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600平米の広さはどのくらい?坪換算や建てられる家の大きさも...
一人暮らし用の物件探しをしていると「30平米前後」の部屋をよく見かけます。
しかし、具体的にどのくらいのスペースなのか、自分のライフスタイルに合っているのか、イメージするのはなかなか難しいかもしれません。
この記事では、30平米という広さの具体的なイメージから、一人暮らし・二人暮らしでの使い勝手、代表的な間取り、そして後悔しないための物件選びのポイントまで一つひとつ丁寧に解説していきます。
この記事を読み終える頃には、30平米での新しい生活をはっきりとイメージできるようになっているはずです。
30平米がどのくらいの広さなのか、まずは誰もがイメージしやすい「畳と坪」の2つの単位に置き換えて見ていきましょう。結論から言うと、30平米は約18畳、または約9坪に相当します。
「平米(㎡)」という単位に馴染みがない方でも、「畳(じょう)」や「坪(つぼ)」と聞くと、少しイメージしやすくなるのではないでしょうか。
18畳と聞くと、一人暮らし用のワンルーム(6畳〜8畳)と比較して、かなりゆとりのある空間であることが分かります。
この畳数の計算は、不動産広告のルールを定めている「不動産公正取引協議会」の基準に基づいています。この基準では、「1畳=1.62平米以上」と定められており、これを使って計算すると以下のようになります。
ただし、これは居室だけでなく、キッチンやお風呂、トイレ、廊下、収納など、玄関ドアの内側にあるすべてのスペースを含んだ「専有面積」の計算です。
そのため、実際に生活の中心となるリビングや寝室の広さは、間取りによって変わる点に注意が必要です。
数字だけではまだピンとこない方のために、身近なものと比較してみましょう。
このように考えると、一人で暮らすには十分すぎるほどのスペースを確保できる広さだと言えるでしょう。
30平米という広さがイメージできたところで、次に気になるのは「どんな間取りがあるのか」という点だと思います。30平米の物件は、主に「ワンルーム(1R)・1K」「1DK」「1LDK」の3つのパターンに分けられます。それぞれの特徴を理解し、自分のライフスタイルに合った間取りを見つけましょう。
ワンルーム(1R)は、キッチンと居室の間に仕切りがない間取り、1Kは仕切りがある間取りを指します。30平米でこの間取りの場合、居室部分が10畳以上と非常に広くなるのが特徴です。
広い一部屋で、インテリアにこだわりたい人や自炊をあまりしない人におすすめの間取りといえます。
1DKは、居室(1部屋)と、食事スペースを兼ねたキッチン(ダイニングキッチン)がある間取りです。キッチンスペースが4.5畳以上8畳未満の場合、1DKと表記されます。
1DKの場合、 生活空間と食事の空間を分けたい人、来客時にプライベートな寝室を見せたくない人が住むのにおすすめです。
1LDKは、居室(1部屋)と、リビング・ダイニング・キッチンが一体となった空間がある間取りです。LDKの広さが8畳以上あるのが特徴で、30平米台の物件では最も人気のある間取りの一つです。
オンとオフをしっかり分けたい人、友人を招く機会が多い人、二人暮らしを検討している人にとって適している間取りといえます。
しかし、二人暮らしとなるとかなり手狭になってしまいますので、レイアウトの工夫や設置するインテリアがかなり限られてしまうことは覚えておきましょう。
| 間取り | 特徴 | メリット | デメリット | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|---|
| 1R/1K | 広い居室が一つ | 開放感があり、レイアウトが自由 | 匂いが広がりやすい、玄関から丸見え | インテリアにこだわりたい人 |
| 1DK | 食事と就寝の空間を分離 | 生活にメリハリがつく | DKが手狭な場合も | 生活空間を分けたい人 |
| 1LDK | 居住空間とLDKが独立 | プライベート空間を確保しやすい | 家賃が高め | 来客が多い人、二人暮らし |
この表は、30平米で考えられる主な間取りの特性をまとめたものです。ご自身の生活スタイルと照らし合わせ、最適な間取り選びの参考にしてください。
ここまで広さの目安や間取りを見てきましたが、「結局、一人暮らしには広いの?狭いの?」という点が最も気になるポイントでしょう。結論として、30平米は一人暮らしにとって、かなりゆとりがあり快適な生活を送れる広さです。
一人暮らしに必要な家具・家電(ベッド、ソファ、テレビ台、テーブル、冷蔵庫、洗濯機など)を一通り置いても、生活動線をしっかりと確保できます。
