-
所有権移転登記費用の内訳と目安を解説|節約する方法やよくある...
不動産の売却査定や相続手続きを進めるなかで「登記簿謄本ってどう取るの?」と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。登記簿謄本の取得方法は「法務局窓口」「郵送」「オンライン」の3通りあり、それぞれ利用時間や手数料が異なります。また登記簿謄本は、不動産や法人の権利関係を公的に証明する目的も兼ねているため、本人以外でも誰でも取得可能です。
本記事では、3つの取得方法の手順や必要書類を解説します。また内容確認のみが目的の方へ「登記情報提供サービス」の利用法も紹介します。最適な取得方法を選択するために、ぜひ最後までお読みください。

登記簿謄本(登記事項証明書)を取得する方法は、法務局窓口・オンライン・郵送の3つがあります。それぞれ手数料や所要時間が異なるため、目的や状況に応じて最適な方法を選びましょう。以下の表は、取得費用や受け取るまでの所要時間、各方法の特徴を比較したものです。
| 請求方法 | 法務局窓口 | オンライン | 郵送請求 |
|---|---|---|---|
| 手数料 | 600円 | 窓口受取490円 郵送受取520円 |
600円分の収入印紙+返信用封筒・往復の切手代 |
| 受取方法 | その場で受取 | 法務局窓口、または郵送で受取 | 郵送受取 |
| 所要時間目安 | 15〜30分 | ・窓口:申請時間により即日または翌営業日 ・郵送:1週間程度 |
1週間程度 |
| 備考 | 窓口対応時間は平日の午前9時から午後5時まで | 「登記・供託オンライン申請システム」を利用。 手数料は電子納付のみ。 |
請求したい不動産の管轄法務局宛に申請書を送る |
なお、登記簿謄本の原本が不要で情報の確認だけが目的であれば、一般財団法人民事法務協会が運営する「登記情報提供サービス」で閲覧することも可能です。ただし、このサービスで取得した情報には、証明書としての効力がありません。
法務局窓口での請求は即日発行が可能なため、急いで原本が必要なときに便利です。また、窓口では職員に質問しながら手続きを進められるため、初めての方でも安心して申請できます。手数料は1通につき600円で、備え付けの請求書に収入印紙を貼り付けて支払います。収入印紙は法務局内で購入可能です。
取得にあたって、まず登記事項証明書の種類を理解しておきましょう。主な証明書の違いと用途は、以下のとおりです。
| 書類名 | 記載内容・特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 登記事項証明書・謄本(全部事項証明書) | 登記記録(表題部、権利部)のすべての権利変動の履歴を記載 | 不動産取引、融資審査、権利関係の全面確認 |
| 現在事項証明書 | 現在有効な登記事項のみを記載(過去の抹消事項を除く) | 現在の権利関係の簡易確認、取引時の現況把握 |
| 一部事項証明書・抄本 | 特定の登記事項のみを記載(例: 所有権や抵当権部分) | 必要な権利情報のみの確認 |
| 専有部分の登記事項証明書・抄本 | 区分所有建物の専有部分(個別住戸)の登記事項に限定 | マンション等区分所有物件の個別権利確認 |
| 所有者事項証明書 | 所有者の氏名・住所などの所有権情報のみを記載 | 所有者確認、簡易な名義把握 |
| 閉鎖登記簿(閉鎖事項証明書) | 登記簿閉鎖時の最終登記事項を証明(新登記簿に移行後) | 旧登記簿の履歴確認、相続や歴史的調査 |
【必要なもの】
| 必要なもの | 内容 |
|---|---|
| 請求書 | 受付にある請求書に必要事項を記入 |
| 手数料 | 1通につき600円分の収入印紙を購入し、請求書に貼付 |
| 本人確認書類(法務局による) | 運転免許証、マイナンバーカードなど ※原則不要(法務局の判断で求められる場合あり) |
【業務時間】
| 窓口対応時間 | 平日午前9時00分〜午後5時00分 |
|---|---|
| 休業日 | 土日祝日、年末年始(12月29日〜1月3日) |
申請でつまずきやすいのが「地番」と「家屋番号」の記入です。これらは郵便物などに使用する住所(住居表示)とは異なることが多く、地番を正確に入力できずに「該当なし」となるケースが多いです。地番の調べ方には、以下の3つの方法があります。
なお共同担保目録とは、一つの抵当権に対して複数の不動産が担保に入っている場合に、その不動産を一覧にした登記簿上の記録です。

オンライン申請は、法務局が運営する「登記・供託オンライン申請システム」(登記ネット)を利用する方法です。窓口の時間外でも手続きが可能で、手数料も窓口申請や郵送請求より安価に設定されています。オンライン申請の手数料と受付時間は、以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手数料(法務局窓口で受取) | 1通490円(電子納付のみ) |
| 手数料(郵送で受取) | 1通520円(電子納付のみ) |
| 受付時間 | 平日午前8時30分〜午後9時00分 午後5時15分以降は翌業務日受付となる |
