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セカンドハウスを売却した時の税金は?節税対策や注意点も解説
古い家を売却したいと考えた時に、「そもそも売れるのだろうか」と不安に感じる人もいることでしょう。
古い家は、耐震性の不安や住宅ローン審査の厳しさから売れないと思われがちですが、正しい知識と手順を踏めば、売却することは十分に可能です。主な売却方法には、解体費用のかからない「古家付き土地」としての売ach却や、早期現金化が可能な「買取」など、複数の選択肢があります。
売却を成功させるには、物件の状態や地域の需要を見極めて最適な売却方法を選んだ上で、「契約不適合責任」などの特有の注意点を理解して引き渡し後のトラブルを防ぐことがポイントです。
この記事では、古い家を売るための具体的な方法や手順、注意すべき点から費用・税金までを詳しく解説します。
法律上で「古い家」を明確に定義する築年数はありません。しかし、一般的には市場では築20年から30年を超えた物件が「古い家」と見なされる傾向にあります。
特に、木造住宅の場合、税法上の価値を計算する際に用いられる「法定耐用年数」が22年であるため、この年数を超えると建物の資産価値がゼロに近いと判断されがちです。
| 建材 | 法的耐用年数(年) |
|---|---|
| 鉄骨鉄筋コンクリート造もしくは鉄筋コンクリート造 | 47年 |
| れんが造、石造又はブロック造 | 38年 |
| 金属造
※骨格の肉厚が4mmを超える |
34年 |
| 金属造
※骨格の肉厚が3mmを超え4mm以下 |
27年 |
| 金属造
※骨格の肉厚が3mm以下 |
19年 |
| 木造もしくは合成樹脂 | 22年 |
| 木造モルタル造 | 20年 |
※参照元:国税庁|主な減価償却資産の耐用年数表
しかし、これはあくまで税務上の話であり、実際の売却価格とは異なります。不動産市場で重要な指標となるのが、1981年6月に導入された「新耐震基準」です。新耐震基準を満たしているかどうかは、買主の安心感や金融機関のローン審査にも大きく影響します。さらに2000年には木造住宅の基準が改正され、より高い耐震性が求められるようになりました。
古い家の売却では、こうした基準だけでなく、建物の劣化状態や設備の古さ、そして土地が面する道路の状況によって家を建て替えられるか(再建築可否)といった点が、売却の難易度や価格に直結します。最終的には「土地の価値」がいくらになるかを把握しておくこともポイントです。
古い家が「売れない」と言われる背景には、買主側の視点から見た具体的な3つの懸念点が存在します。
最も大きな理由の一つが、耐震性への不安です。1981年5月以前の「旧耐震基準」で建てられた住宅は、大きな地震に対する強度が現在の基準より低く、買主が購入をためらう要因となります。耐震補強工事には多額の費用がかかるため、多くの買主は新耐震基準を満たした物件を選ぶ傾向にあります。
次に、古い家では、住宅ローン審査が厳しいのが実情です。金融機関は融資の際に、物件の担保価値を重視します。法定耐用年数を超えた古い家は、建物自体の評価額が低くなるため、買主が希望する額の住宅ローンを組めないケースが少なくありません。これが、購入のハードルを上げてしまう理由の一つです。
さらに、維持管理の状態や見えない欠陥も懸念材料です。長年人が住んでいなかった家は、雨漏りやシロアリ被害、給排水管の劣化といった問題が隠れている可能性があります。購入後に発覚すれば高額な修繕費用が必要になるため、買主は慎重にならざるを得ないのです。
古い家を売却せずに所有し続けることには、金銭的・管理的な負担だけでなく、法的なリスクも伴います。
まず、誰も住んでいなくても固定資産税や都市計画税は毎年課税されます。火災保険料もかかり続けますし、庭の草木が伸びれば定期的な手入れが必要です。こうした金銭的・時間的なコストは、所有している限り永続的に発生する負担となります。
そして、近年特に注意すべきなのが、空き家対策の強化です。2023年に改正された「空家等対策の推進に関する特別措置法」によって、管理が不十分な空き家は自治体から「管理不全空家」に指定される可能性があります。
管理不全空家に対して自治体が改善の勧告を行うと、固定資産税の優遇措置(住宅用地の特例)が解除されてしまいます。その結果、土地の固定資産税が最大で6倍に跳ね上がるという、大きな金銭的リスクを負うことになるのです。
