「子どもが生まれて手狭になった」「ペットを飼いたい」「庭が欲しい」など、さまざまな理由でマンションから戸建てへの住み替えを検討している人もいるでしょう。
とはいえ、それまでマンション生活だったのに戸建てに変わることに不安を持つ人も多いものです。
マンションから戸建てへの住み替えはメリット・デメリットを比較して慎重に検討する必要があります。
この記事では、マンションから戸建てへの住み替えのメリット・デメリットや押さえておきたいポイントなどを分かりやすく解説します。マンションから戸建てへの住み替えを検討しているなら、ぜひ参考にしてください。
まずは、メリットについて解説します。マンションから戸建てに住み替えるメリットとしては、次の5つが挙げられます。
それぞれ詳しくみていきましょう。
マンションよりも戸建ての方が居住スペースは広くなる傾向があります。マンションから戸建てに住み替える大きな理由に「部屋が狭くなった」というものがあるように、居住スペースの広さを求めて戸建てに住み替える人は少なくありません。
一般的な戸建ての場合、1階にリビングやキッチン・2階に子ども部屋と主寝室と、それぞれの部屋を余裕をもって使うことが可能です。
国土交通省の居住面積水準でも、4人家族での豊かな住生活を送るのに必要な面積は、戸建て住宅で125㎡・マンションで95㎡となっています。住宅支援機構のフラット35利用者調査によると、住宅面積の全国平均は注文住宅で122.8㎡、マンションで85.7㎡なので、おおむね国土交通省の水準になっていると言えるでしょう。
実際に購入する家の面積は、資金や家族構成によって異なるので必ずしもマンションの方が狭いとは限りません。とはいえ、平均的にはマンションよりも戸建ての方が広く、余裕を持って生活しやすいと言えるでしょう。
マンションの場合、上下左右の隣室への音への気遣いが必要です。特に、子どもが小さいうちは走り回ったり泣いたりする声が気になるという人も少なくないでしょう。
戸建の場合、上下階を気にする必要がなく、左右にしても隣の家との距離がマンションよりも長くなります。
さらに、外壁や敷地・塀など遮音できるものも増えるため、マンションよりも比較的生活音の心配が必要なくなります。小さい子どもが思いっきり走り回ったり、声を上げたりしても過度に心配する必要がなく、のびのびと子育てしやすくなるでしょう。
周りからの騒音にしても、マンションよりも戸建ての方が周りの生活音を気にすることは少ないものです。生活音を気にするストレスから解放されるのは、戸建ての大きなメリットと言えるでしょう。
戸建は基本的に土地と建物セットで購入するため、土地も自分のものになります。
建物は経年劣化で資産価値が低下するため、将来的に資産価値がゼロになるものです。しかし、土地は経年劣化で資産価値が低下することはありません。反対に、立地によっては需要が高くなり土地価格が高くなることもあるでしょう。
将来建物の価値がゼロになっても、土地が残ることで土地だけで売却したり別の建物を立てたりと活用の幅が増えます。
一方、マンションでは敷地を戸数で割った部分の権利を得ることはできますが、土地だけで売却などはできず、土地の価値はわずかしかありません。マンションも築年数が経過すると資産価値が低下するため、将来的に土地・建物合わせても価値がほぼないという事態にもなりかねません。
土地という資産を手に入れられるという点は、戸建てのメリットと言えるでしょう。
マンションでは、毎月修繕積立金や管理費の徴収がありますが、戸建てにはありません。そのため、毎月のコストを抑えられるというメリットがあるのです。
修繕積立金や管理費は、マンションの築年数が経過すると値上がりする恐れもあり、毎月の大きな負担になりかねません。さらに、車所有者は別途駐車場代を負担しなければならない場合もあるでしょう。
戸建の場合、それらの費用がかかりません。
ただし、戸建ての維持費は自分で計画的に貯蓄していく必要がある点には注意しましょう。
戸建のメリットには、自分で好きにできるという点もあります。
ペットを飼う許可は必要なく、共有部分のように使い方にルールがあるわけでもありません。庭付き戸建てなら、自分の好きなようにガーデニングを楽しむこともできるでしょう。リフォームも自分で自由にできるので、自分の理想の空間を作ることも可能です。
住生活に関する規約がないので、戸建てはマンションよりも自由に生活しやすいでしょう。
戸建にもデメリットがあるので、デメリットまで比較したうえで検討する必要があります。
デメリットとしては、次の3つが挙げられます。
戸建は修繕積立金や管理費の負担が必要ありませんが、そのぶん自分でメンテナンスや積立が必要です。
マンションの場合、修繕積立金の負担がありますが、共有部分の修繕や維持をする必要がありません。たとえ壊れたとしても積立金から賄われるので、新たに修繕費を負担することもないでしょう。
一方、戸建ては定期的なメンテナンスや修繕を自分でおこなう必要があり、費用や手間がかかります。修繕を業者に依頼するにしても、業者の選定や連絡などを自分でしなければなりません。
