築15年のマンションを売却する時の資産価値は?売り時・値下がり率も解説 - GMO不動産査定

築15年のマンションを売却する時の資産価値は?売り時・値下がり率も解説

「築15年も経ったマンションは、価値が大きく下がってしまったのではないか」「今売却して損をしないだろうか」と、売却のタイミングや資産価値に不安を感じていませんか?

実は、築15年のマンションは資産価値の急な下落期を終え、市場からの需要と成約率がピークに達する絶好の「売り時」と言えます。さらに、2025年の不動産市場は金融政策の転換を受け、金利が本格的に上昇する前の「駆け込み需要」が見込める、またとない売り手市場を形成しています。

この記事では、築15年のマンションのリアルな資産価値、今が売り時である具体的な理由などを詳しく解説します。

築15年のマンションの資産価値や値下がり率は?

新築時から最も価値が下落する期間は一般的に最初の10年〜15年とされており、この時期を過ぎると価格の下落は緩やかになる傾向があります。つまり、築15年は価格が安定し始めるタイミングと言えるでしょう。

実際に、東日本不動産流通機構が公表しているデータによると、首都圏の築11年〜15年の中古マンションは、成約平米単価が新築時の約84.3%を維持していて、築6年〜10年の88.1%からの下落率が緩やかになっていることがわかります。さらに、成約率は築11年〜15年で36.2%とピークに達します。

このデータからは、購入を検討している層にとって、築15年という年数が価格と品質のバランスが取れた、魅力的な選択肢として認識されていることを示唆していると読み取れます。

価値の急落リスクが低減し、市場からの需要が最も高まる築15年は、売却を考える上で非常に有利な時期なのです。

ここからは、築15年のマンションの売却相場と、資産価値が落ちにくいマンションの特徴を紹介します。

築15年のマンションの売却相場 新築時の約84%~85%
資産価値が落ちにくいマンションの特徴 ・立地が良い
・管理の状態が良い
・建物スペックが高い

築15年のマンションの売却相場

築15年のマンションの売却相場を考える時は、物件そのものの価値だけでなく、不動産市場全体の価格水準も考慮する必要があります。

まず、物件の価値は、東日本不動産流通機構のデータからも、新築時の約84%〜85%が一つの目安と言えます。例えば、4,500万円で購入したマンションであれば、単純計算で3,780万円〜3,825万円程度の価値を維持している可能性があるということです。もちろん、約84%〜85%というのはあくまで平均値であり、個々の物件の立地や管理状態で価格は変動します。

次に、市場全体の価格水準に目を向けると、近年の中古マンション市場は著しい上昇傾向にあります。国土交通省が公表する不動産価格指数では、マンションの価格は2010年を100とした場合、2025年6月時点で216.8に達しています。これは、市場全体が15年ほどで2倍以上に高騰していることを意味します。

この市場全体の強い追い風が、築15年という経過年数による価格下落を補い、売却価格を押し上げる大きな要因となっているのです。

市場全体の上昇傾向を踏まえ、ご自身のマンションの今の価値も把握してみてはいかがでしょうか?築年数だけでなく、立地や管理状況が査定額にどう反映されるか確認しましょう。

築15年でも資産価値が落ちにくいマンションの特徴

同じ築15年のマンションでも、資産価値には大きな差が生まれます。将来にわたって価値が落ちにくい物件には、以下の共通する特徴があります。

価値が落ちにくい物件の特徴 ポイント
立地が良い
  • 最寄り駅から徒歩10分以内
  • 複数の路線が利用可能
  • スーパーやコンビニ、学校、病院などの生活利便施設が充実している
  • 将来的な再開発計画があるエリア
管理の状態が良い
  • エントランスや廊下、ゴミ置き場といった共用部分が清潔に保たれている
  • 長期修繕計画書と修繕積立金の状況が良い
建物スペックが高い
  • 信頼性の高いデベロッパーによって分譲された、あるいは実績豊富なゼネコンによって施工されたマンション
  • ファミリー層に人気のある3LDK以上の間取り
  • 日当たりの良い南向きの住戸
  • 眺望の良い高層階
  • プライバシー性の高い角部屋

