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70平米の広さはどれくらい?間取り例や何人まで快適に住めるか解説
「70平米ってどれくらいの広さ?」
「4人家族だと狭いのかな」
「間取りの例や具体的な広さのイメージが知りたい」
物件情報を見ていると、部屋の広さ(平米数)が記載されていますが、具体的にどれくらいの広さかぱっと想像がつかない人も多くいると思います。
この記事では、70平米が具体的にどれくらいの広さなのか、間取りや快適に住める人数も含めてわかりやすく解説します。
【この記事でわかること】
70平米は、縦10メートル、横7メートル程度の広さで、坪換算では約21坪、畳換算では約43畳にあたります。身の回りのもので例えると「平均的なコンビニの売場」とほぼ同じくらいの広さです。
70平米の物件で多い間取りは「2LDK」や「3LDK」の2種類。リビングやダイニングを広くとりつつ、それぞれの個室も確保できるため、広さを重視した二人暮らしや、子どもがいる三人家族でも快適に暮らせる広さといえます。
70平米といっても、すべてが居住空間として使えるわけではありません。
マンションの場合、玄関や廊下、トイレや浴室、キッチンなどの水回りが一定の面積を占めていることは覚えておきましょう。
一般的な間取りの目安としては、全体の約25〜30%が水回りや廊下などの共用的なスペース、残りの70〜75%が居住部分にあたります。
内訳 | 畳数の目安 | 備考 |
---|---|---|
水回り・廊下 | 約10〜13畳 | 玄関・トイレ・浴室・廊下など |
居住部分合計 | 約30畳前後 | リビング・寝室・個室など |
では、実際の生活をイメージしやすいように、70平米のマンションでは、どのような間取りになるのか例を見ていきましょう。
70平米のマンションでは、リビングを広めにとって家族でくつろげる2LDKや、主寝室に加えて子ども部屋やワークスペースを確保できる3LDKが代表的です。
ただし、間取りは同じでもリビングや寝室の広さをどう配分するかによって、快適さや暮らし方のイメージが変わってきます。
マンションで多く見られる2LDKと3LDKの間取り例を具体的に見ていきましょう。
リビングダイニングを中心に、6畳前後の主寝室と4.5〜5畳の洋室を組み合わせた構成が一般的です。二人暮らしには十分な広さで、三人家族でもレイアウトを工夫すれば快適に暮らせます。
部屋 | 広さの目安 | 配置できる家具・設備例 |
---|---|---|
LDK | 約13〜15畳 | ・ダイニングテーブル(4人掛け/横幅135〜150cm程度)
・ダイニングチェア4脚 ・2〜3人掛けソファ(幅160〜180cm程度) ・ローテーブル(リビングテーブル) ・テレビ台+テレビ(50インチ程度まで) ・サイドボードやキャビネット(幅90cm程度) ・本棚や収納棚(必要に応じて) |
洋室1(主寝室) | 約6畳 | ・クイーンサイズまでのベッド(160cm幅程度) ・ベッドサイドテーブルまたは小型チェスト ・ワークデスクやドレッサー(奥行40〜50cm程度) |
洋室2(子ども部屋・ワークスペース) | 約4.5〜5.5畳 | ・シングルベッド(幅100cm程度) ・学習机やワークデスク ・本棚やラック |
水回り・廊下 | 約10〜12畳(合計) | 洗面室や浴室は2畳前後、トイレは1畳程度が標準。廊下部分が広すぎると居住空間が圧迫されるため、効率的な設計がポイント。 |
70平米の2LDKを検討する際に、まず確認したいのはリビングです。
13〜15畳あれば家族が集まる空間として十分ですが、縦長か横長かで使い勝手が変わります。縦長だと動線が重なりやすく、横長だと窓面が広く開放感を得やすいのが特徴です。
もう一つのポイントは廊下面積。図面上では70平米と書かれていても、廊下が長いと居住空間が実質的に狭くなります。家具を置いたときの生活動線をイメージしながら、リビングの形と廊下面積、この二つを重点的に確認すると、内見時の判断がしやすくなります。
メインとなる寝室に加えて洋室が2つあるため、夫婦と子ども2人といった4人家族まで暮らせる間取りです。
ただし、部屋数を確保する分リビングは10〜12畳前後とコンパクトになりやすく、家具の選び方や配置が快適さを保つために重要になります。
部屋 | 広さの目安 | 配置できる家具・設備例 |
---|---|---|
LDK | 約10〜12畳 | ・ダイニングテーブル(4人掛け/横幅135cm前後)
・ダイニングチェア4脚 ・2人掛けソファ(幅150〜170cm程度) ・ローテーブル(リビングテーブル) ・テレビ台+テレビ(50インチ程度まで) ・コンパクトなキャビネットや本棚 |