また、定期的に外壁や屋根の塗り替えなど大規模な修繕が必要となり、数十万円以上かかる場合もあります。劣化だけでなく災害などで壊れてしまう場合もあり、修繕規模によっては高額な費用が必要になるため、計画的に修繕費を貯めておくことが大切です。
マンションは24時間ゴミ出し可能で、ゴミ捨て場の清掃が必要ということもないでしょう。
一方、戸建ての場合、ゴミ出しは地域のルールに従う必要があります。好きな時間や曜日に捨てることはできないので、ゴミの日まで家で保管しなければなりません。
また、ゴミ捨て場が家のすぐそばにあるとも限りません。地域によっては、ゴミ捨て場の清掃当番が割り振られることもあるでしょう。
ゴミ出しに関して、戸建にはマンションのような利便性が少ない点に注意が必要です。
戸建の場合、セキュリティ対策も自分でする必要があります。
マンションであれば、防犯カメラやオートロック・管理人の常駐など、防犯体制が整っていることも多いです。しかし、戸建ての場合、セキュリティの導入は自分で選定して設置・導入する必要があります。
防犯対策しないという手もありますが、小さい子どもがいる家庭や女性がいる家庭で防犯対策を整えないのは、生活の上で不安が残るでしょう。防犯性の高い鍵や人感センサーライト・セキュリティシステムの導入など、自分の家は自分で守る意識が必要となるのです。
マンションから戸建てへの住み替えを検討する際に、押さえておきたいポイントとして次の3つがあります。
マンションから戸建てへの住み替えでは、マンションの売却と戸建ての購入が必要です。
マンションを売却するには、住宅ローンの完済が必須となります。住宅ローンが残った状態のマンションは抵当権が設定されたままであるため、基本的に売却ができません。抵当権が残っていると競売にかけられる恐れがあるため購入したいという人はいないでしょう。
抵当権を抹消するには、住宅ローンの完済が必要です。自己資金で完済できない場合は、売却額で完済することもできます。
ただし、売却額だけでは完済できず、自己資金でも対応できない場合、売却自体が難しくなるので注意が必要です。売却額で完済するつもりなら、ローン残債の正確な額と査定額を比較してから売却を検討するようにしましょう。
住み替えの場合、次の2つのパターンのうちどちらかで住み替えることになります。
今のマンションを売却してから戸建てを購入する方法を「売り先行」と言います。
反対に、戸建てを購入してからマンションを売却するのが「買い先行」です。
また、同時に進行する「同時進行」という方法もありますが、それぞれの大きな取引を同時に進行するのは難しく、「売り先行」と「買い先行」のどちらかにするのが一般的でしょう。売り先行と買い先行は、それぞれメリット・デメリットが異なるので、どちらで住み替えを進めるかは慎重に検討する必要があります。
それぞれのメリット・デメリットは次の通りです。
売り先行は、先に売却するため売却額が分かった状態で新居購入ができ、資金計画が立てやすいというメリットがあります。
ただし、売却後に新居を探すため、新居購入までの時間が短く、新居選びに妥協しなければならない可能性が出てきます。妥協せずに新居が見つからない場合は、新居が見つかるまでの間は仮住まいが必要になり、引越し費用など余計なコストがかかってくるでしょう。
一方、買い先行は新居選びに時間をかけられるので、納得できる新生活をスタートしやすくなります。新居も決まった状態なので仮住まいも必要ありません。
しかし、売却がなかなか決まらなければ、マンションのローンと新居のローンの二重ローンになる可能性がある点には注意しましょう。売却期間が長くなればローンの負担が大きくなり、かといって売り急ぐと安値での売却になりかねません。売却額が予想を大きく下回ると、資金計画が狂う可能性も高くなります。
買い先行は、資金に余裕がある場合に選ぶことをおすすめします。売り先行か買い先行かで悩んだら、資金計画の立てやすい売り先行で進めるとよいでしょう。
資金面で住み替えを成功させるには「高値で売却でき安値で購入できる」タイミングが適しています。反対に、土地の価格が下がっていたり、売れにくかったりする時期は、住み替えに適さない場合もあるので注意しましょう。
売却・購入におすすめなのは、次のようなタイミングです。
住み替えのタイミングは資金面だけでなく、家族の変化についても考慮する必要があります。「子どもが成長して手狭になった」「希望の学区に引越したい」などが、住み替えの理由となるケースが多いでしょう。
また、マンションを高値で売却するタイミングを待つ間、手狭な家で暮らし続けるのは大きなストレスになりかねません。住み替えの適切なタイミングは各家庭によって異なるので、資金や家族の変化・ライフイベントなど、総合的な面で判断するようにしましょう。
住み替えのタイミングについては、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてください。
関連記事:住み替えタイミングはいつが最適?かかる費用や注意点も解説!
