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家じまいの平均費用はいくら?相場・手順・やり方を紹介

ご自宅やご実家をどう整理するか頭を抱えていませんか?空き家は全国で900万戸を超え※1、2024年に始まった相続登記の義務化※3により、3年内未登記は過料(行政上の義務違反に科される金銭支払い)の対象です。

家じまいの総額と期間は選ぶ方法で大きく変わるため、最初に方法別の相場を押さえると判断しやすくなります。重要なのは、どの方法が自分のケースに合うかです。

方法 総額目安 期間目安
仲介売却 50-200万円 3-6ヶ月
不動産買取 50-200万円 3週間-1ヶ月
解体 + 売却 150-300万円超※5 4-8ヶ月

どの方法で家じまいを進めるにしても、不動産査定で物件の価格を把握しておくのが第一歩です。仲介売却や買取の判断軸も、解体後の更地価格も、すべて物件価格が基準になります。

本記事では、家じまいの主な方法と費用4項目の内訳、7ステップの進め方、業者選びのコツ、注意点まで解説します。

この記事のポイント

  • 家じまいの主な方法は仲介売却・不動産買取・解体+売却の3つ
  • 費用は50-300万円超、期間は3週間-8ヶ月で方法により差が大きい
  • 2024年施行の相続登記義務化で3年内未登記は過料の対象
  • 進め方は家族会議から確定申告まで7ステップ
  • 解体・家財整理・取引諸費用・税金の4費目で総額を試算
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家じまいとは

家じまいとは、所有者本人が生きているうちに持ち家を売却・整理し、住まいの権利関係と維持負担を片付ける取り組みです。子世代が親の逝去後に進める実家じまいや、より暮らしやすい住まいに移るための住み替えとは、進める人ときっかけが異なります。

家じまいと類似概念(実家じまい・住み替え・終活)の階層図

家じまいは老後資金の準備、認知症発症前の対策、相続トラブル予防を目的に、所有者本人が計画的に進める点が特徴です。空き家急増と相続登記の義務化(2024年4月施行)※3を背景に必要性が高まっています。

トラフィー

ぼくも実家のことを、早めに家族と話し合おうかな

家じまいの主な方法

家じまいの方法は、仲介売却・不動産買取・更地解体での売却・親族譲渡・賃貸経営・空き家管理代行など複数あります。築年数や立地、現金化を急ぐかで方法が変わります。

方法 現金化にかかる期間 価格水準
仲介売却 3ヶ月〜6ヶ月 市場価格
不動産買取 3週間〜1ヶ月 市場の7割〜8割
更地解体での売却 4ヶ月〜8ヶ月 解体費控除後
賃貸経営 2ヶ月〜4ヶ月 月家賃次第
空き家管理代行 即日 月数千円から数万円

家じまいの5方法 × 期間 × 価格水準 比較図

仲介売却は市場価格で売れる点がメリットで、首都圏成約日数は中古マンション85.3日、中古一戸建97.3日です※4

不動産買取は最短3週間〜1ヶ月で現金化でき、家財も現状のまま引き渡せます。

更地解体は相続空き家特例(最大3,000万円控除)を活用したい古家向け、親族譲渡や国庫帰属制度(相続した土地を国が引き取る制度)は更地化と境界確定が前提です。

トラフィー

仲介と買取を見比べて、自分のケースに合う方法を選ぼう

家じまいの平均費用と総額相場

この見出しのポイント

家じまいの総額は自力でする場合で数万円から、業者と仲介で50万円〜200万円、解体フルパックで150万円〜300万円超が相場です。

家じまい費用4項目内訳(解体費・家財整理費・取引諸費用・税金)

家じまいでかかる費用は、大きく解体費・家財整理費・取引諸費用・税金の4つに分かれ、自力でできる作業を増やすほど総額は抑えられます。

それぞれの相場と、費用を抑えるポイントを項目ごとに確認していきましょう。

解体費

解体費は建物の構造で坪単価が変わります。木造で3万円〜5万円、鉄骨造で5万円〜7万円、RC 造(鉄筋コンクリート造)で6万円〜10万円が2026年の相場です※5

30坪建物に換算すると、木造で90万円〜150万円、RC 造で180万円〜300万円となり、構造の違いで2倍以上の差が出ます。

構造 坪単価 30坪建物の総額
木造 3万円〜5万円 90万円〜150万円
鉄骨造 5万円〜7万円 150万円〜210万円
RC 造 6万円〜10万円 180万円〜300万円

2006年以前に建てられた物件はアスベスト(石綿)が残るケースがあり、除去処分費が建材のレベルに応じて1立方メートルあたり数千円〜数万円追加でかかります。狭い敷地では手壊し作業で人件費が1.5倍〜2倍に上がります。

