200万で土地を売った時の税金はいくら?計算方法や特別控除・確定申告の流れも解説

200万円の土地売却でも、油断すると数十万円の税金がかかる可能性があります。土地売却の税金は、計算方法が意外と複雑です。

主にかかるのは、譲渡所得税・印紙税・登録免許税の3種類です。譲渡所得税は土地の所有期間が5年を超えているかどうかで税率が大きく変わります。

長期(約20%)か短期(約40%)かで、手元に残る金額が大きく変わります。200万円で土地を売却したケースでは、取得費が不明な場合に概算取得費(売却価格の5%)を適用すると譲渡所得は約180万円となります。

税額の目安は、長期保有で約36.6万円、短期保有では約71.3万円です。一方でマイホーム売却時の「3,000万円特別控除」など、要件を満たせば税負担を大きく減らせる特例もあります。

確定申告(翌年の2月16日〜3月15日)で損をしないために、正しい計算方法と特例の使い方を確認していきましょう。

200万で土地を売った時にかかる税金

土地を200万円で売却した際には、主に譲渡所得税、印紙税、登録免許税の3つの税金がかかります。

まずは、これらの3つの税金について詳しく見ていきましょう。

  • 譲渡所得税
  • 印紙税
  • 登録免許税

譲渡所得税

土地を売却して利益が出た場合は、譲渡所得税として所得税と住民税が課税されます。200万円で土地を売った場合に、もっとも大きな負担になり得るのがこの譲渡所得税です。

国税庁によれば、譲渡所得は「譲渡価額−(取得費+譲渡費用)−特別控除額」で計算されます。

所有期間が5年を超える場合は、長期譲渡所得として税率20.315%が適用されます。一方、5年以下の場合は短期譲渡所得となり、税率は39.63%です。

特に注意したいのが、購入時の取得費が分からないケースです。取得費を証明できない場合や、実際の取得費が譲渡価額の5%を下回る場合は、売却価格の5%が「概算取得費」となります。

たとえば200万円で売却した場合、取得費として差し引けるのは10万円のみです。その結果、課税対象となる利益が大きくなり、想定以上の税額になる場合もあります。

印紙税

印紙税は、土地の売買契約書に貼付する収入印紙の費用で、契約金額に応じて税額が決まります。200万円で土地を売却する場合、売買契約書の金額区分は「100万円超500万円以下」です。

国税庁によれば、平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間に作成される不動産売買契約書には軽減税率が適用され、本則税率は2,000円、軽減税率は1,000円となります。

