不動産売却・査定

不動産売却の注意点10選!物件別、状況別でもポイントを徹底解説

【不動産売却の注意点10選】物件の種類別・状況別の気を付けることも徹底解説

不動産売却時の注意点10選

不動産売却時の注意点10選

はじめに、すべての不動産に関する売却時の注意点を解説していきます。不動産売却の際には下記の注意点に気をつけてください。

  1. 状況に合わせて売却方法を選ぶ
  2. 不動産売却の流れと期間を把握して、余裕を持ったスケジュールを組む
  3. 不動産の売却には費用がかかることを知っておく
  4. 近隣の物件相場を調べて売却価格を決める
  5. 査定を1社だけにお願いしない
  6. 査定額だけで仲介会社を選ばない
  7. 専任媒介契約を簡単に締結しない
  8. 不動産会社による囲い込みには要注意
  9. 不動産売買契約書の確認をしっかりおこなう
  10. 不動産売却した翌年に確定申告をする

後悔することのないよう、1つ1つしっかりと確認していきましょう。

不動産売却の流れと期間を把握して、余裕を持ったスケジュールを立てる

不動産売却の流れと期間を把握して、余裕を持ったスケジュールを立てるとは、需要の高い時期に市場に売り出せるよう逆算して売却活動に取り掛かることです。その理由は、不動産の需要は1年中安定しているわけではないからです。

転職や異動、進学などの新生活が始まる4月に向けて不動産需要が高まります。そのため、不動産売却をスムーズに進めたい場合には、新生活に向けて不動産需要が高くなる1~3月に不動産売却を進めることが重要です。

需要に合わせるだけでなく、自身の希望売却時期に合わせて、逆算して売却することも大切です。進学などに合わせて3月までに売却を完了したいなら前年の9月、物件の条件に自信がない場合は前年の3月までに売却の準備を始めましょう。

土地や戸建て等の物件はマンションと比較して買い手が見つかりにくいので、早めに動くことが大切です。状況によっては隣地との境界を確定するための測量や、大規模な修繕が必要となるケースもあり、希望通りのスケジュールで不動産を売却できない可能性があるので注意してください。

状況に合わせて売却方法を選ぶ

状況に合わせて売却方法を選ぶとは、いくつかある不動産の売却方法の中から目的に合った売却方法を選ぶことです。その理由は、選んだ売却方法によって売却結果が変化するからです。

下記に代表的な売却方法とそれぞれのメリットをまとめたので、ぜひ参考にしてください。

売却方法 特徴 メリット 売却までの期間
仲介による売却 一般的な売却方法。買取による売却よりも高額で売りやすい。 売却価格が高い。 最短で売却までに6か月かかり、条件に応じてはそれ以上の期間売れ残る可能性がある。
買取による売却 仲介による売却の7割程度の金額で買取される。 短期間で売却できる。 最短1週間程度で売却できる。
買取保証付き売却 契約した期間内に売却できなかった場合、不動産会社が買取ってくれる。 確実に売却できる。 不動産会社と結んだ契約内容により、中期〜長期の間売却できない。
リースバック 不動産会社に物件を売却するが、その後も家賃を支払うことにより住み続けられる。 引っ越す必要がない。 最短1週間程度で売却できる。
任意売却 住宅ローンの返済ができなくなった場合の売却方法。債権者の合意を得られればすぐに売却できる。 売却で得た費用を住宅ローンの残債と相殺できる可能性がある。 最短1週間程度で売却できる。

上記の表からもわかるように、不動産の売却方法によって価格も期間も大きく異なります。違いを理解しないまま不動産売却を進めると、売却に時間がかかった、売却価格が安くなったというように希望通りの結果にならない可能性があるので注意が必要です。

このため、特別な事情で売却する場合には「できるだけ最短で売却したい」「期限はないから、できる限り高額で売却したい」等の旨を不動産会社に伝えておきましょう。

不動産の売却には費用がかかることを知っておく

不動産の売却には費用がかかることを知っておくとは、不動産売却にどのような費用がいくらかかるのか知っておくことです。その理由は、費用を把握して売却代金の一部を手元に残しておかないと、費用を支払えなくなるからです。

