マンションの買取業者とは、売主が売却するマンションを買取る業者のことです。マンション買取業者とは、一般的な中古品買取に仕組みが似ていると考えると良いでしょう。
マンションを売却するときには、不動産会社に「買い取ってもらう」というケースと、購入したいという買い主を探してもらう「仲介」があり、各々メリットデメリットがあるので注意が必要です。そして、相手が「買取」と「仲介」のどちらを得意としている会社かも気をつけましょう。
誰にマンションを売却したいかでどちらを選ぶかが異なるため、自分自身に最適な業者を選べるようにそれぞれの特徴を理解しておくことが肝心です。
複数あるマンション買取業者の中でも、全て上場企業であり、人気かつ信頼ができる業者は下記の5つです。
上記買取業者は、人気があることと信頼できるという観点での選出のため、必ずしも高額買取をしてもらえるわけではありません。ただ、買取金額以外の部分に関して多くの特徴があります。
そのため、買取業者で悩んでいる方は、続いて解説する内容を参考にマンションの売却先を検討しましょう。
株式会社インテリックスの特徴は下記のとおりです。
株式会社インテリックスは、1995年からマンション買取事業を行っています。 2016年には東証一部上場しているため、古くから不動産業を取り扱っており、安心して利用したい方は株式会社インテリックスを利用しましょう。
株式会社イーグランドの特徴は下記のとおりです。
株式会社イーグランドは、中古マンションの再生事業をメインとして活動しています。 また、一次取得者層をメインに販売していたり、自社に直販部門を設けていなかったりするため、幅広いエリアで販売しているのが特徴です。
株式会社カチタスの特徴は下記のとおりです。
株式会社カチタスは、戸建て住宅も含めて幅広く、中古住宅再生事業をメインに取り扱っており、過去にはリフォーム事業者表彰を受けています。 全国にも120箇所の事業所があり、相談しやすい環境も整っているため、実績や相談のしやすさを重要視する方におすすめです。
株式会社ムゲンエステートの特徴は下記のとおりです。
株式会社ムゲンエステートは「首都圏ドミナント戦略」によって、1都3県に限定したエリアでの中古不動産再生事業を行っています。 首都圏エリアでマンションの買取に特化しているため、1都3県での売却を検討している方は株式会社ムゲンエステートがおすすめです。
株式会社大京穴吹不動産の特徴は下記のとおりです。
株式会社大京穴吹不動産は、数多く取り扱っている事業の中でもマンション売却を得意としています。 過去にもマンション売却の実績が豊富にあり、マンションの買取依頼もしやすいため、実績豊富な買取業者に依頼したい方におすすめです。
マンション売却を考えた時に、買取か仲介のどちらにすれば良いのかを悩む方が多いです。
買取か仲介かを判断する際には、それぞれのメリットとデメリットを理解したうえで、自分自身がマンション売却を行うならどちらが適切なのかを考えましょう。
マンションを売却する際に、買取業者に依頼するメリットとデメリットは下記表のとおりです。
買取業者にマンションを売却する最大のメリットは、現金化までの期間が短いことです。仲介業者とは異なり、買い主を探す手間がありません。そのため、現金化が早いだけでなく仲介手数料や内覧対応の費用や手間も省けます。
反対にデメリットとして、仲介業者を利用して個人にマンションを売却するよりも売却価格が低くなります。買取業者はマンションを買い取った後に再販することで利益を上げているため、買取価格が下がりやすいです。
また、マンションの状況を判断し、再販できる可能性が低いと買い取ってもらえない恐れもあるため注意しましょう。
マンションを売却する際に、仲介業者に依頼するメリットとデメリットは下記表のとおりです。
仲介業者を利用してマンションを売却する最大のメリットは、適正価格で売却しやすい点です。適正価格を知らずに買取業者へ依頼すると、相場よりも低い価格で交渉される恐れがあります。ただ、仲介業者なら細かい査定を引き受けてくれるため、マンションを適正価格で売却しやすくなるでしょう。
ただし、売却まではかなり時間がかかることがあります。あなたの物件を買いたいという人が見つかるまでは時間がかかることがあります。なんらかの事情で早く現金化したいという場合などは「買取」に比べると不利です。
また、仲介手数料がかかったり複数業者への依頼が難しかったりするのが、仲介業者を利用するデメリットです。仲介手数料の相場は、取引価格が400万円を超えると、取引金額の3%+6万円+消費税の宅建業法での上限となることが多いため、事前に確認しておきましょう。
また、仲介業者を利用したマンションの売却では、複数業者へ依頼するのが難しくなります。仲介業者へ依頼する際は「媒介契約」を結ぶ必要があり、基本的に1社のみに依頼することが多いです。
複数業者へ依頼することもできますが、仲介業者からすると他の業者で契約されたら売上げを立てられなくなります。他社で契約される可能性があれば、優先順位が下がってしまい、スタッフのモチベーション低下にもつながるため注意しましょう。
マンションの売却を買取業者へ依頼する際の不動産会社の選び方は、下記3つに当てはまっているかどうかを基準にしましょう。
満足できる形でマンションを売却したいなら、「人気だから」や「有名だから」という理由では失敗する可能性が高いです。そのため、続いて解説する内容を参考にして、買取業者を適切に選びましょう。
