空き家が売れない理由と対策8選!放置のリスクや処分方法も解説
所有している空き家がなかなか売れない場合、「売却はもう諦めるしかないのだろうか」と考えてしまうこともあるでしょう。
しばらく買い手が見つかっていないケースでも、適切な対策を打てば売却できる可能性があります。売れない理由やこれまでやったことをふまえ、工夫を重ねることが大切です。
空き家を売るための対策やどうしても売れない場合の選択肢を解説するので、売却活動を立て直すためにぜひ参考にしてください。空き家を放置するとさまざまなリスクがあるため、できるだけ早く手放して管理責任から解放されましょう。
空き家が売れない理由セルフチェック
所有している空き家が売れずに困っている場合は、売れない理由を理解し、対策をとっていく必要があります。
あなたの空き家が売れない理由として何があるのか、下記のリストでセルフチェックをしてみましょう。チェックが多いほど、売れにくい状態である可能性が高いと言えます。
あなたはいくつ当てはまる?(複数回答)
- 売り出し価格を1年以上見直していない
- 近隣や似た条件の物件の成約事例をほとんど見ていない
- 物件掲載サイトに載せている写真が少ない/古い
- 物件の状態を半年以上確認していない
- 家財道具の整理や室内の清掃をしていない
- 不動産会社を1社しか使っていない
- 建物の老朽化や不具合を放置している
- 再建築不可・接道などの法的な問題をよく理解していない
- 不動産会社の仲介以外の選択肢を検討したことがない
次章で対策を解説していくので、チェックをつけた項目と関連する内容から優先的に読んでみてください。
解消できる理由はなるべく早く解消し、買い手が見つかる可能性を少しでも高めましょう。
空き家の中でも、田舎の家が売れずに困っている方は下記の記事も参考にしてください。
買い手がつかない空き家を売るための対策8選
なかなか売れない空き家でも、ただ手放すのではなくお金に変えるためにできることがまだあるかもしれません。
売れそうにないと諦めず、下記の表の内容でまだやっていないことがあれば試してみましょう。
| 売却活動を始めて間もない場合 | 手を尽くしても買い手が見つかっていない場合 |
|---|---|
| ・物件の価格を見直す ・利用する不動産会社を変える ・空き家バンクに物件を登録する ・最低限のリフォームをする |
・仲介ではなく買取で売却する ・空き家に特化した買取業者を利用する ・近隣に住む人に売却を相談する ・建物を解体して土地として売却する |
それぞれについて解説するので、あなたの状況に合った対策をとってみてください。
1.物件の価格を見直す
物件の価格を見直すことは、空き家がなかなか売れない場合にまず考えたい選択肢です。市場での相場を確認しつつ、売り出し価格を見直してみましょう。
価格を再設定する際は、不動産ポータルサイトやレインズマーケットインフォメーションなどを活用し、似た条件の物件の売り出し価格や過去の成約事例を調べると参考になります。
相場よりも高い価格を設定していたならまずは相場程度まで下げてみる、相場価格で売れない場合はさらに値下げをしてみるなど、段階を踏んで対応していくと良いでしょう。とにかく早く手放したい場合は、大幅に値下げをしてみるのも手です。
どの段階でどの程度価格を下げるかは、状況に応じて不動産会社と相談して決めましょう。

適正価格で売ることよりも買い手を見つけることを重視して価格を下げれば、問い合わせが増える可能性があります
2.利用する不動産会社を変える
利用する不動産会社を変えることで、なかなか売れなかった空き家が売却できる可能性もあります。
数ヶ月経っても購入希望者が見つからない場合、利用している不動産会社に要因があることも考えられます。不動産会社によって取引を得意とする物件の種類やエリア、売却活動の進め方に違いがあるためです。

まだ1社しか利用していない場合は、他の不動産会社の利用も検討してみましょう
他の不動産会社を探す際は、複数の会社を比較して決めるのがおすすめです。査定額や売却活動の進め方を比較して、自分の状況に合っていると思える会社を選びましょう。
3.空き家バンクに物件を登録する
他の手段と並行して、全国の自治体が運営する「空き家バンク」にも物件を登録してみましょう。
- 空き家バンクとは
-
自治体がWEBサイトや広報誌で空き家の情報を公開し、売りたい人・貸したい人と買いたい人・借りたい人をマッチングさせる制度。営利目的ではないため、無料で情報を掲載できる。
空き家バンクを使えば、一般の不動産市場に出回らない安価な物件を探している人にもアプローチができます。
不動産会社を利用する場合のように広告宣伝活動は行われず、問い合わせを待つことになりますが、買い手を見つけるために登録しておくに越したことはありません。