洋室1(主寝室) | 約6畳 | ・ダブルベッドまたはクイーンベッド(160cm幅程度まで)
・ベッドサイドテーブルまたは小型チェスト ・ドレッサーやワークデスク(奥行40〜50cm程度) |
洋室2(子ども部屋) | 約4.5〜5畳 | ・シングルベッド(幅100cm程度)
・学習机 ・本棚やラック |
洋室3(子ども部屋・ワークスペース) | 約4.5〜5畳 | ・シングルベッドまたはデスク
・収納家具(コンパクトサイズ) |
内見の際は、リビングの形や窓の位置を確認し、実際に家具を置いたときの暮らしやすさをイメージすることが欠かせません。
もう一つのポイントは各部屋の広さ。子ども部屋として使える洋室は4.5〜5畳が一般的で、ベッドと机を置くと空きスペースが狭くなります。
クローゼットの容量や壁面収納の有無を必ずチェックし、成長に合わせて対応できるかを見極めましょう。
結論として、広さを担保して快適に暮らすなら「2人暮らし・3人家族」、収納やレイアウトを工夫するのであれば「4人家族」まで住むことができます。
参考として、国土交通省の「住生活基本計画」にまとめられている、居住面積の水準もここで確認しておきましょう。
世帯構成 | 最低居住面積水準 (㎡) | 誘導居住面積水準(都市型) (㎡) | 誘導居住面積水準(一般型) (㎡) |
---|---|---|---|
一人暮らし | 25㎡ | 40㎡ | 55㎡ |
二人暮らし | 30㎡ | 55㎡ | 75㎡ |
三人暮らし | 40㎡ | 75㎡ | 100㎡ |
四人暮らし | 50㎡ | 95㎡ | 125㎡ |
それでは、「暮らしのイメージ」をより明確にするために、居住人数ごとのレイアウト例や工夫すべきポイントを解説します。
二人暮らしを想定されているのであれば、70平米あれば都心でも、郊外でも快適に暮らすことができます。
世帯構成 | 最低居住面積水準 (㎡) | 誘導居住面積水準(都市型) (㎡) | 誘導居住面積水準(一般型) (㎡) |
---|---|---|---|
二人暮らし | 30㎡ | 55㎡ | 75㎡ |
2LDKであれば、それぞれを自分の部屋とすることもできますし、1つは寝室、もう1つはリモート用・趣味用の部屋にするといった使い方もできます。
3LDKの間取りであれば、将来を考えて子供部屋として使うことも可能です。
【レイアウトの例】
レイアウト案 | 間取り | LDK目安 | 各居室目安 | 使い方の例 | 収納・動線のコツ |
---|---|---|---|---|---|
ワーク重視 | 2LDK | 14〜16畳 | 寝室6畳/個室5畳 | 寝室+在宅ワーク部屋。来客時は個室をクローズでき集中しやすい。 | 玄関→洗面→LDKの回遊動線、個室は防音・遮光カーテン、壁面収納で床を空ける。 |
くつろぎ重視 | 2LDK | 16〜18畳 | 寝室6畳/多目的4.5畳 | LDKを広めに確保し、ダイニング4人掛け+2.5人掛けソファ。多目的は趣味・家電置き場。 | キッチン背面にパントリー、ソファ背面にカウンターデスクで半個室ワークを両立。 |
将来重視 | 3LDK | 12〜14畳 | 6畳/5畳/4.5畳 | いまは書斎+趣味部屋、将来は子ども部屋へ転用。 | 可動棚とベッド下収納で面積効率を確保。廊下側に物入れを集約し居室を広く使う。 |
70平米は、夫婦と子ども1人の3人家族が暮らす場合でも、十分に快適な生活を送れる広さです。国土交通省が示す「誘導居住面積水準(都市型)」では、3人世帯の目安は75㎡とされており、70平米はこれに近い水準であるため、決して狭いわけではありません。
世帯構成 | 最低居住面積水準 (㎡) | 誘導居住面積水準(都市型)(㎡) | 誘導居住面積水準(一般型)(㎡) |
---|---|---|---|
三人暮らし | 40㎡ | 75㎡ | 100㎡ |
間取りの工夫次第で、家族のコミュニケーションを育む空間と、それぞれのプライベートな時間を両立させることが可能です。
レイアウト案 | 間取り | LDK目安 | 各居室目安 | 使い方の例 | 収納・動線のコツ |
---|---|---|---|---|---|
コミュニケーション重視 | 2LDK | 16〜18畳 | 寝室6畳/子ども部屋5畳 | LDKを広く取り、リビング学習や遊びの空間に。キッチンから全体を見渡せる対面式の間取りがおすすめ。 | ・リビング収納を充実させ、おもちゃや学用品を片付けやすくする。
・キッチンと洗面室の動線を短くし家事効率を上げる。 |
