テラスハウスとは?特徴や賃貸・購入時の注意点を解説

「テラスハウスって何?マンションや戸建てとどう違うの?」と疑問を感じていませんか?

住宅選びに迷っていると、つい見た目や家賃で決めがちですが、実は知らないと損する落とし穴も潜んでいます。

この記事を読むと

  • テラスハウスの定義や他の住宅との違いがわかる
  • メリットとデメリットを比較し、上手な住まい選びができる
  • 賃貸や購入時に後悔しないためのチェックポイントがわかる

全国の不動産価格※は2010年比で約1.5倍、マンションは約2倍にまで高騰中、令和の不動産バブルとも言われています。

この、次いつ来るかわからない「絶好のチャンス」を最大限活かすためには、一括査定で「あなたの物件を一番高く売ってくれる会社」を探すことが売却成功の近道です。

家を高く売りたい方に

不動産一括査定による売却額の差
※全国の不動産価格とは、国土交通省が発表している不動産価格指数(2025年3月時点)のことを指します。
査定額が高い不動産会社をチェックする

テラスハウスとは?

テラスハウスとは、隣家と壁を挟んで横に連なる建物で、その上下階を1世帯がまるごと使える住まいのことです。

各住戸が独立した玄関や専用の庭・駐車スペースを持ち、一方でマンションのような共用玄関や廊下はなく、一戸建てに近い住み心地が特徴です。

建物の構造上はタウンハウスと同じ「長屋建」に分類されます。ただ、テラスハウスもタウンハウスも建築基準法などに正式な定義はありません。では「タウンハウスと何が違うの?」と疑問に思いますよね。

タウンハウスとの違い

テラスハウスとタウンハウスは、見た目(建物の構造)は同じですが、建物が建つ敷地の権利関係の違いにより、不動産実務では区別されます。

タウンハウスでは敷地を共有しているのに対して、テラスハウスでは敷地の境界が明確になっています。そのため、テラスハウスはより自由度のある長屋と言えるでしょう。

【監修者コメント】

長屋建は、国土交通省の建築動態統計調査で「2つ以上の住宅を1棟に建て連ねたもので、‥‥「テラスハウス」と呼ばれる住宅もここに含まれる」と定義されています。

<テラスハウスの特徴>

特徴項目 内容
階層構造 上下階が1世帯で完結する2階建てが中心
出入口 各住戸が独立した玄関を持ち、共用部はなし
隣接形式 両隣の家と壁を共有(片側または両側)
法的分類 建築基準法上「長屋」に該当することが多い
普及背景 公団住宅や低層集合住宅の供給政策により全国に広がった

テラスハウスには具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。この記事では賃貸や購入時に注意が必要なポイントも解説します。

テラスハウスのメリット

テラスハウスの最大のメリットは、上下階を独占できる一戸建てのような暮らしを、マンションよりも手頃な価格で実現しやすい点です。

上下階を専有できるため、集合住宅にありがちな「上の足音」「階下の苦情」といった悩みから解放されやすくなります。

特に小さな子どもがいる家庭や、音に敏感な方にとっては大きな利点となるでしょう。

【テラスハウスに住むメリット】

  • 上下階を1世帯で使えるので、子どもの走り回る音にも神経質にならずに済む
  • 隣家と壁は共有するものの、玄関や庭が分かれているためプライバシーが保たれる
  • 専用の庭や駐車スペース付き物件も多く、戸建て気分が味わえる
  • 管理費がかからない、またはごく低コストで済む物件もある
  • 土地付きであることが多く、所有感が得られる

テラスハウスは子どものいる暮らしや、上下階の音に敏感な人と相性がよいため、音や空間に対するストレスを抑えやすい住宅形式といえます。

戸建ての良さと集合住宅の手軽さを併せ持つ点が、多くの人に選ばれる理由でしょう。

テラスハウスのデメリット

一方で、良いとこ取りに見えるテラスハウスにも見落とされがちな落とし穴があります。

外観が新しくても、法的な制限や隣家との関係性といったリスクは見た目ではわかりません。特に購入する場合、将来的な資産価値については慎重な判断が求められます。

【テラスハウスに住むデメリット】

  • 隣家と壁を共有するため、横からの生活音が響くことがある
  • 採光や通風が悪い間取りもある(特に中部屋)
  • 接道義務を満たさず再建築不可だと、売却時に買い手が付きにくい
  • 地価の伸びが見込みにくく、将来の資産価値が読みにくい

購入前や入居前には、建築図面や登記簿を確認し、リスクの芽を早めにつぶすことが肝心です。疑問点は必ず不動産会社に質問し、納得のいく説明を得るようにしましょう。

テラスハウスの賃貸や購入で失敗しないためのポイント

テラスハウスを賃貸や購入で検討する際には、見た目や賃料だけでは判断できない、重要なチェックポイントが5つあります。

契約後に後悔しないためにも、これらのポイントは事前にしっかりと把握しておくことが肝要です。物件の魅力だけでなく、潜在的なリスクにも目を向ける必要があります。

  • 契約形態の確認
  • 防音性能の確認
  • 再建築の可否の確認
  • 管理ルールの確認
  • 火災保険・ローン審査の条件の確認

これらのポイントは、入居後の生活の質や将来的なトラブルの回避に直結します。

特に法的な側面や建物の状態は、専門的な知識がないと見落としがちです。不動産会社の説明を鵜呑みにせず、自らも疑問を持って確認することが、失敗しない住まい選びにつながるでしょう。