「いつか対応しよう」と古い家を売らないままでいることが、かえって大きな損失を招く可能性があるので注意しましょう。
| 古い家を売る方法 | ポイント |
|---|---|
| そのまま売る(現状有姿) | リフォームなどをせず、現在の状態のまま売却する方法 |
| 古家付き土地として売る | 建物の価値をほぼゼロとみなし、主に土地として売る方法 |
| 解体して更地で売る | 建物を解体し、土地だけの状態にして売却する方法 |
| リフォームして売る | 内装や設備を新しくして、物件の価値を高めてから売却する方法 |
| 不動産会社に買取を依頼する | 不動産会社に直接物件を買い取ってもらう方法 |
古い家の売却には、主に5つの方法があり、物件の状態や状況に合わせて選択肢を見つけることがポイントです。5つの売り方について、メリット・デメリットを詳しく解説します。
「現状有姿」とは、建物の修繕やリフォーム、ハウスクリーニングなどを行わず、現在のありのままの状態で売却する方法です。
メリットは、売主が売却前に費用や手間をかける必要がない点です。リフォーム費用を準備する必要がなく、すぐに売却活動を始められます。
買主から見ると、購入後に自分でリフォームや修繕を行う必要があるため、その分の費用を見越した金額で購入を希望する傾向があります。できるだけ安く物件を購入し、自分の好きなように大規模なリノベーションをしたいと考えている買主には魅力的でしょう。
なお、室内の状態が悪いと内覧時の印象が悪くなり、なかなか買主が見つからなかったり、大幅な値引き交渉を受けたりする可能性も高まる点に注意してください。
物件の立地が良いなどの強みがあれば、現状のままでもスムーズに売却できる可能性があります。
建物にはほとんど価値がないものとみなし、主に「土地」の価格で売り出す方法もあります。広告や販売図面で「古家付き土地」と明記すれば、買主に対して「この物件は土地がメインです」と伝えることができます。
売主側のメリットは、解体費用を負担せずに済む点です。建物の解体には100万円以上の費用がかかることも珍しくありませんが、その出費を避けられます。
買主側にとっても、すぐに解体して新築を建てるか、あるいはリフォームして住むかという選択肢が残るため、検討の幅が広がります。住宅ローンを利用する場合、建物が残っている方が審査に通りやすいという側面もあります。
ただし、デメリットとして、買主は購入後に解体費用を負担することになるため、その金額分を想定した価格交渉が入りやすいという点が挙げられます。
建物を解体し、土地だけの状態(更地)にして売却する方法もあります。
新築用の土地を探している買主からすれば、土地の状態が分かりやすく、購入後の計画を立てやすいため、スムーズな売却につながりやすいのがメリットです。建物がないため、土壌汚染や地中埋設物といった隠れたリスクも発見しやすくなります。
しかし、土地だけの状態(更地)にして売却する方法には重大なリスクが伴うため、慎重に判断してください。
まず、木造住宅の場合、1坪あたり4~5万円程度の高額な解体費用が売主の先行投資として必要になります。
また、固定資産税の増額リスクもあります。住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」によって固定資産税が最大6分の1に軽減されていますが、建物を解体するとこの特例が適用されなくなります。年をまたいで売れ残った場合、翌年の固定資産税が最大6倍になる可能性があるのです。
そして、最も注意すべきは、その土地が「再建築不可物件」である可能性です。法律上の条件を満たさず、一度解体すると二度と家を建てられない土地があります。その場合、資産価値が著しく下がるため、解体は絶対に避けるべきです。
内装や水回りなどの設備をリフォームし、物件の価値を高めてから売却する方法です。
部分的なリフォームは、内覧時の印象を良くする効果が期待できます。特に、キッチンや浴室、トイレといった水回りが清潔で新しいと、買主からの評価は高まり、早期売却につながる可能性があります。
しかし、リフォームのデメリットは、かけた費用を売却価格に全額上乗せして回収することが難しい点にあります。例えば、200万円かけてリフォームしても、売却価格が200万円上がるとは限りません。
また、売主の良かれと思って行ったリフォームが、買主の好みに合わないというリスクもあります。デザイン性の高い壁紙や個性的な設備は、むしろ購入の妨げになることさえあるのです。