自治体補助金は、杉並区・横浜市・墨田区などで助成率は3分の1〜2分の1程度、上限は数十万円〜200万円程度の制度が設けられています。まずは居住地の自治体ホームページで対象条件を確認しておきましょう。

家財整理費

家財整理を業者に頼む場合の相場は、1R〜1Kで3万円〜8万円、4LDK以上で22万円〜85万円です※9

物量と階数、エレベーターの有無で見積もりが上下します。ピアノや金庫がある場合は3万円〜5万円が追加で乗ります。

1R-1K

3万円〜8万円、作業3時間〜5時間。単身高齢者の住み替えや遺品整理で最多

2LDK

9万円〜25万円、作業半日〜1日。夫婦世帯の住み替え相場

4LDK 以上

22万円〜60万円、作業1日〜3日。実家じまいの中心レンジ、ピアノや金庫は別途3万円〜5万円追加

家財を建物ごと解体すると産業廃棄物扱いで1立方メートルあたり1万2,000円以上のコストがかかります。事前に家財を分別すれば一般廃棄物として安く処理できるため、家じまい費用で最も差が出る分かれ目になります。

取引諸費用

取引諸費用には、仲介手数料・登録免許税・司法書士報酬・印紙税が含まれます。
なかでも仲介手数料は宅地建物取引業法第46条※7で上限が定められており、2024年7月の改正では800万円以下の「低廉な空家等」を対象とした特例も可能となりました。

各項目の相場は次のとおりです。

仲介手数料

取引価格 × 3.3% + 6万円(税込・400万円超の部分)。800万円以下の空家は33万円まで特例可

登録免許税

所有権移転は土地1.5%・中古建物0.3%(買主が自己居住等の要件を満たす場合の軽減税率)、抵当権抹消は不動産1個あたり1,000円

司法書士報酬

移転登記5万円〜10万円、相続登記7万円〜15万円

印紙税

売買契約書1通あたり1万円〜3万円(価格帯別)

このほかにローン残債を一括返済する事務手数料、境界確定測量費(20万円〜80万円)、譲渡所得税の確定申告料(3万円〜10万円)も計算に入れておきます。

税金

家じまいで関わる主な税金は譲渡所得税です。所有期間が5年を超える長期譲渡では20.315%、5年以下の短期では39.63% の税率がかかります※6

売却益が大きいほど負担も大きくなりますが、一定の要件を満たせば、譲渡所得税を大きく軽減できる控除や特例が設けられています。家じまいで使える代表的な制度は次のとおりです。

居住用財産の3,000万円特別控除 + 軽減税率

自宅または住まなくなって3年経過年の12月31日までに売却で譲渡益から最大3,000万円控除。所有10年超のマイホームは軽減税率(6,000万円以下14.21%/超で20.315%)も併用可

空き家特例

昭和56年5月31日以前の旧耐震戸建を相続後3年目年末までに売却で最大3,000万円(相続人3人以上は2,000万円)を控除

譲渡所得税率(長期/短期)

所有期間5年超の長期で20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)、5年以下の短期で39.63%(所得税30.63% + 住民税9%)に上昇

住宅ローン控除との併用は前2年・後3年を含む計6年間できません。税理士に新居取得計画も含めた総合的な試算を依頼すると安心です。

トラフィー

ぼくも3,000万円控除を逃さないよう、税務署か税理士で試算を頼むよ

家じまいの手順

この見出しのポイント

家じまいは方針確認・家財整理・査定・売却・登記・引越し・確定申告の順で進めます。標準で8ヶ月〜1年、不動産買取なら最短3週間〜1ヶ月で現金化できます。

家じまい7ステップフロー(方針確認 → 確定申告)

家じまいのステップにおいて、実際に手を動かす期間が集中するのは家財整理と売却活動の数ヶ月で、残りは書類のやり取りや買主を待つ時間が中心です。

各ステップを前倒しで準備すれば、相続登記の3年期限にも余裕を持って間に合います。とくに時間がかかりやすいのは相続登記と売却活動で、ここを早めに動かせると全体の期間を短く抑えられます。

ここからは7つのステップに分けて、段階ごとの所要期間とつまずきやすい点を順番に見ていきましょう。

STEP1:家族会議と方針確認

家じまいは家族会議から始まります。所要期間は1ヶ月〜2ヶ月で所有者本人と推定相続人が方針を合意します。

標準所要期間

1ヶ月〜2ヶ月(月1回〜2回の集合と個別調整)

