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相続した売れない土地の処分法7選!放置リスクと手放す手順も解説

親から相続した土地がなかなか売れず、毎年の固定資産税や維持管理の負担に頭を抱えていませんか?

一般的に需要がないとされる土地でも、従来の「仲介売却」以外の方法に目を向けることで、手放せる可能性はあります。

処分方法は主に、業者による「買取」、隣地への「寄付・贈与」、そして国などの「法的制度」の3つに大別されます。土地売却による利益を諦める覚悟があれば、専門業者への有償引き取りや、相続土地国庫帰属制度を利用して合法的に所有権を手放すことが可能です。

ただし、焦って高額な整地費用を払ったり、悪質な原野商法詐欺に遭ったりしないよう、慎重な判断が求められます。

この記事では、相続した売れない土地を手放すための7つの選択肢を提示し、あなたの土地の状況に合わせた最適な処分方法を解説します。

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相続した売れない土地を手放す方法

なかなか売れない土地を処分する方法は、大きく分けて7つあります。土地の状況や深刻度に応じて、選ぶべき手段を絞ることができます。

まずは以下の表でどの状況に当てはまるか確認し、最適な解決策を見つけてください。

いまの状況 土地を手放す方法
まだ1〜2社にしか相談していない場合 不動産会社を変えて「査定」をやり直してみる
あちこちで断られた、または売り出しても売れなかった場合 ・「訳あり物件」に強い専門業者へ相談する
・自治体の「空き家・空き地バンク」に登録する
・隣地の所有者へ「寄付」を打診する
お金を払ってでも完全に手放したい場合 ・「相続放棄」で財産ごと手放す
・「相続土地国庫帰属制度」で国に返す
・「有償引き取り」を利用する

ここからは、それぞれの方法について、具体的な手順とメリット・デメリットを詳しく解説します。

不動産会社を変えて「査定」をやり直してみる

もし、1社〜2社の不動産会社にしか相談していないのであれば、不動産会社を変えて査定をやり直してみましょう。

不動産会社によって得意なエリアが違うだけでなく、抱えている顧客リスト(見込み客)も異なるためです。例えば、駅前のA社には「家を建てたい人」のリストしかなくても、郊外に強いB社には「資材置き場を探している建築会社」や「キャンプ用地を探している個人」のリストがあるかもしれません。

まずは会社を変えて、仲介(一般の人に市場価格で売る)の可能性を確かめて、それでもダメなら買取(不動産会社に安く売る)を検討するという2段構えで進めましょう。

メリット 相続した土地を現金化できる可能性がある(ただし、買取の場合、価格は仲介の7割程度と低くなる)
デメリット 山奥すぎる土地などは「対応エリア外」となる場合がある

そこで活用したいのが、不動産一括査定サイトです。物件情報を一度入力するだけで、複数の不動産会社(最大6社程度)にまとめて査定を依頼できる無料サービスです。

具体的な手順は次のとおりです。

  1. 毎年4〜6月頃に届く固定資産税納税通知書を手元に用意する(土地の面積や地番が正確にわかるもの)
  2. 不動産一括査定サイトを利用して、土地の査定を依頼する
  3. その際、申込フォームに備考欄(自由記述欄)があれば、以下の文言を入力する

記入テキスト

「他社では売却が難しいと言われて困っています。できれば仲介で売りたいですが、難しい場合は買取も検討します。両方の可能性(売却相場・買取価格)を教えてください」

「訳あり物件」に強い専門業者へ相談する

一括査定サイトを利用しても「取り扱いできません」と断られてしまった場合、その土地は「そのままの状態」では誰も欲しがらない問題を抱えている可能性があります。

この場合、訳あり物件や特殊な土地を専門に扱う買取業者(再生業者)に切り替えましょう。

それらの業者は、一般の不動産会社や個人が敬遠する物件をあえて買い取ります。なぜなら、「権利関係のトラブル」を解決したり、荒れ果てた山林を「整備(草刈り等)」して商品化したりする独自のノウハウを持っているためです。