自治体の窓口で掲載の申請ができるので、利用を検討してみてください
4.最低限のリフォームをする
家の状態によっては、最低限のリフォームをすることで売却に近づく場合があります。
老朽化や不具合が目立つ場合は、費用がかさみすぎない程度にリフォームをし、物件の印象を良くしましょう。例えば下記を検討してみてください。
- 老朽化や汚れが目立つ壁紙の張り替え
- 水回りの修繕や部品交換
- 故障した設備の修理
部分的なリフォームによって清潔感が増せば、第一印象が良くなり内覧から購入検討が進みやすくなります。
どの程度のリフォームをするかは、費用面も含めて不動産会社に相談しながら判断しましょう。
5.仲介ではなく買取で売却する
「仲介」で空き家が売れない場合は、「買取」での売却も考えましょう。
- 仲介:不動産会社を介して個人に物件を売ること
- 買取:不動産会社に物件を直接買い取ってもらうこと
仲介で売れない空き家でも、不動産会社に買い取ってもらえばスムーズな売却が期待できます。当サイトが複数の買取サービスが謳う売却期間を調査した限り、おおむね1か月程度の短期間が目安とされています。
ただし、仲介の場合と比べて売却価格が下がることには注意が必要です。不動産会社は買い取った物件を転売することになるため、そのためにかかるコストや確保したい利益額を考慮した価格が設定されることになります。
売却価格が下がっても空き家を早く手放したい、いつ売れるかわからないストレスを早く解消したいという方には特に向いている方法です。仲介で買い手が見つからないなら、買取依頼も検討しましょう。
6.空き家に特化した買取業者を利用する
なかなか売れない空き家でも、空き家や訳あり物件に特化した業者なら買い取ってくれる可能性があります。
空き家や訳あり物件を専門とする買取業者は、独自の転売ルートや豊富なリフォームのノウハウを持っており、状態が悪い空き家でも利益に変えることができるのです。
一般の不動産会社に取引を断られた場合は特に、空き家に特化した買取業者の利用が適しています。

まずは無料査定を依頼して検討を進めると良いでしょう
7.近隣に住む人に売却を相談する
近隣に住む人に売却を相談してみると、前向きに検討してもらえるケースがあります。
昔から「隣の土地は借金してでも買え」という言葉があるように、近隣の土地を購入することで下記のようなメリットが得られる可能性があるためです。
- 土地の条件(形状や接道状況)が良くなり、活用がしやすくなる
- 将来的に子供が家を建てられる
- 庭や駐車場として利用できる
トラブルにつながるのを避けるため、直接の交渉は控え、不動産会社を通じて打診してみましょう。
売れないと思っていた家でも、身近なところに買い手がいるかもしれません。
8.建物を解体して土地として売却する
建物の状態が悪い場合、解体して更地にしたほうが売れやすくなる可能性があります。
買い手にとって、土地自体は魅力的でも建物があることがハードルになっている場合があるためです。
更地にすると売りやすくなるケース
- 土地自体の条件が悪くない(形状に問題がない、需要が高い)
- 建物がマイナス評価になっている(古さや不具合が目立つ)
- ターゲット層が「新築希望者」
上記のような場合、買い手が解体費用を負担する必要がなく、新しい家をすぐに建てられる状態をつくれれば、土地としてスムーズに売却が進む可能性があるでしょう。
一方で、下記のような場合は更地にしても売れにくく、ただ解体費用を失う結果になる可能性があります。土地として売る判断はしないほうが良いでしょう。
更地にしないほうが良いケース
- 土地の条件に問題がある(再建築不可、接道状況が悪い)
- 需要が極端に小さい(そもそも買い手が見つかる見込みが薄い)
- 建物がまだ使える状態(リフォームすれば住める、賃貸需要がある)
なお、家の解体費用の目安は表の通りです。
| 建物構造 | 1坪あたりの解体費用相場 | 30坪の場合の解体費用目安 |
|---|---|---|
| 木造 | 3〜4万円 | 90〜120万円 |
| 鉄骨造(S造) | 5〜6万円 | 150〜180万円 |
| 鉄筋コンクリート造(RC造) | 7〜8万円 | 210〜240万円 |
土地自体の資産価値が高い場合は特に、解体費用をかけても土地のみで売りに出すことが有効な選択肢となります。
空き家がどうしても売れない場合の選択肢
空き家に価格をつけて売ることがどうしても難しい場合は、無償で手放すことになります。下記の選択肢を検討しましょう。
- 個人や団体に無償譲渡を行う
- 自治体に寄付する
- 国に引き取ってもらう
利益が出なくても、毎年の税金や管理責任からは解放されます。早めに動くことが大切です。
個人や団体に無償譲渡を行う
まず、引き取り手を探して無償譲渡を行う方法が考えられます。
近隣の住人や知人に相談する、無償譲渡物件のマッチングサイトを利用するなどして譲り先を探しましょう。
ただし、税金がかかる可能性には注意が必要です。譲渡先によって課税の内容や対象者が異なります。
| 譲渡のケース | 課税形式 | 課税対象者 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 個人→個人 | 贈与税(みなし贈与) | 受け取る側 | 価額から控除額110万円を引いた金額に応じて10%以上の課税 |
| 個人→法人 | 所得税(みなし譲渡) | 譲る側 | 価額が取得価格より高い場合に、家の所有期間に応じた税率で課税 |
個人への譲渡を行う場合は特に、税金について受け取り手にも認識してもらったうえで取引を進めましょう。
また、所有権移転登記などの費用も発生するため、どちらが負担するか事前に相談しておくのがトラブルを避けるためのポイントです。
自治体に寄付する
自治体に寄付を申し出ることも可能です。買い手や引き取り手が見つからない場合は検討しましょう。
ただし、建物は解体して土地のみで引き渡す必要があるため、建物の解体費用が発生することになります。
また、自治体が必ず寄付を受け入れてくれるとは限らず、審査次第では断られる可能性があります。自治体としては徴収できる固定資産税が減ってしまううえに土地の管理も必要になるため、消極的な場合のほうが多いです。
公共施設をつくれるような立地や広さの土地なら、引き取ってもらえる可能性があります。