下記に不動産売却時に発生する代表的な費用をまとめたので、ぜひ参考にしてください。

費用の目安 概要
仲介手数料 (売却額×3%)+6万円+消費税 仲介を依頼した不動産会社に支払う報酬
印紙税 売却価格に応じて200円~60万円と変化 売買契約書に貼付して納める税金
抵当権抹消費用 5,000円~2万円程度 抵当権抹消にかかる費用+司法書士報酬
譲渡所得税 39.63%または20.315% 売却益にかかる税金

仲介手数料は、仲介を依頼した不動産会社に支払う報酬で、上記はあくまでも宅地建物取引業法に定められている上限です。

印紙税は、売買契約を交わす際に作成する売買契約書に貼付して納める税金で、売却代金により税額は変化します。

抵当権抹消登記は、1つの不動産につき1,000円で、土地と建物で2,000円が基本です。しかし、登記手続きを司法書士に依頼する際は、2,000円に司法書士報酬が上乗せされます。

譲渡所得税は、売却益に対してかかる税金で、不動産の所有期間が5年以下の場合は39.63%、5年超の場合は20.315%の税金がかかります。他の費用とは異なり、売却した年の翌年の2月16日~3月15日の確定申告後に納めることになるため、特に資金不足が原因で納められないことがないように注意しましょう。

近隣の物件相場を調べて売却価格を決める

近隣の物件相場を調べて売却価格を決めるとは、不動産を売り出す際の価格を決めるにあたって、近隣の物件相場を参考にすることです。その理由は、近隣の物件相場を調べずに売り出す際の価格を決めた場合、相場とのズレが原因で物件が売れ残る可能性があるからです。

売却する不動産の売れ残りを阻止するためにも、周辺の物件相場の下調べは欠かせません。物件の相場は不動産ポータルサイトでも確認できますが、その土地の相場を熟知した不動産会社に相談した方が正確な売却価格を導き出せます。

相場を熟知している不動産会社に相談すれば、売れ残りだけではなく安売りして後悔するリスクも減らせるでしょう。

査定を1社だけにお願いしない

査定を1社だけにお願いしないとは、査定を依頼する際に複数社に査定を依頼することです。その理由は、査定結果は査定を依頼する不動産会社によって異なるからです。

1社だけに査定を依頼し、その不動産会社の査定が近隣の物件相場からかけ離れていた場合には、売却結果に差が生じます。相場よりも高ければ売れ残る、相場よりも低ければ損をします。

複数社に査定を依頼した場合、自身の持つ不動産の価値を正確に理解できるため、成約する可能性が高まるほか、売却によって損をするリスクが低くなるのです。また、複数社に査定を依頼することで、不動産会社ごとの対応やスキルの有無も比較検討できます。昨今では、不動産の査定を一括で依頼できるサイトもあるので、ぜひ活用してください。

査定額だけで仲介会社を選ばない

査定額だけで仲介会社を選ばないとは、査定結果の高さだけで不動産会社を選択しないということです。その理由は、高い査定を提示した不動産会社が最適な不動産会社とは限らないためです。

査定額の高さのみで不動産会社を決定することはおすすめしません。なぜなら、契約をするために虚偽の高額な査定額を提示する不動産会社もあるからです。そのような不動産会社に仲介を依頼した場合には、相場とのズレが原因で売れ残り、売却計画に支障が生じてしまいます。

もちろん、できるだけ高く売却することは重要ですが、不動産会社選びは下記のポイントを押さえておこないましょう。

  • 不動産会社の専門性と実績
  • 営業マンの実力と人間性

それぞれ詳しく解説していきます。

不動産会社の専門性と実績

不動産会社選びの1つ目の基準は、会社自体の専門性と実績です。不動産会社には、賃貸を得意としている会社や売買のみをおこなっている会社、物件管理に力を入れている会社等、さまざまなスタイルがあります。

そのため、「売却したい不動産から近い会社だから」「査定額が一番高かったから」などの理由で不動産会社を決めず、実績の高さに注目して売買に特化した会社を選ぶようにしてください。不動産会社が得意としている事業は会社のウェブサイトで確認できます。

営業担当者の実力と人間性

営業担当者の人間性や実力も大切です。不動産会社に売却を依頼する際、必ずといって良いほど営業担当がつきます。

不動産売却は営業担当者の良し悪しで決まると言っても過言ではないので、必ず担当者の実力や人間性を見るようにしてください。希望や条件にしっかりと耳を傾け、初心者に対してわかりやすい根拠のある提案をおこなう営業担当者は信頼できます。

