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土地を高く売る方法とは?売却のコツやポイントをわかりやすく紹介

相続した土地や使い道のない土地を、できるだけ高く売りたいと思っても、何から手をつければいいか分からず悩んでいませんか?

土地を高く売れるかは、会社選びと事前の準備で決まります。

高く売るための決め手

  • 土地売却に強い会社を複数社で比べて選ぶ
  • 買い手が安心して使える状態に整えてから売り出す

同じ土地でも、依頼する会社と準備のしかたで売却価格は変わります。

誰に売るかも、価格を大きく左右します。急いで買取業者に売ると市場の7〜8割ほどに下がりますが、自分の家を建てたい個人に売れば最も高く売れます。

トラフィー

だからこそ時間をかけて準備し、買い手を選ぶのが大切なんだよ!

本記事では、土地を高く売るための準備と会社選びの進め方解説します。

この記事のポイント

  • 公示地価は実勢価格の9割程度で、路線価や固定資産税評価額とは目的が違う
  • 確定測量は民民30〜50万円・官民60〜80万円、売り出し前の着手が望ましい
  • 古家の解体で固定資産税が6倍は理論値、負担調整措置で実際は約3.5倍
  • 売り出し価格は相場より1割高め、土地は成約まで平均90日と最も長い
  • 弱点のある土地は隣地買い増しやセットバックで解消してから売る
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1.自分で土地の相場を調べる

この見出しのポイント

土地を高く売る第一歩は、不動産会社に査定を頼む前に自分で相場を調べ、提示された額が妥当か見極める相場観を持つことです。土地の値段は目的別に何種類もあるため、実際に売れた価格や用途地域もあわせて押さえておきます。

土地の公的価格と実勢価格の比率(実勢価格を100%とした一物五価の図)

土地の値段には、実際の取引で決まる実勢価格のほかに、目的別に公表される公的価格があります。それぞれの主な用途と、実勢価格を100%としたときの水準は上記のとおりです。表のなかの価格名から、各価格を調べられる公式ページに移動できます。

価格の種類 主な用途 実勢価格を100%とした水準
実勢価格 実際に売れる価格 100%
公示地価 売買の客観的な目安 90%程度
相続税路線価 相続税の計算用 70〜80%程度
固定資産税評価額 固定資産税の計算用 60〜70%程度

これらの価格は役割が違うため、売却では実勢価格と公示地価を見て、税金用の路線価や固定資産税評価額は売値とは別に考えます。

実勢価格・公示地価(売却で見る)

実勢価格が判断基準で、公示地価は客観的な目安。両方を見て妥当な売値を判断します。

相続税路線価・固定資産税評価額(税金用、売値とは別)

どちらも税金の計算に使う価格で、売却価格の目安には使いません。

実際に売れた価格は、登録不要で使える国土交通省の不動産情報ライブラリ※2で調べます。

土地は地域差が大きく、直近5年の全国中央値は約1,100万円でも東京都は約5,000万円です。
※2026年6月時点の不動産情報ライブラリ※2のデータを基に筆者が独自で算出

売り出し中の希望価格ではなく、自分の地域の成約価格を必ず確認します。

トラフィー

不動産情報ライブラリは登録なしで誰でも使えるんだ

あわせて、その土地に建てられる建物の種類を定めた用途地域も確認します。住宅向けか商業向けかで、買い手の層も価格も変わるためです。

2.境界を確定して土地を整える

この見出しのポイント

土地は売り出す前に、境界の確定・古家の解体・地盤や土壌の調査まで整えておくと、買い手の不安と追加費用の懸念が消えて高く早く売れます。境界確定と越境の覚書、古家があれば更地化、地盤・土壌汚染・インフラの確認と残置物の撤去が主な準備です。

買い手は「すぐ安心して使える土地」を高く評価します。境界があいまいな土地や、古家や設備の不安が残る土地は、買い手が追加の費用や手間を見込んで価格を低く見積もりがちです。反対に、境界の確定から古家の解体、地盤や土壌の確認まで売主が先回りで整えておけば、買い手は安心して購入を判断でき、値引きの材料も減ります。

ここでは、土地を商品として整える準備を順に見ていきます。

土地を商品として整える準備の流れ(境界確定・解体・地盤調査・残置物撤去)

