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「売りに出しているタウンハウスが、なかなか売れない…」
「不動産会社に『売れにくい』と言われ、どうすればいいか分からない…」
そんな悩みを抱えていませんか?
タウンハウスは一般的な戸建てやマンションと少し違うため、売却が難航することがあります。しかし、売れないのには必ず理由があり、原因に合わせた対策をすれば、売却できる可能性は十分あります。
この記事では、タウンハウスが売れない根本的な理由から早く売るための具体的な方法まで、分かりやすく解説します。
一緒に解決策を見つけていきましょう。
なぜご自身のタウンハウスが売れにくい状況にあるのか、その背景にはいくつかの特有の理由が考えられます。
不安に思うかもしれませんが、まずは現状を正しく理解することが、売却を成功させるための大切なステップです。一緒に、その理由を確認していきましょう。
【タウンハウスが売れない7つの理由】
タウンハウスが売れにくい最大の理由の一つは、土地の権利形態が「敷地利用権」であることが多く、買い手が資産価値に不安を感じてしまう点にあります。
一般的な戸建ての場合、建物と土地の両方の「所有権」を購入者が得られます。一方で、タウンハウスの多くは、マンションのように建物は区分所有し、土地は住民全員で共有する形(敷地利用権)をとります。
少しイメージしてみましょう。家を購入する方の多くは、「自分の土地」を持つことに価値を感じます。将来、自由に建て替えたり、土地そのものを資産として活用したりすることを期待するからです。
敷地利用権の場合、土地の所有権はあくまでデベロッパーなどにあり、買主は土地を「利用する権利」しか持てません。そのため、同じ価格帯の一般的な戸建てと比較された際に、資産性の面で見劣りしてしまい、敬遠される傾向があるのです。
将来的な建て替えや大規模なリフォームが難しいという点も、買い手が購入をためらう大きな要因となります。
タウンハウスは、複数の住戸が連なって建てられているため、建築基準法上の「長屋」として扱われることがほとんどです。
この場合、一戸だけを切り離して建て替えることは原則としてできません。建て替えを行うには、隣接するすべての住民から同意を得る必要がありますが、全員の足並みを揃えるのは現実的に非常に困難です。
購入を検討している方からすれば、「今は良くても、数十年後に子供たちの代になった時に、老朽化しても建て替えられないかもしれない」という不安がよぎります。この将来性への懸念が、売却の大きなハードルとなってしまうのです。
金融機関によっては、タウンハウスが住宅ローンの審査対象として厳しく見られがちであることも、売れにくさに拍車をかけています。
その理由は、これまで見てきた「土地の権利形態」と「建て替えの難しさ」にあります。金融機関が住宅ローンを融資する際、万が一返済が滞った場合に備えて、物件を担保として評価します。
タウンハウスは、土地の所有権がなく担保価値が低いと判断されたり、建て替えが困難で将来的な資産価値の下落リスクが高いと見なされたりすることがあります。
その結果、融資額が希望に満たなかったり、最悪の場合、ローン自体が承認されなかったりするケースも少なくありません。買い手が見つかっても、資金調達の段階で断念せざるを得ない、という事態が起こりうるのです。
戸建て感覚で住めるにもかかわらず、マンションと同様に管理費や修繕積立金が発生する点も、デメリットとして捉えられることがあります。
タウンハウスは、外壁や屋根、敷地内の道路といった共用部分を住民全体で維持管理していく必要があります。そのため、毎月、管理費や将来の大規模修繕に備えるための修繕積立金を支払わなければなりません。
購入検討者からすると、「戸建てならかからないはずのランニングコストが、例えば管理費1万5千円、修繕積立金1万円で合計2万5千円も毎月かかる」という点が、経済的な負担として重くのしかかります。30年間で900万円にもなるこの差は、購入をためらう大きな要因となるのです。
壁一枚で隣の住戸と繋がっている構造上、騒音などの隣人トラブルへの懸念も、買い手が慎重になる理由の一つです。
タウンハウスは、独立した戸建てとは異なり、隣家と壁を共有しています。そのため、生活音や子供の声、ペットの鳴き声などが伝わりやすく、それが原因でご近所との関係が悪化するリスクはゼロではありません。
内覧に来た方が、物件自体は気に入っても、「お隣さんはどんな人だろうか」「音の問題は大丈夫だろうか」といった不安を感じてしまうケースは多いです。特に、静かな住環境を求める方にとっては、この点が大きな懸念材料となり、購入を見送る理由になり得ます。