プライベート重視 | 3LDK | 12〜14畳 | 寝室6畳/子ども部屋5畳/書斎4.5畳 | 夫婦それぞれのワークスペースや趣味の部屋を確保。子ども部屋も独立させやすい。 | ・各部屋にクローゼットを設置し、私物を管理しやすくする。
・廊下収納も活用して共有物をしまう。 |
可変性重視 | 2LDK+S | 14〜16畳 | 寝室6畳/洋室5畳/サービスルーム4畳 | 子どもが小さいうちはサービスルームを収納や遊び場に。成長後は子ども部屋として使える。 | ・可動式の間仕切りや家具を使い、将来の部屋の使い方の変化に対応しやすくする。
・壁面収納で床面積を有効活用。 |
3LDKの間取りを選べば、夫婦の寝室と子ども部屋に加えて、もう1部屋を確保できます。この一部屋は、リモートワーク用の書斎にしたり、来客用のゲストルームにしたりと、ライフスタイルに合わせて柔軟に活用することが可能です。
2LDKの場合でも、LDKを広めに設計することで、家族が集まる時間をより豊かにできます。
リビングの一角にキッズスペースを設けたり、ダイニングテーブルを少し大きめにして宿題や作業ができるようにしたりと、家族構成の変化に対応しながら快適な暮らしを維持できるでしょう。収納スペースを十分に確保することが、部屋を広く見せるコツです。
夫婦と子ども2人の4人家族の場合、70平米では手狭に感じる場面が出てくる可能性があります。
国土交通省の「誘導居住面積水準(都市型)」では4人世帯の目安は95㎡とされており、70平米はこれを下回るため、特に子どもの成長に合わせて工夫が求められます。
世帯構成 | 最低居住面積水準 (㎡) | 誘導居住面積水準(都市型)(㎡) | 誘導居住面積水準(一般型)(㎡) |
---|---|---|---|
四人暮らし | 50㎡ | 95㎡ | 125㎡ |
しかし、間取りや家具の選び方次第で、限られた空間を有効活用し、快適に暮らすことは可能です。
プラン | 間取り | LDK目安 | 各居室目安 | 使い方の例 | 収納・動線のコツ |
---|---|---|---|---|---|
幼少期重視 | 2LDK | 16〜18畳 | 寝室6畳/子ども部屋6畳 | 子どもが小さいうちは1部屋を共有の子ども部屋に。LDKに隣接させれば様子が見やすく安心。 | ・壁面収納やロフトベッドで空間を立体的に活用。
・リビング続きの和室は多目的に使える。 |
思春期対応 | 3LDK | 12〜14畳 | 寝室6畳/個室4.5畳/個室4.5畳 | 子どもたちの成長に合わせ、それぞれに個室を用意。プライバシーを確保しやすくなる。 | ・各個室にクローゼットを設け、廊下や玄関の収納も最大限活用。
・家具は背の低いもので統一し圧迫感を減らす。 |
コミュニケーション重視 | 3LDK | 14〜16畳 | 寝室6畳/子ども部屋5畳/多目的室4.5畳 | 1部屋を共有のスタディ・プレイスペースに。家族が集まる時間を大切にする。 | ・リビングにスタディカウンターを設置し、親が見守れる学習スペースを確保。
・共有物はリビング収納に集約する。 |
4人家族で70平米に住む場合、最大の課題は収納とプライベート空間の確保です。子どもが成長するにつれて、それぞれの持ち物が増え、個人の時間や空間を必要とするようになります。
3LDKの間取りであれば、夫婦の寝室に加えて子どもたちそれぞれの部屋を用意できますが、一部屋あたりの面積はコンパクトになります。そのため、ベッド下に収納があるものを選んだり、壁面を有効活用した収納棚を設置したりといった工夫が欠かせません。
2LDKの場合は、子どもが小さいうちは一部屋を共有の部屋とし、成長に合わせて間仕切り家具で空間を分けるといった対応も考えられます。
ただし、リビングダイニングを広めに確保できるメリットがある反面、将来的なプライバシーの確保が難しくなる点には注意が必要です。
70平米という広さは、家族構成やライフスタイルに合わせて柔軟に使いやすい広さです。しかし、同じ面積でも間取りによって暮らしやすさは大きく変わるため、内見で確認すべきポイントを事前に知っておくことが大切になります。
特に「廊下の面積」「リビングの形」「収納の量」の3つのポイントを押さえておくと、実際の生活をイメージしやすくなり、後悔のない物件選びにつながります。
それでは、それぞれのチェックポイントを具体的に見ていきましょう。
同じ70平米の物件でも、廊下が長いとその分、居住スペースが狭くなってしまいます。内見の際には、玄関から各部屋への動線が効率的かどうかを確認することが重要です。
実際に内見する際は、玄関からリビングまで、あるいは洗面所からバルコニーまでといった、日々の生活でよく使う動線を歩いてみることをおすすめします。
