50平米は何坪・何畳?間取りの例や何人暮らしに適しているのか解説

物件を探していると「50平米(㎡)」といった表記をよく目にしますが、数字だけでは広さのイメージがつきづらいですよね。一人で住むには広いのか、二人で住むには狭いのか…と迷う方も多いはずです。

この記事では、50平米を坪数や畳数に換算し、実際の間取りや暮らし方のイメージを紹介します。記事を読めば、50平米でどんな間取りが多く、どんな暮らし方に向いているのかが明確にイメージできるようになります。

    【この記事でわかること】

  • 50平米が何坪・何畳に相当するのか
  • 1LDKや2LDKといった具体的な間取りの例
  • 一人暮らし、二人暮らしでの適切な広さやレイアウト
  • 50平米の物件がどんな人におすすめか

50平米はどれくらいの広さ?

50平米は、坪に置き換えると15.13坪です。畳に置き換えると約30畳になります。1LDKや2LDKの間取りとして利用されることが多いです。

平方メートル(㎡) 畳(帖)※
1㎡ 約0.30坪 約0.6畳
10㎡ 約3.0坪 約6.2畳
50㎡ 約15.1坪 約30.9畳

不動産の表示に関する公正競争規約施行規則の『畳1枚当たりの広さは1.62平方メートル(各室の壁心面積を畳数で除した数値)以上の広さがあるという意味で用いること』という基準に基づき計算しています。

【監修者コメント】50平米の物件は「ゆとりを持って広々暮らしたい1人暮らし」から「カップルや新婚夫婦の2人暮らし」に人気の高い、バランスの取れた広さです。特に近年は在宅ワークの普及により、+αの空間を確保できる点が再評価されています。

【補足】部屋の広さを表す「畳(じょう)」は、実は地域によってサイズが異なります。
そのため、同じ50平米でも畳の枚数に差が出ます。一般的には50平米は約30〜32畳と覚えておくと、広さのイメージがより明確になります。

種類 1畳あたりの面積 50平米の畳数 主な使用地域
京間(きょうま) 1.82㎡ 約27.4畳 関西地方
中京間(ちゅうきょうま) 1.65㎡ 約30.3畳 東海・中京地方
江戸間(えどま) 1.54㎡ 約32.4畳 関東・東北地方
団地間(だんちま) 1.44㎡ 約34.7畳 全国の公営住宅など

50平米の間取り図例

50平米の物件で多い間取りが、居室の広さに余裕がある1LDKや、居室がコンパクトな2LDKです。ここでは、マンションと戸建てで、多く見られる代表的な間取りの例を見ていきましょう。

1LDKの間取り例

リビング・ダイニング・キッチンに加えて独立した居室が1つある間取りです。居室とLDKを分けることで、食事やくつろぎの空間と寝室を明確に区切れるのが特徴です。

部屋 広さの目安 配置できる家具・特徴
LDK 8〜10畳 ダイニングテーブル(2〜4人用)、小さめのソファ、テレビ台。窓際にリビングを配置すれば、キッチンから会話を楽しめる。
寝室(洋室) 5〜6畳 ダブルベッド(約140×195cm)と収納家具を置くとちょうどいっぱい。シングルベッドなら余白にデスクも置ける。
水回り 3〜4畳程度 バス・トイレ・洗面が隣接して配置されることが多く、生活導線が短くて便利。
マンションの例 LDKは8〜10畳前後が多く、リビングと寝室を分けやすい。収納は限られるため、家具配置で工夫が必要。
戸建ての例 1階にLDK+水回り、2階に寝室。階を分けることで昼と夜の生活空間を切り替えやすい。

マンションの場合

LDKは8〜10畳前後が多く、ダイニングテーブルと小さめのソファを並べて置ける広さ。窓際にキッチンから目が届くリビングを配置すれば、料理をしながら会話を楽しめる空間になります。寝室は5〜6畳程度が一般的で、ダブルベッドと収納家具を置くとちょうどいっぱいのサイズ感です。

50平米のマンションの内装

※イメージです

戸建ての場合

メゾネットやコンパクト戸建てで見られる形式で、1階にLDKと水回り、2階に寝室という構成が多いです。階で生活空間を分けられるため、昼はリビングで家族と過ごし、夜は寝室で静かに休むといったオン・オフの切り替えがしやすい間取りです。

50平米の戸建ての内装

※イメージです

2LDKの間取り例

LDKのほかに居室が二つあるため、カップルや新婚家庭だけでなく、小さな子どもがいる家庭にも適した間取りです。ただし、子供が成長すると手狭になる可能性があるため、ゆとりをもって快適に暮らすのであれば居住人数は2人までの方が適しているといえます。