一方で、親身に話を聞かない営業担当者や、そもそも誰が担当の営業担当者かわからない不動産会社は信頼できないと言えるでしょう。

専任媒介契約を簡単に締結しない

専任媒介契約を簡単に締結しないとは、3つある媒介契約で、媒介契約の内容をよく理解しないまま専任媒介契約を締結しないということです。その理由は、選択した契約内容が合っているとは限らないためです。

違いを分かっていないまま不動産会社の言いなりで契約を交わすと、売却結果に差が生じて損をするリスクがあります。

不動産会社との媒介契約には以下の3つがあります。

媒介契約の種類 複数の不動産会社との契約 自分で探した買主との契約 契約期間 業務状況の報告
一般媒介契約 できる できる 自由に決められる 任意
専任媒介契約 できない できる 3か月以内 2週間に1回
専属専任媒介契約 できない できない 3か月以内 1週間に1回

一般媒介契約では、複数の不動産会社に売却の依頼ができ、さらに自分自身で買い手を見つける「自己発見取引」も可能です。

専任媒介契約では、1社の不動産会社にしか売却の依頼ができませんが、自己発見取引は可能です。また、一般媒介契約とは異なり2週間に1回の頻度で業務状況の報告をおこなってくれるので、より細やかな対応が受けられると言えるでしょう。

専属専任媒介契約は、1社の不動産会社にしか売却の依頼ができず、さらに自己発見取引もできない契約方法です。契約の自由度は減りますが、その分1週間に1回の頻度で業務状況を報告してくれるなど、不動産会社の丁寧さ・熱心さも変わります。

不動産会社は、基本的に自社にとってメリットの大きい専属専任媒介契約を勧めますが、鵜呑みにせず自身のニーズにあった契約方法を選択してください。

不動産会社による囲い込みには要注意

不動産会社による囲い込みには要注意とは、不動産会社が売却活動で囲い込みをおこなう可能性があるので注意が必要ということです。その理由は、囲い込みは依頼主の利益優先ではなく、不動産会社が自社の利益を優先するための手法で売主が損をする可能性があるからです。

不動産会社の囲い込みとは、売主から依頼された不動産を自社に訪れた顧客にしか紹介しないことを意味します。

なぜこのような囲い込みが行われるかというと、他社に不動産の情報を公開しないことで、自社で売主と買主の両方から仲介手数料を得られるメリットがあるからです。囲い込みは成約まで時間がかかる、売却価格が安くなる可能性が高く、基本的にはメリットがないので早急に対処しましょう。

適切な売却活動がおこなわれているかは、不動産会社から「登録証明書」を受け取ることによって確認できます。登録証明書があれば、不動産会社同士が物件情報を共有できる「レインズ」に登録したかどうか見抜けるでしょう。

不動産売買契約書の確認をしっかりおこなう

不動産売買契約書の確認をしっかりおこなうとは、契約書の記載事項をしっかり確認することです。その理由は、確認が不十分だった場合、不利な条件で契約を締結する恐れがあるからです。

不動産売却をおこなう場合、一般的には買主・売主・不動産会社の3者が集まって契約を取り交わします。契約書に買主と売主の双方が署名・捺印すれば契約締結となり、契約書に記載された内容で売買契約が成立します。

極端な話をすると、売主が圧倒的に不利な内容が記載されていても、一度締結してしまうと契約の変更はなかなかできません。契約内容の最終確認は自己責任なので、売買契約書の最終確認はしっかりとおこなうようにしてください。

不動産売却した翌年に確定申告をする

不動産売却した翌年に確定申告をするとは、不動産を売却した翌年の2月16日~3月15日の間に確定申告をおこなうことです。その理由は、確定申告をおこなわなかったことでペナルティを科される可能性があるほか、控除や特例を利用できない可能性があるからです。

確定申告とは、1年間に得た所得を管轄の税務署に申告し、所得に応じた税金を支払う、還付を受ける制度ですが、不動産売却では必ず確定申告が必要というわけではありません。

しかし、不動産売却で譲渡所得が発生した際や控除・特例などを利用して税負担を軽減したい場合、確定申告が必須です。確定申告が必要なケースでおこなわなかった場合、正しく納税しなかったことで税金が上乗せされ、税金の負担を軽減できない可能性があります。トラブルを回避するためにも確定申告を忘れずにおこないましょう。