他社が「売れない」と判断した土地でも、引き受けてくれる可能性があります。

メリット 他で断られた土地でも現状有姿で引き渡せる。
デメリット ・価格は非常に安い(市場価格の半値〜数割程度)。
・逆に処分費用を請求されることもある。

具体的な手順は次のとおりです。

  1. GoogleやYahoo!で「[都道府県名] 再建築不可 買取」「[都道府県名] 山林 買取」「底地 買取 業者」など土地の特徴に合わせたワードで検索する
  2. 各業者のWebサイトにある「無料査定フォーム」から申し込む
  3. まずは現地訪問なしの机上査定(概算)をもらい、少しでも値段がつく(または0円引き取り等の提案がある)業者に絞って訪問査定を依頼する

「空き家・空き地バンク」に登録して気長に待つ

即効性はありませんが、「空き家・空き地バンク」に登録しておくことで、コストをかけずに手放せる可能性があります。「空き家・空き地バンク」は各自治体が運営するマッチングサイトで、田舎暮らし希望者などに情報を提供します。

なお、自治体によっては「建物付き」が必須条件で、「土地のみ」の登録を受け付けていない場合があります。事前にWebサイト等で要件を確認しましょう。

メリット コストがかからない。「0円譲渡」とすれば反応を得やすい。
デメリット ・自治体は営業してくれない。
・数年以上貰い手が見つからないことも多く、即効性はない。

具体的な手順は次のとおりです。

  1. GoogleやYahoo!で「[市町村名] 空き家バンク」と検索し、自治体の公式ページを開く。
  2. 「物件登録の流れ」や「要綱」を見て、「土地のみ(更地)の登録が可能か」を確認する。
  3. Webサイトだけでは不明な場合、自治体の「空き家対策課」や「地域振興課」に電話で確認する。
  4. 登録可能であれば、指定の申請書を提出する。

隣地の所有者や自治体へ「寄付・贈与」を打診する

「売れなくていいから、タダでもらってほしい」という場合、寄付や贈与という選択肢があります。

ただし自治体への寄付は、利用目的(公園など)と合致する場合を除き、受理されるハードルは極めて高いのが現実です。さらに「境界が確定していること(測量図があること)」が必須条件となります。

土地を手放せる可能性が高いのは、隣地の所有者への贈与です。隣の土地をもらえば敷地が広くなり資産価値が上がるため、喜んでくれる可能性があります。

メリット 近隣トラブルになりにくい
デメリット ・相手の同意が必要
・贈与する土地の評価額によっては贈与税がかかる。
・境界があいまいな場合、数十万円の測量費を負担して境界確定をする必要がある。

具体的な手順は次のとおりです。

  1. 隣地の所有者を確認する(不明な場合は、法務局でその土地の登記事項証明書を取得する)
  2. 隣地の所有者に挨拶し「実はこの土地の処分に困っていて、もしよろしければ、測量費用や登記費用はこちらで持つのでもらっていただけませんか?」と打診する。
  3. 合意が取れたら、司法書士に依頼して、贈与契約書の作成と所有権移転登記をおこなう。

「相続放棄」で財産ごと手放す

この方法は、相続開始を知ってから3ヶ月以内の方限定です

お金を払ってでも土地を完全に手放したい場合、相続開始を知ってから3ヶ月以内であれば、相続放棄が有力な解決策です。相続放棄とは、プラスの財産(預貯金など)もマイナスの財産(借金や売れない土地)も、すべて引き継がないという手続きです。

なお、相続を放棄しても、その土地と完全に縁を切れるかどうかは、あなたがその土地を現在管理しているか(現に占有しているか)によって異なります(民法第940条)。遠方の土地で自分が管理していない場合、相続放棄によって管理義務が残らず、実務上は関係を断てるケースが多いと言えます。

メリット 費用が安い(数千円〜)
デメリット ・預貯金などを含む全ての財産を失う。
・次順位の親族に相続権が移るため、トラブルへの配慮は必要。

具体的な手順は次のとおりです。

  1. まずは司法書士や弁護士に「放棄できる状況か」「管理責任はどうなるか」を相談する
  2. 相続放棄を決めた場合は、親族へ連絡し「私は相続放棄するから、あなたも手続きしたほうがいい」と連携をとる
  3. 専門家に依頼し、裁判所への申立てまで面倒な手続きをすべて代行してもらう(自分でもおこなえるが大変)

「相続土地国庫帰属制度」で国に返す

相続放棄がむずかしい場合、2023年4月開始の「相続土地国庫帰属制度」の利用を検討しましょう。

一定の要件を満たせば、相続した土地を国に引き取ってもらう(国庫に帰属させる)ことができます。「お金を払ってでもいいから、土地だけを手放したい」という方向けの制度です。