立地は、不動産の価値を最も左右すると言っても過言ではありません。良い条件を満たす物件は、生活の利便性が高いため常に安定した需要が見込めます。

また、建物の維持管理状態は、特に築年数が経過したマンションにおいて価値を大きく左右するポイントです。国土交通省のガイドラインに沿った適切な修繕計画があり、積立金が計画通りに貯蓄されているマンションは、将来にわたって建物の健全性が保たれると評価され、買主からの信頼を得やすくなります。

さらに、信頼性の高いデベロッパーによって分譲された、あるいは実績豊富なゼネコンによって施工されたマンションは、ブランド価値や品質への信頼から資産価値が維持されやすい傾向があります。

また、間取りや日当たり、眺望なども、価値が落ちにくいポイントになると言えるでしょう。

もちろん、1981年6月1日以降に建築確認を受けた「新耐震基準」を満たしていることは、安全性を担保する上で必須の条件です。

築15年のマンションの売り時は「今」と言える理由

築15年のマンションの売り時が、2025年の「今」が最適なタイミングと言える理由は、物件のライフサイクルと市場のタイミングという、2つの側面から明確に説明できます。

一つ目は、物件のライフサイクルにおける「売り時」だからです。築15年は、資産価値の下落が緩やかになり、一方で市場からの需要(成約率)がピークに達する、まさに「スイートスポット」です。この時期を過ぎると成約率は低下傾向に入るため、最も高く、そしてスムーズに売却できる可能性が高いのがこのタイミングなのです。

二つ目は、市場(マクロ経済)が「売り手市場」という好機を迎えているからです。日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、日本の金利は緩やかな上昇局面にあります。住宅ローン金利も例外ではなく、多くの人が「金利がさらに上がる前に購入したい」と考えています。この「駆け込み需要」が発生している現在は、購入希望者が多く、価格交渉も有利に進めやすい典型的な「売り手市場」を形成しています。

このような市場環境は長くは続かない可能性がありますし、金利上昇前の「駆け込み需要」がある「今」が、絶好の売却タイミングかもしれません。この好機を逃さないためにも、まずは現在の正確な資産価値を調べてみてはいかがでしょうか?

築15年のマンションを高く売却する方法

  • 金利上昇前の2025年に売却する
  • 大規模修繕の後に売却する
  • 複数社に査定を依頼し相場を把握する
  • ホームインスペクションを実施する
  • 良好な管理状態を具体的にアピールする

築15年というマンションの価値と、2025年という市場の好機を最大限に活かすために、少しでも高く売却するための5つの方法を解説します。

金利上昇前の2025年に売却する

最も重要な戦略は、タイミングを逃さないことです。

2025年は住宅ローン金利が本格的に上昇する前の「駆け込み需要」によって、中古マンション市場が活況を呈しています。購入意欲の高い買主が多いということは、それだけ売主にとって有利な条件で交渉を進めやすい状況にあるということです。

不動産市場は常に変動しており、このような明確な「売り手市場」は永続するものではありません。金利がさらに上昇し、買主の予算が厳しくなれば、市場は一気に買い手市場へとシフトする可能性があります。

資産価値を最大化するためには、この歴史的とも言える好機を捉え、2025年中の売却活動を計画することをおすすめします。

大規模修繕の後に売却する

マンションの売却タイミングを考える上で、第一回大規模修繕工事が完了した直後は、最高のタイミングの一つです。多くのマンションでは、築12年〜15年頃にこの大規模修繕が計画・実施されます。

修繕工事が完了したマンションは、外壁の塗装や共用部の防水工事などが行われ、見た目が「準新築」のようにきれいになります。買主からすれば、購入後すぐに多額の修繕費用がかかる心配がなく、安心して購入できるため、資産価値は大きく向上します。

逆に、大規模修繕を控えたマンションは注意が必要です。買主は、将来的な修繕積立金の値上げや、一時金の徴収といった費用負担を懸念します。また、工事期間中は騒音や日照の阻害、バルコニーの使用制限など、生活への影響も避けられません。これらのデメリットが、売却価格を下げる要因となり、大幅な値引き交渉を受けるリスクが高まります。

