【不動産売却に強い業者の特徴は?】仲介を依頼するのは大手が良い?会社の選び方や注意点を徹底解説

【不動産売却に強い業者の特徴は?】仲介を依頼するのは大手が良い?会社の選び方や注意点を徹底解説

不動産売却をおこなう場合、多くの人は不動産会社に売却を依頼します。しかし、不動産の売却は何度も経験することではないので、「どのような基準で不動産会社を選べば良いの?」「大手に依頼すると安心?」などの疑問はつきないでしょう。

そこで当記事では、不動産売却の基礎知識や業者の選び方を詳しく解説していきます。不動産売却に失敗したくない方はぜひ参考にしてください。

不動産売却の基礎知識

不動産売却の基礎知識

まずは、不動産売却の基礎知識を身につけておきましょう。以下の2つについて解説します。

  • 不動産売却の流れ
  • 不動産売却の成否は業者選びが重要

不動産売却の流れや業者選びの重要性を知っておくことで、失敗するリスクを抑えられます。下記にそれぞれの基礎知識をまとめたので、ぜひ参考にしてください。

不動産売却の流れ

不動産売却の流れは下記の手順で進んでいきます。

  1. 不動産会社に査定を依頼
  2. 自分でも相場を調べる
  3. 不動産会社を選び契約締結
  4. 不動産を売り出す
  5. 売却交渉・契約・引き渡し

一般的に、不動産売却をおこなう際には、完了まで6か月の期間を要すると言われています。もちろん物件によって売れやすさが異なるので、あくまでも目安として捉えておきましょう。

また、不動産売却には繁忙期と閑散期があり、新生活を開始する前の2〜3月が最も繁忙している時期です。売却までの期間は時期にも左右されるので、これらを加味した売却計画を立てましょう。

不動産売却の成否は業者選びが重要

不動産売却をおこなうにあたって、最も重要と言っても過言ではないのが業者選びです。

不動産売却は、価格の設定から内覧の準備、契約書類の用意など多岐に渡った作業があります。これらの作業を効率良くこなし、さらに条件の良い買主を見つけるには業者の実力が重要です。

また、いくら腕が良くても売主の希望条件を聞いてくれない高圧的な業者では、満足のいく不動産売却がおこなえません。腕の良さだけではなく、親身になって不動産売却の手伝いをしてくれるかも重要です。

不動産売却業者の種類

不動産売却業者の種類

一口に不動産売却業者と言っても、さまざまな種類があります。下記に業者の種類をまとめたのでご覧ください。

  • 仲介業者
  • 買取業者
  • 任売業者

それぞれの業者の特徴を詳しく確認していきましょう。

仲介業者

不動産をできるだけ高い価格で売却したいのなら、仲介業者がおすすめです。仲介業者は売主と買主の間に立ち、双方の契約を結びつける役割を果たしてくれます。

高く売却できる一方で、仲介業者を挟んだ売却は契約までに時間を要するデメリットも挙げられます。物件の状態や不動産会社の腕によっては、売却までに半年以上かかってしまうケースもあるでしょう。

このため、仲介業者に依頼する際にはスケジュールに余裕を持った売却をおこなってください。

買取業者

多少売却額が安くなってもできるだけ早く売却したい方は買取業者に依頼しましょう。買取業者は転売を目的とした不動産会社で、安く得た不動産を売却し利益を出します。

利益を見込んだ買取が原則となるので、その買取価格は仲介の80%ほどになることが一般的です。住宅ローンや借金の返済ですぐにお金が必要な場合には買取業者を依頼すると良いでしょう。

任売業者

任売業者とは、不動産を売却しても住宅ローンが返済できない方のための業者のこと。不動産売却額で住宅ローンの返済ができるアンダーローンの場合には、仲介業者に売却を依頼することが一般的です。

しかし、不動産売却をおこなっても住宅ローンが返済できないオーバーローンの場合には、任意売却をする必要があります。任意売却業者は、債務不履行を起こした買主と債権者の交渉もおこなってくれる専門的な業者です。

