益の価額が限度です。

もっとも、申告期限から5年を経過した場合や、延納の許可を受けた税額については、連帯納付義務が適用されません。

トラフィー

他の相続人の動向が自分の税負担に影響する可能性がある点は、相続人全員で共有しておくとよいでしょう


相続税は控除や特例で税額が下がる可能性がある

相続税が払えないと焦る前に、まず「本当に相続税がかかるのか」を確認してください。相続税には基礎控除があり、遺産の総額が基礎控除額以下であれば相続税は発生しません。基礎控除額は以下の計算式で求められます。

3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)

例えば、法定相続人が3人いる場合、4,800万円までの遺産には相続税がかかりません。

また、基礎控除を超える場合でも、以下の特例を活用することで税額を抑えられる可能性があります

特例・軽減措置 概要確認の目的
小規模宅地等の特例 居住用宅地(330㎡まで)の評価額を最大80%減額できる
配偶者の税額軽減 配偶者が取得した財産が1億6,000万円または法定相続分以下であれば相続税がかからない

これらの特例を適用するためには、原則として相続税の申告期限である10ヶ月以内に手続きを行う必要があります。要件を満たすかは個別の状況によって異なるため、早めに税理士に相談すると良いでしょう。

相続不動産を売却して納税資金を作るなら納付期限半年以上前の査定・売却活動開始がおすすめ

相続税の納税資金を確保するために資産を売却する場合、以下のような比較的すぐに現金化できるものから手をつけるのが一般的です。

  • 預貯金の解約
  • 上場株式・投資信託の売却
  • 自動車・貴金属などの換金

これらを売っても納税額に届かない場合、特に対応が難しいのが「土地や家などの不動産」です。不動産は買い手が見つかるまでに数ヶ月かかることが多く、相続開始から原則10ヶ月以内という納付期限に間に合わなくなるおそれがあります。

そのため、相続不動産の売却を検討している場合は、他の資産より優先して早めに動き出すことが重要です。

  1. まずは不動産会社の無料査定を活用して売却価格の目安を把握する
  2. 売却完了までのスケジュールと相続税の納付期限が間に合うかを見極める
  3. 売却益が出る場合は譲渡所得税も考慮する

査定は売却の意思決定そのものではなく、現時点の状況を把握するために行うものです。早めに相場を知っておくことで、売却や納税に向けた判断にゆとりを持てます。

相続不動産の売却を検討している場合は、無料査定を利用して価格の目安を確認しておくのがおすすめです。複数社の査定結果を比較しながら相場観を把握できるうえ、納付期限までに必要な資金を確保できそうか判断する際の参考になるでしょう。

まとめ

納税資金が不足しそうな場合は、まず預貯金や株式など、換金しやすい資産でどこまで対応できるかを確認することが大切です。それでも不足が見込まれる場合は、不動産の売却や延納、物納、融資などの方法を早めに検討する必要があります。

特に不動産売却は現金化までに時間がかかるため、迷っているうちに納付期限が近づき、選べる対処法が限られてしまうおそれがあります。相続不動産の売却が選択肢に入る場合は、まず無料査定を利用して、売却価格の目安や納付期限に間に合うかを確認しておくと良いでしょう。

GMO不動産査定なら、複数社の査定結果を比較しながら相場観を把握できるため、今後の進め方を整理する際の判断材料になります。

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