まずは役所の窓口で相談してみましょう
国に引き取ってもらう
「相続土地国庫帰属制度」を利用し、土地のみを国に引き取ってもらう方法もあります。
- 相続土地国庫帰属制度とは
-
一定の要件を満たした土地を手放し、国に返還できる制度。法務省により2023年から開始されている。
相続した土地が対象であり、建物を含めることはできません。また、審査手数料の支払いや土地管理のための負担金の納付、隣接する土地との境界が明確であることが必須などさまざまな条件があります。
制約が多いためあまり現実的ではありませんが、相続した土地の扱いに困っている場合は最終手段として考えられるでしょう。制度を利用する場合は、まずは土地を管轄する法務局への相談が必要です。
空き家処分に補助金が出るケースもある
売れない空き家の解体や家財道具の処分にかかる費用に対し、補助金制度を設けている自治体が多くあります。
例えば、東京都では「都内に所在する空き家の家財整理」「都内に所在する空き家の解体」に対して補助金を交付しており、金額は下記のように定められています。
1.都内に所在する空き家の家財整理に係る費用(消費税及び地方消費税を除いた額)に2分の1を乗じた金額とし、50,000円を限度とする。
ただし、1,000円未満の端数があるときは、これを切り捨てる
2.都内に所在する空き家の解体に係る費用(消費税及び地方消費税を除いた額)に2分の1を乗じた金額とし、100,000円を限度とする。
ただし、1,000円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。
制度の有無や条件は自治体によって異なるため、まずは各自治体の窓口に相談すると安心です。

数十万円の補助金を交付している自治体もあるため、活用できるものは活用し、損することなく対処を進めましょう
売れない空き家を放置するのはリスクが大きい
売れない空き家の放置には、下記のようなリスクが伴います。
- コストがかかり続ける
- 老朽化が進んでますます売れにくくなる
- 「特定空き家」に指定される可能性がある
デメリットが大きくなって後悔しないよう、早めに手放すことを目指しましょう。
コストがかかり続ける
売れない空き家を放置した場合、コストがかかり続けるのが最大のデメリットです。
空き家を所有しているだけで、固定資産税や都市計画税といった金銭的なコストはもちろんのこと、管理の手間も発生し続けます。
定期的に足を運ぶための交通費や労力、清掃の手間なども考えると、放置し続けるのは現実的ではないでしょう。

家計や時間の圧迫を最低限に抑えるため、今後利用する可能性がない空き家はできるだけ早く手放すことをおすすめします
老朽化が進んでますます売れにくくなる
売れない空き家は時間が経つとさらに老朽化が進み、ますます売れにくくなります。
倒壊の危険や害虫発生のリスクが高まるうえ、明らかに管理されていない状態になると、不審者の出入りや放火といった犯罪のリスクも考えられるでしょう。
どんどん状態が悪くなって資産価値が落ち、売却できる可能性が低くなっていきます。

