マンションの管理規約とは、マンションの管理や使い方について定めた、そのマンションの基本ルールです。
部屋の所有者全員に効力が及び、ペットを飼えるか、リフォームをどこまでできるかなど、購入後や入居後の暮らし方を定めています。
管理規約は、入居時に受け取った規約集で確認できます。
購入前の場合でも、契約までの手続きの中で写しを受け取るのが一般的です。
この記事では、管理規約に書かれている内容や区分所有法・使用細則との関係、確認方法、賃貸に出す場合や違反した場合の扱いについて解説します。
管理規約とは?

管理規約とは、マンションの管理や使い方について定めた、そのマンションの基本ルールです。
部屋の所有者全員でつくる管理組合によって定められています。
管理規約に書かれているのは、マンションの「持ち方」「使い方」「運営のしかた」に関するルールです。
国が公表しているひな形をもとに規約を作っているマンションであれば、おおむね次の内容が定められています。
管理規約に書かれている主な内容
- 専有部分と共用部分の範囲(どこまでが自分の部屋か)
- 敷地や共用部分の使い方
- バルコニー・駐車場などの専用使用のルール
- 部屋を賃貸に出すときの取り扱い
- 管理費・修繕積立金の負担
- 総会や理事会など管理組合の運営方法
- 管理組合の会計(予算・決算)
- 規約に違反した人への措置
管理規約は、マンションが新築で売り出されるときに、分譲会社が原案を用意し、購入者が承認する形で作られるのが一般的です。
作成された規約の内容は、後から変更することもできます。
ただし、所有者の一部だけの判断では変えられません。
規約を変えるには、所有者が集まる総会で「特別決議」という、通常より厳しい多数決を通さなければなりません。
管理規約の変更に必要な決議
総会に出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の賛成(区分所有者総数の過半数かつ議決権総数の過半数の出席が前提)
※2026年9月時点での情報
「ペット禁止をやめてほしい」「駐車場のルールを変えたい」といった希望があるときは、まず管理組合の理事会に相談し、総会に議題として出してもらえるよう働きかけましょう。
管理規約と区分所有法の関係

管理規約とセットでよく出てくるのが、区分所有法という法律です。
区分所有法は、マンションのように1つの建物を複数の人が所有する場合の権利関係を定めた、全国共通の法律です。
管理規約は、この区分所有法にもとづいて各マンションが定めるルールという関係にあります。
法律と規約の内容がぶつかる場合は、法律が優先されます。
| 区分所有法 | 管理規約 | |
|---|---|---|
| 定める主体 | 国 | 各マンションの管理組合 |
| 適用範囲 | 全国のマンション共通 | そのマンションのみ |
| 内容 | 所有・管理の基本的な権利関係 | マンションごとの具体的なルール |
区分所有法には規約でも変えられない決まりがあるため、管理規約は「区分所有法の範囲内で、マンションごとの事情に合わせて定めるルール」と理解しておきましょう。
規約を一から自分たちで作っているマンションはほとんどなく、多くの管理規約は国土交通省が公表しているひな形「マンション標準管理規約」をもとに作られています。
標準管理規約は、区分所有法の改正に合わせて内容が見直されます。
法改正のニュースを見かけたら、自分のマンションの規約が古いままになっていないか確かめるきっかけにしましょう。

標準管理規約は国土交通省のサイトで誰でも読めるから、自分のマンションの規約と見比べてみるのもおすすめだよ!
管理規約と使用細則との違い

管理規約とよく似たものに「使用細則」があります。
どちらもマンションのルールですが、「使用細則」ではより細かく、日常におけるマンション使用のルールを具体的に定めているものが多いです。
| 管理規約 | 使用細則 | |
|---|---|---|
| 位置づけ | マンションの基本ルール | 規約にもとづく日常の細かいルール |
| 内容の例 | 共用部分の範囲、管理費の負担、総会の運営 | ペット飼育、駐車場の使い方、リフォームの手順 |
| 変更に必要な決議 | 出席した区分所有者と議決権の各賛成(特別決議) | 出席者した組合員の議決権の過半数の賛成(普通決議) |
| 根拠となるルール | 区分所有法 | 管理規約 |
管理規約がマンションの「憲法」だとすると、使用細則は憲法の中身を日常の決まりごとに落とし込んだものです。
使用細則は管理規約の範囲内で定められ、規約よりも通しやすい多数決で変えられます。

