固定資産評価証明書とは、土地や建物の公的な価値(評価額)を証明する書類で、不動産がある市区町村の役所で取得できます。

取得するには、不動産がある市区町村の役所(東京23区では都税事務所)に、窓口や郵送で申請します。
マイナンバーカードがあれば、コンビニで取得できる自治体もあります。

この記事では、固定資産税評価証明書の取得方法や取得できる人、似た書類との違い、証明書の見方まで解説します。

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固定資産税評価証明書とは?

固定資産税評価証明書とは?のイメージ図

固定資産税評価証明書とは、土地や建物の評価額を、市区町村が公的に証明する書類です。
固定資産税を計算するために市区町村が決めた、土地や家屋の評価額(固定資産税評価額)が記載されています。

固定資産税評価証明書を使うのは主に、不動産の名義を変える登記や、相続の手続きです。
提出先である法務局や税務署に、不動産の価値を公的な書類で示すために添えます。

固定資産税評価証明書の主な記載事項

  • 所有者の住所・氏名
  • 不動産の所在地(土地は地番、家屋は家屋番号)
  • 土地の地目・地積、家屋の種類・構造・床面積
  • 価格(固定資産税評価額)

書類の名前は自治体によって少しずつ異なり、「固定資産評価証明書」と呼ぶ自治体が多いですが「固定資産税評価額証明書」と呼ぶところもあります。
名前が違っても中身は同じなので、提出先から「固定資産評価証明書」と指定されたときも、役所で発行された評価証明書をそのまま出して問題ありません。

固定資産税評価証明書を取得する方法

固定資産税評価証明書を取得する方法のイメージ図

固定資産評価証明書を取得するには、不動産がある市区町村の役所(東京23区では都税事務所)に申請します。
申請方法は窓口・郵送・コンビニ交付(対応している自治体のみ)の3つです。

郵送は手元に届くまで1週間〜10日ほどかかるため、手続きの期限が近いときは窓口かコンビニ交付を選ぶと安心です。ただ申請が集中する4月ごろは、2週間程度かかる場合もあります。

取得方法 申請する場所 必要なもの
窓口 不動産がある市区町村の役所(東京23区では都税事務所) 申請書、本人確認書類、手数料
郵送 同じ役所へ郵送 申請書、本人確認書類のコピー、手数料分の定額小為替、返信用封筒
コンビニ交付(対応している自治体のみ) コンビニのマルチコピー機 マイナンバーカード、手数料

手数料は自治体によって異なり、1件(土地1筆・家屋1棟)あたり300〜450円程度です。

東京23区の手数料の例

  • 1件目:400円
  • 2件目以降:1件につき100円(1回の申請で、同一所有者・同一区内の物件をまとめて申請した場合)
  • 土地1件+家屋1件の取得:合計500円

過去の年度の評価証明書も、同じ3つの方法で取り寄せられます。

申請書は役所の窓口に備え付けられているほか、自治体のホームページからもダウンロードできます。

申請書に記入する主な内容

  • 申請する人の住所・氏名・連絡先
  • 土地の地番や家屋の家屋番号
  • 必要な証明書の種類(評価証明書)と通数
  • 必要な年度
  • 使いみち(登記・相続など)
トラフィー

地番や家屋番号は、納税通知書と一緒に届く課税明細書を見ながら書くとスムーズ!

新しい年度の評価証明書は、毎年4月1日(土曜日・日曜日・祝日の場合は翌開庁日)から取得できます。
評価額は年度ごとに変わることがあり、登記でも遺産分割調停でも、最新年度の証明書を求められます。
そのため、手続きが4月をまたぎそうなときは、取り直しになる可能性も見込んでおきましょう。

取得できる人

固定資産税評価証明書を取得できるのは、対象の不動産に直接の利害関係がある人と、その代理人だけです。
資産の価値にかかわる書類のため、誰でも自由に取り寄せられるわけではありません。

取得できる人 申請に必要な書類
所有者本人 本人確認書類(免許証やマイナンバーカードなど)
住民票が同じ同居の家族 本人確認書類(同一世帯であることを役所で確認できる場合)
所有者の相続人 本人確認書類、所有者が亡くなったことや相続人であることがわかる書類(戸籍謄本など)
法定代理人 本人確認書類、成年後見の登記事項証明書や戸籍謄本など法定代理人であることがわかる書類
借地人・借家人 本人確認書類、賃貸借契約書など
代理人 本人確認書類、所有者本人が書いた委任状

家族であっても、同居していないときや住民票の世帯が分かれているときは、代理人としての委任状が求められます。

登記事項証明書・課税明細書など他の書類との違い

登記事項証明書・課税明細書など他の書類との違いのイメージ図

固定資産評価証明書と混同しやすい書類として、「登記事項証明書」や「課税明細書」などがあります。
いずれも不動産にかかわる書類ですが、発行元やわかることが異なります。

登記事項証明書

法務局が発行する、不動産の所有者や抵当権などの権利関係を証明する書類です。評価額は記載されていません。

課税明細書

自治体によって4月から6月ごろに届く固定資産税納税通知書に同封されている、土地・家屋ごとの評価額や税額の内訳が書かれた書類です。評価額を確認できますが、申請して発行してもらう証明書ではありません。