状態が悪いまま放置した結果として近隣住民とのトラブルにつながることもあるため、老朽化や劣化が進む前に対処することが大切です
「特定空き家」に指定される可能性がある
空き家を放置し続けていると、自治体から「特定空き家」に指定される可能性があります。
- 特定空き家とは
-
倒壊の危険や衛生上のリスクによる周辺環境への悪影響を考慮し、放置するのが不適切だと判断された空き家のこと。空き家対策特別措置法で定義されている。
特定空き家に指定されて改善勧告を受けると、住宅用地としての税制優遇がなくなり、固定資産税の金額が最大6倍に増加します。
※参照元:住宅用地の課税標準の特例措置
命令に応じない場合は罰則としてさらに過料(金銭の支払い)が課せられるなど、特定空き家に指定されるデメリットは非常に大きいです。

放置を続ければ続けるほど以上のようなリスクが高まっていくため、売れないからといってそのままにし続けることは避けましょう
売れない空き家は相続してはいけない?
売れない可能性が高い空き家の相続が予定されている場合、慎重に検討する必要があります。
注意点や判断基準を解説するので参考にしてください。
売れない家は安易に相続しないほうが良い
住まない実家など、空き家になることがわかっている、かつ売れる見込みが低い家は相続を慎重に考えるべきと言えます。
本記事でも解説してきた通り、空き家は所有しているだけでもコストがかかり、いずれ手放したいと思った時にスムーズに売れるとも限りません。相続して管理責任を背負うことになってよいのか、立ち止まってよく考えましょう。
可能であれば、相続が発生する前に売却や生前贈与などの選択肢を含め家族で話し合うことをおすすめします。

安易に相続しようとせず、かかるコストや将来どう扱うのかをよく考えて判断することが大切です
相続を放棄する場合には注意点があるため、続けて解説していきます。
相続放棄を検討する際の注意点
相続放棄をする場合は、「すべての遺産」の相続を放棄することになります。
コストが発生するからといって、家の相続だけを放棄することはできません。家の他にどんな遺産があるのかをきちんと把握して考える必要があります。
また、相続放棄をする場合は、相続開始を知ってから3ヶ月以内に申立てが必要です。
※参照元:相続の放棄の申述

ゆっくり考えている余裕はないため、相続の可能性が少しでも出てきた時点で検討を始めておくと良いでしょう
なお、相続を放棄したとしても、管理義務が残るケースがあります。物件を現に占有している(実際に使っている/事実上管理をしている)場合、次の相続人や管理者が財産の管理を始めるまでは管理を続ける必要があることが民法で定められています。相続放棄をしたからといって無関係になるわけではありません。
家族や親族と協力して相続先を決め、管理できる体制をつくるのがベストです。
相続放棄をするかどうかの判断基準
相続放棄をするかどうかは、「すべての遺産を相続した場合にプラスとマイナスのどちらが大きいか」で判断するのがポイントです。
空き家以外にも現金や有価証券といった財産があるなら、トータルで考える必要があります。金銭面に限らないコストも含め、下記のような観点で考えましょう。
- 家を相続した場合、売却ができそうか
- 家の管理にどれだけの費用や労力がかかるか
- 家以外の財産がどれだけあるか
家の資産価値が高いなら、相続して売却することや、賃貸経営など他の活用方法も考えられるでしょう。
家が売れそうになくても他の財産が多い場合は、相続をしたうえで家を早めに手放すのが賢明です。売却に出しても買い手が見つからないなら、放置せずに本記事で解説した対策を進めていく必要があります。
相続対象の家にどれだけの価値があるのかを確認したい場合、不動産会社の査定を受けることで、およその売却額やそもそも売却できそうかどうかがわかります。

不動産会社は家の基本情報のみでの簡易的な査定もしてくれるので、状況に応じて活用してみてください
まとめ
空き家を売りに出しても買い手が見つからない場合は、価格の見直しや利用する不動産会社の変更、空き家バンクへの登録などの対策が有効です。
どうしても売れない場合は、無償譲渡や自治体への寄付なども選択肢になります。建物の解体が必要な場合は、補助金を活用してできるだけ出費を抑えましょう。
売れない空き家を放置するとコストがかかり続けてしまうため、できるだけ早く手放せるよう動くことが大切です。本記事を参考に、自分の状況に合った対策をとってみてください。