修繕の前後で、マンションの資産価値には「崖」と言えるほどの差が生まれることを認識しておきましょう。

複数社に査定を依頼し相場を把握する

適正な売却価格を知るためには、必ず複数の不動産会社に査定を依頼してください。

1社だけの査定額を鵜呑みにすると、その金額が本当に市場価値を反映しているのか判断できず、安く売却してしまうリスクがあります。少なくとも3社から4社に査定を依頼し、それぞれの査定額と、その金額を算出した根拠を比較検討しましょう。

不動産会社は主に、近隣の類似物件の成約事例と比較して価格を出す「取引事例比較法」を用います。そのため、「どの物件を比較対象としたのか」「なぜその物件を選んだのか」「あなたの物件のどの点を評価し、あるいは懸念材料と捉えたのか」といった具体的な説明を求めることが、信頼できる会社を見極める上で重要なポイントになります。

ホームインスペクションを実施する

ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅診断士という専門家が、建物の劣化状況や欠陥の有無、改修すべき箇所などを客観的に診断するものです。売主が自主的に実施することは、売却を有利に進めるための投資となります。

築15年という年数に対して買主が抱く不安は、「目に見えない部分に欠陥がないか」という点です。第三者の専門家による客観的な診断レポートを提示することで、建物の健全性を証明し、買主の不安を払拭できます。これが安心感と信頼につながり、価格交渉を有利に進めたり、売却までの期間を短縮したりする効果が期待できるのです。

また、売却後に欠陥が見つかった場合に売主が負う「契約不適合責任」のリスクを事前に把握し、軽減する上でも役立ちます。

なお、2018年に施行された改正宅地建物取引業法で、不動産会社にはホームインスペクション制度の説明が義務付けられており、国としても中古住宅流通の透明性を高める上でその重要性を認めています。

良好な管理状態を具体的にアピールする

築年数が経過したマンションほど、「どのように維持管理されてきたか」という点が価値を大きく左右します。特に知識のある買主は、目に見える部分だけでなく、管理組合の運営状況や財務の健全性を厳しくチェックします。

内覧時には、室内のきれいさだけでなく、マンションの良好な管理状態を証明する具体的な資料を準備してアピールしましょう。

  • 長期修繕計画書:将来にわたる修繕計画が適切に立てられていることを示す
  • 修繕積立金の残高がわかる資料(総会議案書など):計画通りに資金が積み立てられていることを証明する
  • 管理規約:ペットの飼育やリフォームのルールなど、マンションの基本的なルールを示す

管理組合が健全に運営され、将来にわたって建物の価値が維持されることを客観的に示すことで、買主は安心して購入を決断できるでしょう。

築15年のマンションを売却する時の注意点

  • オーバーローンになっていないかを確認する
  • 売却前の大規模リフォームは避ける
  • 契約不適合責任について把握しておく
  • 査定額の高さだけで不動産会社を選ばない

築15年のマンションを売却する時は、知識不足のまま進めてしまうと、思わぬ損失やトラブルにつながる可能性があります。ここでは、売却時の4つの注意点を解説します。

オーバーローンになっていないかを確認する

まず最初に確認すべきなのが、住宅ローンの状況です。

オーバーローンとは、住宅ローンの残債額がマンションの売却価格を上回ってしまう状態を指します。オーバーローンの状態では、マンションを売却して得たお金だけではローンを完済できず、不足分を自己資金(貯金など)で補う必要があります。

もし自己資金で補填できない場合は、原則としてマンションを売却できないので注意してください。

売却活動を始める前に、必ず現在取引のある金融機関に連絡し、ローン残債額が正確にいくらなのかを把握しておきましょう。その上で、不動産会社が出した査定価格と比較し、資金計画に問題がないかを確認することが、スムーズな売却につながります。

売却前の大規模リフォームは避ける

「高く売るために、きれいにリフォームした方が良いのでは?」と考える人もいるかもしれません。しかし、売却前の大規模なリフォームは、多くの場合で費用対効果が見合わないため避けることをおすすめします。

買主は、自分たちのライフスタイルや好みに合わせて内装を決めたいと考えているケースが少なくありません。そのため、売主が多額の費用をかけてリフォームしても、デザインが買主の好みに合わなければ評価されず、リフォーム費用を売却価格に上乗せすることが難しくなります。