2-1.境界を確定し、越境の覚書を交わす

土地を売るには、隣地との境目(境界)を測量ではっきりさせるのが前提です。

境界の種類 どんな境界か
民民境界 隣もすべて民間(個人・法人)の土地どうしの境界
官民境界 道路や水路など公有地(国・自治体)と接する境界

買い手が決まってから測量を始めると、官民境界の確定に3か月ほどかかり、決済が遅れて破談につながりかねません。だから売り出し前に着手しておきます。

費用や図面の違い、覚書の要点は次のとおりです。

確定測量の費用:民民30〜50万円・官民60〜80万円

費用は隣地の数や官民境界の有無で決まる。役所の立会いが要る分、高くなりやすい。

確定測量図と現況測量図の違い

売買に使えるのは境界を確定した確定測量図。概測の現況測量図は境界の保証にならない。

越境の覚書

塀や樹木の越境を相互確認し、将来の解消を取り決める書面。買い手のローン審査も通りやすくなる。

確定測量図は査定時の有利な資料になり、実測面積が公簿より大きいと査定額アップにつながります。

2-2.古家があれば解体して更地にする

古家を解体すると土地は売りやすくなりますが、住宅用地特例が外れて固定資産税が上がります

解体費の目安(木造30坪)

120〜195万円ほど※4。構造が鉄骨やRCになると、さらに上がります。

また、「更地にすると固定資産税が6倍」とよく言われますが、これは理論値です。負担調整措置が働くため、市街化区域の120㎡・評価額1,800万円の土地では次のようになります。

古家の解体で固定資産税が約3.57倍に上がることを示した図

状態 固定資産税 都市計画税 合計
住宅用地(古家あり) 4.2万円 1.8万円 6.0万円
更地(非住宅用地) 17.64万円 3.78万円 21.42万円(約3.57倍)

固定資産税は1月1日時点の状態で課税されます。年内の引き渡しに合わせて解体すれば、増税は翌年からに抑えられます。

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1月2日に解体すればその年度は特例が残るんだね

2-3.地盤・土壌汚染・インフラを確認し、残置物を撤去する

地盤・土壌汚染・インフラの状態を売り出し前に調べておくと、買い手の不安と追加費用の懸念を先回りで消せます。

地盤調査は、建物を建てる前提の買い手が地盤の強さを気にするために行います。土壌汚染は、過去に工場・ガソリンスタンド・クリーニング店があった土地で特に注意が必要です。各調査の費用とインフラ確認の要点は次のとおりです。

地盤調査(SWS):5〜10万円程度

半日から1日で完了。家を建てる前提の買い手が地盤の強さを気にする。

土壌汚染調査(フェーズ1):10〜30万円程度

過去の利用履歴を調べる地歴調査。工場・ガソリンスタンド・クリーニング店の跡地で必要になりやすい。

インフラの引き込み

上下水道やガスが敷地まで来ているか確認。引き込みが必要だと買い手の予算を圧迫する。

クリーニング店で使うパークレンなどは土壌汚染対策法※7が定める有害物質にあたり、施設の廃止時に調査義務が生じる場合があります。

雑草や残置物は管理不全の印象を与えます。撤去して第一印象を整えておくのが基本です。

3.値上がり時期を狙って売り出し価格を決める

売り出し価格は相場より1割ほど高く設定し、反応を見ながら3か月をめどに5〜10%下げるのが基本です。

1割の上乗せは交渉の余地のためですが、上乗せしすぎると売れ残ります。反応を見て計画的に下げます。

反応を見る期間

売り出しから2〜4週間の問い合わせ数や閲覧数で判断する。

1回の値下げ幅

5〜10%が目安。2,000〜3,000万円台の土地なら100〜300万円ほど。

効く見せ方

端数を切って価格の位が変わる下げ方が心理的に効きやすい。

売り出し価格の設定と値下げの進め方のタイムライン

価格設定では、土地が売れるまでの時間も押さえます。種別ごとの成約日数は次のとおりです。

種別ごとの成約までの平均日数(土地が最も長い)

土地は、登録から成約まで平均約90日(約3か月)かかるため、早めに動き出します。

売り時を左右するのが需要期と地価です。

  • 需要期:土地が最も動くのは新生活前の2〜3月。この時期の売り出しが有利。
  • 地価動向:2026年の公示地価は全国平均で前年比プラス2.8%※9と5年連続で上昇。ただし都市部(東京圏は前年比プラス5.7%)が伸びる一方、地方には下落するエリアもあり、売り時はエリアで分かれる。
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基準地価とあわせて見ると半年ごとの動きがわかるんだ