| 休業日 | 土日祝日、年末年始(12月29日〜1月3日) |
オンライン申請に必要なものは、以下のとおりです。
| 必要なもの | 内容 |
|---|---|
| インターネット環境 | インターネットに接続されたパソコンまたはスマートフォンが必要 |
| ユーザー登録 | 任意のID、パスワード、氏名、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレスなどの情報入力が必要 |
| 電子納付の手段 | インターネットバンキングまたはPay-easy対応のATM |
| 窓口受取の場合 | 法務局側で電子納付が確認できれば、即日受取も可能 |
|---|---|
| 郵送受取の場合 | 請求後、1週間程度で届く |
郵送による請求は、法務局に直接出向く必要がなく、インターネットの利用も必須ではありません。平日に時間が取れない方や、インターネット操作が苦手な方に適した方法といえます。ただし、取得までに1週間程度かかります。郵送で請求する際に必要なものは、以下のとおりです。
| 必要なもの | 内容 |
|---|---|
| 請求書 | 法務局のサイトからダウンロード、または法務局窓口で入手 |
| 手数料 | 請求書に1通につき600円分の収入印紙を貼付 |
| 返信用封筒 | 返送先を記入し切手を貼る |
登記簿謄本の原本が不要で、情報の確認だけが目的であれば「登記情報提供サービス」の利用が便利です。このサービスは一般財団法人民事法務協会が運営しており、インターネットを通じて不動産や法人に関する登記データ、地図、図面などを閲覧できます。
利用料金は、不動産登記情報・商業登記情報・法人登記情報ともに1件331円と、法務局で証明書を取得するよりも安価に設定されています。ただし、あくまで情報確認のためのサービスであり、取得したデータには証明書としての効力がない点に注意が必要です。
主な用途としては、社内の事前調査、物件や取引相手先の一次チェック、地番・家屋番号の確認などが挙げられます。
【利用可能時間】
| 利用可能時間:平日 | 午前8時30分から午後11時まで |
|---|---|
| 利用可能時間:土日祝日 | 午前8時30分から午後6時まで |
| 休業 | 12月29日から1月3日までは使用不可 |
登記簿謄本の取得方法について、多くの方が疑問に感じるポイントをQ&A形式でまとめました。
現在のところ、登記簿謄本(登記事項証明書)はコンビニエンスストアでは取得できません。取得するには、法務局の窓口、郵送、またはオンライン(登記・供託オンライン申請システム)のいずれかの方法になります。
登記簿謄本(登記事項証明書)は「登記・供託オンライン申請システム」(登記ネット)を経由して、スマートフォンからでも申請可能です。このシステムは、平日の午前8時30分から午後9時まで利用可能で、手数料はインターネットバンキングや(Pay-easy対応の)ATMなど、電子納付のみに対応しています。受取方法は、郵送または法務局窓口です。
登記事項証明書には複数の種類があり、それぞれ記載される情報の範囲が異なります。目的に応じて適切な証明書を選びましょう。
| 証明書の種類 | 内容 |
|---|---|
| 全部事項証明書 | 登記記録の過去から現在までのすべての権利変動の履歴 |
| 現在事項証明書 | 請求日時点で有効な権利関係のみを証明する書類で、過去の抹消された記録は省略 |
| 閉鎖事項証明書 | すでに閉鎖された登記記録の内容を証明する書類です。 |
不動産取引や融資審査では、過去の権利変動も確認できる「全部事項証明書」を求められるケースが一般的です。一方、確認したいのが「現在の権利関係だけ」であれば「現在事項証明書」で足りるでしょう。
登記簿謄本(登記事項証明書)は、所有者や関係者でなくても誰でも請求・取得できます。これは、登記制度が「公示の原則」に基づいており、不動産や法人の権利関係を広く一般に公開することを目的としているためです。例えば、以下のような方でも取得可能です。
取得の際に理由を聞かれることもなく、請求書に必要事項(地番や家屋番号、会社の商号など)を記入するだけで取得できます。
遠方の登記簿謄本(登記事項証明書)も、取得できます。オンライン・郵送・窓口(最寄りの法務局)のいずれの方法でも、不動産の所在地に関わらず全国どこの物件でも請求可能です。以前は管轄の法務局でしか取得できませんでしたが、現在は登記情報がデータ化されているため、最寄りの法務局窓口でも他県の不動産の証明書を受け取れます。
登記簿謄本(登記事項証明書)の取得方法は、法務局窓口・オンライン・郵送の3通りです。急ぎで原本が必要な場合は法務局窓口、手数料を抑えたい場合はオンライン申請、インターネット操作が苦手な場合は郵送と、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。
また、原本が不要で情報確認だけが目的であれば「登記情報提供サービス」の利用がおすすめです。登記簿謄本は誰でも取得できるため、不動産の売却を検討している方は、登記簿謄本で所有権や抵当権の状況を確認しておくと良いでしょう。