販売実績や買取実績が豊富な買取業者を選べば、安心してマンションを売却できるでしょう。販売実績や買取実績が少ない業者だと、適正価格でマンションを買い取ってもらえなかったり手続きがスムーズに進まなかったりする恐れがあります。
販売実績や買取実績を確認する際には、各買取業者のホームページがおすすめです。ホームページには、過去の実績を載せている業者が多いため、隅々まで確認して実績が豊富なら安心して利用できるでしょう。
再販に強い買取業者を探すのも、マンション売却を円滑に進めるための基準の1つです。再販とは、買い取ったマンションを再び販売して利益を上げることであり、多くの買取業者が活用しています。
買取業者がマンションの再販をするためには、マンションを買い取ることが前提です。買取業者は、個人の買い主よりも銀行からの信頼が厚いため、融資を受けられないことはほとんどありません。
つまり、再販に強い買取業者は、買い取ろうと思ったら銀行から融資を受けられるだけの信頼があるということです。融資を受けられれば、売り主としてマンションを売却できる可能性が高くなるため、再販に強い買取業者を選びましょう。
マンションのあるエリアで強い買取業者も、依頼する際の基準として考えましょう。あなたのマンションのあるエリアで強い買取業者は、過去の買取や販売実績をもとにノウハウを持っています。
反対に、販売実績や買取実績が多くても、あなたのマンションがある地域とは違うエリアがメインの買取業者はノウハウを持っていません。より良い条件でマンションを売却するためにも、実績だけでなくマンションのあるエリアに強いかどうかも確認しましょう。
マンションを少しでも高く売りたい方は、下記3つのポイントに気をつけましょう。
上記ポイントに気をつけるかどうかで、マンションの売却額が異なります。少しの工夫でできる対策もあるため、可能な限り実践しましょう。
マンションを少しでも高く売るために、売却時期を調整しましょう。マンションが高く売れる時期は、引越しや転勤などが多くなる3月と9月です。買取再販会社は、買い取ってから誰かに再度売るので、それを見越して、それよりも3ヶ月程度早く売却をするとよいでしょう。
また、マンションを5年以上保有していると譲渡所得税が約半分になります。
以上を参考にして売却時期を調整すれば、相場よりも高く売れたり税金を安くできたりするため、結果的にお得といえるでしょう。
マンションをそのまま売るよりも、ニーズに合わせてリノベーションを行った方が高く売れる可能性が高いです。
たとえば、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いリモートワークが増えたため、リノベーションで小さな作業スペースを作ることで、会社員だけでなくフリーランスの方などからも需要が高まるでしょう。
ただし、買取業者に依頼する場合は、①こちらも早く現金化したいのでリノベーションの時間がもったいない、②買取業者は自社でリノベーションして高く売却したい会社も多い、のであまりお薦めしません。
買取業者へマンションの売却を検討している方は、仲介も検討することで高く売れる可能性があります。「仲介は仲介手数料が取られるから嫌だ」と思っている方も多いです。
しかし、買取業者は基本的には相場より安く買い、それを高く再販することで事業を運営しているので、基本的には売却益は減ります。
「早く売却するなら買取」「我慢して時間がかかっても高く売りたいなら仲介」と考えた方が良いです。
買取業者への依頼でマンションを売却する際には、下記の流れで手続きをおこないます。
以上が、マンションを買取業者へ売却する流れです。買取は仲介とは異なり、第三者を探す必要がないため、相談から売却までをスムーズに進められるでしょう。
仲介業者への依頼でマンションを売却する際には、下記の流れで手続きをおこないます。
以上が仲介業者を利用したマンション売却の流れですが、買取とは異なり仲介業者と媒介契約を締結する必要があります。媒介契約締結後に買い主を探し始めるため、相談から売却までに時間がかかるのが特徴です。
また、仲介の査定は、買取の場合とは異なり、「その価格であればきっと売れるであろう」という金額ですので、必ずその価格で売れるかどうかはわかりません。このあたりの時間的なロスと、期待された価格で売れるかどうかは確約されないところが、買取の場合との違いです。
仲介業者を利用する方は、手続きをスムーズに進めるためにも事前に売却までの流れを理解しておきましょう。
マンションの売却を買取か仲介で迷った時には、一括査定サービスを利用して少しでも高く売却してもらえそうな業者を選ぶのもおすすめです。
マンションを少しでも高く売却したいと思っても、1社ずつ査定を依頼するのは時間も手間もかかってしまいます。しかし、一括査定サービスを利用すれば、効率よく買取可能額を把握できるためおすすめです。
一括査定サービスは無料で行うこともできるため、マンション売却を検討している方は利用してみましょう
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会会員 「プリンシプル 住まい総研」所長 住宅情報マンションズ初代編集長
1988年株式会社リクルート入社し、リクルートナビを開発。 2002年より住宅情報タウンズのフリーペーパー化を実現し、編集長就任。 現スーモも含めた商品・事業開発責任者に従事。2011 年 12 月同社退職。
プリンシプル・コンサルティング・グループにて2012年1月より現職。 全国の不動産会社のコンサルティング、専門誌での執筆や全国で講演活動を実施。