4.土地売却に強い不動産会社を選ぶ

この見出しのポイント

同じ土地でも依頼する会社しだいで売却価格は変わるため、土地売却に強い会社を最低3社に査定依頼して比べ、価格と根拠で選びます。査定時に有利な資料を出して評価を引き上げ、2割以上高い釣り査定や囲い込みは見抜き、最も高く買うマイホーム目的の個人につなげます。

同じ土地でも、依頼する会社や売り方しだいで手取りは変わります。会社の選び方、査定額の引き出し方、悪い会社の見抜き方、そして誰に売るかを順に見ていきます。

4-1.複数社に査定を依頼して比較する

査定は無料で何社にでも頼めます。土地売却が得意な会社を中心に最低3社へ依頼し、価格と根拠を比べて選ぶのが基本です。

1社だけだと相場を見誤る可能性があります。査定には簡易な机上査定と現地を見る訪問査定があり、売り出す前には訪問査定で精度を上げます。

会社を選ぶときの目の付けどころは次のとおりです。

  • マンション中心ではなく、土地の取引に慣れた会社を選ぶ
  • 最低3社に査定を依頼し、価格と根拠を比べる
  • 価格の高さより、その根拠を筋道立てて説明できるかを見る

高い査定額を提示されても、その根拠を確認するまでは鵜呑みにしないことが、結果的に高く売るポイントです。

4-2.有利な資料を出して査定額を上げる

査定を待つだけでなく、売主から有利な資料を提示すると査定額を引き上げられます。

会社は限られた情報で査定するため、加点材料を見落とすことがあります。売主から渡すと評価に反映されやすい資料は次のとおりです。

周辺の高額な成約事例

近隣で高く売れた事例は、立地の評価を裏付ける材料になる。

正確な確定測量図

実測面積が公簿より大きいと分かれば、評価を直接押し上げる。

固定資産税の評価証明書

土地の評価額や面積の根拠となり、査定の精度を上げる。

査定額を上げるために売主が出す資料

なかでも確定測量図は効果が大きく、境界の確定で作った図面がここで武器になります。

4-3.高すぎる査定や囲い込みを見抜く

他社の平均より2割以上高い査定は、契約欲しさの「釣り査定」を疑いましょう。物件を抱え込む囲い込みにも注意が必要です。

査定額は会社や担当者の判断で差が出るため、1社だけ突出して高い場合は根拠を確認します。

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1,000万円の物件でも7%違うと70万円。査定の幅は大きいんだよ!

囲い込みとは、売り手と買い手の双方から手数料を得るために他社からの紹介を断る行為です。

釣り査定と囲い込みの見抜き方は、次のとおりです。

釣り査定の見抜き方

他社平均より2割以上高い査定は根拠を確認する。1社だけ突出した高値は警戒する。

囲い込みの見抜き方

レインズの登録証明書で取引状況が「公開中」かを確認。申込が無いのに「売主都合で一時紹介停止中」なら疑う。

囲い込みは2025年1月の制度改正で行政処分の対象になり※11、違反すると指示処分から業務停止、免許取消へと進みます。専任媒介・専属専任媒介の契約後は登録証明書で自分の物件の状態を確認しておくと安心です。

4-4.マイホームを建てたい人に売る

土地を最も高く買うのは、自分で家を建てたいマイホーム目的の個人です。買取は市場価格の7〜8割に下がります。

急がないなら、仲介でエンドユーザーに売るほうが高く売れます。隣地の所有者も、土地を一体で活用できるため高値の買い手になりやすい相手です。売り先ごとの価格と速さを比べると次のとおりです。

売り先 価格水準 現金化スピード
マイホーム目的の個人 最も高い(相場どおり) 遅い(数か月)
隣地の所有者 高くなりやすい 相手しだい
買取業者 市場価格の7〜8割 速い(最短数日)

売り先による価格水準と現金化の速さの違い(仲介と買取)

買い手から届く買付証明書に法的な拘束力はありません。誰に売るかは売主が自由に選べるため、価格と時期のバランスで判断します。

5.弱点のある土地は解消してから売る

形が悪い、私道に面する、再建築不可といった弱点のある土地でも、原因を解消すれば普通に売れる状態に戻せます。弱点は安値の原因ですが、裏を返せば打ち手がはっきりしており、代表的な弱点と対処は次のとおりです。

