土地売却をする際の平均期間はどれくらい?何にどれだけの時間がかかるかを徹底解説

土地売却をする際の平均期間はどれくらい?何にどれだけの時間がかかるかを徹底解説

土地売却の平均期間

土地売却の平均期間

土地を売却すると決意してから、契約が完了するまでの期間はどれくらいなのでしょうか。

結論から言うと、一般的には3か月〜半年くらいの間には買い手と契約が完了するケースが多いものの、半年以上かかることも少なくありません。

今日売り出して、明日買い手が現れるようなことは、まずありません。逆に、もし短期間で売れるようでしたら、相場よりも安すぎるということかもしれません。売り手はできる限り高く売りたい、買い手はできる限り安く買いたいので、時間を要します。

一方で、土地の売買はさまざまな外的要因によって早さが変わります。

【土地売却の期間に影響を与える要素】

  • 人口減少
  • 景気
  • 価格帯
  • 土地の場所や地形などの条件
  • 周辺施設の増減
  • 周辺の土地の売り出し状況

他にもさまざまな要素が影響し、売却までの期間が左右されます。そのため、一概に「早い」「遅い」と判断できるものではありません。

そこでこの記事では、あくまで平均した場合の期間について解説していきます。

【ステップ別】土地売却の流れとそれぞれの平均期間

【ステップ別】土地売却の流れとそれぞれの平均期間

3か月〜半年ほどで契約が完了するケースが多い事は前述の通りです。具体的に売却ステップごとでどの程度の期間を要するのか確認していきましょう。

【売却ステップ別の期間一覧】

売却ステップ 期間
査定を依頼する不動産会社の選定 1週間程度
査定依頼~訪問査定~不動産会社の決定 2週間程度
売却活動~売買契約成立 3か月~半年程度

それぞれのステップごとにかかる期間の根拠を解説していきます。

①査定を依頼する不動産会社の選定

土地売却を決めてからまずおこなうことが「査定を依頼する不動産会社探し」です。土地の売却では、不動産会社に買主探しを任せることになるため、早期売却を実現するうえで非常に重要なステップです。

仲介業者探し(選定)には、慎重な見極めが欠かせません。口コミサイトや一括査定サイトを使うと効率的な反面、実際には多くの業者から電話やメールが届き、本質的な比較がしづらくなるケースもあります。

そのため、闇雲に多数の会社へ依頼するよりも、タイプの異なる3社程度(例:大手仲介会社・地域密着型の地元業者・エージェント制の不動産会社など)に絞って査定を依頼するのがおすすめです。こうした比較・検討にはおおよそ1週間程度を見込むとよいでしょう。

各社の査定価格だけでなく、担当者の説明の丁寧さ・対応の誠実さ・販売戦略の具体性などを比較し、「信頼できる担当者」を選ぶことが、早期かつ納得のいく売却につながります。

②仲介業者に査定依頼と物件の確認・調査

次に査定を依頼する不動産会社が決まったら、訪問査定の依頼をし、売りに出す土地の現状を確認・調査してもらいます。同条件の成約事例や周辺の相場、市場の動向を考慮しながら査定価格・売出提案価格を提案してもらいます。

査定を依頼してから、訪問査定、不動産会社の決定までの期間はおおよそ2週間程度は必要です。不動産会社の担当者が現地を訪問して、物件や土地の状況確認・周辺施設や環境などを調査した後、それらを踏まえて提案するまでの時間や、複数社の査定価格や提案内容を比較検討する必要があるためです。

③媒介契約の締結

依頼する不動産会社が決まったら、不動産会社とこれからどのように販売活動をおこなっていくかや売出価格についても話し合います。少しでも疑問や心配なことがあればきちんと相談しましょう。不動産会社に不安がなく、契約内容に納得できればここで媒介契約を結びます。

この期間にあなたがおこなうことは以下の通りです。

【訪問査定〜媒介契約締結までの期間にやること】

  • 査定額や根拠の説明を受ける
  • 複数の不動産会社から契約を締結する不動産会社を選ぶ
  • 媒介契約の種類を選択する

このうち、最後の「媒介契約の種類を選択する」に関しては初めてだと少し理解するのに時間がかかるかもしれません。

そもそも媒介契約には以下の3種類の契約形態が存在します。

【媒介契約の種類】

取り扱う
不動産業者数
契約期間 レインズ*登録 売主への報告 自己発見取引
一般媒介契約 複数社可能 無期限 義務なし 義務なし 可能
専任媒介契約 一社のみ 3ヶ月以内 契約から7日以内 2週間に1回以上 可能
専属専任媒介契約 一社のみ 3ヶ月以内 契約から5日以内 1週間に1回以上 不可

それぞれ異なる特徴があるため、自分の状況に合わせて適切な契約形態を不動産会社と相談して決める必要があります。

④売却活動

媒介契約を無事結べたら、いよいよ売却活動を開始します。土地の清掃や手入れをこまめにして、常にきれいにしておきましょう。

基本的には不動産会社が売却活動を行います。期間中は購入希望者から見学希望があったり、細かな質問がありますので、スムーズに連絡が取れるようにしておく必要があります。