部屋 広さの目安 配置できる家具・特徴
LDK 約10畳 ダイニングテーブルとソファを配置できるが、ややコンパクト。家具のサイズを選ばないと動線が圧迫されやすい。
洋室1(主寝室) 約6畳 ダブルベッドと収納を置くといっぱい。シングルベッドならデスクを加えて使える。
洋室2(子ども部屋・ワークスペース) 約4〜5畳 書斎や趣味の部屋にちょうど良い広さ。子ども部屋にすると、成長に伴い狭さを感じやすい。
水回り 3〜4畳程度 バス・トイレ・洗面が隣接する配置が一般的で、生活動線は短め。
マンションの例 2人暮らしまでなら快適。3人暮らしでは荷物が増えて狭さを感じやすく、机や収納を置くと動線を圧迫することも。寝室やLDKの一角を工夫して活用する必要あり。
戸建ての例 部屋が独立しているため2人暮らしでは快適。3人以上になると5〜6畳の居室は手狭になりがちで、LDKの隅にワークコーナーを作るなどの工夫が必要。

マンションの場合

LDKは10畳前後とコンパクトで、6畳前後の寝室に加えて4〜5畳の部屋をもう一つ確保できます。2人暮らしなら、寝室とリビングをゆったり使いつつ、もう一部屋をワークスペースや趣味の部屋にできるため快適です。
ただし、3人暮らしになると荷物や家具が増えて狭さを感じやすく、机や収納を置くと動線が圧迫されることもあるので注意。寝室の一角にデスクを置く、リビングに小さなカウンターを設けるなど、既存空間を工夫して使い分ける必要があります。

戸建ての場合

各部屋が独立しているため、2人暮らしではプライベート空間を確保しやすく、快適に暮らせます。3人以上になると、各部屋が5〜6畳程度とコンパクトなケースが多く、ベッドや収納家具を置くと余白が限られます。
そのため、LDKの隅にワークコーナーを作る、廊下に収納棚を設けるなど、既存のスペースを活用する工夫が欠かせません。

50平米は一人暮らしだと広すぎる?

結論として、50平米は一人暮らしにとって非常にゆとりがあり、多様なライフスタイルに対応できる広さです。

    【例】

  • リビングと寝室を分けて、生活と休息の空間を明確に使い分ける
  • ワークスペースを独立させて、在宅勤務や勉強に集中できる環境をつくる
  • 趣味の部屋や大型家具を置いて、自分らしいインテリアを楽しむ

趣味や在宅ワークのための専用スペースを確保できるなど、生活の質(QOL)を大幅に向上させることも可能です。ただし、家賃や光熱費、掃除の手間といったコストも相応に増加する点は注意しましょう。

参考:30平米と50平米の家賃比較(総務省統計局『住宅・土地統計調査』の家賃単価を基に算出)」

指標 30㎡ 50㎡
家賃(月・概算) 約63,000円 約105,000円 約42,000円増

一人暮らしのレイアウト例

50平米あれば、置ける家具やサイズの選択肢も大きく広がります。一般的なワンルームでは難しいダブルベッドやソファ、ダイニングテーブルなどの大型の家具も無理なく配置できます。

家具の種類 サイズの目安
ベッド クイーンサイズ(幅160cm)
ソファ 3人掛け(幅180cm〜)
ダイニングテーブル 4人掛け(幅120cm〜)
デスク 幅120cm以上

在宅ワークが中心の方、趣味の部屋を作りたい方や洋服や小物が多い方、友人を招いてホームパーティーを楽しみたい方には最適な広さと言えます。

家賃は1Kや1DKの家賃相場と比較して高くなる可能性が高いですが、その分、快適で充実した毎日が手に入るでしょう。

50平米は二人暮らしだと狭い?

50平米は、二人暮らし(カップルや新婚夫婦)でも、スタンダードで人気のある広さです。特に2LDKの間取りを選べば、それぞれのプライベート空間も作ることができます。

ただし、狭いわけではありませんが、プライベート空間や収納を確保するには工夫が必要です。

二人暮らしのレイアウト例

1人暮らしと比較して、人数分だけ持ち物が増えるため、効率的な家具配置と収納計画が快適な生活を実現する鍵です。

具体的に置ける家具やサイズのイメージは以下の通り。

家具の種類 サイズの目安
ベッド ダブルサイズ(幅140cm)
ソファ 2〜2.5人掛け(幅140cm〜)
ダイニングテーブル 2人掛け(幅80cm〜)
収納家具 壁面収納、クローゼット