全面的な大規模リフォームは費用倒れになる可能性が高いため、あまり推奨されません。リフォームを検討する際は、必ず不動産会社に相談し、どの範囲まで手を入れるべきか、費用対効果を見極めることが大切です。
一般の個人を買主として探す「仲介」とは異なり、不動産会社に直接物件を買い取ってもらう売却方法もあります。
メリットは、売却活動が不要で、短期間で確実に現金化できる点です。買主を探す必要がないため、数週間から1ヶ月程度で売却が完了します。また、不動産会社に支払う仲介手数料もかかりません。
そして、古い家の売主にとって特に大きなメリットが、「契約不適合責任」が免除されるケースがほとんどであることです。契約不適合責任とは、売却後に雨漏りやシロアリなどの欠陥が見つかった場合に売主が負う責任のことで、古い家ではこのリスクが常に伴います。買取であれば、引き渡し後の不安から解放されるのです。
一方で、デメリットは、買取価格が市場価格より安くなる点です。不動産会社は買い取った物件にリフォームなどを施して再販売するため、その費用や利益を見込む必要があり、7~8割程度の買取価格になるのが一般的です。
買取は単に「安く売る方法」ではなく、時間と安心(リスク回避)をお金で買う、合理的な選択肢と言えます。周囲に知られず、早く確実に、トラブルなく家を手放したい場合におすすめな方法と言えるでしょう。
古い家の売却は、一般的に上記の6つのステップで進みます。
まずは、所有する家がいくらくらいで売れそうか、不動産ポータルサイトなどで周辺の類似物件の価格を調べて相場を確認します。その上で、複数の不動産会社に査定を依頼し、専門家の意見を聞きましょう。
査定価格や販売戦略、担当者の対応などを比較検討し、不動産会社を1社選んだら、不動産会社と媒介契約を結びます。
販売活動を開始後、購入希望者から内覧の申し込みがあれば、日程を調整して対応しましょう。
購入希望者が見つかったら、重要事項説明を受けた上で「売買契約」を締結します。この際、買主から手付金(売買代金の5~10%程度)を受け取るのが一般的です。
契約時に定めた引き渡し日に、買主から残代金を受け取り(決済)、家の鍵を渡して所有権移転の登記手続きを行うことで、売却が完了します。
古い家を売る時の注意点を事前に把握しておくことで、後々のトラブルを回避しましょう。ここでは、注意点を4つ紹介します。
不動産売買では、特約がない限り、建物を空の状態で買主に引き渡すのが原則です。家具や家電、衣類といった家財道具はもちろん、エアコンや照明器具なども「残置物」と見なされることがあります。
もし残置物を残したまま引き渡してしまうと、契約違反となり、買主から撤去費用を請求される可能性があります。売却活動と並行して、計画的に不用品の処分を進めてください。
まだ使えるものはリサイクルショップに売却したり、処分に手間がかかるものは不用品回収業者に依頼したりと、効率的に片付けを行うと良いでしょう。
解体には固定資産税の増額や、再建築不可物件における資産価値暴落といった重大なリスクが伴います。「更地にした方が売れやすいだろう」と自己判断で建物を解体するのは危険なため、やめましょう。
また、買主によっては、リフォームして住むことを希望していたり、古民家としての風情を求めていたりするケースもあります。その場合、建物が残っている方がむしろ魅力的に映るのです。
解体を検討するのは、必ず複数の不動産会社に査定を依頼し、プロの視点から「解体した方が有利に売却できる」というアドバイスを受けた後でも遅くありません。地域の市場動向や物件の特性を総合的に判断してもらった上で、解体するかどうかを決めましょう。
契約不適合責任とは、売買契約書に記載されていない欠陥(不適合)が引き渡し後に見つかった場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。具体的には、雨漏り、シロアリの害、建物の主要な構造部分の腐食、給排水管の故障などが該当します。
特に古い家は、売主自身も把握していない欠陥が隠れている可能性が高いため、契約不適合責任は重要な注意点となります。
リスクに備えるための対策としては、「ホームインスペクションを実施すること」と「売買契約書に免責特約を盛り込むこと」の2つがあります。
ホームインスペクションでは、事前に専門家による住宅診断を実施しておくことで、建物の状態を客観的に把握できます。結果を買主に説明した上で契約することで、後のトラブルを未然に防げます。