売却活動を始めてから売却するまでにかかる期間は、平均3か月~半年とされています。ただし、土地の場合は建物付き住宅よりも流通性が低いため、半年〜1年かかることも多々あります。

もちろん、あくまで平均での話なので、早ければ1か月未満で買い手が現れることもありますし、長ければ1年以上時間がかかることもあります。
早く買い手が見つかる分には問題ありませんが、1年以上など長期間に渡って買い手が見つからない場合、以下のような対策をする必要があります。

  • 値下げをする
  • 隣地へ購入を打診する
  • 不動産会社を変える
  • 不動産会社との契約形態を変える

いずれにしても最低でも3か月ほどは買い手が見つからないとイメージしておきましょう。

⑤売買契約

無事に買主が決まったら、売買契約を交わします。購入申込書を確認し、最終的な価格や引渡しの時期など詳細な条件について調整し、双方合意の上で契約を結びます。

買主は売買契約後にローンの本審査をし、銀行の承認を取ります。一般的に売買契約と引渡しは3か月ほど期間を空けます。取引の内容によっては、2カ月以内に引き渡すケースもあれば、双方の合意により半年ほど期間を空けることもあります。

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※国土交通省「不動産価格指数(住宅・全国住宅総合)2015年12月=100換算」

土地売却の期間を短くする方法

土地売却の期間を短くする方法

ここまで土地を売却するまでの期間について解説してきました。平均すると3か月〜半年は期間を要するのが一般的ですが、早ければ早いだけ嬉しいという人も多いのではないでしょうか。

そこでこの章では以下のような「土地売却の期間を短くする方法」についてまとめていきます。

  • 適正価格での売却をする
  • 一般媒介を利用する
  • 「買取」を利用する
  • 売却額を下げることも検討する
  • 委託する不動産会社を変更する

それぞれについて解説していきます。

適正価格での売却をする

まずは、基本中の基本として、適正価格での売却をしましょう。

土地を含む不動産は、相場よりも高いと売却までにかかる期間は長くなり、低いと売却にかかる期間は短くなります。希望金額での売却と最短の売却を実現するには、このバランスを取らなければいけません。

そのためには以下の2つを意識しましょう。

  • 実勢価格をさまざまな方法で調べる
  • 複数の不動産会社に訪問査定を依頼する

まずは、実勢価格をさまざまな方法で調べましょう。実勢価格とは、市場で売買されている価格のことです。実際に売却してみないことには、実勢価格はわかりませんが、以下のような方法で大体の金額を想定することはできます。

【実勢価格の調べ方一覧】

調べる方法 概要
周辺地域の取引事例から調べる 実態に近い相場がわかる
公示地価・基準地価から調べる 地域一帯の相場の目安がわかる
路線価から調べる その路線に面する土地そのものの価格の目安がわかる
固定資産税評価額から調べる 郊外や田舎の土地でも価格の目安がわかる

それぞれ異なるアプローチでの実勢価格の調べ方ですが、それぞれをおこなう事で信憑性を伴った適正価格を想定することができます。

なお、周辺の取引事例は、詳細な住所までは一般の方が調べることは困難であり、その他の価格も実勢価格とかけ離れていることも少なくないため、あくまで目安と捉えるようにしましょう。

また、上記の方法で計算し、大体の適正価格が判明したところで、複数の不動産会社に訪問査定の依頼をしましょう。この時のポイントは3社以上から査定を受けることです。

1~2社だと相場感が掴めず、提示されている金額が正しいのかの判断がつきません。しかし、3社以上からの査定を受ける事でおおよその平均が掴めるため、より適正に近い金額を判断することができるのです。

このように、自分で計算した上で、複数の不動産会社から訪問査定を受けることで、最短で買い手が見つかる適正価格がわかるのです。

一般媒介を利用する

一般媒介契約を利用するのも最短での売却を実現する方法の一つです。

そもそも不動産会社との契約形態には、以下の3つの種類があります。

【不動産会社との契約方法】

取り扱う
不動産業者数
契約期間 レインズ*登録 売主への報告 自己発見取引
一般媒介契約 複数社可能 無期限 義務なし 義務なし 可能
専任媒介契約 一社のみ 3ヶ月以内 契約から7日以内 2週間に1回以上 可能
専属専任媒介契約 一社のみ 3ヶ月以内 契約から5日以内 1週間に1回以上 不可

このうち、一般媒介契約だけは複数社との取引が可能です。そのため、「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の2種類の契約とは違い、不動産会社は他社に負けないように「早く買い手を見つけなければいけない」という競争状態になる可能性があります。

しかしながら、他社も扱っているがために、「どうせ他社で決まるかもしれない」と、広告露出や販売活動が後回しにされることもあります。

一般媒介は一見スピーディーに感じられますが、誰がどのように責任を持つのかが曖昧になりやすい契約形態です。早期売却を目指す場合でも、営業担当者の熱意や販売戦略をよく確認し、信頼できる会社・担当者を厳選することが大切です。