50平米は、2人暮らしで必要な家具、家電は問題なく置ける広さです。

物件選びの際は「2LDK」の間取りのうち、それぞれ「どれくらいの広さが欲しいのか」をイメージしておくと、条件がまとまりスムーズに物件探しを進められます。

具体例

タイプ 具体的な要望
プライベート重視 LDKは狭めでもよいので、お互いの部屋を6畳ずつ確保したい
共用空間重視 個室は4.5畳程度で良いから、LDKを12畳以上にしたい
在宅ワーク重視 一部屋を仕事専用(デスク+PC)、もう一部屋を寝室にしたい
来客対応型 ダイニングテーブルを置ける広さのLDKを優先したい
将来見据え型 将来子ども部屋にできる5畳以上の個室を2部屋ほしい
収納重視 部屋の広さよりも各部屋にクローゼットを設けたい
動線重視 廊下は最小限にして居室を広く取りたい

【監修者コメント】

50平米の空間を最大限に活用し、二人でも快適に過ごすための工夫をいくつかご紹介します。

  • 縦の空間を活かす: 背の高い本棚や突っ張り棒式のラックを使い、床面積を消費せずに収納を増やす。
  • 多機能家具を選ぶ: 収納付きベッドや、テーブルにもなるソファなど、一つの家具で複数の役割をこなせるアイテムを選ぶ。
  • 視覚効果を利用する: ラグや家具の色を明るいトーンで統一したり、鏡を置いたりすることで、部屋を広く見せる。

【参考】二人暮らしにおすすめの平米数

国土交通省の「住生活基本計画」によれば、二人暮らしに最低限必要な広さ(最低居住面積水準)は30平米、豊かな生活を送るために望ましい広さ(誘導居住面積水準)は都市型だと55平米、一般型だと75平米とされています。

世帯構成 最低居住面積水準 (㎡) 誘導居住面積水準(都市型) (㎡) 誘導居住面積水準(一般型) (㎡)
一人暮らし 25㎡ 40㎡ 55㎡
二人暮らし 30㎡ 55㎡ 75㎡
三人暮らし 40㎡ 75㎡ 100㎡

この基準に照らし合わせると、50平米は二人暮らしでも十分快適な生活が送れる広さであることがわかります。工夫次第では、2人の理想に近い住まいを実現できます。

50平米の物件がおすすめの人・おすすめできない人

ここまで見てきた特徴を踏まえ、50平米の物件がどのような方に適しているのかをまとめました。おすすめできる人、できない人は以下の通りです。

判断の軸 おすすめ おすすめできない
居住人数 ・ゆとりを重視する一人暮らし

・二人暮らし(カップル・夫婦)

・3人以上の家族(特に小学生以上の子どもがいる場合)
ライフスタイル ・在宅ワークが中心

・趣味や書斎の専用空間が欲しい

・インテリアにこだわりたい

・家の滞在時間が短い(寝に帰るだけ)

・荷物が非常に多く、収納が苦手

・家具・家電に興味がない

価値観 ・QOL(生活の質)を最優先

・空間の快適性には投資を惜しまない

・コストパフォーマンス(家賃)を最優先

・住居の管理の手間は最小限にしたい

結論、50平米は、「家で過ごす時間を豊かにしたい」と考えている一人暮らし、二人暮らしの方におすすめです。

一人暮らしなら趣味や仕事に没頭できる空間を、二人暮らしならプライベートを尊重しつつ快適な共有スペースを確保できます。

一方で、家族が増えることを見越している方や、コストパフォーマンスを最優先する方には、50平米は手狭、あるいは割高に感じられる可能性があります。ライフステージの変化や、家計とのバランスを考慮して慎重に判断しましょう。

【監修者コメント】

50平米は「暮らしを編集する」のに最適な広さと言えるでしょう。LDKと個室のバランスが良く、1LDKで開放感を、2LDKで機能性を、とライフスタイルに合わせて間取りを選べる柔軟性が最大の魅力です。特に在宅ワークが普及した現代において、この「+αの空間」は生活の質を大きく左右します。

ただし、注意すべきは平米数という数字だけで判断しないことです。同じ50平米でも、収納率や廊下の面積によって、実際に使える空間は大きく異なります。内見時には必ず、ご自身の家具を置いた際の生活動線を具体的にイメージし、その広さが価値観と本当に合致するかを見極めることが、後悔しない住まい選びの鍵となります。

まとめ

50平米は、約15.1坪、約30〜32畳に相当し、一人暮らしには広々とした、二人暮らしには標準的で快適な生活を送れる、非常にバランスの取れた広さです。

ただし、物件の魅力は、平米数だけでは決まりません。日当たりや収納の大きさ、周辺環境など、様々な要素が絡み合って「住みやすさ」は決まります。

この記事を参考に、ぜひ一度50平米に近い広さの物件を内見し、あなたの理想の暮らしが出来そうか確認してみてください。

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