登記簿謄本(登記事項証明書)をオンラインで取得する手順7ステップ!閲覧のみ行う方法も解説

登記簿謄本(登記事項証明書)をオンラインで取得する手順7ステップ!閲覧のみ行う方法も解説

相続や不動産取引で登記簿が必要になったものの、平日に法務局へ行く時間が取れず困っている方は多いのではないでしょうか。そんな方におすすめなのが、法務省の「登記・供託オンライン申請システム」です。このシステムを利用すれば、平日は夜21時まで自宅から登記簿謄本を請求でき、手数料も窓口より安く設定されています。

「登記簿謄本」は、不動産や会社の持ち主や権利関係を証明する書類です。昔は紙の登記簿を写し取っていましたが、今は情報が電子化されたため、正式には「登記事項証明書」と言います。この二つは出力方法が違うだけで、証明する内容や公的な効力に違いはありません。本記事では、オンラインでの取得方法から手数料、申請手順までスムーズに登記簿謄本を入手する方法を解説します。

(参照元:法務省「登記・供託オンライン申請システム」)

登記簿の閲覧サービスとオンライン請求はどっちを使うべき?

証明書の入手が目的の場合と内容確認が目的の場合で、利用すべき登記関連サービスと費用の違いを比較して示した図

オンラインで登記簿を取得する際、多くの人が「閲覧(画面でPDFを見る)」と「証明書のオンライン請求」どちらを使えばよいのか迷うのではないでしょうか。目的別におすすめの取得方法は、以下のとおりです。

目的 おすすめサービス 費用
・銀行・役所への提出、相続手続き
・不動産売買契約など
登記・供託オンライン申請システム(証明書取得) 490~600円
・契約前の事前確認
・物件の権利関係チェックなど
登記情報提供サービス(閲覧のみ) 331円/件

銀行・役所・裁判所などに提出する必要がある場合は、登記・供託オンライン申請システムを活用し、窓口か郵送で証明書を受け取りましょう。公的機関への提出には、法務局の認証印が押された「登記事項証明書」が求められるためです。

一方、不動産の購入検討や権利関係の事前調査など、内容の確認が目的であれば、登記情報提供サービスでのPDF閲覧がおすすめです。証明書より1件あたり約160〜270円安く、請求後すぐに画面で確認できます。

登記簿(登記事項証明書)をオンラインで取得する手順7ステップ

証明書請求の一連の流れを示した図で、事前準備からログイン、証明書選択、物件情報入力、電子納付、証明書の受取までの7つの手順を段階的に表している図

オンラインでの登記簿取得は、登記・供託オンライン申請システムに登録後、必要な情報を入力し、手数料の納付、証明書の受取という流れで進みます。ここでは、初めての方でも迷わず進めるために、オンラインで登記簿を取得する手順を7つのステップに分けて解説します。

1. 申請開始前の必須準備事項

オンライン申請を始める前に、まず利用可能な時間帯を確認しておきましょう。「登記・供託オンライン申請システム」は平日のみ利用可能で、土日祝日は対応していません。

平日 午前8時30分~午後9時まで申請可能
土日・祝日 受付停止

法務局の窓口対応時間が通常平日17時15分までであるのに対し、オンラインは21時まで申請可能なため、柔軟な申請時間がメリットです。ただし、平日17時15分以降に送信された請求情報は、当日には処理されません。翌業務日の8時30分から、順次納付情報がシステムに掲載される仕組みになっています。また、オンラインで請求を始める前に、以下の3つを準備しておくとスムーズです。

準備するもの 確認方法
物件情報の確認方法 地番や家屋番号が書かれた権利書や固定資産税の納税通知書など
申請者情報の初回登録 システムの「申請者情報登録」画面で氏名やメールアドレスなどを入力
電子納付手段の準備 インターネットバンキングかPay-easy(ペイジー)に対応したATMを確認しておく

物件情報は、権利書(登記済権利証)や固定資産税の納税通知書に記載されている「地番」や「家屋番号」です。

2. ログインと請求する証明書の種別選択

申請者情報の登録が完了したら、システムにログインします。ログイン画面で申請者IDとパスワードを入力し、トップ画面へ進んでください。トップ画面には「かんたん証明書請求」というメニューがあり、クリックすると証明書の種類を選ぶ画面が表示されます。選択できる大分類は、以下の4つです。

分類 請求する証明書
不動産 登記事項証明書(土地・建物)/地図・図面証明書
商業・法人 登記事項証明書(商業・法人)
印鑑証明書/登記事項証明書(商業・法人)
動産譲渡 登記事項概要証明書
債権譲渡 登記事項概要証明書