このため、オーバーローンで不動産を売却する以外で関わることはほとんどないでしょう。

不動産売却で避けるべき業者の特徴

不動産売却で避けるべき業者の特徴

不動産会社は優良な業者が大半ですが、なかには会社の利益だけを考えて売主にとってメリットの少ない取引を締結させようとする業者もいます。

悪徳業者に騙されないためにも、どのような業者を避けるべきか詳しく知っておきましょう。不動産売却で避けるべき業者の特徴は、以下の通りです。

  • あまりにも高額な査定価格を提示する
  • 不動産の瑕疵を隠そうとする

あまりにも高額な査定価格を提示する

あまりにも高額な査定価格を提示する業者は避けた方が良いでしょう。不動産査定をおこなう際、業者は過去の実績を参照して「大体この程度の価格で売却できるだろう」とした査定額を算出します。

しかし、なかには媒介契約を結ぶことを目的に、わざと実際の売却価格よりもはるかに高い査定額を算出する業者もいます。このため、査定額の高さのみで不動産会社を選ぶことはやめましょう。

不動産の瑕疵を隠そうとする

不動産の瑕疵を隠す業者にも注意が必要です。瑕疵とは、売却する物件が抱える欠陥や故障箇所のことを言います。

不動産の瑕疵は買主に必ず伝えなければならない義務があり、万が一売却後に問題が見つかれば、契約不適合責任に問われて大きな損失を抱える可能性があります。このため、常識のある不動産会社であれば、「瑕疵は必ず事前に伝えてください」と売主に言うのが普通です。

しかし、なかには売主と共謀して瑕疵を隠そうとする不動産会社も存在します。このような業者は一見すると、高く売れるように口裏を合わせてくれる味方のような存在に感じますが、売主にリスクを負わせてまで売却を勧める業者は信用できないといえるでしょう。

不動産売却業者はどこが良い?マンションや戸建ての売却に強い会社の選び方

マンションや戸建ての売却に強い会社の選び方

次に、マンションや戸建ての売却に強い不動産会社の選び方を見ていきましょう。

【不動産売却に強い会社の選び方】

  • 査定額の根拠が明確な不動産売却業者を選ぶ
  • 売却に関してアドバイスをくれる不動産売却業者を選ぶ
  • 広告に力を入れている不動産売却業者を選ぶ
  • 会社規模ではなくサービスの内容で選ぶ

それぞれ詳しく確認していきます。

査定額の根拠が明確な不動産売却業者を選ぶ

売却に強い不動産会社は、査定額の根拠が明確であるケースが大半です。そのため不動産査定時には、なぜこの査定額に至ったのかについて、詳しく質問してみましょう。

具体的な根拠を説明できるのであれば、事例や実績を基に査定をしており、売却に強い不動産会社である可能性が高いです。しかし、査定の根拠を詳しく説明できない不動産会社は、売却実績が少ない可能性があります。

不動産を査定した際は、査定額だけではなくその根拠についても確認しましょう。

売却に関してアドバイスをくれる不動産売却業者を選ぶ

売却に関して的確なアドバイスをくれる不動産会社も、信頼のおける業者といえます。具体例を挙げると、「床の傷は直したほうが良いのか」「高く売るために大規模修繕をしたほうが良いのか」などの売主の質問に対して、的確なアドバイスをくれる不動産会社は実力があります。

売主の希望に沿った提案をする不動産会社が決して悪いとは言いません。しかし、売却が成功するためのアドバイスをくれる不動産会社は、より良い売却活動を期待できます。

広告に力を入れている不動産売却業者を選ぶ

広告に熱心な不動産会社は営業力が高く、売却活動が活発な可能性が高いです。

昨今では、店舗を設けている不動産会社であってもインターネットを利用した広告活動をおこなうようになってきました。なかには、インターネット上で内覧できるシステムを採用している不動産会社もあり、さまざまな方法で物件の魅力を伝える企業努力が見られます。

不動産会社が広告に力を入れているかどうかは、会社のウェブサイトやインターネット広告を見ると判断できるので、ぜひ一度確認してみましょう。

会社規模ではなくサービスの内容で選ぶ

最後に挙げられるポイントは、不動産会社は会社の規模ではなくサービスの内容で選ぶことです。

不動産の情報は「レインズ」と呼ばれる不動産流通標準情報システムで管理・共有されています。つまりレインズに登録されている不動産情報は、どの不動産会社も照会できるのです。

上記の理由から、大手の不動産会社だから物件が売れやすい・中小の不動産会社だから顧客を得にくいわけではありません。会社の規模が全く売却に影響しないとは言えませんが、不動産売却業者を選ぶ際には会社の規模ではなくサービスの内容で選ぶようにしましょう。