売買契約書に収入印紙を貼付し、消印すると納税が完了します。譲渡所得税と比較すると税額は少額ですが、契約締結時に必ず発生する費用です。

なお、売買契約書を2通作成する場合は、売主・買主のそれぞれが負担するのが一般的です。

登録免許税

登録免許税は、不動産の登記手続きを行うときに国へ納める税金です。

登録免許税が必要になるのは、土地に設定された抵当権(住宅ローンなど)を抹消する場合です。

登録免許税法」(別表第一)によると、税額は不動産1件あたり1,000円と決まっているため、不動産1個だけの売却なら1,000円で済みます。

元から抵当権がない場合は不要で、所有権移転(名義変更)にかかる税金は買主負担となるため、売主が支払う必要はありません。

実務的な流れとしては、引き渡しのタイミングで司法書士に手続きを一任するケースがほとんどです。その際、税金と司法書士報酬をまとめて支払う形となります。

200万円で土地を売った時の税額シミュレーション

実際に200万円で土地を売却した場合、かかる税額は条件によって大きく異なります。

特に大きな分かれ目となるのが、「取得費を証明できるか」「土地の所有期間が5年を超えているか」の2点です。

ここでは、200万円で土地を売却した場合の税額の目安を、以下の3つのケースで確認します。

  • 取得費不明で長期譲渡所得の場合
  • 取得費不明で短期譲渡所得の場合
  • 取得費が証明できる場合

取得費不明で長期譲渡所得の場合

相続した土地で購入時の契約書が見つからず、取得費が不明な場合は、売却額の5%相当を取得費として計算できるルールがあります。

200万円で売却した場合は、概算取得費は10万円(200万円×5%)です。

譲渡費用を仲介手数料などで10万円とすると、譲渡所得は「200万円−(10万円+10万円)=180万円」となります。

所有期間が5年超の長期譲渡所得なら税率20.315%が適用されるため「180万円×20.315%=約36万5,670円」が譲渡所得税です。

これに印紙税1,000円を加えると、合計税額は約36万6,670円です。

手取り額は「200万円−10万円(譲渡費用)−36万6,670円(税金)=約153万3,330円」となります。

取得費不明で短期譲渡所得の場合

同様のケースでも、5年以下の「短期譲渡所得」では税負担が跳ね上がります。

税率39.63%が適用されるため、譲渡所得が180万円の場合、税額は約71万3,340円。印紙税を加えた総負担額は約71万4,340円です。

これを売却益から差し引くと、手取りは約118万5,660円。長期保有の場合に比べて、約34万8,000円も手取りが減少してしまいます。

所有期間が5年を超えるかどうかでこれだけの金額差が生じるため、早期売却が必須でない場合は、5年を超えるまで待つことがもっとも効果的な節税対策と言えるでしょう。

取得費が証明できる場合

売却価格200万円の土地について、売買契約書が見つかり実際の取得費150万円を証明できた場合、税額は劇的に変わります。

取得費150万円、譲渡費用10万円とすると、譲渡所得は「200万円−(150万円+10万円)=40万円」です。

税額は約8万1,260円。印紙税込みでも総額は約8万2,260円です。概算取得費を用いたケースと比較すると、約28万4,000円もの税負担軽減につながります。

そのため、取得費を証明できるかどうかが、手取り額に直結するポイントです。

契約書や領収書を紛失していても、預金通帳の振込履歴、登記簿謄本、過去の相続税申告書などを代替資料として使える可能性があります。諦めずに資料を確認しましょう。

200万円の売却で使える「低未利用土地等の100万円控除」とは

都市計画区域内にある低未利用土地(つまり空き地や空き家の敷地)を売却する場合は「低未利用土地等を譲渡した場合の特別控除」を一度確認しておきましょう。

この制度は令和2年7月1日〜令和7年12月31日までの期間限定で、売却額が500万円以下であれば、譲渡所得から最大100万円を差し引ける仕組みです。

長い間使われていなかった土地や空き家の敷地などが主な対象で、適用を受けるには、買主がその土地を実際に利用する予定など、いくつかの要件を満たす必要があります。

また、事前に市区町村から確認書などを取得しなければなりません。手続きには多少の手間がかかりますが、条件に合えば税金を大きく抑えられる可能性があります。

200万円で土地を売った時は確定申告が必要?

土地を200万円で売った際、確定申告が必要かどうかは「利益(譲渡所得)が出ているか」「税金を安くする特例を使うか」の2点で決まります。

原則として、利益が出た場合や特別控除を使う場合は確定申告が必要ですが、譲渡損失が出た場合は申告が不要となるケースもあります。

ここでは、土地売却後の確定申告が必要かどうかを、代表的な3つのケースに分けて確認していきましょう。

  • 譲渡所得が発生した場合は確定申告が必要
  • 譲渡損失が出た場合は原則不要
  • 特別控除で所得がゼロになる場合も申告が必要

譲渡所得が発生した場合は確定申告が必要

国税庁によれば、不動産を売って「譲渡所得(=利益)」が出た場合、原則として確定申告が必要です。

ここで言う利益とは、売却額そのものではなく、「買ったときの費用(取得費)」や「売るときの費用(譲渡費用)」を引いた残りのことです。

注意したいのは、取得費が分からないケース。

「200万円で売れた」としても、概算取得費(売値の5%)で計算すると利益が180万円近くになります。こうなると申告は必須です。

申告期間は、売却した翌年の2月16日から3月15日まで。普段は年末調整だけで済む会社員も、この時ばかりは例外です。

「申告書第三表(分離課税用)」や「譲渡所得の内訳書」などの専用書類を作り、忘れずに申告してください。もし忘れると、無申告加算税や延滞税といったペナルティが待っています。

譲渡損失が出た場合は原則不要

土地や建物を売って損が出た場合、その損失を給料などの所得から引くこと(損益通算)はできないのが基本ルールです。税金が発生しないため、確定申告もしなくて問題ありません。