結果として、かけた費用を回収できない「持ち出し」になってしまうリスクもあります。

大がかりな工事よりも、水回りを中心とした専門業者によるハウスクリーニングや、壁紙の破れなど部分的な補修に留めておく方が、費用を抑えつつ内覧時の印象を良くする上で効果的でしょう。

契約不適合責任について把握しておく

契約不適合責任とは、売却した不動産に、契約書の内容とは異なる欠陥(例:雨漏り、給排水管の故障、シロアリの害など)が見つかった場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。これは、2020年4月の民法改正で、従来の「瑕疵担保責任」から変更されたもので、買主の権利がより強化されています。

もし引き渡し後に契約内容と異なる欠陥が見つかった場合、買主は売主に対して、補修を求める「追完請求」や、代金の減額を求める「代金減額請求」などを行うことができます。

こうしたトラブルを避けるためには、物件の状態について把握している情報を正直に、そして正確に不動産会社や買主に告知することが最も重要です。リスクを軽減する上でも、事前にホームインスペクションを実施し、建物の状態を客観的に把握しておくことが役立ちます。

査定額の高さだけで不動産会社を選ばない

複数の不動産会社に査定を依頼すると、会社によって提示される査定額に幅があることに気づくでしょう。もちろん高く売却したいという気持ちは当然ですが、提示された査定額の高さだけで不動産会社を安易に選ぶのは危険です。

不動産会社の中には、まず媒介契約を結ぶことを目的に、意図的に相場よりも高い「見せかけ」の査定額を提示するところもあります。しかし、根拠のない高い価格で売りに出しても、結局は売れずに何度も値下げを繰り返すことになり、かえって売却期間が長引いてしまうことになりかねません。

重要なのは、「なぜその査定額になったのか」という根拠を明確に説明してくれるかどうかです。周辺の取引事例や物件の評価ポイントを基に、論理的な売却戦略を提案してくれる、信頼できる担当者を見極めてください。

【セルフ診断】あなたのマンションは今売るべき?それとも待つべき?

ご自身の状況と照らし合わせて、マンションを売却すべきか迷う人もいるかもしれません。そこで、「今」売るべきタイミングなのかを判断するための簡単なセルフ診断リストを用意しました。

住宅ローン金利が本格的に上がる前に売却活動を終えたい
→ 「はい」の場合、金利上昇前の駆け込み需要がある今は絶好のタイミングです。
活況な中古マンション市場の恩恵を受けたい
→ 「はい」の場合、価格が高騰している現在の市場は売主にとって有利です。
第一回大規模修繕工事が完了している、または完了見込みである
→ 「はい」の場合、資産価値が最も高まるタイミングの一つです。
修繕積立金は、長期修繕計画に沿って順調に貯まっている
→ 「はい」の場合、健全な管理状態は買主への強力なアピールポイントになります。
住み替えや転勤など、売却を後押しする具体的なライフプランがある
→ 「はい」の場合、ライフイベントは売却を決断する良いきっかけです。
売却益が出た場合「3,000万円の特別控除」の適用要件を満たしている
→ 「はい」の場合、税制上の大きなメリットを享受できます。

【診断結果】
この中で「はい」と答えられる項目が多いほど、2025年というタイミングが、あなたのマンション売却にとって非常に有利な時期である可能性が高いと言えるでしょう。

まとめ

築15年のマンションは、価値の急落期を終えて価格が安定し、市場の需要が最も高まる売却の「スイートスポット」です。さらに、2025年は金利上昇前の「駆け込み需要」が見込める「売り手市場」であり、売主にとって大きなチャンスが訪れています。

この好機を最大限に活かすためには、「大規模修繕の完了状況」や「健全な管理状態」といった物件の価値を、長期修繕計画書などの客観的なデータで証明することです。加えて、ホームインスペクションを戦略的に活用し、築15年前後の物件売却実績が豊富な不動産会社をパートナーに選ぶことが、成功の確率をさらに高めるでしょう。

何から始めればよいか分からないという場合は、まずは複数の不動産会社に査定を依頼し、マンションの客観的な価値を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。

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