日常のルールを見直したいときは、規約を変えずに使用細則の改正だけで済むこともあるよ。
ペットやリフォームなど暮らしに直結するルールを調べたいときは、管理規約と使用細則の両方に目を通しましょう。
管理規約の確認方法

| タイミング | 確認方法 |
|---|---|
| 入居後 | 入居時に受け取った規約集で確認 (なくした場合は管理組合の理事や管理会社に相談) |
| 入居前 | 契約までの手続きで受け取る写しで確認 (早く知りたい場合は仲介会社に取り寄せを依頼) |
すでに住んでいる人なら、管理規約は手元にあるはずです。
分譲時や購入時に、規約と使用細則をまとめた冊子を渡されているのが一般的なので、入居時に受け取った書類一式の中に管理規約集が入っていないか確認しましょう。

もしなくしてしまっていた場合は、管理会社に相談すれば確認できるよ!
購入前であれば、契約までの手続きの中で管理規約について説明を受ける機会があります。
その際に、管理規約の写しも渡されるのが一般的です。
それより早い段階で中身を知りたいときは、仲介の不動産会社に、管理会社からの取り寄せを依頼してみましょう。
マンションを賃貸に出すと管理規約はどうなる?

所有している部屋を賃貸に出しても、管理規約の効力はそのまま引き継がれます。
区分所有法で、借りて住む人にも部屋や共用部分の使い方について規約に従う義務が定められているためです。
規約が引き継がれることによる影響は、借りる側・貸す側それぞれにあります。
- 借りて住む人への影響
-
部屋や共用部分の使い方のルールは、借主にもそのまま適用されます。違反をくり返して共同生活への影響が大きいときは、最終的に賃貸借契約の解除と退去を求められることもあります。
- 貸す所有者への影響
-
借主が規約に違反したとき、所有者も管理組合から対応を求められます。また、管理費や修繕積立金を払う義務は、貸したあとも所有者に残ります。
トラブルを防ぐには、契約前に借主へ規約と使用細則の内容を伝え、賃貸借契約書にも「規約を守ること」を条件として書き込んでおきましょう。
管理規約に違反した場合はどうなる?

規約に違反しても、いきなり退去や訴訟になることはまれで、たいていは注意や勧告から順を追って対応されます。
違反したときの対応は、管理規約そのものに書かれているのが一般的です。
国のひな形をもとに作られたマンションであれば、違反した人への勧告や指示、法的措置についての条項が置かれています。
規約違反への対応の一般的な流れ
1. 管理組合や管理会社からの注意・勧告
2. 書面での警告
3. 理事会や総会の決議を経て行われる、違反行為の停止を求める訴訟などの法的措置
それでも違反を放置し続けると、区分所有法にもとづいて、部屋の使用禁止や競売を求められることもあります。
借りて住んでいる人であれば、賃貸借契約の解除と退去を求められることもあります。
ただし、注意や勧告を受けた時点で対応すれば、大ごとになることはほとんどありません。
規約の解釈に納得できないときも、通知を無視するのは避けましょう。
管理組合との話し合いや、マンション管理士などの専門家への相談で解決を図るのが安全です。
まとめ
管理規約は、マンションの持ち方・使い方・運営のしかたを定めた、所有者全員に効力が及ぶ基本ルールです。
区分所有法の範囲内でマンションごとに定められ、日常の細かいルールは使用細則が受け持ちます。
購入前なら重要事項説明のときに写しが渡され、入居後なら手元の規約集や管理会社への問い合わせで確認できます。
賃貸に出しても効力は引き継がれ、違反すれば借主でも退去につながることがあります。
購入・入居・賃貸のどの場面でも、まず規約を確認することが、マンションでの暮らしと資産を守る第一歩です。