以下のような土地は引き取ってもらえませんが、要件を満たせるならおすすめの選択肢です。

  • 建物がある土地
  • 境界が明らかでない土地
  • 一定の勾配・高さの崖があって、管理に過分な費用・労力がかかる土地
メリット ・預貯金は相続できる
・不要な土地だけを選んで手放せる
デメリット ・要件が厳しい(建物解体が必要、境界が明確など)
・審査手数料(14,000円/筆)+負担金(原則20万円〜)がかかる(詳細

具体的な手順は次のとおりです。

  1. 引き取ることができない土地の要件(法務省)」を見て、自分の土地がNG条件に該当しないか確認
  2. 引き取りかのそうな土地なら、法務局・地方法務局に相談する(事前予約制)

どうしても無理なら「有償引き取り」を利用する

ここまで紹介したどの方法もダメだった場合は、最終手段として有償引き取りを検討しましょう。不動産の引き取りサービスをおこなっている民間業者にお金を払い、土地の所有権を引き取ってもらいます。

民間の引き取りサービスに対して、国交省は「通常の売買と同様に、所有権移転と金銭授受が円滑に行われる限りにおいて、特段の問題はない」と公言しており、合法な選択肢です。

メリット ・確実に関係を断てる
・国庫帰属制度よりも条件が緩いことが多い
デメリット ・費用が高い(数十万〜数百万円)
・悪質業者に注意が必要

具体的な手順は次のとおりです。

  1. GoogleやYahoo!で「不動産 有償引き取り」「原野 処分 業者」などで検索する
  2. 見積もりを取る
  3. その際、Webサイトに会社概要・代表者名・宅地建物取引業免許番号などが明記されているかを確認し、信頼できそうな1社に決める

「相続放棄」と「国庫帰属」どっちが得?制度の違いを比較

「相続放棄」と「国庫帰属制度」は、どちらも強力な法的手段ですが特徴が異なります。

判断に迷わないよう、違いを整理しました。

方法 相続放棄 相続土地国庫帰属制度
手放す対象 すべての財産(預貯金も含む) 特定の土地のみ(預貯金は相続可能)
期限 相続を知ってから3ヶ月以内 期限なし
費用 数千円〜数万円 審査手数料(14,000円/筆)+負担金(原則20万円〜)
建物の有無 建物があっても可能 更地にする必要がある(解体費用は自己負担)

守りたい財産があるかないかで判断する

最大の判断基準は、手元に残したい遺産があるかどうかです。

親の預貯金も実家もいらない場合は、コストがかからず、管理義務も残らない可能性が高い「相続放棄」を選びましょう。

親の預貯金を受け取りたい場合、相続放棄は使えません。遺産をすべて相続したうえで、不要な土地だけを「国庫帰属制度」で手放す方法を選びます。

申請期限と費用負担の違いを比較する

「相続放棄」は相続開始を知ってから3ヶ月以内という申請期限がありますが、費用は格安です。2023年施行の民法改正で、相続放棄後の管理義務は「放棄時に相続財産を現に占有している場合」に限定されました(民法第940条)。相続した土地が遠方にあり占有していない場合は負担が小さくなる傾向がありますが、個別事情で判断が分かれるため専門家に確認しましょう。

一方、「国庫帰属」は申請期限がありませんが、更地にする解体費用(100万円〜)や国への負担金(20万円〜)など、まとまったお金が必要です。

売れない土地を持ち続ける3つのリスク

「手続きが面倒だから、とりあえず持っておこう」と考えて放置してしまうのが、もっとも避けたい選択です。不動産は、持っているだけでコストとリスクを生み続けるためです。

ここでは、具体的なリスクを解説します。

固定資産税を毎年無駄に払い続ける

土地を所有している限り、毎年必ず納税通知書が届きます。

たとえ年間5万円の安い税金だとしても、10年持ち続ければ50万円、20年なら100万円の出費です。何も生まない土地にこれだけ払うのは大きな損失です。

また、相続した土地に「空き家」が建っている場合、自治体から「特定空き家」や「管理不全空き家」に指定され、指導を受けるケースがあります。指導に従わず「勧告」を受けてしまうと、固定資産税の住宅用地特例の対象から除外され、固定資産税の負担が増えるリスクがあります。