【物件の種類別】不動産売却時の注意点

【物件の種類別】不動産売却時の注意点

ここまでは、不動産売却全般に関する注意点を紹介していきました。しかし、不動産には一戸建て・マンション・土地があります。

この項では、物件の種類別に注意点を解説していきます。

【マンション】同じ物件内の売り出し状況を把握する

マンションを売却する場合、同じマンション内で競合している物件がないか把握しておく必要があります。同じマンション内で複数の物件が売り出されていると、比較検討の対象になりやすく、同等の売却条件である場合には高層階や角部屋に人気が集まりやすいです。

自身の売却条件が競合と比較して良い場合には、そのまま売却を継続しても良いですが、条件が悪い場合には売り出しのタイミングをずらすなどの工夫が必要です。

【一戸建て】基本的にはリフォームは必要ない

一戸建てを売却する場合、「できるだけ高額で売却したい」という気持ちからリフォームを検討する方が非常に多いです。もちろん、買主側から見ると古い物件よりはリフォームされて綺麗な方が心証は良いでしょう。

しかし、基本的にはリフォームをする必要はありません。なぜなら、大規模なリフォームをおこなったとしても、リフォーム費用分を回収できる価格で売却できるケースはごく稀だからです。

まずは何もせずに募集をかけて、どうしても買い手がつかないときにリフォームを検討すれば良いので、独断でリフォームをするのはやめましょう。

【土地】境界線を明確にしておく

土地を売却する際には、明確な査定額を算出するために境界線を確定しておく必要があります。境界線とは、その名の通り自分の土地と隣地との境界がわかる線のことです。

先祖から受け継いだ古い土地の場合には境界が明確でないケースも多いので、法務局で「確定測量図」を入手し、境界線を把握しておきましょう。

【状況別】不動産売却時の注意点

【状況別】不動産売却時の注意点

続いて、以下の4つの状況別に不動産売却時の注意点を確認していきます。

  • 相続した不動産を売却する場合
  • ローン残債がある不動産を売却する場合
  • 離婚を理由に不動産を売却する場合
  • 住み替えを理由に不動産を売却する場合

物件の種類だけではなく、売却時にはその物件の状態や条件によって注意点が異なります。いくつかのケースの注意点をまとめたので、ぜひ参考にしてください。

【相続した不動産を売却する場合】相続登記をおこなっておく

相続した不動産を売却する場合、まず相続登記が必要です。相続登記とは、相続によって所有者が変更した場合に必要な登記です。所有者変更を行わない状態では、相続した不動産の売却はできないので注意しましょう。

相続登記の主な流れは以下の通りです。

  1. 相続する不動産を確認する
  2. 遺言や遺産分割協議で不動産を相続する人を決める
  3. 相続登記に必要な書類を集める
  4. 管轄の法務局で手続きをおこなう

相続登記は、スムーズに手続きが進めば2か月程度で完了します。しかし、誰が相続するかで遺産分割が難航すると、時間がさらにかかってしまうので注意が必要です。スムーズに売却するためにも早めに手続きをおこないましょう。

【ローン残債がある不動産を売却する場合】住宅ローンを完済して抵当権の抹消登記をしなければならない

売却したい不動産に住宅ローンの残債がある場合、ローンを完済して抵当権の抹消登記をおこなう必要があります。

抵当権とは、ローン返済が滞った場合に融資している金融機関が物件を差し押さえて競売にかけられる権利です。ローンの残債がある限りは、金融機関の承諾なしに勝手に不動産を売却できません。

不動産の売却益でローンを一括返済できれば問題ありませんが、売却金額よりローン残債が多い場合は以下の3つで対処しましょう。

  • 手持ちの資金で補填する
  • 住み替えローンを利用する
  • 任意売却を利用する
メリット デメリット
手持ちの資金で補填する 借り入れを増やさずに済む 手持ち資金が少なくなる
住み替えローンを利用する 自己資金不要で住み替え可能 返済負担が大きくなる
任意売却を利用する 残債があるままでも売却可能 利用条件が限られている

手持ち資金で残債を完済できる場合には、無駄な借り入れをせずに済みます。しかし、手持ち資金が少なくなるので、現金が必要なシーンで困る恐れがあるので注意が必要です。

住み替えローンは、残債と新居購入にかかる費用をまとめて借りられるローンです。手持ち資金を減らさずに済みますが、借入額が増えることで返済負担が大きくなる点に注意してください。