固定資産評価通知書

登記のために、評価額を法務局へ知らせる無料の書類です。市区町村から法務局への通知が電子化されたことに伴い、交付を終了する自治体が増えています。

課税証明書

前年の所得や住民税の額を証明する書類です。名前は似ていますが、固定資産税とは関係ありません。

この中で、不動産の評価額の証明書として提出できるのは、固定資産評価証明書だけです。
それぞれの違いは、次のとおりです。

書類名 発行元 評価額の記載
固定資産税評価証明書 市区町村(東京23区では都税事務所) あり
登記事項証明書 法務局 なし
課税明細書 市区町村(納税通知書に同封) あり
固定資産評価通知書 市区町村(交付終了の自治体あり) あり
課税証明書 市区町村 なし

名前が似ていても、発行元と証明できる内容はそれぞれ異なります。提出先が求める書類名を確かめてから申請すると安心です。

固定資産税評価証明書の見方

固定資産税評価証明書の見方のイメージ図

固定資産税評価証明書で最初に確認したいのは、「価格(評価額)」の欄です。
登記や相続の手続きで使うのは価格欄の金額で、一般に「固定資産税評価額」と呼ばれる金額と同じものを指します。

見る目的ごとに確認する欄をまとめると、次のとおりです。

評価証明書を見る目的 見る欄 チェックポイント
登録免許税がいくらになるか計算したい 価格(評価額) 評価額に税率を掛けて計算する
相続税の申告で家屋の評価額を確認したい 価格(評価額) 家屋は固定資産税評価額がそのまま相続税の評価額になる
どの不動産の証明書か確認したい 所在地(地番・家屋番号) 手続きの対象の不動産と一致しているかを確認する
最新の内容か確認したい 年度 提出先から求められた年度と合っているかを確認する

評価証明書に「課税標準額」の欄がある場合、価格(評価額)と金額が違うことがあります。
住宅が建っている土地の税負担を軽くする「住宅用地の特例」などが適用され、課税標準額のほうが小さく計算されているためです。
金額が違っていても、登記や相続で使うのは原則として「価格(評価額)」となります。

トラフィー

どちらの金額を使うか迷ったら、提出先に「評価額と課税標準額のどちらですか?」と確認すると確実!

固定資産税評価証明書が必要になるケース

固定資産税評価証明書が必要になるケースのイメージ図

固定資産税評価証明書の提出を求められるのは、主に不動産の名義を変える登記と、相続の手続きの2つの場面です。
どちらの手続きでも、かかる税金が評価額をもとに計算されるため、評価額を公的な書類で示すよう求められます。

不動産登記

売買や贈与などで不動産の名義を変えるときは、その不動産の所在地を管轄する法務局に登記を申請します。
その申請の際に、評価額を確認する書類として、固定資産評価証明書を提出しなければいけません。
申請先の法務局は、法務局ホームページの「管轄のご案内」で調べられます。

トラフィー

固定資産評価証明書は、登記の申請の際にかかる「登録免許税」の計算で使うよ!

提出する評価証明書は、登記を申請する年度の最新のものに限られます。
なお、法務局によっては、納税通知書に同封されている課税明細書のコピーでも評価額を確認してもらえます。

手数料をかけずに済むので、申請先の法務局に事前に問い合わせてみましょう。

相続

相続の手続きでも、次の場面で固定資産税評価証明書を使います。

相続で評価証明書を使う主な場面

  • 相続登記:相続した不動産の名義変更にかかる登録免許税の計算
  • 相続税の申告:相続した家屋の評価額の確認
  • 遺産分割調停:家庭裁判所への申立てに必要な添付書類

特に相続税の申告では、家屋と土地とで固定資産評価証明書の使い方や見る欄が異なります。

家屋の相続税評価額

固定資産税評価額がそのまま使われます。評価証明書の「価格(評価額)」欄で確認できます。

土地の相続税評価額

「路線価」という別の基準で計算されることが多いものの、路線価が定められていない地域では、固定資産税評価額をもとに計算します。

遺産分割調停では、最新年度の評価証明書の原本が必要です。
所有者が亡くなっているときでも、戸籍謄本など相続人であるとわかる書類をそろえれば、相続人が評価証明書を取得できます。

まとめ

固定資産税評価証明書とは、土地や建物の固定資産税評価額を市区町村が証明する書類です。
不動産の名義を変える登記や、相続の手続きで提出を求められます。

自宅に届く書類ではないため、不動産がある市区町村の役所(東京23区では都税事務所)に自分で申請して取得します。
取得できるのは所有者本人や相続人などに限られ、本人以外が申請するときは委任状などの書類をそろえておきましょう。

登記や遺産分割調停では最新年度のものを求められるので、手続きの直前に取得するとスムーズです。

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西山雄介

西山雄介

■肩書:不動産ライター / ディレクター ■保有資格:宅地建物取引士 / マンション管理士 / 管理業務主任者 / 賃貸不動産経営管理士 / 日商簿記2級 / 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 ■プロフィール: 不動産業界歴15年。新卒で東証プライム上場のマンションデベロッパーに入社後、計2社で新築・中古販売および管理業務に従事。実務現場を経て管理職も歴任し組織運営にも携わる。現在はその多角的な視点を活かし、実務解説から不動産投資、法律事務所案件まで、専門性の高いコンテンツ制作・ディレクションを行っている。