例えば取得費や経費が高く、売却益がマイナスになる場合などです。

しかし、「マイホームの売却」となれば話は変わります。所有期間5年超などの条件をクリアすれば、例外的に給与所得などとの損益通算が認められています。

しかも、1年で引ききれない赤字は最長3年まで繰り越せるという強力な救済措置です。

不動産で損をした分、給与から天引きされた税金を取り戻せるチャンスなので、この特例を使う場合は忘れずに確定申告をしましょう。

特別控除で所得がゼロになる場合も申告が必要

「特例を使えば税金はゼロになるから、申告もしなくていいや」は大きな間違いです。

国税庁によると、不動産を譲渡して譲渡損失が生じた場合、3,000万円特別控除によって計算上の利益(譲渡所得)がゼロになります。

またはマイナスになる場合でも、確定申告は絶対に必要です。なぜなら、特例は「申告書を提出すること」が適用の条件だからです。

例えば「低未利用土地等の100万円控除」を使って所得をゼロにする場合も同様です。申告をして初めて、税負担が実質ゼロになります。

もし申告を怠ると、特例の使用が認められず、後から本来かかるはずだった高額な税金を請求される恐れがあります。

「譲渡所得の内訳書」や各種証明書をしっかり揃えて、期限内に手続きを済ませることが、節税を完結させるための最後のルールです。

土地売却後の確定申告の必要書類と方法

土地を売却したら、その翌年に確定申告を行います。期限を過ぎないように、申告の時期や提出期限を正しく把握しておくことが大切です。

ここでは、以下について解説します。

  • 確定申告の時期と期限
  • 確定申告に必要な書類
  • 申告書の提出方法

確定申告の時期と期限

国税庁によると土地売却後の確定申告は、売却した翌年の「2月16日から3月15日」と決まっています。

もし2024年に土地を売ったのなら、申告は2025年の春です。この期限を過ぎると、無申告加算税や延滞税が課される可能性があります。

例年、期限間際は窓口もネットも混み合うので、余裕を持って終わらせましょう。

確定申告に必要な書類

国税庁の申告手続き(譲渡所得関係)によれば、確定申告に必要な書類は主に次のとおりです。

  • 確定申告書(第一表・第三表)
  • 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)
  • 売買契約書のコピー(売却時と購入時の両方)
  • 譲渡費用の領収書(仲介手数料、測量費など)
  • 登記事項証明書(土地の全部事項証明書)

特に注意したいのが、特例を使うケースです。

「3,000万円控除」を受けるための「戸籍の附票」や 、「空き家特例」に必要な「被相続人居住用家屋等確認書」など、特例ごとに指定された証明書がないと適用が認められません。

なお、購入時の契約書が見つからず「概算取得費(5%)」を使う場合は、契約書の代わりにその旨を内訳書に書けば問題ありません。

申告書の提出方法

国税庁によると、確定申告書の提出方法は大きく分けて3つあります。

  • 税務署への直接持参
  • 郵送(信書便)での送付
  • e-Tax(電子申告)

申告期間中は混み合うので、相談があるなら事前に予約しておくと安心です。

e-Tax(電子申告)を利用すれば、マイナンバーカードとスマホ(またはカードリーダー)で自宅から24時間いつでも確定申告でき、待ち時間もありません。

郵送の場合は「消印の日付」が提出日扱いになります。期限ギリギリに投函する場合、郵便局で日付印をしっかり確認してください。

まとめ

200万円で土地を売却した場合、税額は一律ではありません。特に「取得費」と「所有期間」によって大きく左右されます。

取得費不明(概算)の場合、税額の目安は長期で約36.6万円、短期で約71.4万円となりますが、取得費を立証できれば約8.2万円まで軽減できる可能性があります。

加えて「低未利用土地等の100万円控除」などの特例適用により、さらなる節税も見込めます。

確定申告は、こうした特例の適用を受けるためにも必須です。売却した翌年の申告期間(2月16日〜3月15日)内に、忘れずに手続きを完了させましょう。

田島徹
田島徹

【保有資格】
・宅地建物取引士
・FP2級(ファイナンシャルプランナー)
・SEO検定1級
・ビジネス著作権検定上級
・Webライター検定2級(クラウドワークス)
などその他20種類の資格を取得

【経歴】
・2000年に地元の高校を卒業。その後、公務員の職に就く。公務員20年の経歴の中で、経理に携わったことで保険業務に興味を持ち、FP2級の資格を取得。その後、退職し保険業の営業を経験したのち、現在不動産業にも携わるWebライターとして活動。

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