任意売却は、残債を完済できないような債務超過にある場合にしか選択できない売却手段ですが、選択できる場合は残債のある不動産でも通常通り売却できます。

手持ち資金での補填と住み替えローンは手持ち資金に応じて、任意売却は債務超過に陥っている場合にといったように状況に合った方法を選択しましょう。

【離婚を理由に不動産を売却する場合】財産分与やローン残債について決めておく

離婚を理由に不動産を売却する場合には、あらかじめ財産分与や住宅ローン残債について決めておく必要があります。住宅ローンの残債が残っていない場合には、不動産を売却して売却金を折半する方法が理想的です。

しかし、残債がある場合には、夫婦のどちらが残債を支払うか、不動産の名義人はどちらにするかを決めておきましょう。

【住み替えを理由に不動産を売却する場合】購入と売却の順序を決める

住み替えを理由に不動産を売却する場合、多くの方は新居を先に購入するか、居住中の不動産を先に売却するか迷うことでしょう。どちらの方法もメリット・デメリットが存在するので、事前に確認しておいてください。

順序 メリット デメリット
新居を先に購入する 新しい新居が見つかるまでの仮住まいを用意する必要がない 現在の住居を想定していた価格で売却できなかった場合には、資金計画に狂いが生じる
先に不動産を売却する 新居に使える資金が確定しているので、計画的な新居の購入ができる 希望の新居がすぐに見つからない場合、仮住まいに費用がかさむ

一概にどちらの方法がおすすめとは言えませんが、資金計画通りに順序を進めたい場合には、先に不動産を売却することをおすすめします。

内覧の際の注意点

内覧の際の注意点

最後に内覧の際の注意点を解説して終わります。内覧とは、不動産会社の募集を受けて買主が物件を見に来ることです。

この内見の印象によって購入の可否が決定すると言っても過言ではないので、必ず注意点を押さえておいてください。

内覧前に掃除をしておく

商品である不動産をなるべく良く見せる簡単な手段として挙げられるのが清掃です。床や壁の清掃をはじめ、可能であれば水回りも掃除しておきましょう。

もし、ご自身での清掃が難しい場合には、ハウスクリーニング業者に依頼するのも1つの手と言えます。

内覧者と口約束をしない

内覧に訪れた買主との口約束は決しておこなわないようにしましょう。内覧に家主も立ち会う場合、「もう少し値引きしてくれたら住みます」「ここにある家具もつけてもらえませんか」などと直接交渉してくるケースがあります。

買ってくれる雰囲気を出されると交渉に応じたくなりますが、売主と買主の直接交渉はトラブルのもとです。内覧時に交渉を受けてもその場で返事はせず、不動産会社を介して話し合うようにしてください。

物件の瑕疵を正直に伝える

最後に挙げられる注意点は、物件の瑕疵を正直に伝えておくことです。瑕疵とは、物件の設備等で故障や修理が必要な個所を言います。

不動産を売却するにあたって、できる限り物件を良い物に見せたいと誰もが思うことでしょう。しかし、良く見せたいあまりに物件の瑕疵を隠すことは絶対にやめてください。後々発覚した場合、大きなトラブルに繋がるので必ず事前に伝えておきましょう。

瑕疵の説明は一概に売主が説明する必要はなく、場合によっては不動産会社が事前に内覧者に伝えておくケースもあります。このため、不動産に瑕疵がある場合にはあらかじめ不動産会社に相談しておきましょう。

まとめ

不動産売却を成功させるためには、不動産売却でどのようなトラブルが想定されるのか理解し、対策を講じてから売却に臨むことが重要です。

不動産のプロである不動産会社に任せておけば大丈夫と考えている方もいるかもしれませんが、すべての不動産会社が売主の利益を優先するわけではありません。

自社の利益を優先する不動産会社もいるため、不動産会社の実績や口コミなどを考慮しつつ信頼できる不動産会社に仲介を依頼しましょう。

矢野翔一(有限会社アローフィールド)
矢野翔一(有限会社アローフィールド)

関西学院大学法学部法律学科卒。

宅地建物取引士、管理業務主任者、2級FP技能士(AFP)、登録販売者など多岐にわたる資格を保有。
数々の保有資格を活かしながら、有限会社アローフィールド代表取締役社長として学習塾、不動産業務を行う。

関連記事