築年数の経過による建物の老朽化や、現代のライフスタイルに合わない間取りであることも、売却を難しくする要因です。
日本でタウンハウスが供給されたのは1970年代〜80年代が中心で、多くが築30年以上を経過しています。そのため、外壁のひび割れや屋根の色あせといった見た目の古さだけでなく、給排水管や断熱性能など、目に見えない部分の劣化も進んでいる可能性があります。
また、当時のままの間取りだと、リビングが狭かったり、収納が少なかったり、水回りの設備が古かったりと、現在のニーズに合わないケースも少なくありません。
買い手は、購入後のリフォーム費用も考慮に入れるため、物件価格が割高だと感じてしまい、結果として選ばれにくくなるのです。
ここまで挙げたような物件固有の理由ではなく、そもそも設定している売却価格や、不動産会社の販売戦略が適切でない可能性も考えられます。
「少しでも高く売りたい」という気持ちは、売主様であれば誰もが持つものです。しかし、タウンハウスが持つ特有のデメリットを考慮せず、周辺の戸建てと同じような価格設定をしてしまうと、市場からは「割高な物件」と判断されてしまいます。
また、依頼している不動産会社がタウンハウスの売却に不慣れな場合、その物件の魅力を正しくアピールできていなかったり、タウンハウスを探している潜在的な顧客へのアプローチができていなかったりする可能性もあります。物件の価値を正しく評価し、それを的確に伝えられる販売戦略がなければ、売却は長期化してしまうでしょう。
売れない理由が分かると、少し落ち込んでしまうかもしれません。しかし、ご安心ください。ここからは、その状況を打開するための具体的な対策を5つご紹介します。ご自身の状況に合わせて、最適な方法を見つけていきましょう。
まず最初に見直すべきは、売却を依頼している不動産会社です。タウンハウスの売却を成功させるには、その特殊性を理解し、販売ノウハウを持ったパートナーを選ぶことが不可欠です。
大手だから、地元の有名店だからという理由だけで選ぶのではなく、「タウンハウスの売却実績」が豊富にあるかどうかを確認しましょう。実績のある会社は、以下のような強みを持っています。
もし、今の不動産会社との媒介契約が3ヶ月以上経過しているなら、一度セカンドオピニオンとして、他の不動産会社に査定を依頼してみることを強くおすすめします。
現在の売却価格が、本当に市場の相場と合っているかを再検証することも、非常に重要です。
長期間売れない場合、価格が相場よりも高い可能性があります。対策1で挙げたようなタウンハウスに詳しい不動産会社に改めて査定を依頼し、客観的な視点から価格を見直しましょう。
査定の際には、近隣で最近売れた類似のタウンハウスやマンション、戸建ての成約事例を複数提示してもらい、なぜその査定額になるのか、根拠を詳しく説明してもらうことが大切です。
感情的に「この価格で売りたい」と固執するのではなく、専門家の意見を参考に、内覧の申し込みが入る可能性のある価格帯まで調整することを検討してみてください。時には、数百万円の価格見直しが、状況を大きく好転させるきっかけになることもあります。
物件の第一印象を劇的に改善するために、ホームステージングの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ホームステージングとは、売却する物件に家具や照明、小物を配置して、モデルルームのように魅力的な空間を演出するサービスです。特に、居住中に売却活動を行う場合、生活感が出すぎてしまい、物件本来の広さや魅力が伝わりにくいことがあります。
専門家がコーディネートすることで、以下のような効果が期待できます。
費用はかかりますが、早期売却や、より良い条件での売却につながる可能性を高める有効な投資と言えるでしょう。
もし資金的に余裕があれば、物件の価値そのものを高めるためのリフォームや、思い切って解体して更地にするという選択肢も考えられます。
「とにかく早く現金化したい」「これ以上、売却活動に時間をかけられない」という場合は、不動産会社に直接物件を買い取ってもらう「買取」という方法が最終手段となります。
一般的な「仲介」と「買取」には、それぞれメリット・デメリットがあります。ご自身の状況に合わせて、どちらが最適か判断しましょう。
| 比較項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 概要 | 不動産会社が買主を探し、売買を仲介する方法 | 不動産会社が直接、売主から物件を買い取る方法 |