弱点のある土地と主な打ち手(不整形地・私道・再建築不可)

いずれも「マイナスを消して安値を避ける」打ち手で、結果的に高く売ることにつながります。それぞれの進め方を順に見ていきます。

5-1.形が悪い土地を整える(不整形地・旗竿地)

不整形地や旗竿地は、隣地の買い増しや一部の交換で整形地に近づけると、評価と売りやすさが上がります。

隣地の所有者にとっても、自分の土地が使いやすくなる利点があります。「お互いの土地が活きる」と利点を示すと交渉が進みやすくなります。整形地に近づける代表的な手は次のとおりです。

隣地の買い増し

隣の土地を買い足して間口や奥行きを整え、整形地に近づける。

合筆(がっぴつ)

隣り合う自分の複数の土地を一つにまとめ、使いやすい区画にする。

等価交換

隣地と土地の一部を交換し、互いに使いやすい形に整える。

注意したいのが不整形地補正率です。最大40%減という数字は相続税や贈与税の評価額の話で※12、実際の売値とは別物です。実勢では整形地の7〜8割が一つの目安になります。

5-2.私道に面した土地の承諾を取る

私道に面した土地は、通行・掘削の承諾書を取らないと買い手がインフラを引けず、住宅ローンも通りにくくなります。

ガス・水道・下水を引き込むには私道を掘る必要があり、私道所有者の承諾が必要です。承諾まわりで押さえる要点は次のとおりです。

承諾書がないと起きること

買い手がガス・水道・下水を引き込めず、住宅ローンも通りにくくなる。

停止条件付きの契約

「売主が承諾書を取得すること」を条件に売買契約を結ぶのが実務。

承諾料

私道所有者へ支払うケースもあり、金額は関係性で変わる。

買い手が目的を達せられないため、承諾書の取得は売買契約で売主の義務とするのが一般的です。交渉に時間がかかることもあるので、早めに動き出すのが安全です。

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私道に持ち分があると承諾を得やすいこともあるんだ

5-3.再建築不可を再建築できる状態に戻す

接道義務を満たさず再建築不可の土地は相場の5〜7割が目安ですが、再建築できる状態に戻せば価格を取り戻せます。

建築基準法では、幅4m以上の道路に2m以上接していないと建物を建て直せません※13

接道を満たすための主な打ち手は次のとおりです。

再建築できる土地の接道条件(幅4mの道路に2m以上接する)

セットバック

道路の中心線から2m後退して幅4mを確保し、接道義務を満たす。

43条2項2号許可

建築審査会の同意で建築を認める許可。処理にかかる目安は2〜6か月程度。

隣地の買い増し

隣地を取得して幅2m以上の接道を確保し、再建築できる状態にする。

43条の許可はその建築計画1回限りで、建て替えのたびに取り直しが必要です。許可が1回限りである点を買い手に説明しておくと、後の行き違いを防げます。

まとめ

土地を高く売る方法は、準備と会社選びを丁寧に進めることに尽きます。査定を依頼する前に自分で相場を調べ、買い手が安心して使える状態に土地を整えてから売り出すのが基本の流れです。要点をまとめると次のとおりです。

  • 査定の前に自分で相場を調べ、客観的な相場観を持つ
  • 境界の確定や古家の更地化で、買い手が使える状態に整える
  • 値上がり時期を見て売り出し価格を決める
  • 土地売却に強い会社へ最低3社に査定を依頼し、有利な資料で評価を上げる
  • 形・私道・再建築不可などの弱点は、解消してから売り出す

土地は成約まで平均約3か月かかり、売却には相応の時間が必要です。だからこそ早めに準備を始め、複数の会社を比べることが、売却価格を高める近道になります。

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西山雄介

西山雄介

■肩書:不動産ライター / ディレクター ■保有資格:宅地建物取引士 / マンション管理士 / 管理業務主任者 / 賃貸不動産経営管理士 / 日商簿記2級 / 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 ■プロフィール: 不動産業界歴15年。新卒で東証プライム上場のマンションデベロッパーに入社後、計2社で新築・中古販売および管理業務に従事。実務現場を経て管理職も歴任し組織運営にも携わる。現在はその多角的な視点を活かし、実務解説から不動産投資、法律事務所案件まで、専門性の高いコンテンツ制作・ディレクションを行っている。