議題

方針判断、売却益の分け方、認知症対策、葬儀後の関係維持

同席が望ましい専門家

司法書士・税理士・FP のいずれか1回で法律上の注意点を最初に確認

話し合う内容は、方針判断・売却益の分け方・認知症対策などです。意見が割れたときに備えて、換価分割(売却益を諸費用差引後に相続分で分配する方法)を先に提案しておくと、話がまとまりやすくなります。

STEP2:家財整理と残置物の処分

家財整理は1週間〜1ヶ月が標準で、間取りや物量、自治体回収への依存度で日数が変わります。

標準所要期間

自力1週間〜1ヶ月、プロ委託で3時間〜5日(間取りや物量で振れ幅が大きい)

分別の順序

貴重品 → 残す家具 → 大型家電 → 一般ゴミ → 粗大ゴミ → 産業廃棄物の順で着手

費用最適化のコツ

解体着工前に分別を終えると産業廃棄物扱いを避けられ、1立方メートルあたり1万2,000円以上を圧縮できる

仏壇・写真・遺品など処分判断に迷うものは保留箱を1つ用意し、後日まとめて検討すると手戻りを防げます。

STEP3:不動産査定の依頼と業者選定

不動産査定は1週間〜2週間で、机上査定と訪問査定を組み合わせて精度を上げます。

査定2種類の使い分け

机上査定でネット入力すれば当日中に概算把握、訪問査定で1週間〜2週間で物件状態を反映した精密価格を取得

媒介契約の選び方

専属専任・専任・一般の3種類から選択。囲い込み回避には専任契約と REINS 登録の確認、競争重視なら一般媒介で2社〜3社を並走

業者選定の判断材料

査定根拠(取引事例比較法・原価法・収益還元法)の説明品質と、近隣1年間の同エリア成約実績

査定額の根拠を業者に説明してもらい、説明に納得できる会社を媒介契約先に選ぶと販売活動中の値下げ交渉を減らせます

STEP4:売却契約と譲渡手続き

売却活動から決済までは3ヶ月〜6ヶ月が一般的です。2025年の平均成約日数は首都圏の中古マンション82.5日、中古一戸建100.9日、土地89.8日です※4

標準スケジュール

販売活動1ヶ月〜3ヶ月 → 買付申込 → 売買契約1週間〜2週間 → 決済引渡し準備1ヶ月〜2ヶ月 → 決済1日

共有名義時の必要書類

共有者全員の実印・印鑑証明・本人確認書類、遠方の相続人がいる場合は委任状を早めに用意

内覧最適化

清掃・動線確保・家具配置の演出(ホームステージング)で成約まで2週間〜3週間短縮できる例あり

買付申込から契約締結まで1週間〜2週間、契約から決済まで1ヶ月〜2ヶ月のスケジュール感を共有しておきます。

トラフィー

ぼくは内覧前に清掃と動線確保で成約までしっかり縮めるよ

STEP5:相続登記と名義変更

被相続人名義のままでは決済時の所有権移転ができないため、相続登記を2週間〜1ヶ月で完了させます。2024年4月1日施行の改正不動産登記法※3で、相続を知った日から3年以内の登記が義務付けられました

義務化期限

相続を知った日から3年以内(過去相続は2027年3月31日まで)。違反は過料10万円以下

必要書類

被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の戸籍・印鑑証明、固定資産評価証明書、遺産分割協議書または遺言書

司法書士委任費用

書類収集と法務局申請を一括で7万円〜15万円が相場

空き家特例の3,000万円控除は期限内登記が前提のため、相続発生時点での着手が安心です。

STEP6:引越しとライフライン解約

引越しとライフライン(電気・ガス・水道など)の解約は、1週間〜2週間で並行して進めます。固定電話とインターネットは手続きに時間がかかるため、早めに手配しておきましょう。

ライフライン解約の手配時期

電気・ガス・水道は引渡し日前日まで使用、固定電話とインターネットは2週間〜4週間前に申込

引越し費用の節約

繁忙期(2月〜4月)は通常期比30% 〜40% 高、5月〜1月の通常期で3万円〜5万円圧縮可

郵便物の事後管理

転送届1年有効、NHK・新聞・カード会社の住所変更を同時に実施

STEP7:引き渡しと確定申告

決済引渡しは1日で完了します。買主・売主・仲介・司法書士が金融機関に集まり、残代金受領と所有権移転登記申請を同時に進めます。

決済当日の持ち物

鍵、付帯設備明細、取扱説明書、建築確認済証、実印、印鑑証明、本人確認書類

確定申告期間

翌年2月16日〜3月15日(売主が死亡した場合は準確定で相続翌日から4ヶ月以内に相続人共同で申告)