相続や不動産取引で登記簿謄本が必要な場合は「不動産」の登記事項証明書を選択してください。

3. 請求書の作成開始

登記事項/地図・図面証明書交付請求書を選択すると、「不動産指定方法の選択」画面が表示されます。ここでは、不動産指定方法の選択を行います。

オンライン物件検索を行う システム上で所在地を入力して物件を検索し、表示された候補から選択する方法。地番・家屋番号が不明な場合でも、住所情報から該当物件を探せる。
物件情報を直接入力する 地番・家屋番号などの物件情報を自分で入力する方法。登記事項証明書や権利証など、正確な情報が手元にある場合に使う。

「オンライン物件検索を使う」をクリックして物件を検索した場合は、取得した情報を請求書へ取り込めます。不動産の指定方法を選ぶと、「請求情報の入力」画面に進みます。

4. 物件情報の特定と入力

「請求情報の入力」画面では、以下の内容を指定します。

  • 不動産の種別(土地または建物)
  • 物件情報(所在、地番/家屋番号)
  • 管轄登記所(登記所コード、登記所名)

管轄登記所は、物件を特定し「登記所読込」をクリックすると自動で反映されます。ここで注意したいのが「地番」や「家屋番号」は、普段使っている住所とは異なるという点です。住所をそのまま入力して、エラーが表示されるケースは多いです。正確な地番や家屋番号は、以下の方法で確認できます。

確認方法 内容・ポイント
権利書(登記済権利証・登記識別情報通知) 登記上の正式な地番・家屋番号が記載されている
売買契約書 物件の地番・家屋番号が記載されている
固定資産税の納税通知書 課税対象の地番・家屋番号を確認できる
法務局の地番検索サービス 一部地域では、住所から地番を無料で検索できる
法務局への照会 窓口や電話で地番を教えてもらえる
ブルーマップ 図書館や法務局で地番付き住宅地図を閲覧できる

物件情報を正しく入力したら「確定」ボタンで証明書の選択へ進みましょう。

5. 証明書の種類・通数・交付方法の指定

証明書の種類と選び方は、以下のとおりです。

証明書の種類 記載内容 選ぶ場面
全部事項証明書 過去から現在まで全ての登記事項 銀行・役所へ提出する時など。全て記載されているため、迷ったらこれを選ぶと良いでしょう。
現在事項証明書 現在有効な登記事項のみ 現在の所有者を確認したい時
一部事項証明書 指定した特定部分のみ 大規模マンションなどで自身の住戸だけ必要な時
閉鎖事項証明書 閉鎖された登記簿の情報 取り壊した建物の過去の記録が必要な時

一般的な相続手続きや不動産取引では「全部事項証明書」を選べば間違いありません。証明書の種類を選んだら、必要な枚数や交付方法を入力します。郵送は自宅に届くため便利ですが、到着まで1週間程度かかります。急ぐ場合は、窓口受取を選びましょう。オンライン申請は以下のように、窓口で請求するより手数料が安く設定されています。

申請方法 受取方法 手数料 受取までの目安
窓口 窓口 600円 その場で受取
オンライン 郵送 520円 1週間程度で到着
オンライン 窓口 490円 最短当日受取

すぐに取得したい場合は「オンライン申請+窓口受取」を選ぶと、手数料490円で即日受け取りが可能です。なお、受け取りは法務局窓口の対応時間である17時までです。一方で、時間に余裕がある場合は「オンライン申請+郵送受取」がおすすめです。返信用の封筒や切手の準備は不要で、手数料は520円です。

最後に請求先の法務局を指定します。対象不動産を管轄する法務局のほか、最寄りの登記所も選択できます。全ての指定が終わったら、請求データを送信しましょう。

6. 手数料の電子納付

次は手数料の電子納付を行います。オンライン請求では、郵送・窓口のどちらを選択した場合でも、支払い方法は電子納付のみです。処理状況照会画面から、以下の手順で納付を進めてください。

  1. メニューから「処理状況照会」を開く
  2. 申請一覧の中から該当請求の「納付」ボタンをクリック
  3. 収納機関番号・納付番号・確認番号が表示される
  4. ATMまたはネットバンキング(Pay-easy対応)で納付