マンションから戸建てへの住み替えでは、「購入」「売却」のそれぞれで大きな費用が必要です。かかる費用について事前に理解しておかなければ、住み替えの資金計画もしっかりと立てられません。
売却は、売却額が手に入るだけでなく手数料など支出もあります。一方、購入の場合も、物件の購入額だけでなく手数料や税金などさまざまな費用がかかります。
大まかな費用は次の通りです。
仮に、マンションを3,000万円で売却し、3,500万円の戸建てを購入した場合、以下のような費用が必要です。
売却と購入の具体的な費用を一覧で確認しましょう。
住み替えは、高額な取引が発生するのでかかる費用も高額になります。中には「購入してから1年後」など、タイミングがずれて請求される費用もあるため、請求されたときに対応できないといった事態には注意しましょう。
ここでは、住み替えの流れを解説します。売却・購入それぞれの流れを見ていきましょう。
まずは、売却の流れです。
住み替えできるかは、ローン残債と売却額によって異なってきます。ローン残債を売却額や自己資金で完済できるなら、問題なく住み替えに進めるでしょう。しかし、ローンを完済できない場合は住み替えできないため、最初にローン残債を正確に把握しておくことが大切です。
売却額は不動産査定をうけて見込みを立てます。この際、できるだけ多くの不動産会社に査定依頼し、査定額や対応などを比較して慎重に不動産会社を選んでいきましょう。
査定額や相場から売り出し価格が決まったら、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約には、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類があるので、自分に合った契約方法を選ぶようにしましょう。
媒介契約後は基本的に不動産会社で売却活動を進めてくれます。ただし、内覧準備や対応など売主がしなければならないこともあるので、不動産会社に確認しながら進めましょう。
無事に買い手が決まったら、売買契約を結び、決済・引き渡しとなります。一般的に、売却には3ヵ月〜半年ほどかかるため、売却したい時期から逆算して、余裕をもって売却を進めていくことが大切です。
次に、購入の流れを見ていきましょう。
購入の大まかな流れは次の通りです。
新居の費用をどのように捻出するのか、しっかりと資金計画を立てることが大切です。売却額でローンの完済や新居の頭金などを考えているなら、売り先行で資金がある程度明確になってから進めると、資金計画が狂いにくいでしょう。
希望の新居の目星がついたら仮審査を受け、仮審査通過後に売買契約・本審査となります。本審査に無事通過すれば、決済して、晴れて戸建てを所有できます。
購入にかかる時間は、3ヵ月程です。ただし、なかなか希望する新居が見つかれなければさらに時間がかかり、場合によっては仮住まいが必要になる点には注意しましょう。新居への希望条件や優先順位を明確にしておくと、効率よく新居選びがしやすくなります。
住み替えでは、上記の売却と購入を一度に行っていきます。同じ不動産会社を利用すればスケジュールを合わせやすく、住み替えをスムーズにおこなうことができるでしょう。
今回は、マンションから戸建てへの住み替えのメリット・デメリットや、費用、流れについて解説しました。
戸建に住み替えることで、広い居住スペースで自由に生活できるというメリットがあります。しかし、自分で戸建てのメンテナンスやセキュリティ対策をしなければならないなど、デメリットもあるので慎重に判断するようにしましょう。
住み替えを決めたなら、スケジュールや資金計画を入念に立てたうえで行動することが大切です。この記事を参考に、戸建てへの住み替えを検討してみてはいかがでしょうか。