不動産売却業者を選ぶ際の注意点

不動産売却業者を選ぶ際の注意点

最後に、不動産売却業者を選ぶ際の注意点を紹介します。不動産売却業者を選ぶ際には、下記の点に注意しましょう。

  • 専属専任媒介契約・専任媒介契約しか提案しない業者を利用しない
  • 仲介手数料の上限は法律で定められている
  • 複数の不動産会社を比較検討する
  • 口コミから不動産売却業者の強み・特徴を知る

大切なことなので1つ1つ確認していきます。

専属専任媒介契約・専任媒介契約しか提案しない業者を利用しない

1点目の注意点は、不動産業者にとって有利な媒介契約しか提案しない業者に気をつけることです。

不動産売却の際、売主は不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約の種類は3種類あり、どの契約方法にするかで売却活動の自由度が異なります。下記に、それぞれの媒介契約の特徴をまとめたので確認してください。

媒介契約の種類 契約内容の特徴
一般媒介契約
  • 複数の不動産会社に売却を依頼できる
  • 売主が直接買主を探すことも可能
専任媒介契約
  • 売却を依頼できる不動産会社は1社のみ
  • 売主が直接買主を探せる
  • 2週間に1回の頻度で売却活動報告がおこなわれる
専属専任媒介契約
  • 売却を依頼できる不動産会社は1社のみ
  • 売主が直接買主を探すことはできない
  • 1週間に1回の頻度で売却活動報告がおこなわれる

一概にどの媒介契約が良いとは言えませんが、専任媒介契約と専属専任媒介契約は不動産会社側にメリットの大きい契約方法です。不動産会社は、専任媒介契約か専属専任媒介契約を結べば他社に物件を奪われる心配がなく売却活動をおこなえます。

しかし、売主側からすると複数の業者に売却活用の依頼ができないので、買主の目に留まる機会を減らす原因にもなるでしょう。

仲介手数料の上限は法律で定められている

仲介手数料とは、売却を依頼した不動産会社に対して契約が締結した際に払う手数料のことです。仲介手数料は依頼する業者によって異なりますが、上限は法律で定められています。

下記に、売買価格に応じた仲介手数料の上限をまとめたので、参考にしてください。

売買価格 仲介手数料の上限
200万円以下の部分 売買価格の5%+消費税
200万円を超えて400万円以下の部分 売買価格の4%+消費税
400万円を超える部分 売買価格の3%+消費税

ちなみに、仲介手数料の下限は定められていません。仲介手数料の値引き交渉も念頭に置いておきましょう。

複数の不動産会社を比較検討する

良い業者を見極めるために、複数の不動産会社を比較検討することも重要です。テレビや広告などで知名度の高い大手不動産会社は、買主からの信用を得やすいメリットがあります。

一方で、中小の不動産会社には「あの駅のマンションに空室が出たらすぐに教えてほしい」といった見込み客を抱えているケースがあります。さらに、地元に密着している会社だからこそわかる不動産の価値もあるでしょう。

これらの理由から、不動産査定時には複数の会社に依頼して比較検討してください。

口コミから不動産売却業者の強み・特徴を知る

最後に挙げられる注意点は、口コミから不動産売却業者の強みや特徴を知ることです。昨今ではインターネットやSNSの普及から、スマホやPC等で簡単に不動産会社の口コミを検索できるようになりました。

実際に利用した方の口コミから業者の強みや特徴がわかるので、ぜひそちらも不動産会社選びの参考にしてみましょう。

まとめ

当記事では、不動産売却の基礎知識や避けるべき業者の特徴などについて解説してきました。不動産売却において業者選びは非常に重要です。実力・経験実績・人間性ともに兼ね備わっている業者に依頼できれば、不動産売却は必ず良いものとなるでしょう。

良い不動産会社を見つけるためには、売却の流れを頭に入れて不利にならない契約を結ぶことが重要です。また、各社のサービスの内容を比較することも忘れてはいけません。当記事を参考に、後悔のない不動産売却をおこなってください。

プロフィール
矢野翔一(有限会社アローフィールド)
矢野翔一(有限会社アローフィールド)
関西学院大学法学部法律学科卒。

宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)、登録販売者など多岐にわたる資格を保有。
数々の保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産業務を行う。