納付期限は「納付情報が到達した日の翌日から起算して1日(休日除く)」と短いため、注意しましょう。

7. 証明書の受取

電子納付が完了し、法務局での処理が終わると証明書が交付されます。

受取方法 到着までの目安 特徴
郵送 1週間程度で到着 自宅で受取可能
到着まで日数が必要
窓口 最短当日受取 急ぎの受取に最適
最寄り法務局で受取可能

処理状況は「処理状況照会」画面から確認できます。

登記簿をオンラインで閲覧する手順3ステップ

「登記情報提供サービス」は、一般財団法人民事法務協会が運営する有料の閲覧サービスで、取得したPDFファイルは証明書としては使えません。そのため、公的な証明書(登記事項証明書)が不要で、土地や会社の情報だけを確認したい場合に便利なサービスです。ただし、近年ではネット銀行の審査や一部の行政手続きにおいて、PDFでも「照会番号」が記載されていれば有効なケースもあります。ここでは、閲覧までの手順を見ていきましょう。

1. 事前登録(一時利用)

登記情報提供サービスを利用するには、まず利用者登録が必要です。氏名・メールアドレスなどの基本情報を入力して登録すると、確認メールが送られてきます。送られてきたメールに記載されたURLから初回ログインを行うと、当日中のみ登記情報を請求できる「一時利用」が可能になります。

項目 一時利用 個人 法人
登録費用 無料(1日限定) 300円 740円
支払い方法 クレジットカード 口座引き落とし

サービス利用時間は、以下のとおりです。

  • 平日:8時30分~23時00分
  • 土日祝日:8時30分~18時00分
  • 地図・図面情報:平日 8時30分~21時00分

年末年始(12月29日〜1月3日まで)と、システムメンテナンス等で利用できない時間帯があります。

2. 情報の検索と料金の支払い

登録が完了したら、登記情報提供サービスのサイトにアクセスします。登記情報は「不動産請求」から「請求事項入力」画面へ進みます。以下の3つの中から、請求方法を選択してください。

所在指定 所在や地番・家屋番号を指定して請求
不動産番号指定 不動産番号と管轄登記所を指定して請求
土地からの建物検索指定 土地上の建物を検索し、一覧から対象建物を選択して請求

請求事項を選び「確定」ボタンをクリックすると「不動産一覧」画面が表示されます。請求する情報を選ぶと画面は自動的に「マイページ」に移動し、登記情報を取得します。登記簿謄本の情報(全部事項)を閲覧するための料金は、1件あたり331円です(2025年12月時点)。検索結果を確認し、必要な情報の料金をクレジットカードで支払います。

3. 登記情報の閲覧

料金の支払い後、以下の登記情報をPDFファイルなどで確認できます。

閲覧できる情報の種類 内容の例
不動産登記情報 土地・建物に関する情報、コンピューター化された全部事項や閉鎖登記簿も閲覧可能
所有者情報 氏名、住所、持分など
地図・図面情報 地図や建物平面図など
商業・法人登記情報 現存会社は履歴事項の全部、閉鎖会社は閉鎖事項の全部

登記情報をパソコン上に表示したり、PDFファイルとして保存したりできる期間は、登記情報を取得した日とその翌通常業務日(土日祝日等を除く平日)から3通常業務日の期間限定です。また、あくまで閲覧専用であり、法的効力を持つ「登記事項証明書」(謄本)とは異なります。正式な証明書が必要な場合は「登記・供託オンライン申請システム」を利用してください。

登記簿をオンラインで取得する3つのメリット

登記・供託オンライン申請システムを利用すると、窓口申請と比較して時間・費用・効率の面で利点があります。

1. 時間:法務局への訪問不要、平日21時まで申請可能

オンライン申請なら、平日8時30分~21時まで自宅やオフィスから手続きが完了します。法務局の窓口は通常17時15分までですが、オンラインなら仕事終わりでも申請できるため、多忙な方に便利です。移動時間や待ち時間が不要で、業務時間外でも手続きを進められます。

2. 費用:窓口申請(600円)より最大110円安い

オンライン申請は、窓口申請より手数料が安いです。

取得方法 交付方法 手数料 窓口申請との差額
窓口申請 窓口受取 600円
オンライン申請 窓口受取 490円 110円安い
オンライン申請 郵送受取 520円 80円安い

複数の証明書を取得する場合、コスト削減効果がさらに大きくなります。

3. 効率:最寄りの法務局で受取可能

受取方法は郵送または法務局窓口から選択できます。窓口受取を選んだ場合、請求先の登記所は対象不動産の管轄法務局だけでなく、最寄りの登記所の選択も可能です。急ぎの場合は窓口受取(490円)を選ぶと、窓口対応時間内であれば最寄りの法務局で当日受取ができます。

