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「都市計画税って、そもそも何のために払っているの?」 固定資産税との違いや税率の目安がわからず、モヤモヤしていませんか?この記事では、都市計画税の基本知識から計算方法までわかりやすく解説します。
<この記事でわかること>
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都市計画税とは、都市のインフラや住宅地などの整備に必要な費用をまかなうための「目的税」(一定の政策目的のために使い道が限定されている税金)です。 都市計画事業や土地区画整理事業といった一定の公共プロジェクトに使われる税金で、住民が暮らしやすいまちづくりを支える重要な財源となります。
都市計画税の特徴は、市街化区域内にある土地や建物を所有している人に課される点です。市街化区域とは、「すでに市街地を形成している区域、およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」を指します(都市計画法第7条)。
また、都市の開発のために徴収されるため、全国一律で課税されるわけではなく、市町村ごとに課税の有無や税率が異なります。
<都市計画税の概要>
都市計画税は、聞き慣れない言葉かもしれませんが、都市の健全な発展と秩序ある整備のための財源として徴収されている税と理解しておきましょう。
都市計画税と固定資産税は、いずれも土地や建物の所有者に課される地方税です。毎年「固定資産税・都市計画税」として徴収されるため、納税者側から見ると一体的に捉えられることが多い税金ですが、その目的や使い道には違いがあります。
項目 | 固定資産税 | 都市計画税 |
税の種類 | 普通税 | 目的税 |
税の使い道 | 道路や学校・公園などの公共施設の整備、介護・福祉などの行政サービス | 都市計画事業や土地区画整理事業など一定の目的 |
課税対象 | 土地・建物・償却資産 | 市街化区域内の土地・建物のみ |
税率 | 原則1.4%(必要に応じて市町村が異なる税率を設定可) | 制限(上限)税率0.3%(必要に応じて市町村が異なる税率を設定可) |
法的根拠 | 地方税法第341条以下 | 地方税法第702条以下(第702条の4で制限税率を規定) |
固定資産税は、普通税(使い道を特定せず、一般的な経費として使われる税金)に分類されます。集めた税金は、公共施設の整備から教育・福祉などの行政サービスまで、幅広く使われます。
一方で、都市計画税は「目的税」と呼ばれ、都市計画事業や土地区画整理事業に用途が限定されているのが特徴です。
両税は課税対象や計算方法こそ似ているものの、税の性質と使途の違いを理解することが重要です。
都市計画税を正しく理解するためには、「税率はいくらか?」「課税対象となる財産は何か?」「課税される地域はどこか?」といった基本的な仕組みを理解することが大切です。
ここでは、都市計画税の税率や課税対象となる資産・地域ついて、わかりやすく整理して解説します。
都市計画税の税率は、地方税法第702条の4に「0.3%を超えることはできない」と上限が定められています。このように市町村が税率を定めるにあたって超えることができない税率を「制限税率」といいます。 各市町村は、制限税率の範囲内であれば、条例に基づいて独自に税率を設定できるため、地域によって税率は異なります。
国土交通省の令和6年都市計画現況調査によると、多くの市町村では、0.3%の税率が設定されています。例えば、東京23区、横浜市、名古屋市の税率は、いずれも0.3%(2025年5月現在)です。
固定資産税の標準税率(1.4%)と比べると、低い水準となっています。
<都市計画税の税率に関するポイント>
都市計画税は、市街化区域にある土地や建物(家屋)を対象として課税されます。 市街化区域とは、都市計画法により「すでに市街地を形成している区域、およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」として定められたエリアのことをいいます。
<課税対象となる不動産>
原則として、市街化区域内の土地および建物が対象となります。
不動産を所有していても、市街化区域以外の区域(市街化調整区域や都市計画区域外)では都市計画税は課税されません。
市街化区域とは、都市計画法に基づいて定められる区域の一つで、「すでに市街地を形成している区域、およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」を指します。
都市計画法に基づき、広域的な観点から都道府県知事が指定します。
定義 | すでに市街地を形成している区域、およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域 |
根拠法令 | 都市計画法第7条 |
目的 | 良好かつ安全な市街地の形成と無秩序な市街化の防止 |
都市計画税との関係 | 市街化区域内の土地・建物が都市計画税の課税対象 |
都市計画税は、都市の健全な発展と公共インフラの整備を支える財源として位置づけられ、都市計画事業や土地区画整理事業に限定して使われる目的税です。
<具体的な用途の例>
つまり、都市計画税はインフラ整備や宅地の整備といった「まちづくり」に使われる財源です。「なぜ都市計画税を支払うのか?」という疑問に対しては、「将来のまちづくりを支える一員となるため」という答えが返ってくる税金といえるでしょう。
都市計画税は、毎年課税される地方税であり、毎年1月1日時点の土地・家屋の所有者(個人・法人)が対象となります。
課税頻度 | 年1回 |
基準日 | 毎年1月1日 |
対象 | 市街化区域の土地・家屋 |
根拠 | 地方税法第702条以下 |
土地・建物を所有している限り継続的に課税されるため、計画的な資金準備が求められます。
1年の途中で土地・建物の売買があった場合、引渡し日を基準として、売主と買主の間で、都市計画税を日割り計算し、固定資産税とあわせて精算するのが一般的です。
都市計画税の計算方法は以下のとおりです。
都市計画税額=固定資産税評価額×税率(最大0.3%)
固定資産税評価額は、固定資産税・都市計画税、登録免許税などの税額を計算するうえで基準となる価格です。国が定めた固定資産評価基準をもとに、市町村が決定します。
ただし、住宅用地には、都市計画税の特例措置が適用できます。
住宅用地の軽減措置
小規模住宅用地(1住戸につき200㎡までの部分) | 固定資産税評価額の1/3×税率 |
一般住宅用地(200㎡超の部分) | 固定資産税評価額の2/3×税率 |
例1.小規模住宅用地の場合※税率:0.3%
固定資産税評価額が3,000万円、土地面積が180㎡の住宅用地(小規模住宅用地)の場合
・課税標準額:3,000万円×1/3=1,000万円
・都市計画税額:1,000万円×0.3%=3万円
例2.一般住宅用地を含む場合※税率:0.3%
固定資産税評価額が5,000万円、面積が250㎡の住宅用地の場合※小数点以下四捨五入
・小規模住宅用地部分(200㎡)の課税標準額:5,000万円×(200㎡÷250㎡)×1/3=1,333万円
・一般住宅用地部分(50㎡)の課税標準額:5,000万円×(50㎡÷250㎡)×2/3=667万円
・合計課税標準額:1,333万円+667万円=2,000万円
・都市計画税額:2,000万円×0.3%=6万円
この例のように、住宅用地については、軽減措置が適用されるため、住宅用地以外の土地とくらべると税負担は軽減されます。
都市計画税は、都市の健全な発展と秩序ある住環境の整備を目的として、市街化区域の土地や建物の所有者に課される目的税です。
固定資産税と併せて徴収される都市計画税は、使用用途は限定され、上限税率が明確であるため、納税者が「何のために課税されるのか」を理解しやすい税金といえます。
都市計画税は、市街化区域内に土地・建物を所有するすべての人に関係する制度であるため、将来のまちづくりを支える財源として理解しておく意味があります。