| 家具・家電の種類 | サイズ目安(幅×奥行) |
|---|---|
| ダブルベッド | 約140cm × 195cm |
| 2人掛けソファ | 約150cm × 85cm |
| テレビ台(40V型向け) | 約100cm × 40cm |
| ローテーブル | 約90cm × 50cm |
| 冷蔵庫(200Lクラス) | 約55cm × 65cm |
| 洗濯機(5kgクラス) | 約55cm × 55cm |
例えば、ダブルベッドや2人掛けのソファといった少し大きめの家具を置いても、圧迫感を感じることは少ないでしょう。
30平米の広さがあれば、生活空間とは別に、自分のための特別なスペースを作ることが可能です。
このように、ライフスタイルに合わせて空間を自由にデザインできるのは、30平米ならではの魅力です。
ワンルームや1Kに比べて空間に余裕があるため、気兼ねなく友人を招くことができます。1DKや1LDKの間取りであれば、プライベートな寝室を見せることなくリビングスペースで過ごしてもらえるため、急な来客でも安心です。
一人暮らしには十分な広さである一方、「二人暮らし」となるとどうでしょうか。この問いへの答えは、「可能だが、工夫が必要」となります。決して不可能ではありませんが、快適に暮らすためにはいくつかのポイントを押えておく必要があります。
30平米で二人暮らしをする場合、一人当たりの居住スペースは約15平米となります。それぞれの荷物や家具が増えるため、一人暮らしの時のような「ゆとり」は感じにくくなるでしょう。特に、お互いのプライベートな時間や空間を重視するカップルの場合、少し窮屈に感じてしまう可能性があります。
ここで一つの基準となるのが、国土交通省が示している「住生活基本計画」です。この中には、健康で文化的な生活を送るために必要不可欠な「最低居住面積水準」と、豊かな生活を送るための「誘導居住面積水準」が示されています。
この基準に照らすと、30平米は「最低限の生活は送れるが、ゆとりある生活には少し足りない」広さであることが客観的にわかります。
それでも、家賃や立地などの理由から30平米で二人暮らしを始めたいという方も多いでしょう。その場合は、以下の点を意識することで、快適性を大きく向上させることができます。
30平米の物件は、特に都心部で一人暮らしをする方や、新婚カップルにとって多くのメリットがあります。前のセクションで解説した広さの感覚を踏まえ、具体的な利点を見ていきましょう。
部屋が広すぎないため、日々の掃除や片付けの手間が少なく済みます。掃除機をかける範囲も限られており、家事全般の負担が軽くなるのは大きなメリットです。常に部屋を清潔に保ちやすく、快適な住環境を維持しやすいと言えるでしょう。
当然ながら、専有面積が広くなるほど家賃は高くなる傾向にあります。40平米や50平米の物件と比較すると、30平米の物件は家賃を抑えることができます。これにより、同じ予算でもより良い立地の物件を選んだり、浮いた分を貯蓄や趣味に回したりすることが可能になります。
都心部や駅の近くでは、広い土地を確保することが難しいため、コンパクトな単身者向けやカップル向けの物件が多く供給されています。そのため、30平米前後の物件は選択肢が豊富で、通勤・通学に便利な好立地の物件を見つけやすいというメリットがあります。
一方で、30平米の物件にはいくつかのデメリットも存在します。契約してから後悔しないよう、あらかじめ注意点を理解しておくことが重要です。
30平米の物件で最もよく聞かれる悩みが、収納スペースの不足です。特に、趣味の道具が多い方や、衣類をたくさん持っている方は、備え付けのクローゼットだけでは収まりきらない可能性があります。
自分で収納家具を追加する必要が出てくるかもしれませんが、その分、居住スペースが狭くなるというジレンマも生じます。
ソファやダイニングテーブル、ダブルベッドなど、置きたい家具がすべて収まるとは限りません。特に大型の家具を複数置きたい場合、生活動線を圧迫してしまったり、部屋全体が窮屈な印象になったりすることがあります。
事前に家具のサイズを測り、内見時に配置をシミュレーションすることが不可欠です。
二人暮らしの場合、これが最も大きな課題となります。間取りが1LDKでない限り、一人の時間を過ごせるプライベートな空間を確保するのは簡単ではありません。
在宅ワークをする場合や、一人の時間を大切にしたい場合は、ストレスの原因になる可能性も考慮しておく必要があります。
限られた空間であっても、家具の選び方や配置を工夫するだけで、部屋を実際の面積以上に広く、快適に見せることが可能です。ここでは、専門家の視点から誰でも簡単に実践できるレイアウトのコツを4つ紹介します。
部屋を広く見せるための最も基本的なテクニックは、視線の抜けを作ることです。