| 売却価格 | 市場価格に近い価格で売れる可能性がある | 市場価格の7〜8割程度になることが多い |
| 売却期間 | 3ヶ月〜1年以上かかることも | 最短で数日〜数週間 |
| メリット | ・高く売れる可能性がある | ・すぐに現金化できる<br>・仲介手数料が不要<br>・内覧対応が不要<br>・契約不適合責任が免除される |
| デメリット | ・いつ売れるか分からない<br>・仲介手数料がかかる<br>・内覧対応の手間がかかる | ・売却価格が安くなる |
| 向いている人 | 時間がかかっても、少しでも高く売りたい人 | ・とにかく早く売りたい人<br>・周囲に知られずに売りたい人<br>・売却活動の手間を省きたい人 |
上記の表が示すように、買取は売却価格が低くなるという大きなデメリットがありますが、「確実」かつ「スピーディー」に売却を完了できるという強力なメリットがあります。
対策と並行して、売却活動を進める上で、事前に押さえておくべき大切な注意点があります。これらを知っておくことで、後々のトラブルを防ぎ、スムーズな売却につながります。最後の確認として、一緒に見ていきましょう。
購入検討者が非常に気にするポイントが、管理組合が正常に機能しているか、そして、これまでの修繕が計画的に行われているかという点です。
これらの情報を明確に提示することは、買い手に安心感を与える上で極めて重要です。売却活動を始める前に、以下の書類を必ず準備しておきましょう。
これらの情報がきちんと開示されていると、買い手は「このタウンハウスは管理がしっかりしているな」と判断し、購入への安心材料となります。
隣地との境界がどこなのか、また、隣の家の木の枝や塀などが自分の敷地に入り込んでいないか(越境)を、売却前に必ず確認しておく必要があります。
土地の境界が曖昧なままだと、売却後に買主と隣人との間でトラブルに発展する可能性があります。法務局で取得できる「地積測量図」を確認したり、必要であれば土地家屋調査士に依頼して境界を確定させたりすることが重要です。
また、越境物がある場合は、事前に隣人と話し合い、「越境に関する覚書」などを取り交わしておくのが理想です。こうした地道な事前準備が、買主の不安を取り除き、スムーズな取引を実現します。
売却した物件に、契約書には書かれていなかった欠陥(雨漏りやシロアリ被害など)が後から見つかった場合、売主は買主に対して「契約不適合責任」を負うことになります。
この責任を負うと、買主から修理費用の請求(追完請求・代金減額請求)や、契約解除、損害賠償を求められる可能性があります。こうしたリスクを避けるためには、以下の対策が有効です。
これらの対策は、売主自身を守るためだけでなく、物件の信頼性を高め、売却を有利に進める効果も期待できます。
ここまで、タウンハウスが売れない理由と、その対策について詳しく見てきました。
タウンハウスの売却は、その特殊性から、一般的な戸建てやマンションと比べて難しい側面があるのは事実です。
しかし、その特性を売主様自身が深く理解し、信頼できる不動産会社というパートナーを見つけ、適切な価格と戦略で売却活動に臨めば、決して売れないということはありません。
大切なのは、現状を悲観するのではなく、一つひとつの課題に冷静に対処していくことです。
この記事でご紹介した対策の中で、ご自身の状況に合わせて「これならできそう」と思えるものから、ぜひ一歩を踏み出してみてください。その一歩が、きっとあなたのタウンハウスの売却を成功へと導くはずです。
最後に、タウンハウスの売却に関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。
一概に低いとは言えませんが、一般的な土地付き戸建てと比較すると、資産価値は低く評価される傾向にあります。主な理由は、本文でも解説した通り、土地の所有権がない「敷地利用権」であるケースが多いことや、建て替えが困難であるためです。ただし、立地条件が非常に良い、管理状態が極めて良好であるなど、個別の物件によっては高い評価を受ける場合もあります。
はい、売却は可能です。ただし、建物の状態によっては、買主が購入後に大規模なリフォームを行うことを前提とした価格設定になることが多いでしょう。また、あまりに老朽化が進んでいる場合は、不動産会社による「買取」を選択し、リフォームや再販を専門とする業者に売却する方がスムーズなケースもあります。
「仲介」は不動産会社に買主を探してもらう方法、「買取」は不動産会社自身に物件を買い取ってもらう方法です。
どちらが良いかは、売主様の状況や優先順位によって異なります。不動産会社とよく相談し、ご自身の希望に最も合った方法を選択することが大切です。