また、不動産会社と相談し、売主の責任範囲を限定する「免責特約」を売買契約書に盛り込みましょう。これにより、引き渡し後の責任を軽減または免除することが可能になります。
古い家の解体や耐震改修を行う場合、自治体によっては補助金制度を利用できることがあります。補助金制度を活用すれば、売却にかかる費用負担を軽減できる可能性があります。
自治体ごとに様々な制度が設けられているので、まずは自分の家が該当する自治体の制度を確認しましょう。例えば、神奈川県であれば以下のような補助金制度が用意されています。
| 自治体名 | 補助制度名 | 補助内容・対象 | 補助上限額 | 受付期限など主な条件 |
|---|---|---|---|---|
| 横浜市 | 住宅除却補助制度 | 耐震性不足の木造住宅の除却工事費用を補助 | 50万円 | 2025年12月26日まで申請受付 |
| 横須賀市 | 空き家全般の解体補助 | 古い空き家の解体に対して補助 | 35万円 | 2026年1月25日まで申請 |
| 平塚市 | 建替えに伴う除却工事補助 | 建替え時の古家解体工事費用補助 | 36万円 | 毎年度要確認 |
| 厚木市 | 老朽空き家解体工事補助金 | 老朽空き家解体工事費用補助 | 50万円 | 2025年申請期間要確認 |
| 小田原市 | 住宅解体補助なし(ブロック塀撤去補助のみ) | 直接的な古家解体補助はなし | - | - |
| 大和市 | 省エネ・バリアフリー住宅改修支援 | 古家の解体ではなく改修支援 | 最大30万円程度 | 申請条件は自治体により異なる |
| 茅ヶ崎市 | 若者・子育て世帯向け住宅取得支援 | リフォームや購入支援(古家売却ではなく活用目的) | - | 40歳未満子育て世帯対象 |
| 葉山町 | 空き家活用補助金 | 空き家改修および住替え支援 | 最大40万円程度 | 空き家を活用する世帯対象 |
| 真鶴町 | 空き家利活用補助 | 空き家の改修や売却後の住み替え支援 | 最大40万円程度 | 空き家バンク利用者対象 |
※上記は執筆時点の情報の一例です。制度の名称や補助額、適用要件は変更される場合があります。
補助金を利用するには、工事の契約前に申請が必要な場合がほとんどです。市区町村のウェブサイトを確認したり、役所の建築指導課などに問い合わせたりして、利用できる制度がないか事前に調べておきましょう。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 費用 | 売却時にかかる主な費用は「仲介手数料」「印紙税」「登記費用」。必要に応じて解体費用や測量費用、ハウスクリーニング代などがかかる。 |
| 税金 | 家を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して「譲渡所得税」と「住民税」が課税される。税率は物件の所有期間によって異なり、5年を超えて所有していた場合は税率が低くなる。 |
| 特例 | 売却で利益が出ても、税金の負担を大幅に軽減できる特例がある。適用要件があるため、対象になるかどうかの正確な判断は、税務署や税理士に相談するのがおすすめ。 |
古い家を売却する際には、様々な費用がかかります。また、売却によって利益(譲渡所得)が出た場合には、税金を納める必要があります。どのようなコストが発生するのか、あらかじめ把握しておきましょう。
| 項目 | 概要 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 不動産会社に支払う成功報酬 | (売買価格×3%+6万円)+消費税が上限 |
| 印紙税 | 売買契約書に貼る印紙の代金 | 売買価格に応じて1万~6万円程度 |
| 登記費用 | 抵当権抹消などを行う際の司法書士報酬と登録免許税 | 5万~10万円程度 |
| 解体費用 | 建物を解体する場合の費用 | 木造1坪あたり4~5万円 |
| 残置物撤去費用 | 家財道具などの処分費用 | 5万~50万円程度(量による) |
| 測量費用 | 土地の境界を確定させるための費用 | 35万~80万円程度 |
| ハウスクリーニング代 | 室内を清掃する費用 | 5万~15万円程度 |
古い家の売却時にかかる主な費用は上記のとおりです。物件の状況によっては、これ以外の費用が発生することもあります。
| 税金の種類 | 概要 |
|---|---|