廊下の幅は、人がすれ違うことを考えると90cm程度あるとゆとりが感じられます。
リビングの形は、主に「縦長」か「横長」かによって、家具の配置や使い勝手が変わってきます。お手持ちの家具や、これから購入予定のソファ、ダイニングテーブル、テレビ台などがきちんと収まるか、図面と照らし合わせながら確認しましょう。
特に、窓の位置や大きさ、部屋の隅にある柱の出っ張りなども、家具の配置に影響するため、忘れずにチェックしたいポイントです。
縦長リビング | 横長リビング | |
---|---|---|
壁面 | 広く確保できる | 壁面は限られる傾向 |
テレビ・ソファ配置 | 距離を確保しやすい | 配置に工夫が必要な場合も |
家具レイアウト | しやすい | 配置の自由度は縦長より低い可能性も |
窓・開放感 | 窓の大きさは横長に劣る場合も | 窓が大きく開放感がある |
ダイニングとの配置 | 離れる傾向 | 横並びに配置しやすい |
家族のコミュニケーション | リビングとダイニングが離れると工夫が必要な場合も | 取りやすい |
例えば、L字ソファを置きたくて横長のリビングを選んだものの、窓の位置の関係でソファがうまく収まらず、動線を妨げてしまった、というケースもあります。
事前に置きたい家具のサイズを測っておき、内見時にメジャーで実際のスペースを確認すると、こうした失敗を防ぐことができます。
ご家族の人数や持ち物の量に対して、十分な収納スペースが確保されているかも大切なチェックポイントです。一般的に、マンションでは床面積の10〜12%程度の収納率があると生活がしやすいです。
床面積 (㎡) | 収納面積 (10%) (㎡) | 収納面積 (12%) (㎡) |
---|---|---|
65 | 6.5 | 7.8 |
70 | 7.0 | 8.4 |
75 | 7.5 | 9.0 |
各部屋のクローゼットだけでなく、廊下や洗面所など、適材適所に収納が設けられているかを確認しましょう。季節ものや掃除道具など、使う頻度に合わせてしまう場所を決めておくと、部屋が散らかりにくくなります。
リビングに収納を設ける場合は、奥行きが40cm程度の浅い可動棚があると、本や書類などを整理しやすく便利です。玄関にシューズクロークや土間収納があれば、ベビーカーやアウトドア用品などを置くのにも役立ちます。
ここでは、70平米のマンションに関してよくいただくご質問とその回答をまとめました。内見時のチェックポイントと合わせて参考にしていただければ、より具体的に暮らしをイメージできるはずです。
これらの疑問について、順番にお答えしていきます。
結論から言うと、一人暮らしにはかなり広いですが、在宅ワーク用の仕事部屋や趣味の部屋をしっかり分けたい方には適しています。
ただし、お部屋が広い分、光熱費や掃除の手間、最初に揃える家具の費用などが多くかかる傾向にあります。ゲストを招く機会が多い方や、仕事とプライベートの空間を完全に分けたい方にとっては、満足度の高い暮らしが実現できるでしょう。
間取りによって異なりますが、一般的には12畳から18畳程度の広さになることが多いです。
部屋数が多い3LDKの場合はリビングが12〜14畳ほど、部屋数が少ない2LDKの場合は14〜18畳ほど確保されているのが目安となります。
ただし、同じ畳数でも柱や梁の出っ張りによって実際に使える広さは変わるため、内見の際にメジャーで実際に使える広さを測ることをおすすめします。
はい、広さの感覚は違うことが多いです。
戸建ての場合は、階段や廊下が占める割合がマンションよりも大きくなる傾向があるため、同じ70平米でもマンションの方がワンフロアで使える面積が広く感じられることがあります。
どちらも、廊下などの移動スペースをいかに効率的に設計しているかが、体感的な広さを左右するポイントになります。
70平米の広さがあれば、4人家族でも工夫次第で快適に暮らすことは可能です。
お子様が小さいうちは子ども部屋を共有にしてリビングを広く使ったり、成長に合わせて個室を用意したりと、ライフステージに合わせた使い方が考えられます。
例えば、ロフトベッドを使えば床の面積を有効活用できますし、ダイニングテーブルの片側をベンチシートにすれば省スペースになります。共有で使うものはリビング収納にまとめ、個室は寝る場所と勉強する場所など役割を絞ると、お部屋がすっきりと片付きやすくなります。
70㎡(約21.2坪・約43畳)は、2人暮らしから4人家族まで工夫次第で快適に暮らせるバランスのよい広さです。
ただし、平米数だけで物件を判断するのは禁物。
平米数だけにとらわれず、日当たり・収納・動線などの“使える寸法”を内見で実測し、自分たちが思い描く暮らしに合うか確かめるようにしましょう。