「買取」を利用する

不動産会社に土地を買いとってもらう「買取」を利用することも期間を短縮する対処法です。

買取はその名の通り、不動産会社に土地を買い取らせることを指し、一般的には個人に販売するよりも少し安めに売却することになります。売却額が下がるのはデメリットの一つですが、その分確実に早い売買が可能になることで利用する人も多くいる制度です。

不動産会社は買い取った土地を加工したり、建物を建てたりなどして、再販売し、その差額を利益としています。そのため、個人の買主よりも安くなる傾向がありますが、土地の性質や広さによっては、個人の買主よりも良い条件で価格を提示されることもあります。

例えば土地が広く、分割が可能な土地であれば、買取業者が建物で利益を得ることができる分、個人の買主よりも有利に働く場合があります。
土地の性質や広さなど総合的に判断して、より良い買主を見つけていくことが大事になります。

売却額を下げることも検討する

売却額を下げる事は手っ取り早く買い手を見つける方法となります。

半年ほど売れていない場合には、まだ値段を下げる判断をするのは時期尚早ですが、1年以上買い手が現れていないケースでは、売却額が適正でない可能性があるでしょう。

また、改めて周辺環境などの外部要因を見直してみるのも一つの手です。売却を決めた時には想定していなかったような環境の変化(社会情勢や金利等の経済状況)が起こっている場合、当初の適正価格では売却が難しくなるでしょう。

委託する不動産会社を変更する

委託している不動産会社を変えることも検討しましょう。

不動産会社があなたの土地の売却に向いていないケースは多々あります。例えば、以下のようなケースです。

  • 土地売却のノウハウがない
  • 適切な販売活動をしていない
  • 囲い込みをしている

不動産会社にはそれぞれ強みと弱みがあります。ある特定のエリアに特化している不動産会社もあれば、戸建て専門で長年の実績がある会社もあります。

また、そもそも適切な売却活動をしていない場合や、囲い込みをしている(自社のお客様で決めて両手取引をするために、他の不動産会社のお客様を断ること)場合も多く挙げられます。

あなたが売却したい土地のエリアや不動産の種類によっては、委託している業者を変えるだけで買い手が見つかる可能性もあるのです。

もし、長期間に渡り売却できていない土地がある場合には、改めて他の不動産会社に目を向けてみても良いかもしれません。

土地売却が平均期間より長引く理由

土地売却が平均期間より長引く理由

もしあなたの土地が平均の期間よりも売れないのであれば、以下のような原因があるかもしれません。

  • 売れにくい土地であるため
  • 周辺により良い条件の土地があるため

それぞれについて解説していきます。

売れにくい土地であるため

そもそもあなたの土地が売れにくい形状であれば、当然売却には時間がかかるでしょう。代表的な売れにくい土地は、以下の通りです。

【売れにくい土地の例】

  • 市街化調整区域の土地
  • 土地の境界で隣地ともめている
  • 立地や周辺環境が悪い土地
  • 災害リスクの高い地域(土砂災害、浸水、液状化、地盤沈下など)
  • 建物の再建築ができない土地
  • 周辺の土地に比べて面積が広すぎる
  • 地中埋設物や土壌汚染の疑いがある
  • 土地の形状が特殊、道路や隣地と高低差がかなりある

このような人が避けているような土地を売却しようとしている場合、相場より価格を下げても買い手がつかないということが多々あります。

今一度、あなたの土地は上記に当てはまっていないか確認しておきましょう。

周辺により良い条件の土地があるため

売却している土地の周辺により良い条件の土地がある場合、売却は難しくなるでしょう。

あなたの売却している土地の条件と周囲で売却活動をおこなっている土地の条件を一度整理してみましょう。自分の土地には愛着があるため、どうしてもよく見えてしまいがちです。

しかし、条件を横並びで比較してみると、より良い条件の土地で周辺に同価格・またはより安く販売されているかもしれません。この場合、当然買い手は別の競合の土地に興味を持ってしまうでしょう。

このように周辺の土地の売却事情もしっかりと確認しておく必要があります。

まとめ

今回は土地売却の平均期間についてまとめてきました。結論として、土地の売却期間の平均は3か月〜半年です。しかし、その土地の条件や外的要因によって大きく早まったり、遅くなったりすることがあります。

少しでも早く売却をした人は、この記事を読み返して、自分の土地が適切な売却方法になっているかを確かめておきましょう。

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上昇トレンドが続くいま、あなたの物件の今の価値を把握しておくことが、売却・住み替えのタイミングを見極める確かな手がかりになります。

八巻侑司
八巻侑司

らくだ不動産 マネージャー/トップエージェント
大手不動産仲介会社での11年の経験を経て、らくだ不動産の「五方良し」の理念に共感し参画。 売買の経験は土地・戸建・区分・収益不動産とさまざまなジャンルを扱う。都内・神奈川県を中心に350件以上の取引実績がある。宅地建物取引士、JSHI公認ホームインスペクター。

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