| 売却益にかかる税金(譲渡所得税) | 家を売って利益が出たときにかかる税金で、所有年数によって税率が変わる |
| 固定資産税 | 固定資産(土地・家屋・償却資産)に対して課される税 |
売却によって利益が出た場合、その利益(譲渡所得)に対して「所得税」と「住民税」が課税され、総称して「譲渡所得税」と呼びます。
譲渡所得は「売却価格-(取得費+譲渡費用)」の計算式で算出し、取得費には物件の購入代金、譲渡費用には仲介手数料などの売却にかかった経費が含まれます。
また、譲渡所得にかかる税率は、所有期間に応じて変動します。
| 区分 | 所有期間 | 所得税率 | 住民税率 | 復興特別所得税 | 合計税率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
なお、その年の1月1日時点で所有していた固定資産税は、引き渡し日を基準に日割り計算し、買主からその一部を精算金として受け取るのが一般的です。
不動産の売却で得た利益にかかる税金は、特例制度を利用することで負担を軽減できる場合があります。特に古い家の売却で利用できる可能性が高い特例は、3つあります。
| 特例名 | 利用できるケース | 控除額 |
|---|---|---|
| 居住用財産の3,000万円特別控除 | 自宅として住んでいた家を売却 | 譲渡所得から最大3,000万円を控除 |
| 被相続人の居住用財産(空き家)に係る3,000万円の特別控除の特例 | 相続した実家(空き家)を売却 | 譲渡所得から最大3,000万円を控除 |
| 低未利用土地等の100万円特別控除 | 地方の土地などを低い価格で売却 | 譲渡所得から最大100万円を控除 |
例えば、相続した空き家を売る際に使える「空き家の3,000万円特別控除」を適用するには、「相続開始直前まで被相続人が一人で居住していた」「1981年5月31日以前に建築された家屋である」といった複数の要件を満たす必要があります。
特例は適用要件が複雑なため、利用を検討する場合は、必ず国税庁のウェブサイトで詳細を確認するか、税務署や税理士に相談してください。
古い家は、適切な方法で売りに出しても、なかなか買主が見つからないケースもあります。ここでは、売れない時の主な対策を3つ紹介します。
古い家が売れない一般的な理由として、売却価格が周辺の相場と比べて高いことが挙げられます。買主は、複数の物件を比較検討しているため、価格の妥当性はシビアに判断します。
一定期間売れない場合は、不動産会社と相談し、最近の成約事例や競合物件の価格を再調査した上で、価格の引き下げを検討しましょう。少し価格を下げるだけで、問い合わせが急に増えることもあります。
「空き家バンク」とは、主に地方自治体が運営する、空き家を売りたい・貸したい人と、買いたい・借りたい人をマッチングさせるための情報サイトです。
一般的な不動産市場では買主が見つかりにくいような物件でも、空き家バンクに登録することで、移住希望者や、古民家を探している人の目に留まる可能性があります。国土交通省が運営する全国版の空き家バンクサイトもあるため、所在地の自治体の制度と合わせて確認してみるとよいでしょう。
どうしても売却が難しい場合は、所有したまま活用するという選択肢もあります。
例えば、最低限のリフォームを施して賃貸物件として貸し出す、立地が良ければ駐車場として土地を貸すといった方法が考えられます。また、歴史的な価値がある古民家であれば、カフェや宿泊施設として事業者に貸し出すことで、収益を生む資産に変えられる可能性もあります。
ただし、いずれの方法も初期投資や管理の手間がかかるため、収支計画を慎重に立てた上で判断しましょう。
古い家を売るには、様々な売却方法がありますが、どの方法が自分に合っているか迷う人もいることでしょう。セルフチェックで、状況に合ったおすすめの売却方法を診断してみてください。
古い家は「売れない」というイメージがあるかもしれませんが、建物の状態や立地、そして売主の希望に合わせて適切な戦略を立てることで、十分に売却は可能です。
特に、放置し続けることには固定資産税の増額といった大きなリスクが伴うため、「いつか」ではなく「今」行動を起こすことが重要になります。
まずは、この記事で紹介した売却方法を参考にしながら、自分の家がいくらで売れるのか、不動産会社に査定を依頼することから始めてみてはいかがでしょうか。信頼できる不動産会社と相談しながら、後悔のない売却を目指しましょう。