ソファや棚、ベッドなどの家具をできるだけ背の低いもので揃えると、部屋の奥まで視線が通り、空間に広がりが生まれます。圧迫感がなくなり、天井も高く感じられる効果があります。
白やベージュ、アイボリーといった明るい色は「膨張色」と呼ばれ、空間を広く見せる効果があります。
壁や床の色に合わせて、カーテンやラグ、家具などの大きな面積を占めるアイテムを明るい色で統一すると、部屋全体がすっきりと開放的な印象になります。
壁に姿見のような大きな鏡を設置すると、部屋が映り込むことで視覚的な奥行きが生まれ、空間が二倍に広がったかのような効果を得られます。
また、テーブルをガラス製のローテーブルにするなど、透ける素材を取り入れると、床が見える面積が増えるため、圧迫感を軽減できます。
物が散らかっていると、それだけで部屋は狭く見えてしまいます。生活感の出やすい日用品は扉付きの棚に「隠す収納」を徹底し、一方で、お気に入りの雑貨や本は壁面のオープンシェルフに「見せる収納」として飾ることで、メリハリのあるおしゃれな空間を演出できます。
レイアウトを考える際は、「床が見える面積」を意識することがプロのテクニックです。家具の脚が細いものを選んだり、床に直接物を置かないようにしたりするだけで、部屋は驚くほどすっきりとした印象に変わります。
理想の30平米ライフを実現するためには、最後のステップである物件選びと内見が非常に重要です。間取り図だけでは分からないポイントを自分の目で確かめ、後悔のない選択をしましょう。
同じ30平米でも、天井の高さや窓の大きさによって開放感は全く異なります。天井が高い物件や、日差しがたっぷり入る大きな窓がある物件は、帖数以上に広く感じられます。内見時には、メジャーを持参して天井高を測ってみるのも良いでしょう。
クローゼットや押し入れは、扉を開けて奥行きや高さを必ず確認してください。ハンガーパイプの位置や棚の有無など、自分の持っている荷物が本当に収まるか、使いやすい構造になっているかを具体的にイメージすることが大切です。
ベッドやソファなどの大きな家具をどこに置くか、そして、そこからキッチンやバスルームへの移動がスムーズに行えるか、実際の生活をシミュレーションしながら室内を歩いてみましょう。同時に、テレビやPC、スマートフォンの充電場所など、必要な場所にコンセントが十分な数あるかも忘れずにチェックしてください。
部屋の中だけでなく、窓からの眺めや日当たり、周辺の騒音なども快適な生活を送る上で欠かせない要素です。平日と休日、昼と夜で環境が変わることもあるため、可能であれば時間帯を変えて何度か訪れてみることをお勧めします。
このチェックリストを活用し、一つひとつ確認することで、契約後の「こんなはずじゃなかった」という失敗を防ぐことができます。
この記事では、「30平米はどのくらい?」という疑問に答えるため、広さの具体的なイメージから、一人暮らし・二人暮らしでの生活感、物件選びのポイントまでを網羅的に解説してきました。
30平米という広さは、「一人暮らしにはゆとりがあり、理想的な暮らしを実現できる広さ」であり、「二人暮らしには工夫次第で快適に暮らせる、現実的な選択肢となる広さ」と言えます。
重要なのは、数字のイメージだけで判断するのではなく、自分のライフスタイルや価値観と照らし合わせ、どのような暮らしを送りたいかを具体的に描くことです。この記事で紹介したポイントを参考に、ぜひあなたにとって最高の住まいを見つけてください。
最後に、30平米の広さに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
家賃相場は、立地(都市部か郊外か、駅からの距離など)、築年数、設備などによって大きく変動します。一概には言えませんが、あくまで目安として、都内の人気エリア(渋谷区、新宿区など)であれば12万円〜16万円程度、23区の郊外や地方都市であれば7万円〜10万円程度が相場となることが多いです。
5平米の違いは、畳数に換算すると約3畳分に相当します。この3畳というスペースは、シングルベッドを一つ置いてもまだ余裕がある広さです。
そのため、35平米になると、大きめのウォークインクローゼットが設置されていたり、書斎スペースを無理なく確保できたりと、生活のゆとりが格段にアップします。特に二人暮らしを検討している場合、この5平米の差は非常に大きく感じられるでしょう。
スペースを有効活用できる、多機能な家具がおすすめです。
例えば、下に収納スペースがある「収納付きベッド」、高さを変えたり天板を広げたりできる「昇降式・伸縮式のテーブル」、ソファとしてもベッドとしても使える「ソファベッド」などが挙げられます。また、圧迫感を軽減するために、脚付きの家具や背の低いロータイプの家具を選ぶと、部屋を広く見せることができます。