契約形態を確認する

テラスハウスの賃貸契約では、建物だけでなく土地の権利関係も確認が必要です。テラスハウス物件と紹介されていても、敷地が共有であるタウンハウス物件の可能性もあるからです。敷地が共有であるタウンハウス物件の場合、分譲マンションと同じように原則として区分所有法が適用されます。

特に共有持分や借地権付き物件は、居住や管理、更新のルールに影響を与えることがあります。契約書に記載されている所有形態や借地条件を確認しましょう。

  • 所有権の種類を確認する
  • 借地権付き物件かどうかを確認する
  • 更新料や使用条件の制限があるかを確認する
  • 共有名義の物件の際は、管理者の有無を確認する
  • トラブル時の対応責任がどこにあるかを把握する

こうした情報は重要事項説明書に記載されているため、契約前の読み込みと不動産会社への確認を丁寧に行うことが大切です。不明瞭な点はそのままにせず、納得できるまで質問しましょう。

防音性能を確認する

テラスハウスでは隣家と壁を共有しているため、防音性の高さが快適な暮らしに直結します。構造によっては生活音が壁越しに伝わりやすいため、日常生活にストレスを感じることもあります。契約前には必ず確認しましょう。

  • 壁の厚みや遮音材の有無を確認する
  • 水回りやリビングの配置が隣戸と重なっていないかを確認する
  • 内見時に実際に音の響きを確認する
  • 建物の築年数やリノベーション歴を確認する
  • 不動産会社に遮音性能の目安を問い合わせる

防音性能は、図面だけでは判断しづらいため、現地での体感と具体的な質問がポイントになります。静かな生活環境を求める際は、特に重視すべき項目です。

【監修者コメント】

隣家との間にある壁(界壁)には建築基準法第30条が適用され「隣接する住戸からの日常生活に伴い生ずる音を衛生上支障がないように低減する」ための性能が求められます。界壁は原則として、小屋裏または天井裏まで達する必要がありますが、天井の遮音性能が基準を満たす場合はこの限りではありません。

再建築の可否を確認する

この項目は主に、物件を購入する際のポイントです。テラスハウスの中には、建築基準法上の接道義務を満たしていないために、再建築が認められない物件もあります。

接道義務とは、建物を建てる敷地が幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないという規定のことです。外観や間取りに魅力を感じても、再建築不可であると、将来的な売却や改築に大きな制限がかかります。

  • 接道義務(建物を建てる敷地が幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない)を満たしているか確認する
  • 前面道路が建築基準法上の道路かを確認する
  • 再建築の可否は不動産会社に明示させる
  • 不安があるときは、法務局で図面とあわせて調査する

再建築の可否は、将来の資産価値や自由な住み方に直結します。契約前には、接道条件や都市計画の確認を怠らず、具体的な制約事項を把握しておくことが大切ですS。

管理ルールを確認する

テラスハウスは戸建てに近い居住スタイルである一方、近隣との距離が近いため、共有スペースや敷地内ルールの存在が生活に影響します。

明文化されていない運用ルールがあることも多いため、事前の確認が重要です。特に、敷地が共有であるタウンハウス物件だった場合、区分所有法に基づいて規約が定められている場合があります。

  • ゴミ出しの曜日や分別方法を確認する
  • 庭や駐車スペースの使用範囲と責任を確認する
  • ペットの飼育が許可されているかを確認する
  • 清掃や除雪など共用作業の分担があるかを確認する
  • 規約が書面化されているか、口頭説明だけで済まされていないかを確認する

テラスハウスでは、隣人との適度な距離感と明確なルールが快適さを左右します。契約前には、現地だけでなく管理者やオーナーの説明にも注意を払いましょう。

火災保険・ローン審査の条件を確認する

この項目は主に、物件を購入する際のポイントです。テラスハウスは原則として、建築基準法上は「長屋建」として扱われます。長屋扱いの住宅は、火災保険や住宅ローンの審査において、一戸建て住宅に比べて不利になる可能性があります。

火災保険料には築年数や耐火性能の方が大きく影響しますが、隣家と壁を共有しているテラスハウスは延焼リスクが高いという理由で火災保険料が高く設定されるかもしれません。

  • 火災保険料が割高になる可能性を確認する
  • 保険加入の可否を事前に保険会社に確認する
  • 金融機関によって審査基準が異なる点を把握する
  • 担保評価額に影響する建物条件を確認する
  • 長屋扱いであるかを契約前に明示してもらう

こうした制約は、実際の申し込み段階で初めて問題になるケースもあります。安心して入居するためには、事前に保険会社や金融機関への相談を行い、条件を把握した上で契約を判断することが望まれます。

まとめ

テラスハウスは、賃貸にも購入にも向いた中間タイプの住まいとして人気があります。

ただし、法律上の制限や、音・採光といった物理的な問題を軽視してはいけません。メリットとデメリットを正しく理解し、自身のライフスタイルに合っているかを見極めることが重要です。

  • 上下階を自分の世帯で使えるため、戸建てに近い自由度がある
  • 共有部分がほとんどないため管理費が安く、土地付きで所有感が得やすい
  • 購入の場合、再建築制限や資産価値に不安がある物件も多い
  • 契約形態や建築条件を見極める力が求められる

家は、暮らしの基盤になる場所です。外観や賃料だけで判断せず、「自分たちの生活に合っているか」「将来も安心できるか」を考えて選ぶことが、満足度の高い住まい選びにつながるでしょう。

10年で全国平均価格が約1.4倍!査定額を今すぐチェック※
【簡単60秒】無料一括査定
※国土交通省「不動産価格指数(住宅・全国住宅総合)2015年12月=100換算」

関連記事