オンライン申請でよくあるトラブルと解決策

オンライン申請は便利な一方で、システムの操作や設定に不慣れな場合、エラーが発生することがあります。ここでは、オンライン申請でよくあるトラブルを解説します。

1. 申請が「中止/却下」になった

申請が「中止/却下」になる最も多い原因は、手数料の支払い期限切れです。納付期限は、請求情報がシステムに載った日の翌日から数えて1日間(土日祝日除く)と非常に短く設定されています。期限を過ぎると、請求は自動的に「中止/却下」となり、最初から再度請求手続きを行う必要があります。

特に、平日17時15分以降に申請した場合には注意が必要です。この時間帯に申請すると、納付情報がシステムに掲載されるのは翌業務日の8時30分以降となるため、納付可能な時間が実質的に短くなります。申請後は処理状況照会画面をこまめに確認し、納付情報が表示されたら早めに手続きを済ませることをおすすめします。

2. 「電子納付」ボタンを押しても進まない

電子納付のボタンをクリックしても画面が進まない場合、パソコンのセキュリティ設定が原因で起こることが多いです。確認・対処すべき点は以下のとおりです。

ポップアップブロック機能 システムが新しい画面の表示を制限していないか確認し、解除する
信頼済みサイトへの登録 納付サイト「https://shinsei.e-gov.go.jp」を安全なサイトとして登録する

なお、納付処理を中断した場合でも、収納機関番号を使って銀行のサイトやATMから直接納付できます。

3. 「処理状況照会」画面で確認できない

「処理状況照会」画面に請求内容が表示されない場合、送信時間帯や入力内容が原因として考えられます。

送信時間帯 平日17時15分以降に送信された請求は、当日中に処理されません。翌業務日の8時30分以降に処理されます。
画面更新 最新の処理状況が反映されていない場合があるため、画面の更新が必要です。「処理状況照会」ボタンをクリックし、再読み込みを行ってください。
入力内容確認 申請番号および処理状況確認番号が正しく入力されているか確認してください。物件情報(地番・家屋番号)が登記情報と一致していない場合、エラーが発生することがあります。

上記を確認しても表示されない場合は、時間をおいて再度確認するか、管轄の法務局へ問い合わせましょう。

4. PDFをダウンロードできない

登記情報提供サービス(閲覧)において、マイページの請求履歴から「表示・保存」ボタンをクリックしてもPDFがダウンロードできない場合、PDF取得期限切れが考えられます。取得期限は、取得した日および取得した日の翌日以降に到来する平日の3日が経過するまでです。期限を過ぎると「期間超過のPDFがチェックされています」というエラーが表示されます。

5. パソコンに保存したPDFが開けない

登記情報のPDFファイルを表示・保存するには、Adobe Readerのインストールが必要です。Adobe Readerは、アドビシステムズ社の公式サイトから無料でダウンロード・インストールできます。

6. 「登記事件の処理中」というエラーになる

不動産の登記情報を請求した際に「登記事件の処理中」というエラーが表示される場合があります。これは、請求した物件または共同担保目録が現在登記所で登記手続きの最中であるため、登記情報を提供できない状態です。登記手続きの完了時期は案件によって異なるため、具体的な完了予定日を知りたい場合は、対象不動産を管轄する法務局の登記申請処理担当窓口へ問い合わせてください。

まとめ

登記簿謄本(登記事項証明書)は、窓口・郵送・オンラインの3つの方法で取得できますが、オンライン申請は時間・費用・効率の面で最も優れた方法です。平日は21時まで申請可能で、手数料も窓口申請より最大110円安く、最寄りの法務局で受け取れるため多忙な方に適しています。一方で、納付期限が短く設定されているため、納付期限切れには十分注意しましょう。

2026年4月1日からは住所・氏名変更登記の義務化が施行されます。登記上の住所や氏名に変更があった場合、2年以内に変更登記を行わないと5万円以下の過料が科される可能性があるため、今後は登記情報が正しく更新されているか確認する機会が増えるでしょう。

岩田道代
岩田道代

肩書:不動産ライター

保有資格:宅地建物取引士

プロフィール:
都内の不動産会社に勤務し、売買・賃貸・管理の現場で得た知見を記事に還元。相続、不動産投資、ローン・金融など、専門知識が求められるテーマを中心に、これまで100本以上の不動産・金融系記事を執筆。具体的な数字を使った事例や、関連する法令・制度など、わかりやすく解説するのが得意。読者の「次の一歩」が決まるコンテンツづくりが信条。

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