必要書類

売買契約書、売却時譲渡費用領収書、取得費資料(購入時契約書)、住民票除票

3,000万円控除や空き家特例を活用すれば税負担を大きく圧縮できます。税理士に試算を頼む場合の報酬は3万円〜10万円、税務署相談コーナーを活用すれば自力で申告することもできます。

トラフィー

家じまいは家族会議から始め、相続登記を期限内に済ませよう

業者依頼で費用と負担を抑えるコツ

解体や家財整理の業者は、見積もりを比較すると50万円〜150万円の費用差が出ます。費用を節約するポイントは、複数業者の相見積もり・専門業者への直接依頼・自治体補助金の活用で、総額を2割〜4割圧縮できます。

  • 複数業者で相見積もりを取り、工期・産業廃棄物処分費・整地仕上げを明細化して比較する
  • 専門業者への直接依頼で中間マージン20% 〜40% を圧縮、30万円〜50万円の節約が見込める
  • 自治体補助金の活用で助成率は3分の1〜2分の1程度、上限は数十万円〜200万円程度が利用可能、年度初めの申請が安心

費用節約3つのコツ(相見積もり・直接依頼・補助金)

たとえば、埼玉県内の26坪木造平屋では、複数業者の相見積もりで90万円〜150万円(約4割の差)が出る相場感です※8

自治体補助金は地域ごとに内容が異なるため、まず居住地の役所ホームページで制度を確認しましょう。申請から交付決定までは1〜2ヶ月かかるので、解体予定の2〜3ヶ月前には申請を済ませておくと安心です。

トラフィー

複数業者の見積もりを比べて、価格と工期で選ぼう

家じまいの注意点

家じまいの想定外トラブルは、兄弟意見対立・親の認知症・登記期限見落としの3つがあります。これらは、事前に対策することで回避が可能なので、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 兄弟姉妹の意見が割れたとき: 換価分割(売却益を諸費用差引後に相続分で分配)を提案、平行線なら遺産分割調停(3〜6ヶ月)→ 審判で単独売却が可能
  • 親の認知症発症リスク: 健常時に家族信託(親の財産管理を子に託す仕組み)を組成すれば発症後も売却でき、成年後見人(本人に代わって契約判断、月2〜6万円・終身)の負担を回避できる
  • 相続登記の義務化期限: 2024年4月施行※3、3年以内の登記が必要(違反は過料10万円以下)。過去相続も2027年3月31日まで対象。遺産分割が間に合わない場合は「相続人申告登記」で義務を果たしたとみなす救済策あり

3大注意点(兄弟対立・認知症・登記期限)と対策

共有名義のまま放置すると将来世代に紛争が引き継がれます。家族信託は健常なうちに組成すれば、認知症発症後も子の判断で売却を進められる点がメリットです。

ただし、組成時には専門家への報酬や公正証書の作成費、不動産の信託登記費用などの初期費用が別途かかります。

トラフィー

健常時の家族信託で、認知症リスクに先回り対策しよう

まとめ

家じまいは費用相場50万円〜300万円、期間8ヶ月〜1年で進める計画的な取り組みです。費用は解体費・家財整理費・取引諸費用・税金に分けられ、手順は方針確認・家財整理・査定・売却・登記・引越し・確定申告の順で進みます。

節税の柱は居住用財産の3,000万円特別控除と空き家特例で、最大3,000万円を譲渡所得から圧縮できます。費用節約は3社以上の相見積もり、専門業者への直接依頼、自治体補助金の活用で、総額を2割〜4割減らせます。

注意点は兄弟姉妹の意見対立、親の認知症発症、相続登記義務化期限です。換価分割の提案、家族信託の組成、3年以内の登記により回避できます。

親が判断能力を失う前に家族会議と方針確認を済ませることが、家じまいを円滑に進めるうえで安心につながります。相続登記の3年期限と空き家特例の3年限定枠を活用するには、相続発生時点での早期着手が安全です。

出典・参考資料

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西山雄介

西山雄介

■肩書:不動産ライター / ディレクター ■保有資格:宅地建物取引士 / マンション管理士 / 管理業務主任者 / 賃貸不動産経営管理士 / 日商簿記2級 / 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 ■プロフィール: 不動産業界歴15年。新卒で東証プライム上場のマンションデベロッパーに入社後、計2社で新築・中古販売および管理業務に従事。実務現場を経て管理職も歴任し組織運営にも携わる。現在はその多角的な視点を活かし、実務解説から不動産投資、法律事務所案件まで、専門性の高いコンテンツ制作・ディレクションを行っている。