  • 小規模住宅用地の場合:特例の対象外になると、固定資産税がいまの6倍になる
  • 一般住宅用地の場合:特例の対象外になると、固定資産税がいまの3倍になる

更地(原野など)の場合は、もともと特例が適用されていないため増額はありませんが、毎年の負担が続くことに変わりはありません。

管理不全によるトラブルで賠償責任を負う

土地の所有者には、その土地を安全に管理する義務があります(民法第717条)。

もし管理を怠って第三者に損害を与えた場合、たとえあなたに悪気がなくても、無過失責任(所有しているだけで責任を負う)として、多額の賠償金を請求される可能性があります。

  • 土地に放置された枯れ木が台風で倒れ、隣の家を破壊したり、通行中の車を直撃する。
  • 大雨で地盤が緩み、土砂が道路や隣地に流れ込んで被害を与える。
  • 草木が繁茂してスズメバチが巣を作り近隣住民を刺す、あるいはゴミを不法投棄されてボヤ騒ぎが起きる。

これらはすべて、土地の所有者が責任を問われます。被害額によっては、数百万〜数千万円の賠償になることもあるでしょう。

処分がさらに困難になる

なかなか土地が売れないからといって、問題を先送りにするのは危険です。時間が経つにつれて相続関係が複雑化し、処分が事実上不可能になってしまいます。

というのも、不動産の処分には相続人(共有者)全員の実印が必要であり、ひとりでも反対したり連絡の取れない人がいたりすると、売却も寄付もできなくなるためです。

問題を先送りにしたまま世代が進み、数次相続(相続人の相続)が発生すると、会ったこともない親戚数十人が権利者になりえます。権利者が少なくて話がまとまる(親と自分だけの)うちに決着をつけることをおすすめします。

売れない土地の処分で失敗しないための3つの注意点

「売れない土地を早く手放したい」という焦りから、悪質な業者に騙されたり、知識不足で不要な出費をしてしまったりするケースがあります。

最後に、身を守るための注意点をお伝えします。

売れる確証がない段階で高額な測量・整地をしない

「境界を確定すれば売れますよ」「木を伐採して整地すれば買い手がつきますよ」と不動産会社から提案されることがありますが、鵜呑みにしてはいけません。

境界確定や整地には、それぞれ30万円〜100万円単位の費用がかかります。都心部ならまだしも、需要のないエリアでは、境界確定等をしても結局売れず、費用分を損して終わるケースがあります。

原則として、「買い手が見つかったら測量をする/整地する」という特約で進めましょう。

原野商法の二次被害に気をつける

過去に「原野商法(値上がりしない土地を売りつける詐欺)」で購入した土地を持っている人のもとに、「高く買い取ります」と連絡が来ることがあります。

しかし、実際には「手続き費用」や「節税対策費」といった名目で高額な金銭を要求され、最終的に土地も売れないままお金だけ取られる二次被害が多発しています。

向こうから突然かかってくる「買い取ります」という電話には、絶対に乗らないようにしましょう。

有料引き取り時の名義変更トラブルに注意

売れない土地を「有償引き取り」で処分する場合、もっとも大切なのは、確実に名義変更(所有権移転登記)がおこなわれることです。

悪質な業者の中には、処分費用としてお金を受け取っておきながら、登記手続きをせず、土地の名義をあなたのまま放置するケースがあります。これでは、固定資産税も管理責任もあなたに残ったままです。

  • 所有権移転登記はいつ行われるか?
  • 登記を行う司法書士は指定されているか?

これらを必ず契約前に確認し、実績のある業者を選ぶことが重要です。

まとめ

相続した売れない土地の処分方法について、7つの選択肢とリスクを解説しました。

持っているだけで損する土地は、時間が経てば経つほど解決が難しくなります。

今この瞬間が、もっとも好条件で手放せるタイミングです。まだ諦める必要はありません。冒頭の表で紹介した選択肢を参考に、まずはリスクのない行動から始めましょう。

  1. まずは一括査定サイトで、仲介・買取の両面から可能性を探る。
  2. ダメなら訳あり物件のプロや、空き地バンクを活用する。
  3. それもダメなら国庫帰属や有償引き取りで、多少の費用をかけてでも損切りする。

一人で悩んでいても、来年の固定資産税の通知はやってきます。

まずは「仲介は無理でも、買取ならどうか?」という視点で、無料の査定依頼から再スタートしてみてはいかがでしょうか。

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